ライニング鋼管

ライニング鋼管とは

ライニング鋼管

ライニング鋼管とは、鋼管に内面、外面もしくは両面に耐食性の素材を被膜した鋼管のことです。

配管として使用する場合はテフロンや硬質ゴム、または樹脂などをそのまま使用したほうが安上がりのように感じますが、基本的にこれらの樹脂やゴムは配管としての強度が劣っています。

しかし、鉄のままでは薬品に対する耐久性が著しく低下してしまいます。その為、両方の性能を追求するために使用されるのがライニング鋼管となります。主に内面ライニングは塩酸などの配管や多種多様の液体が通るラインでの耐久性も求められるラインに使用され、外面ライニングは埋設配管や腐食しやすい海岸線のプラントに使用されます。

ライニング鋼管の使用用途

ライニング鋼管が使用されるのは主に薬品が流れるラインです。使用する場所では小径配管のため塩ビ配管等でも問題ないですが、各部へ搬送する配管は大きく、破損や液漏れが生じた場合のリスクが非常に高いです。そのため、単一の薬品だけでなく多種多様な薬品が流れるラインや、高温で圧力の高いラインに使用されます。

強度を補うために鋼管の内部にテフロンや塩化ビニルでライニングすることで、テフロンや塩ビだけでは使用できない高温、高圧下でも配管として使用することが可能です。

ライニング鋼管の性質

ライニング鋼管の性質は下記の通りです。

1. 耐食性

内面、外面を耐食性のある材料で覆うので酸、アルカリ、塩など化学物質に対して高い耐久性を持ちます。薬品以外でも埋設の水配管では腐食が進むとメンテナンスが容易ではないので長期間使用する場所にも使われます。

2. 高強度

鋼管を使用しているので樹脂配管だけでは使用できない、高圧高温化でも使用できます。

3. 摺動性

粘度の高い物質は配管内に付着しますが、ライニング加工で摩擦係数を下げて付着率を軽減できます。

4. 清潔性

内面がなめらかで汚れが付きにくく、金属部の腐食による錆やゴミ発生が軽減されます。

5. 施工が容易

専用の継ぎ手を使用すると継ぎ目の接液も最小限にできます。一般的なネジ込み配管と同様に、ネジ切り機の付属リーマで面取りをすれば使用できます。

ライニング鋼管の構造

規格品として販売されているものもありますが、大口径や特殊品は随時ライニング加工をする必要があります。

ライニングは金属配管の内部の汚れ、油分、水分を除去します。次にライニング液を調合し配管の片側から注入し、ライニング液が漏れ出ないように配管出口は塞ぎます。

配管全体に液がいきわたる様に傾けたり回転させ温度、湿度などの条件を整えて硬化時間まで静置します。硬化が完了したら専用装置で穴や欠陥がないか検査し、仕上げにライニング剤の残留物を除去します。フランジ構造であれば一体のライニング加工が出来ますが、現場施工では専用のネジ込みエルボなどを使用すれば容易に施工できます。

素材によっては内部に接着剤や成形炉で密着させる方法もあります。しかし、これらも一長一短であるので実際に制作してもらう際には施工会社と十分に協議したうえで決定することが必要です。

ライニング鋼管の種類

ライニング鋼管の種類は下記の通りです。

1. テフロン (PTFE)

一般的なライニング素材で耐食性、耐久性、耐熱性を持ち多く使用される。配管に限らず専門ライニング会社が多数存在しています。

2. エポキシ樹脂

耐食性が強く、耐久性、耐熱性を持つので水処理や化学プラントなどの薬品輸送に使用する。低粘度で流動性が高く複雑な形状にも適用可能で配管以外にも広く使用されています。

3. ポリエチレン

耐食性、耐久性があり、低コストで入手しやすく、加熱による加工性が高いため低圧の輸送に広く使用されています。

4. 塩化ビニル

安価で耐久性があり、錆などによる異物混入を防ぐ目的で古くから水道用ライニング鋼管 (VLP) などで使用されており、ネジ込み加工も容易で施工しやすいです。

5. ガラスやセラミック

加工が難しく製造コストが高く、割れやすいが高温、耐食性、流動抵抗が小さく特殊用途向けで使用されます。

参考文献
https://www.yodogawa.co.jp/technology/17.html
http://www.ohji-rubber.co.jp/lining_info/what’s_rl.htm

モーターローラー

モーターローラーとは

モーターローラーとは、回転させて使用する円筒形状のローラー内部にモータと減速ギアが内蔵されたローラーです。

力を外部から加えることで回転するフリーローラーと異なり、内部に組み込まれたモーターの駆動力によって本体が自動で回転します。そのため、コンベアのローラー部分にモーターローラーを組み込むと、駆動力をローラーと別に設置する必要がないため、コンベアがコンパクトになります。稼働音が小さく電動で回転するため衛生的です。

モーターローラーの使用用途

モーターローラーは、外見はフリーローラーと同じで取り付け作業も容易なため、コンベアなどに同じ寸法のものと組み合わせて使うことが可能です。

モーターローラーの停止と作動を切り替えるとコンベアの動きが制御されます。駆動力の大きさや電流量を変えることで、様々な用途に合わせた種類を展開しています。例えば、低電流で動くタイプは焼付などが起こらないため長時間の使用に適しており、駆動力が大きいタイプは搬送物の重量が大きい場合に適しています。

モーターローラーの原理

モーターローラーは、内側の軸が固定された状態で外周の円筒が回転することで動作する構造です。

ころの原理によって小さな力で大きな輸送物を運ぶことができます。外から力を加えることによって動くフリーローラーと、自動的に動くことができるモーターローラーを合わせて使うことで、モーターローラーからフリーローラーへ力が加わって輸送物を送り出すため、適切な本数を計算して組み合わせます。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/787/
https://www.okurayusoki.co.jp/product/conveyor/motorroller/
https://www.taiyokogyo-kk.co.jp/news_detail_30.html
http://www.maruyasukikai.co.jp/seminar/period3-2.html

マシンハッチ

マシンハッチとはマシンハッチ

マシンハッチは建物の中に大きな機材などを搬入するための専用の扉のようなものとなります。

なぜ「扉のようなもの」と記載したかというと「ハッチ」という名前が示す通り必ずしも扉ではないからです。

研究所や工場などでは必ずしも機器の搬入をしてから屋根の工事などが進むわけではありません。その多くが建物ができてから機器の搬入や据付を行っていきます。その為、機器搬入のための専用のルートが必要ですが、建物の中や地下にアクセスする為の専用の扉などをマシンハッチと呼びます。

マシンハッチの使用用途

マシンハッチは普段は基本的に使用されることはありません。マシンハッチが使用される時は機器の搬入や搬出の時のみとなります。

その為、マシンハッチが使用されるのは工場や研究所を立ち上げたときや大きな設備更新があった場合のみとなります。

もちろん人の出入りもマシンハッチからも可能ですが、マシンハッチは基本的には頑丈で重い扉ですので開閉するのは大変です。

また地下へのマシンハッチに関しては基本的に階段などはなくチェーンブロックやウインチで機器を下ろすので、マシンハッチから地下への出入りは非常に難しいです。

マシンハッチの原理

マシンハッチは工場や研究所の建屋を設計する際に同時に設計されます。基本的には建屋の一部となるからです。

その為、工場や研究所を建設する際にはその中にどのような機器を入れるのかをしっかりとリストアップしておく必要があります。もちろん、正確な寸法が必要です。

マシンハッチを作ったのに入れることができなければ意味がないからです。

同様に地下への搬入に使用するマシンハッチについても、大体が専用のウインチやチェーンブロック、移動用にメンテナンスレースなどを取り付けるので正確な重量が必要です。もし、耐荷重を越えて使用すれば大きな事故が起きかねません。

同様にマシンハッチをどこに設置するかも非常に重要です。屋外からの搬入口として使用するマシンハッチであれば広いスペースが必要です。地下への搬入口として使用するマシンハッチであれば、搬入経路に設置する必要があります。しかし、もしそこが通路でありフォークリフトなどを使用する可能性があるのであれば、耐荷重も考慮する必要があります。

参考文献
https://www.kishisangyo.com/contents/products/syudoryo.html

パワーコンディショナ

パワーコンディショナとは

パワーコンディショナ

パワーコンディショナとは、ソーラーパネルで発電した電力を商用交流電源に変換するインバーター機器です。パワーコンディショナは太陽光発電のシステム制御も担っています。システム制御用としては以下の機能を備えています。

  • 発電効率が最大化するように調節する機能
  • 電力会社との系統連系や解列を制御する機能

後者により、トラブル時に電力会社へ波及事故が発生するのを防ぎます。パワーコンディショナの性能評価は変換効率によって示されます。変換効率が高いほど高価ですが、一般には95%前後という高水準です。

パワーコンディショナの使用用途

パワーコンディショナは太陽光発電において使用される機器です。ソーラーパネル設置場所では産業用か民家屋根置きかを問わず、ほとんどの場合でパワーコンディショナが使用されます。

パワーコンディショナは系統連系や解列に関する制御も担います。バッテリーと併用すれば、災害や停電時に自立運転をする非常電源として使用可能です。

パワーコンディショナの原理

一般に、電力会社は交流電源を送電します。太陽光発電による電力は直流電源であるため、パワーコンディショナによって直流電源から交流電源に変換させる必要があります。

パワーコンディショナは直流/直流回路、直流/交流回路、遮断回路などから構成されます。

  • 直流/直流回路
    ソーラーパネルから送電される電力は不安定なため、直流/直流回路で平滑化して安定させます。
  • 直流/交流回路
    直流/交流回路では、平滑化された直流電源の正負を高速で切り替えて交流電源へ変換します。
  • 遮断回路
    太陽光発電システムに異常が発生した場合には、遮断回路で遮断して上位への波及事故を防ぎます。

上記原理によって交流電源に変換された後は分電盤へ送られ、使用可能となります。

太陽光発電システムでは天候や日照時間に応じて、発電電力が変化します。パワーコンディショナーが最適な電流・電圧に制御することで、太陽光を最大限使用できるように調整しています。

パワーコンディショナのその他情報

1. パワーコンディショナの寿命

パワーコンディショナの寿命は、設置環境などによって異なりますが、一般的に10~15年程度です。ソーラーパネルの寿命は20~30年程度とされています。パワーコンディショナはソーラーパネルと比較して短命です。

理由として、内部冷却用ファンモーターなどの可動部分が摩耗劣化することが挙げられます。対して、ソーラーパネルは半導体によって発電しており、可動部分がないため長命です。

2. パワーコンディショナの故障

パワーコンディショナの故障原因は、「施工時の接続不良」「経年や熱による部品劣化」「外部環境による部品劣化」の3つが主に考えられます。

施工時の接続不良
施工時の接続不良のケースでは、ケーブル端子部の接続不良によって発熱し、ケーブルが地絡・溶断します。未然に防ぐためには、徹底した施工管理が必要です。

経年や熱による部品劣化
経年や熱による部品劣化は、パワーコンディショナに限らず電気製品に共通する故障原因です。稼働時間が長いとファンなどの摩耗劣化が進行して故障原因となります。フィルターの定期清掃や定期注油などのメンテナンスによって長寿命化可能です。

外部環境による部品劣化
外部環境による部品劣化のケースとは、風雨や獣害・虫害によるパワーコンディショナの故障です。例としては、雨水や粉塵による電気回路の短絡故障や、小動物侵入による短絡・断線故障が挙げられます。上記事故を未然に防ぐためには、侵入経路を徹底的にシールすることが重要です。

参考文献
https://rakuene-shop.jp/columns/2426/
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/003212.php
https://sumai.panasonic.jp/solar/high_pc.html
https://rakuene-shop.jp/columns/2426/

静電気防止剤

静電気防止剤とは

静電気防止剤とは、機材や衣類などの対象物に塗布や練り込むことで、対象物が静電気を帯びることを防ぐものです。

静電気が発生すると、対象物が空気中のゴミやチリを集めて堆積したり、静電気による放電を起こし機材の中の半導体部品などを破損したりします。最悪の場合、発火して火災に至る可能性もあります。

静電気防止剤は、この様な静電気を原因とした、さまざまな不具合を回避するために使用されます。

静電気防止剤の使用用途

静電気防止剤の使用用途としては、最終製品の静電気発生を防止する目的と、工業製品の生産工程での静電気発生によるトラブルを防止する目的の2つがあります。

1. 製品の静電気発生防止

  • 家具、衣類へのホコリの付着防止や静電気防止
  • 家電、電子機器などのホコリ付着防止や、静電気による破損、誤作動防止
  • 車のプラ部分各所、室内内張、エンジンカバー、エアクリボックス内側吸入部分の静電気除け
  • 電子機器搬送ケースや緩衝材の帯電防止
  • フィルムなどの付着防止
  • 粉末をいれる袋への粉末の付着防止

2. 生産工程での静電気発生防止

  • 繊維製造工程での紡糸、延伸、紡績工程での帯電防止
  • フィルム製造工程での、フィルム同士の張り付き防止

静電気防止剤の原理

静電気防止剤は、プラスチックへの塗布、または練り込むことで、対象物のイオン伝導性を向上させています。イオン伝導性が向上すると、静電気が発生しにくくなるためです。

静電気防止剤はスプレータイプのものが一般的には良く知られていますが、界面活性剤を含む洗剤も静電気防止剤の1つと言えます。家庭用の衣類の洗剤には、界面活性剤が使用されています。従って、洗濯した後の衣類は静電気が発生しにくい状態です。

静電気防止剤は、扱う対象の機器や衣類等それぞれに合ったタイプのものが用意されています。

静電気防止剤のその他情報

1. 衣類の静電気防止剤

日常的に着用する衣類の場合は、界面活性剤を含む洗剤や柔軟剤が静電気防止剤の役割を担います。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤の4つがあります。なかでも静電気防止剤の用途としてよく使用される界面活性剤は、カチオン界面活性剤です。

カチオン界面活性剤は、溶液中でプラスイオンに電離する界面活性剤です。柔軟剤の主成分としてよく用いられています。柔軟剤を入れた洗濯物は乾燥すると、繊維表面が摩擦抵抗が小さくなることで、静電気の発生を軽減します。

さらに、界面活性剤は衣類表面の親水性を向上させるため、水分子も強く結合しやすくなります。静電気が発生しても、水分子を通して流れることで、静電気が溜まるのを防止できます。

2. アクリル板への静電気防止剤の適用時の注意点

アクリル板は、静電気が発生しやすい素材です。特に静電気が発生しやすい冬場には、アクリル板を使った製品に埃やゴミが付着してしまい、なかなか除去できないことがよくあります。

静電気の発生を防ぐ方法としては、静電気防止剤を含んだ水溶液をスプレーする方法です。最初に大きな埃やゴミは除去しておき、その後でスプレーを適量塗布して柔らかい布で拭き取ります。

静電気防止剤を含むスプレーの中には、アクリル板を侵すものがあるので、その点は注意が必要です。購入の際にはアクリル板に使用できる製品であるかを確認する必要があります。

3. 生産現場での静電気対策

静電気防止剤は静電気の発生を防ぐ目的で使用されますが、工場などでの静電気の発生は深刻な問題です。電子部品を含む製品が、静電気により内部基板上の一部の部品が破壊されることなどが考えられます。

この様な事態を回避するために、静電気の発生を防ぐための取り組みがなされています。

湿度管理
工場内の湿度を高めに設定して、一定の湿度で工場内を管理し、機器類の表面の電気抵抗を下げることができます。

除電棒
アーシングした金属製の棒を、各所に設置し、作業する人間がこれに触れることで作業者に帯電した静電機を逃がすことができます。

導電性マット
導電性マットを敷くことで、仮に作業者が帯電しても導電性マットを経由してアースに静電気を逃がすことができます。必要に応じて、製品や摺動部分など静電気が発生しやすい箇所に、静電気防止スプレーを使用して静電気の発生を防ぎます。

参考文献
https://www.trade-sign.com/magazine/1633/
http://www.nissin-kk.co.jp/product/taiden.html
https://axel.as-1.co.jp/contents/ap/static_elimination
https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html
https://www.kao.com/jp/qa/detail/16543.html
http://www.rencontre-semi.jp/blog20180911/

撹拌機

撹拌機とは

攪拌器

撹拌機とは、目的を達成するために物質を混合させる機械です。撹拌機はモーターからの回転エネルギーを槽内へ伝達します。エネルギーは主に、槽内全体の循環流を生み出す吐出作用と、局所的な剪断力をかける剪断作用に使用されます。

撹拌翼は、撹拌機の構成要素の中でも最も重要です。最適な撹拌翼の形状は、吐出作用と剪断作用のどちらを優先するか、物質の粘度がどれぐらいかによって異なります。代表的な撹拌翼は、プロペラ翼、タービン翼、アンカー翼、パドル翼、リボン翼です。

撹拌機の使用用途

撹拌機は産業分野において、物質を混合させる際に使用されています。比較的大きな工場では、撹拌槽の容量は大きく、それに伴い撹拌に要する時間も多くなります。一方で、小型の撹拌機は実験室レベルから工場現場など容易に使用できるもので、短時間での撹拌が可能です。

小型の撹拌機は、撹拌槽の容量として、20〜3,000Lの範囲で使用するものが多く、撹拌翼も容量に応じてサイズが設定されています。大型の撹拌機は、工場レベルで使用するもので、10,000L以上のレベルで大規模になります。よって、撹拌槽を複数で設置する、効率よく稼働できる撹拌機を使用するなど工夫しなければなりません。

撹拌機の原理

撹拌機における物質の状態

槽内を混合させるには拡散と対流が必要です。拡散は分子運動によって自然に、細部まで均一に混合していく現象を表します。一方、対流は異なる物質同士を槽内で引き伸ばしたり分割したりして、広い空間として捉えた場合に、その空間全体に物質が分散する現象を表します。

撹拌機での撹拌現象

2種類の液体が槽内に2層で存在すると仮定します。モーターの力により撹拌翼が回ると、まず強制的に液体を細かく分散させます。ドレッシングを使用する前に振る時と同様のイメージです。

撹拌翼の形状により、撹拌翼に接触した液が上下左右に流れを作ることで、撹拌翼特有の挙動へと変化します。例えばパドル翼は傾斜が付いていて、上下方向にもより流れを作ることができる形状です。また、タービン翼は円盤に取り付けたブレードが槽内で高速回転し、高い剪断力を生み出しています。

撹拌機の動力

モーターが回転することで軸に動力が伝わります。その際に減速機を付けていれば、減速機に応じた減速とトルク上昇が可能です。また、軸封装置により、回転を妨げずに槽内を密閉できます。軸封装置は一般的に、グランドパッキンメカニカルシールが用いられています。

撹拌機の種類

撹拌機の構成

撹拌機は、石油精製や石油化学プラントをはじめ、化粧品、食品に至るまで多くの産業で使用されています。撹拌翼の取り付けを含めて構造がシンプルでコスト的に有利であるため、導入される産業が多様です。

撹拌機の構成は撹拌槽と呼ばれる原料を入れる部分と、撹拌翼、回転させるモーター、そして、撹拌翼に動力を伝える軸とシンプルです。

撹拌機の槽型

撹拌機では、先に述べた構成の中で、原料を投入する部分によって、槽型装置と管路型装置、その他の装置と3種類に分けられます。槽型には、一方回転型、往復反転型、上下運動型があります。その中でも一方回転型は、さらに縦型、底面型、横型、可搬型に分類可能です。

一方回転型の詳細

一方回転型の縦型は、撹拌翼の据付位置・角度によっても分けられます。撹拌翼が中心・垂直の据付、偏心・垂直の据付、偏心・傾斜の据付などに分類します。

同様にして一方回転型の横型でも撹拌槽の槽壁に水平に翼を据え付けるタイプと傾斜をつけるタイプがあり、どちらも撹拌翼は槽の底部に設置される場合が多いです。一般的に横型の撹拌翼は、主に貯蔵タンクやブレンドタンクに利用されます。これにより、タンクの底部から流入した流体の撹拌を行い、濃度や温度を均一にできます。

撹拌機のその他の情報

撹拌翼の種類

物質の低粘度域で用いられる撹拌翼は、プロペラ翼、タービン翼、パドル翼です。一方、物質の高粘度域で用いられる撹拌翼は、アンカー翼とリボン翼です。高粘度液の均一化や熱交換に用いられます。

低粘度域で用いられる撹拌翼

プロペラ翼は一般的な撹拌翼で、ヘリコプターのプロペラに類似した形状です。タービン翼は円盤にブレードを付与した形状で、剪断力が高く、液滴の微細化や気液分散に向いています。パドル翼は船のオールに類似した形状で、シンプルであることから、基本的な撹拌データを取得する材料として広く用いられています。

高粘度域で用いられる撹拌翼

アンカー翼は船の錨のような形状で、軸方向への流れができにくい点がデメリットです。リボン翼は構造が複雑化しており、その分軸方向への流れを形成できます。

参考文献
https://www.mizuho-ind.co.jp/labo/about/basic_knowledge_03_13/
https://www.satake.co.jp/research/technical/about_mixer/
https://www.inouemfg.com/kakuhanki/
https://www.shi-pe.shi.co.jp/technology/mixing-lecture/basic001/index.html

 

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ダウンコンバータ

ダウンコンバータとは

ダウンコンバータとは、高い周波数の信号を低い周波数へ変換する装置のことです。

例えば、マイクロ波をミリ波へ変換して、従来からのミリ波用の計測装置を使えるようにできます。あるいは高解像度の映像を低解像度の映像へ変換するもダウンコンバータです。

ダウンコーバータによって、4K解像度の放送を従来の地上波デジタル放送用の受像機で表示させるようなことができます。

ダウンコンバータの使用用途

ダウンコンバータは、多くの技術分野で広範囲に使用されています。

1. 衛星通信

ダウンコンバータは、衛星通信で最も一般的に使用されます。衛星からの信号は非常に高い周波数で送信されるため、そのままでは多くの機器で扱うことができません。

ダウンコンバータはこれらの高周波数の信号を、より取り扱いやすい低周波数の信号に変換します。

2. テレビ・ラジオ放送

テレビやラジオの放送でも、ダウンコンバータは重要な役割を果たします。放送局から送信される信号は、一般的に高周波数で送信され、ダウンコンバータを通じて低周波数に変換し、視聴者や聴取者のデバイスで映像や音声になるようにします。

3. モバイル通信

モバイル通信でも、ダウンコンバータは不可欠です。携帯電話に使われる電波は高周波数で、これを携帯電話が理解できるように低周波数に変換する必要があります。これにより、音声通話、テキストメッセージ、インターネット接続などのモバイル通信サービスが可能となります。

4. レーダーと無線測位システム

レーダーシステムや無線測位システムでは、ダウンコンバータが、送信された高周波数の信号を解析可能な低周波数の信号に変換します。これにより、航空機の位置や速度、天候の情報など、さまざまなデータを正確に取得可能になります。

5. 新世代と従来世代の互換性

テレビがアナログ放送からデジタル放送へ変更になった際に高解像度になり従来のモニターが使えなくなるのをダウンコンバータにより継続して使えるようにしています。

 

以上のように、ダウンコンバータは、日常生活から専門的な産業まで、あらゆる場面で信号処理に不可欠な役割を果たしています。

ダウンコンバータの原理

ダウンコンバータは、基本的に「混合器」や「ミキサー」とも呼ばれる電子デバイスであり、高周波数の信号をより取り扱いやすい低周波数に変換します。

1. 混合器の役割

混合器は、ダウンコンバータの中心となる部分で、2つの入力信号を受け取ります。その1つは受信信号 (高周波数) で、もう1つは局部発振器 (LO) からの信号です。

局部発振器は一定の周波数で発振するように設計されており、この振動が混合器で受信信号と「混合」されることで、新たな周波数の信号が生成されます。

2. 信号の変換

混合器で混合されると、元の高周波数信号と局部発振器からの信号との間で「差」が生じます。具体的には、2つの信号の周波数が相殺し合うことで、新たな信号が生成されます。

この新たな信号は、「差分周波数」または「中間周波数: IF」と呼ばれ、元の高周波数よりもはるかに低い周波数になります。

3. 信号のフィルタリング

中間周波数 (IF) に変換された信号は、次にフィルタに送られます。このフィルタは、新たに生成された信号から不要な成分やノイズを除去し、必要な情報だけを残します。

これにより、新たな信号は元の情報を保持しながらも、より扱いやすく、より安定した形で利用可能となります。このように、ダウンコンバータは高周波数の信号を取り扱いやすい形に変換し、情報を維持しながら効率的に信号を処理するのが役割です。

ダウンコンバータの種類

ダウンコンバータの種類は、以下のとおりです。

1. RFダウンコンバータ

RFダウンコンバータは最も一般的なタイプで、高周波数のRF信号を低周波数の信号に変換します。これは通信、放送、レーダーシステムなどに広く使用されています。

その機能は基本的に、高周波数の信号をより取り扱いやすい中間周波数に変換して、後続の信号処理システムで扱える形にします。

2. ブロックダウンコンバータ

ブロックダウンコンバータは、主に衛星通信システムで使用されます。衛星から送られてくる非常に高い周波数の信号を、より取り扱いやすい周波数に変換します。

ブロックダウンコンバータは通常、パラボラアンテナの近くに取り付けられ、ダウンリンク信号の初期ステージでの周波数変換を担当します。

3. ダウンスキャンコンバータ

ダウンスキャンコンバータは、高解像度の映像信号を低解像度の映像信号へ変換する装置です。

ステンレスフレキ

ステンレスフレキとはステンレスフレキ

ステンレスフレキとは、材質がステンレスのフレキ管です。

特に指定がない場合は、金額面の観点から鉄製配管が用いられますが、錆を防止したい場合はステンレス管が用いられます。またステンレスの中にも種類があり、細かい用途や予算に応じて使い分ける必要があります。

フレキ管の構造としては、波付パイプの周りにブレードが巻き付いている状態です。ブレードはステンレス線を編み込んだ編成ステンレス線と呼ばれるものです。フレキ管の耐圧強度を高めるのに使います。

ステンレスフレキの使用用途

消防法ではタンクが沈下した場合や地震が起きた場合を考え、危険物配管にはステンレスフレキを取り付けて逃がしを設ける必要があると定めています。また、配管を据え付け、最後に全体を繋ぎこむ際の寸法誤差の逃がしのためにも使われます。

ステンレスの表記は、SUS (StainLess Steel) の後に数字がきます。耐薬品性が低い順に、SUS430→SUS304→SUS316→SUS316Lです。配管用途以外も含めてSUS304が一般的となっています。化学薬品や海水などを扱う場合は、更に耐薬品性のあるSUS316を用います。医薬品や化粧品などでは、SUS316Lを用いる場合が多いです。

ステンレスフレキの原理

錆は鉄が空気中の酸素と反応し酸化鉄になることが原因です。そこで、ステンレスは中にクロムが入っており、鉄より先にクロムが空気中の酸素と結合することで錆を防止します。クロムが酸化すると、表面に数ナノメートル程度の不動態膜を形成され、不動態膜は化学変化しづらいため鉄と酸素が結合するのを防ぐのが役割です。

SUS304はクロム18%、ニッケル8%が含有しており、18-8ステンレスとも呼ばれています。ニッケルは不動体膜を更に形成しやすくする効果を持ち、更にニッケルを増量し、モリブデンを追加したステンレスがSUS316です。

モリブデンの効果により不動体膜が厚くなることで耐食性を増加させます。SUS316をより強力にしたものがSUS316Lです。炭素含有量を減らしたことで溶接部分の腐食性を低下させる性能があります。

ステンレスフレキの種類

1. 一重層ステンレスフレキ

一重層ステンレスフレキは、ステンレス鋼の単層のホースで構成されています。耐食性に優れ、高い耐圧性を持つため、一般的な用途としては、蒸気、ガス、液体の配管や排気システムなどで使用が可能です。また、適度な柔軟性を持つため、曲げや振動の多い場所でも適しています。

2. 二重層ステンレスフレキ

二重層ステンレスフレキは、内側に薄いステンレス鋼のホースを被せた構造です。この内側のホースは耐食性に優れているため、高い耐久性を持ちつつ、外側のホースに比べて柔軟性があります。

そのため、振動や衝撃が多い場所での使用や、高温や高圧の環境にも適が可能です。加えて、二重層構造により、耐熱性や耐摩耗性も向上しています。

3. 波形ステンレスフレキ

波形ステンレスフレキは、波形状のホースを重ねた構造を持っています。この波形状のデザインにより、フレキシブル性が高まり、複雑な形状や曲げが必要な場所での使用が可能です。

特にエンジン部分や車両の排気システム、機械装置などで広く利用されます。また、独自のデザインにより、外観にも美しさを持たせることができます。

4. 耐震ステンレスフレキ

耐震ステンレスフレキは、地震などの振動に対応するために特別に設計されています。耐震用のゴムや金属の振動吸収材を組み合わせることで、耐震性が向上しています。建築物や橋梁、鉄道車両などの地震による構造の振動に対応する必要がある場所で利用可能です。

5. 高真空ステンレスフレキ

高真空ステンレスフレキは、超高真空環境での使用に適しています。特殊な真空環境においても、ガスの漏れを防ぐために高い気密性が求められますが、ステンレスフレキはその優れた耐圧性と気密性により、高真空システムにおいて信頼性が高いです。

参考文献
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/sus-rust/
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/sus316l/
https://www.nfk-jp.com/flow/

シグナルジェネレータ

シグナルジェネレータとは

シグナルジェネレータとは、電子測定で被測定回路を動作させるために使用する機器のことです。

信号源を作る役割があります。現在では、様々な波形を生成するためにデジタル技術をベースとしてシグナルジェネレータの機器設計されているのが主流です。

シグナルジェネレータで生成できるのは理想的な形だけではなく、既知の歪みの量と種類を再現し、それらを出力波形に加算することも可能です。被測定回路だけでは必要とする歪みを必要なタイミングで再現することができない場合もあります。

歪みのある信号を供給し、その応答を観察することで通常の性能範囲を超えるストレスがかかった時の耐久性を調査することができます。

シグナルジェネレータの使用用途

シグナルジェネレータは、回路の設計検証や解析、各種実験用途、さらに生産現場では製品のテスト信号として製品検査などにも使われています。製品のテスト信号として使う場合は、標準となる信号発生器を常に用意することが大切です。

これと比較しながら定期的に校正をかけて、シグナルジェネレータの出力を調整すします。シグナルジェネレータが生成する波形には、一般的に方形波や矩形波、三角波、のこぎり波、サイン波なをを基本として数十種類以上もあります。さらに、理想的な波形のみならゆがみやノイズを付加することにより、一層現実の波形に近い条件を作り出し、精度の高い設計に貢献します。

シグナルジェネレータの原理

シグナルジェネレータは、前述の通り設計した回路やシステムの検証うことで、仮想的な入力信号を疑似的に作り出し、これを機器に入力し不具合の検出を行います。

その結果を踏まえ、再度、回路の見直しを行うというトライアンドエラーのサイクルを回し機器の設計完成度を上げていきます。

1. 設計段階での検証

一般的に機器の設計は回路ブロック単位で行います。単一回路ブロックの設計終了後に検証を行う場合、入力信号が必要となりますが、設計の初期段階では、接続相手の回路が存在しません。

このような場合にシグナルジェネレータから必要な信号を作り出して、設計完了した回路に入力することで検証作業を行います。

2. 製品完成時での検証

個々の回路ブロックの設計が完了し、製品として組み上げた場合にも同様にシグナルジェネレータから生成された信号を入力して試験を行います。この際、理想的な入力信号のみでなく、実際のユーザの使用環境下において発生する可能性のある信号のゆがみやノイズを付加して検証作業を行います。

 

以上の通り、シグナルジェネレータは設計の初期段階から設計完了間際まで、更には生産時のテストに至るまで幅広い範囲で使われる測定器です。

シグナルジェネレータの種類

シグナルジェネレータは発生する電気信号の波形や周波数で以下に示す分類ができます。

1. AF発振器

AF (Audio Frequency) 発振器は、主にオーディオ帯域の信号を発生させるシグナルジェネレータです。出力周波数は数10kHz程度であり、正弦波や矩形波を出力します。低周波発振器またはRC発振器とも呼ばれる発振器です。

2. ファンクションジェネレータ

直流や正弦波のみならず、方形波や三角波などの各種波形を出力可能なシグナルジェネレータです。出力周波数は0Hz~数10MHzであり、近年はノイズやDC電圧出力を含めて波形を加算して出力することもできます。

3. RF信号発生器

RF (Radio Frequency) 信号発生器は、周波数・電力・変調などを制御した電気信号を出力することが可能なシグナルジェネレータです。数10MHz以上の周波数を出力します。

AF発振器は単一正弦波を出力可能ですが、RF信号発生器では変調と呼ばれる操作を加えることができます。EMI試験での信号源や無線機の性能試験などの用途に使用されるシグナルジェネレータです。

他にはロジック信号のパターンを出力するパターンジェネレータや目的にあった雑音を発生させる雑音発生器等があります。

参考文献
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-FunctionGenerator-01/
https://ednjapan.com/edn/articles/0612/01/news149.html

オシレーター

オシレーターとは

オシレーター

オシレーターとは、電子回路を用いて持続的に交流信号を発生する回路です。

発振器もしくは発振回路とも呼ばれています。一定の周波数の正弦波を発生する回路で、抵抗 (R) とコンデンサ (C) を組み合わせたRC発振回路、水晶振動子やセラミック振動子を使った発振回路、コイル (L) とコンデンサ (C) を組み合わせてその共振を利用したLC発振回路などがあり、用途に応じて使い分けます。

オシレーターの使用用途

オシレーターは、放送機器、通信機器における送受信周波数を得るために使われます。放送では、定められた周波数の電波に変調された番組情報を送信し、受信機はその周波数の電波を受けて番組内容を再生するため、オシレーターは送受信機どちらにとっても重要な回路です。

通信の分野でも同様に一定の周波数で送信し、受信側ではその周波数に同調することで情報のやり取りが可能になります。また、マイクロプロセッサを含むデジタル回路においては、ロジック回路の同期をとるシステムクロックが重要な役目を果たしますが、システムクロックの基となる安定した周波数の発生源としてオシレーターが使われます。

さらに、電子楽器の音源でもオシレーターの信号を基に、楽器の音色を形成しています。

オシレーターの原理

オシレーターの元となる発振回路には、帯域通過フィルターとフィードバック増幅回路を組み合わせた低周波域の正弦波を出力するRC発振器と、共振現象を利用して高周波域の正弦波を出力するLC発信回路や水晶発振回路などがあります。ここでは、主に水晶発振回路について説明します。

1. 水晶振動子

水晶振動子は、電気的特性からみると損失がほとんどない純粋なリアクタンス素子です。そのリアクタンスは非常に狭い周波数範囲でのみ誘導性 (コイルの特性) を示すため、水晶振動子にコンデンサを接続すれば、その周波数範囲内で共振周波数が定まります。

LC発振器の代表的なコルピッツ発振器の構成において、コイルを水晶振動子に置き換えると、水晶振動子が誘導性となる狭い範囲内でのみ発振します。

2. セラミック振動子

水晶振動子は鉱物である水晶を高精度で加工して発振周波数を決定するため、製造コストは高くなります。そこで、比較的安価なセラミック振動子を用いたセラミック発振回路も採用されるようになりました。セラミック振動子も特定の周波数範囲で誘導性リアクタンスを示しますが、水晶振動子ほど急峻な特性ではないので、発振周波数の精度が劣ることが欠点です。

3. 時計用水晶振動子

水晶、セラミック何れも発振周波数は数百KHzから数十MHzの範囲ですが、時計用の水晶振動子として32.768KHzのものがあります。時計向けの発振回路は周波数精度が重要なので、セラミック振動子は採用されません。

オシレーターのその他情報

オシレーターの関連製品

1. 水晶振動子、セラミック振動子
振動子単体で販売されている部品で、発振回路が内蔵されている集積回路に接続して使われるものです。

2. 発信器
発振回路と水晶振動子を組み合わせた発振回路を一つのパッケージにまとめたものが部品として販売されています。用途の応じて様々な発信周波数の製品があるため、必要とする周波数のものを選択して下さい。デジタル回路のクロック用として、正弦波を方形波に変換して出力するものが主流です。

3. 周波数シンセサイザー
通信機などでは発振周波数を可変することが求められますが、水晶発振器単体では発信周波数が固定されてしまいます。そのような用途向けには、周波数シンセサイザーが対応します。

4. 信号発生器
電子計測器の一種に、周波数を可変できる信号発生器があります。低周波用にはRC発振回路を用いたもの、高周波用には周波数シンセサイザーを用いたものが主流です。

参考文献
https://engineer-education.com/crystal-resonator/
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/crystal-oscillators-guide
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/47.html