パワーコンディショナとは
パワーコンディショナとは、ソーラーパネルで発電した電力を商用交流電源に変換するインバーター機器です。パワーコンディショナは太陽光発電のシステム制御も担っています。システム制御用としては以下の機能を備えています。
- 発電効率が最大化するように調節する機能
- 電力会社との系統連系や解列を制御する機能
後者により、トラブル時に電力会社へ波及事故が発生するのを防ぎます。パワーコンディショナの性能評価は変換効率によって示されます。変換効率が高いほど高価ですが、一般には95%前後という高水準です。
パワーコンディショナの使用用途
パワーコンディショナは太陽光発電において使用される機器です。ソーラーパネル設置場所では産業用か民家屋根置きかを問わず、ほとんどの場合でパワーコンディショナが使用されます。
パワーコンディショナは系統連系や解列に関する制御も担います。バッテリーと併用すれば、災害や停電時に自立運転をする非常電源として使用可能です。
パワーコンディショナの原理
一般に、電力会社は交流電源を送電します。太陽光発電による電力は直流電源であるため、パワーコンディショナによって直流電源から交流電源に変換させる必要があります。
パワーコンディショナは直流/直流回路、直流/交流回路、遮断回路などから構成されます。
- 直流/直流回路
ソーラーパネルから送電される電力は不安定なため、直流/直流回路で平滑化して安定させます。 - 直流/交流回路
直流/交流回路では、平滑化された直流電源の正負を高速で切り替えて交流電源へ変換します。 - 遮断回路
太陽光発電システムに異常が発生した場合には、遮断回路で遮断して上位への波及事故を防ぎます。
上記原理によって交流電源に変換された後は分電盤へ送られ、使用可能となります。
太陽光発電システムでは天候や日照時間に応じて、発電電力が変化します。パワーコンディショナーが最適な電流・電圧に制御することで、太陽光を最大限使用できるように調整しています。
パワーコンディショナのその他情報
1. パワーコンディショナの寿命
パワーコンディショナの寿命は、設置環境などによって異なりますが、一般的に10~15年程度です。ソーラーパネルの寿命は20~30年程度とされています。パワーコンディショナはソーラーパネルと比較して短命です。
理由として、内部冷却用ファンモーターなどの可動部分が摩耗劣化することが挙げられます。対して、ソーラーパネルは半導体によって発電しており、可動部分がないため長命です。
2. パワーコンディショナの故障
パワーコンディショナの故障原因は、「施工時の接続不良」「経年や熱による部品劣化」「外部環境による部品劣化」の3つが主に考えられます。
施工時の接続不良
施工時の接続不良のケースでは、ケーブル端子部の接続不良によって発熱し、ケーブルが地絡・溶断します。未然に防ぐためには、徹底した施工管理が必要です。
経年や熱による部品劣化
経年や熱による部品劣化は、パワーコンディショナに限らず電気製品に共通する故障原因です。稼働時間が長いとファンなどの摩耗劣化が進行して故障原因となります。フィルターの定期清掃や定期注油などのメンテナンスによって長寿命化可能です。
外部環境による部品劣化
外部環境による部品劣化のケースとは、風雨や獣害・虫害によるパワーコンディショナの故障です。例としては、雨水や粉塵による電気回路の短絡故障や、小動物侵入による短絡・断線故障が挙げられます。上記事故を未然に防ぐためには、侵入経路を徹底的にシールすることが重要です。
参考文献
https://rakuene-shop.jp/columns/2426/
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/003212.php
https://sumai.panasonic.jp/solar/high_pc.html
https://rakuene-shop.jp/columns/2426/