ステンレスフレキ

ステンレスフレキとはステンレスフレキ

ステンレスフレキとは、材質がステンレスのフレキ管です。

特に指定がない場合は、金額面の観点から鉄製配管が用いられますが、錆を防止したい場合はステンレス管が用いられます。またステンレスの中にも種類があり、細かい用途や予算に応じて使い分ける必要があります。

フレキ管の構造としては、波付パイプの周りにブレードが巻き付いている状態です。ブレードはステンレス線を編み込んだ編成ステンレス線と呼ばれるものです。フレキ管の耐圧強度を高めるのに使います。

ステンレスフレキの使用用途

消防法ではタンクが沈下した場合や地震が起きた場合を考え、危険物配管にはステンレスフレキを取り付けて逃がしを設ける必要があると定めています。また、配管を据え付け、最後に全体を繋ぎこむ際の寸法誤差の逃がしのためにも使われます。

ステンレスの表記は、SUS (StainLess Steel) の後に数字がきます。耐薬品性が低い順に、SUS430→SUS304→SUS316→SUS316Lです。配管用途以外も含めてSUS304が一般的となっています。化学薬品や海水などを扱う場合は、更に耐薬品性のあるSUS316を用います。医薬品や化粧品などでは、SUS316Lを用いる場合が多いです。

ステンレスフレキの原理

錆は鉄が空気中の酸素と反応し酸化鉄になることが原因です。そこで、ステンレスは中にクロムが入っており、鉄より先にクロムが空気中の酸素と結合することで錆を防止します。クロムが酸化すると、表面に数ナノメートル程度の不動態膜を形成され、不動態膜は化学変化しづらいため鉄と酸素が結合するのを防ぐのが役割です。

SUS304はクロム18%、ニッケル8%が含有しており、18-8ステンレスとも呼ばれています。ニッケルは不動体膜を更に形成しやすくする効果を持ち、更にニッケルを増量し、モリブデンを追加したステンレスがSUS316です。

モリブデンの効果により不動体膜が厚くなることで耐食性を増加させます。SUS316をより強力にしたものがSUS316Lです。炭素含有量を減らしたことで溶接部分の腐食性を低下させる性能があります。

ステンレスフレキの種類

1. 一重層ステンレスフレキ

一重層ステンレスフレキは、ステンレス鋼の単層のホースで構成されています。耐食性に優れ、高い耐圧性を持つため、一般的な用途としては、蒸気、ガス、液体の配管や排気システムなどで使用が可能です。また、適度な柔軟性を持つため、曲げや振動の多い場所でも適しています。

2. 二重層ステンレスフレキ

二重層ステンレスフレキは、内側に薄いステンレス鋼のホースを被せた構造です。この内側のホースは耐食性に優れているため、高い耐久性を持ちつつ、外側のホースに比べて柔軟性があります。

そのため、振動や衝撃が多い場所での使用や、高温や高圧の環境にも適が可能です。加えて、二重層構造により、耐熱性や耐摩耗性も向上しています。

3. 波形ステンレスフレキ

波形ステンレスフレキは、波形状のホースを重ねた構造を持っています。この波形状のデザインにより、フレキシブル性が高まり、複雑な形状や曲げが必要な場所での使用が可能です。

特にエンジン部分や車両の排気システム、機械装置などで広く利用されます。また、独自のデザインにより、外観にも美しさを持たせることができます。

4. 耐震ステンレスフレキ

耐震ステンレスフレキは、地震などの振動に対応するために特別に設計されています。耐震用のゴムや金属の振動吸収材を組み合わせることで、耐震性が向上しています。建築物や橋梁、鉄道車両などの地震による構造の振動に対応する必要がある場所で利用可能です。

5. 高真空ステンレスフレキ

高真空ステンレスフレキは、超高真空環境での使用に適しています。特殊な真空環境においても、ガスの漏れを防ぐために高い気密性が求められますが、ステンレスフレキはその優れた耐圧性と気密性により、高真空システムにおいて信頼性が高いです。

参考文献
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/sus-rust/
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/sus316l/
https://www.nfk-jp.com/flow/

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