速度測定器

速度測定器とは

速度測定器

速度測定器とは動いている物体の速度を測定する機器です。

測定の際は物体がどの方向に動いているかが重要であり、基本的に運動する物体の正面からしか正確な測定ができず、特に移動する物体の真横からの測定は出来ません。

野球でピッチャーの投げるボールの球速を測定しているのもこの速度測定器ですが、使用の際はピッチャーの正面に設置されていて球速を計っています。

速度測定器によっては物体の加速度も測定可能ですので、自動車の加速度を測定することもできます。

速度測定器の使用用途

速度測定器は野球を始めとして動く物体の速度を測定したい場合に使用されていますが、特によく使用されるのが自動車の速度計測です。

警察官がスピード違反を取り締まる際には違反したという証拠が必要です。その証拠として速度測定器で測定した速度が用いられます。また、道路にも設置されており速度違反を犯した車両を確認します。この場合は速度違反自動取締装置、オービスとも言いますが、として使用されており、速度違反の車両を確認したら同時に写真撮影を行いナンバープレート等の情報を写真に収めます。

速度測定器の原理

速度測定装置は正面から近づく、もしくは遠ざかる物体に電波を照射した後に反射してくる電波を計測します。ドップラー効果として知られているように、動く物体から反射される音波や光の波長は変化しますので速度測定装置はこの原理を利用して反射した電波の波長の変化により速度を算出しています。

ドップラー効果では、近づく物体から反射された電波の周波数は高くなり、逆に遠ざかる物体から反射された電波の周波数は低くなります。このため、測定できる物体の速度は光速まで測定可能ですが、現実的には時速数百km程度までの使用が大半です。

加速度を求める際には測定を二回行います。つまり、一度目の測定で得られた速度と二回目の測定で得られた速度から加速度が計算されます。野球のピッチャーが投げたボールは加速せずに投げた瞬間以降は減速を行います。もちろんこの減速も加速と同様に計算できるのですが必要のない数字ですので測定はされません。しかし、自動車などは発進以降加速しますので、この加速度の測定を行う場合に加速度を測定できる速度測定器が用いられます。

参考文献
https://www.honda-el.co.jp/hb/3_27.html

透過率測定器

透過率測定器とは

透過率測定器とは、ガラスやフィルム、カラーフィルターなどの光学部材に対して、特定波長の光の透過率を測定するための機器です。

光学フィルムやカラーフィルターなどは、特定の波長の光を透過、吸収、散乱させる役割を持った光学部材です。また、半導体用フォトマスクのように、ガラス上の金属膜が露光装置の光源からくる光を遮ることで、任意のパターンの形成を行う光学部材もあります。

これらの光学部材が所定の性能、品質を有しているかを知る目的で、透過率測定器は幅広い産業分野において使用されています。

透過率測定器の使用用途

透過率測定器は、特定の波長の光を透すことで機能を果たす光学部材、特定の波長の光を遮蔽することで機能を果たす光学部材、可視光全域の光の透過率が重要となる素材の、光の透過率を測定するために使用されます。

1. 特定波長の光の透過率測定

液晶ディスプレイのカラーフィルターは、発光ダイオードなどの光源から出てくる白色の光に対して、赤、緑、青の3色のフィルターを使ってそれぞれの波長の光を透過させ、それ以外の波長の光を遮断しています。このフィルターの性能を測定するために透過率測定器が使用されます。

2. 特定波長の光に対する遮光膜の光学濃度測定

半導体や、液晶を始めとしたフラットパネルディスプレイの製造には、フォトマスクが使用されます。フォトマスクはガラスの基板上に薄い金属膜でパターンを形成しています。、露光装置が出す特定の波長の光をフォトマスクに照射すると、金属膜の形に添って影ができるので、これでウエハーやパネル上に任意の回路やスリットを形成します。

遮光膜がどのくらいの割合で光を遮るかを、光学濃度 (OD: Optical Density) といい、OD = – log10 (透過率) で表現されます。したがって、光学濃度を求める際にも透過率測定器が使用されます。

3. 窓ガラスの可視光線の透過率測定

自動車のフロントウインドウと前席のウインドウは、可視光の透過率が法律によって定められています。これは、特定の波長の光ではなく、可視光全体に渡る光の透過性が求められます。フロントウインドウに暑さ対策などで何らかの透明性フィルムを装着した場合でも、法律で定められた光の透過率を確保している必要があります。したがって、自動車整備工場や陸運局の検査場では可視光線透過率測定器を使用して、光の透過率を測定しています。

自動車ではウィンドウフィルムを張る際にはフロントガラス及び運転席と助手席側面のガラスの透過率が70%以上必要であると法律で定められています。それ以下の透過率ですと視界が妨げられて事故につながる可能性が高くなります。このため、ウィンドフィルムを張り付けた後には透過率測定器で透過率を測定して70%以上であることをしなければなりません。

自動車のみではなく、各種の透明フィルムやガラスなどを製造した後の検品に透過率測定器を用いて透過率を測定し、規定に達しているかを調べます。

透過率測定器の原理

透過率測定器には、光源とセンサーが対となって備わっています。

光源には白熱灯やハロゲンランプ、LED等が使用されます。また、水銀やレーザーを光源に用いた透過率測定器もあります。これらの光源は、安定した出力の光を照射することが重要であるとともに、測定対象の光学部材が必要とする光の波長と同じか、その近傍の波長の光を照射できることが必要です。

一方、センサーには半導体検出器やフォトマルチカプラーが多く使用されています。センサーも光源と同じく、測定に使用する波長の光に対して、有効で安定した感度を有することが必要です。

光を検出する方法はいくつかありますが、分光器と呼ばれる光の測定器は特定の波長の光だけではなく、光の波長ごとの強さの分布を測定することが可能です。

透過率測定器は、光源の光の強さと、センサーの光に対する感度との関係が非常に重要です。殆どの透過率測定機にはこの2つの関係を一定に保つための校正機能が備わっています。

透過率測定器の選び方

光の透過率測定を必要とする光学部材の種類は様々です。

透過率測定機の仕様書やカタログには、それがどのような部材を測定するための機器かを明記しているので、用途に合った測定器を選択するのが基本です。その上で、測定の頻度やスループット、インラインで使用するのか、必要な場合にのみ使用するのかを考慮して選択するのが良いでしょう。

光源にLEDを使用している場合には光源の寿命は長くなりますが、他の光源の場合には使用中の取り換えがあることを前提に考え、光源を安定的に購入できることが重要な検討項目になります。

また、どのような測定器であれ、校正作業は必須となりますので、校正のしやすさの確認も必要です。

参考文献
https://www.asahi-spectra.co.jp/kiki/bunkousouti/tlv-304-bp/tlv-304-bp.htm
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-accident/subcategory-rule/faq216

超音波探傷器

超音波探傷器とは

超音波探傷器

超音波探傷器とは、超音波を用いて内部の傷を測定することができる装置のことです。

対象を切開することなく内部の傷を確認することが可能で、非破壊検査装置として様々な場所で使われています。損傷を探したい物体に表面から超音波を当て、内部を通って反射してくる音波を検出することで傷を調べます。傷の有無だけでなく、位置や大きさまで確認することが可能であり、様々な製品の製造過程において、欠陥を検査するために使われます。

超音波探傷器の使用用途

超音波探傷器は様々な場所で発生する傷を測定することができます。

例えば、溶接時の欠陥の測定です。溶接とは金属を溶かして部品を結合させる手法のことで、工業製品を作る上では不可欠な工程ですが、人の手で行われることが多く、人的なミスや欠陥が生じやすい工程でもあります。重大や事故を発生させないために、超音波探傷器を使用して品質検査がされています。

また、接着状態の確認にも使用されます。2つの同素材を接着させた場合、超音波は境界面を透過し跳ね返りませんが、剥離があるとその部分で反射することになります。これを検出することで接着状態を確認することができます。

超音波探傷器の原理

超音波探傷器の原理

図1. 超音波探傷器の原理

超音波探傷器は、超音波の反射を利用して傷の有無、位置、大きさ等を特定する手法であり、原理はパルス反射法と呼ばれます。

検査対象の表面に、超音波を送受信ができる探触子を当てます。探触子から検査対象に入射した超音波は、底面、あるいは、内部にある傷等で反射し、再び、探触子に戻ってきます。この反射波を観測することで検査対象内部の状態等を推定します。

内部に傷がある場合、受信される波は、送信波パルス、傷からの反射波、底面からの反射波の順で観測されます。波が観測されるまでの時間や波の強さから、傷の位置や大きさを推定します。

超音波探傷器のその他情報

1. 超音波探傷器の分類

超音波探傷器の分類

図2. 超音波探傷器の分類

超音波探傷器には、いくつかの種類が存在します。

波を入射させる角度によって、2つの手法に分類することができます。1つは、検査対象に対し垂直に波を入射させる垂直法、もう1つは、検査対象に対し横波を斜めに入射させる斜角法です。斜角法は、特に、溶接部の検査等に用いられます。

また、探触子を検査対象に直接当てるかどうかによっても、2つの手法に分類することができます。1つは、検査対象に直接、探触子を当てる直接々触法、もう1つは、検査対象を液中に沈め、液体を通して超音波を入射させる水浸法です。水浸法は、さらに、全面水浸法、部分水浸法に分類することができます。

2. 超音波探傷器を用いた検査の例

超音波探傷器を用いた検査の例

図3. 超音波探傷器を用いた検査の例

超音波探傷器はその使用用途に応じて様々な使い方があります。代表的な使い方は下記の通りです。

1. 溶接時の検査
溶接時に発生する形状不良や金属割れ等の欠陥を調べる際に用いられます。超音波を当てる際は、溶接部分に斜めから音波を当てて傷を確認します。斜めから超音波を当てることで見落としが発生しないように、裏面で一度音波を反射させて対象物に当てる方法もあります。

2. 接着部分の検査
2つの物質を接着した際、そこに超音波を当てることで、その接着が十分であるかを確認します。同じ物質が十分に接着できている場合は超音波は反射しませんが、接着部分に剥離が生じて隙間ができている場合は超音波は反射するため、接着の精度を確認することができます。

また、異なる物質の場合は境界面で必ず反射が起こり、剥離が生じると反射の位相がずれたり逆転したりするため、欠陥として確認することができます。

3. 容器に密閉された液体の液面高さの測定
気化しやすい液体や危険な薬品は、容器を開けずに密閉された状態で、内容物の有無や量を測る必要があり、このような測定にも超音波探傷器が用いられます。

超音波探傷器を用いて容器の底から超音波を当てます。超音波は液体を進んだ後、液面で反射するため、溶液の水面の高さから容積を計測することができます。

参考文献
https://www.dakotajapan.com

超音波厚さ計

超音波厚さ計とは

超音波厚さ計

超音波厚さ計とは、超音波を用いて物体の厚さを測定する装置です。

超音波が物体内部を移動する伝播時間を計測し、それに基づいて厚さを求めることができます。物体を傷つけずに厚さを測定できるため、製品や材料の品質管理に適しています。また、測定精度も高く、超音波の伝播時間を正確に計測することで微細な厚さの変化や薄い材料の厚さも検出することが可能です。

一般的には、測定装置を対象物の表面に押し当てて測定ボタンを押すだけで結果を得ることができます。デジタル表示や自動計測機能など、多機能機種も多いです。多くの超音波厚さ計は携帯可能であり、現場での使用に適しています。コンパクトなサイズなので、移動しながら複数個所を測定することもできます。

超音波厚さ計の使用用途

超音波厚さ計は、厚みを計測するさまざまな場面で活躍します。

1. 製造業

製造業では幅広く使用される機器です。鋼板やアルミニウムプレートなどの金属製品の厚さを測定するために用います。自動車の車体パネルや航空機のフレームなどの製造時に、正確な厚さを確保するために使用されます。

2. 建設業界

建築業界でも、建設現場や建築材料を対象として頻繁に使用されます。コンクリートの柱や壁の厚さを測定して強度を評価したり、フロアのコンクリートの厚さを確認して均一性を確保することが可能です。

また、金属の腐食検査にも用いられます。地下や建物内を通っている配管は気づかぬ内に腐食が進行していることも多いです。非破壊で外側から腐食による厚み減少を計測できるため、非常に重宝されます。

超音波厚さ計の原理

超音波厚さ計は、超音波の伝播時間を利用して物体の厚さを計測する原理です。まず、超音波発生装置が超音波を発生します。超音波発生装置は一般に圧電素子や磁気素子などで構成され、電気エネルギーを超音波に変換することが可能です。

発生した超音波は測定対象物の表面に向けて放射され、内部の物体構造や界面で反射や散乱が起こります。反射された超音波は受信器によって受信されます。受信器は超音波を受け取り、再び電気信号に変換することが多いです。この際、反射信号の到達時間が計測されます。

演算装置は、発生した超音波パルスから反射信号の到達時間を計測します。超音波の伝播速度をあらかじめ入力することで、到達時間を元に物体内の距離を算出することが可能です。超音波の速度は物体の材料や密度によって異なるため、正確な速度情報が必要です。

超音波厚さ計の種類

超音波厚さ計にはさまざまな種類が存在します。以下は代表的な種類の一例です。

1. 単素子型超音波厚さ計

1つの送受信素子を使用して超音波を発生し、反射信号を受信する超音波厚さ計です。一般的に薄い材料や単純な厚さ測定に適しています。

2. 二素子型超音波厚さ計

送信素子と受信素子を別々に配置した超音波厚さ計です。送信素子が超音波を発生し、受信素子が反射信号を受信します。高い信号の精度と感度を有し、多くの応用用途に使用されます。

3. デュアルエレメント超音波厚さ計

送信素子と受信素子が同じセンサーヘッドに組み込まれた超音波厚さ計です。送信と受信の位置が正確に対応し、より信頼性の高い測定結果を得ることが可能です。特に高温環境や不均一な表面条件の下での測定に適しています。

4. マルチエレメント超音波厚さ計

複数の送受信素子を持つ超音波厚さ計です。複数の角度から超音波を発生し、受信することができます。マルチエレメントの使用により、曲率のある表面や複雑な形状を持つ部品など、より複雑な応用用途での厚さ測定が可能です。

超音波厚さ計の選び方

超音波厚さ計を選ぶ際は、対象物体の特性や測定範囲、操作性などを考慮します。

1. 測定する対象

まずは、測定する材料の種類や表面状態などを考慮することが重要です。一部の材料や形状では、特殊な超音波厚さ計でなければ測定できないケースもあります。

2. 測定する厚さ・精度

測定したい厚さの範囲や必要な精度も考慮します。厚い材料や極薄の材料の測定には、対応できる範囲と高い精度を持つ超音波厚さ計が必要です。

3. 操作性

操作性も重要な要素です。直感的なインターフェース、使いやすいメニュー、データ保存機能など、操作性に関連する要素を確認します。

参考文献
https://www.dakotajapan.com/mpseries/point.html

色彩輝度計

色彩輝度計とは

色彩輝度計とは、物体の表面の発光面 (たとえばパソコンのディスプレイなど) もしくは反射面 (自ら発光しない物質の表面) の面積あたりの平均輝度と色度を測定できる計測器です。

輝度は光っている面の単位あたりの明るさを表し、色度は色を表色系の関数で数値化したものを示します。色度の数値は色座標 (x、y) と輝度Y (cd/m2) で表されます。

非接触で小型なため、製品の色合いを定量的にチェックするなど品質管理やセンサーとして使用されるのが一般的です。JISでは再帰反射 (光が照射した方向に戻る反射) の評価や安全標識の性能評価に使用されます。

色彩輝度計の使用用途

色彩輝度計は、物体の表面の色の輝度 (発光強度) を測定する計測器です。光源のスペクトル分布と物体の反射特性に基づいて、波長ごとの発光強度を測定します。

色彩輝度計は、製造業を中心に様々な分野で使用されています。

1. 自動車産業

自動車のボディや内装の色合いを定量的にチェックするために、色彩輝度計が使用されます。複数の部品の色彩を測定し、製品の色の均一性を確保しています。異なるロットの部品でも、同じ色合いの実現が重要です。

2. 電機製品分野

テレビやスマートフォン、パソコンなどのディスプレイの色再現性能を評価するために色彩輝度計が使われます。RGBそれぞれの発光強度や白色度を測定し、製品の色精度をチェックしています。

3. 塗料産業

塗料の色を色彩輝度計で測定して、ロットごとの製品の色合いを管理しています。印刷インキや繊維、化粧品など、幅広い分野で色の規格を管理するために色彩輝度計は欠かせません。

色彩輝度計の国際標準への準拠や測定時の照明条件の標準化が重要となります。精度の高い色彩管理が求められる現代の製造業にとって、色彩輝度計は必要不可欠な計測機器です。

色彩輝度計の原理

色彩輝度計は、被測定物体の表面での反射光または透過光のスペクトル分布を測定して、物体の発光スペクトルを求める装置です。色彩輝度計の内部には分光器が組み込まれており、これによって入射光を波長ごとに分離します。

代表的な分光器には、回折格子やプリズムが使われます。分光された光は、各波長の強度を電気信号に変換する受光部で検出されます。測定は照明光源からの光を分光器で分光し、そのスペクトル分布を基準として記録する方法が一般的です。

被測定物体に同じ光源から光を照射し、反射または透過した光のスペクトル分布を測定します。これを基準のスペクトル分布で割ることにより、物体自体の反射スペクトルあるいは透過スペクトルを求めることができます。

この原理を利用して、物体の発色性能を数値化した色度や光の三原色に対する発光強度比である三刺激値を算出が可能です。精度の高い色彩測定には、光源・分光系・検出器の性能が重要となります。

色彩輝度計のその他情報

1. 3種類の錐体細胞

色彩輝度計で使用されている色度刺激は、色の3刺激値  (XYZ=赤緑青) が得られる値です。この3刺激値は人間の網膜にある色を感じる3種類の錐体細胞と光を感じる波長がほぼ一致しているため、知覚を客観的に数値化ができます。

この3種類の錐体細胞は、青を感じる短波長の波長域を知覚するS錐体、緑を感じる中波長の波長域を知覚するM錐体、赤を感じる長波長を知覚するL錐体があります。輝度は明るさを表す数値でY = 1あるいはY= 100 (三刺激値の単位が任意であるため) がカラーディスプレイで表現できる最も明るい白とされます。

2. 色彩輝度計のセンサー

色彩輝度計は、内部測定部に可視光域の波長に対応したセンサーを並べてあります。分光フィッテイング方式では380nmから780nmまで40個のセンサーが並び、分光型測定方式では同可視光域に401個のセンサーが必要となります。

ジュライ分光型だったものが、新方式により分光フィッテイング型になり、センサー数が10分の1以下にできました。センサーに入射した光は各センサーで反応し、合成関数としてXYZの3つの波形と計算されます。導き出された波形よりXYZ値を算出します。

参考文献
https://www.iri-tokyo.jp/uploaded/attachment/2545.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jila1934/51/5/51_5_245/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1917/58/Appendix/58_Appendix_85/_pdf/-char/ja
https://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2007/pdf/introduce_007.pdf
https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISUseWordSearchList?toGnrJISStandardDetailList

膜厚計

膜厚計とは

膜厚計

膜厚計とは、物体の微小な厚みを測定する装置です。

例えば、塗装の皮膜や金属メッキの厚みなど、視覚的に計測の難しい薄膜を調べる際に使用されています。膜厚計には測定方式がいくつかあり、測定対象が光を透過するかどうか、接触若しくは非接触のどちらで測定するかなどに応じて測定方式を選択します。

膜厚計の使用用途

膜厚計は、主に塗装面の塗装被膜の厚さの測定に使用されます。塗装は美観を保つほかに、耐久性を持たせる目的で家電品などの日用品や自動車など身の回りの物の多くに施されています。

塗装被膜の厚さは、適宜な膜厚でかつ均一であることが必要です。膜厚が適宜でない、すなわち塗装膜が厚すぎるとひび割れが生じ、逆に薄すぎると変色や光沢の損失、下地の劣化などの問題を引き起こします。また、均一でない場合には、場所によって耐久性が変わってしまい、品質を保てないなどの問題が生じます。

そこで、品質管理のために膜厚計を使用して、様々な物品の塗装膜の膜厚を測定管理する方法が一般的です。膜厚計には様々なものがあり、測定対象によって適した機器が使われます。例えば、透明な薄膜の厚みを測る場合、広帯域の光を用いる分光干渉式膜厚計や赤外線を用いる赤外線膜厚計が利用されます。

しかし、金属などは光を通さないのでこれらの方法は使えません。金属メッキの薄膜などを測定する場合は、磁束の変化を用いた電磁式膜厚計や渦電流を用いた渦電流式膜厚計が好適です。さらに、測定物に接触することが難しい場合は、超音波膜厚計などの非接触式の膜厚計も使用されます。

膜厚計の原理

膜厚計には様々な測定方式のものがあり、測定対象によって適した機器が使われます。以下の5つの方式が代表的です。

1. 分光干渉式膜厚計

光の干渉を利用した膜厚計です。測定対象に光を入射させると、薄膜の表面と裏面で光が反射されます。この2つの反射光には位相のズレが生じ、薄膜の厚み分に応じてズレが生じます。波は同位相で重なると強め合い、逆位相で重なると弱め合うので、この干渉の違いを測定することで厚みの計測が可能です。

2. 赤外線膜厚計

赤外線が測定対象に吸収されることを利用した膜厚計です。測定対象に赤外線を照射すると、測定対象の素材と厚さに応じて特定の波長の赤外線が吸収されます。その性質を利用し、透過光もしくは反射光を分光して得たスペクトルをもとに膜厚を測定する原理です。測定対象素材の吸収率と膜厚との関係を予め測定しておけば、測定対象の膜厚を算出できます。

3. 電磁式膜厚計

磁束密度の変化を利用した膜厚計です。測定対象が磁性を有する金属面上に形成されている場合に用いられる測定方式で、金属のみに磁石を近づけた場合と、金属の上に測定対象がある状態で磁石を近づけた場合では、磁束密度が変わることを利用しています。ただし、測定対象が金属に接しており、かつ測定対象が金属ではない場合にしか使えません。

4. 渦電流式膜厚計

渦電流式膜厚計は、コイルにより生じる磁束の変化を利用して測定対象の厚さを測定する方式です。通電したコイルの周りには磁束が生じ、コイルを測定対象に近づけると測定対象の厚さに応じて磁束が変化します。この磁束の変化を検出することで測定対象の厚さを測定しています。

5. 超音波膜厚計

超音波膜厚計は、超音波の反射を利用した膜厚計です。測定対象の表面から超音波を放つと、測定対象の内部を通って裏面で反射します。この反射までにかかった時間から厚みを測定することが可能です。

例えば、ガラスのような透明な薄膜の厚みを測る場合は、広帯域の光を用いる分光干渉式膜厚計や赤外線を用いる赤外線膜厚計が使用されます。一方、金属などのように光を透過しないものに関してはこれらの方式の膜厚計は使えません。

金属メッキの薄膜などを測定する場合は、磁束の変化を用いた電磁式膜厚計や渦電流を用いた渦電流式膜厚計が利用されます。さらに、測定物に接触することが難しい場合は、超音波膜厚計などの非接触式の膜厚計も使用されます。

膜厚計の種類

膜厚計は、接触式、非接触式、断面観察式の3種類に分類できます。

1. 接触式膜厚計

接触式の膜厚計は、センサー部分と膜厚計本体がケーブルでつながっており、センサー部分を測定対象に接触させて膜厚を計測します。なお、接触式の膜厚計には、電磁誘導式、過電流式、超音波式、触針式があります。最もオーソドックスな膜厚計であり、性能にもよりますが数万~20万円程度で購入が可能です。

接触式の膜厚計の使い方は簡単で、測定したい物質にセンサー部分を当てることで数値が表示されます。ただし、物質によって反応速度が違うため、センサー部分が反応するまで数秒待つ場合もあります。接触式の膜厚計のうち、電磁誘導式および過電流式を使う場合は、測定対象が何の素地上に形成されているのかで使い分ける必要があります。

電磁誘導式は鉄、鋼などの磁性体、過電流式はアルミ、ステンレスなどの非磁性体に使用されます。なお、両方の方式で測定するデュアルタイプも販売されており、デュアルタイプであれば、磁性体および非磁性体の両方の測定が可能です。

2. 非接触式膜厚計

非接触式の膜厚計は、膜厚計本体から光を放出し、膜の表面で反射した光や膜内に浸透した光の波長の干渉をスペクトルとして検出して膜厚を測定します。基本的には、人の手が届かない場所で使用される形態で、反射分光式、赤外線式、静電容量式、放射線式があります。検出部分に高精度な半導体素子を使用しているため、接触式よりも高価格です。

3. 断面観察式膜厚計

断面観察式の膜厚計は、TEM、SEMなどの電子顕微鏡です。接触式や非接触式では測定できない極小物質などを測定するときに使用されます。ただし、研究や技術開発で使用されることが多く、現場などでは採用されることはほとんどありません。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/film/principle/
https://sooki.co.jp/upload/surveying_items/pdf/manual_pdf_054020.pdf
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/142/
https://www.asumigiken.co.jp/products/thicknessmeter/about/

絶縁塗料

絶縁塗料とは

絶縁塗料とは、電気絶縁性を持つ特殊な塗料です。

主な目的は電気的な絶縁を付与することであり、導電部品の電気的な接触事故などを防止するために使用します。絶縁性の高い原料が使われており、天然樹脂や合成樹脂、油脂などを用いた製品が販売されています。

また、絶縁性だけでなく耐熱性や薬品耐性に優れた塗料も多いです。電気製品において、絶縁性は非常に重要です。意図しない部分に電気が流れると、人身事故や故障の原因となります。絶縁塗料は塗布するだけで電気絶縁が可能なため、さまざまな場面で重宝されます。

絶縁塗料の塗布には、専門的な知識や技術を要する場合があります。正しい塗布方法や乾燥時間などを遵守することが重要です。絶縁性を確保するためには、塗料の品質や適切な使用方法に注意する必要があります。

絶縁塗料の使用用途

絶縁塗料は、さまざまな使用用途で利用されます。特に電気製品や家電製品など、電気を使用する製品に使用されることが多いです。

1. 電気製品

PCなどの電子機器内部の回路や部品要素の絶縁を図るために使用されます。これにより、電気的なショートや漏電を防ぎ、機器の信頼性と安全性を向上させます。

2. 家電製品

テレビや冷蔵庫などの家庭用電化製品にも使用されます。電気配線や接続部の絶縁が目的です。内部の電気回路が外部と適切に絶縁され、安全性が向上します。

3. 自動車

自動車業界でも、電気系統やワイヤーハーネスの絶縁に使用されます。車両の電子システムの信頼性を高め、電気的な災害を防止します。

絶縁塗料の原理

絶縁塗料は、絶縁性の付与と表面保護の2つの要素があります。

1. 絶縁性の付与

絶縁塗料は、電気を通しにくくする特性を持つ材料 (主にポリマーまたはゴムベース) で構成されます。これらの材料は電荷の移動や電流の流れを阻害し、電気的な絶縁を提供します。

2. 表面保護

また、電気的な絶縁だけでなく、塗布された表面保護と耐久性向上にも寄与します。湿気などの外部要因から表面を保護し、環境要素や物理的なダメージを防ぎます。

絶縁塗料は液体の形態で提供され、塗布対象の表面に均一に塗られます。塗布された後に乾燥または硬化し、薄い絶縁層を形成します。

絶縁塗料の種類

絶縁塗料にはさまざまな種類があります。以下は広く使用される絶縁塗料の種類一例です。

1. アクリル樹脂塗料

1950年頃に誕生したアクリル樹脂を主成分とする塗料です。無色透明で光沢を持っているのが特徴です。電気絶縁性以外にも耐水性に優れており、主に自動車や家電製品に多く使用されています。

価格が安く発色・ツヤが良い点がメリットです。一方でデメリットは、紫外線に弱いため劣化が早いことです。

2. エポキシ樹脂塗料

エポキシ樹脂 (英: epoxy resin) が主成分の塗料です。主剤であるエポキシ樹脂と硬化剤を反応させて網目状の架橋を行うのが特徴です。

絶縁塗料の中でも密着性が高い塗料の1つで、エポキシ樹脂の特性を反映しており、耐水性や耐腐食性に優れています。したがって、パイプや保存タンクなどに使用されます。また、硬度が高く耐摩耗性にも優れており、乾式変圧器のコイル含浸用としても利用される原料です。

3. ケイ素塗料

主成分としてケイ素を含む特殊な塗料です。電気絶縁性の他にも耐熱性に優れている点が特徴です。高温や低温時でも安定しており、エアコンやヒーターなどの冷暖房家電に多く使用されます。

4. ポリウレタン樹脂塗料

ポリウレタンと呼ばれる合成樹脂を主成分として含む塗料です。ポリウレタンはポリマーの1種であり、化学的な反応によって生成されます。

電気絶縁性以外にも薬品耐性に優れており、家電や通信機器に広く使用されています。耐摩耗性も非常に高く、優れた耐久性を持ちます。そのため、床や家具などの表面コーティングに使用されます。また、塗料の皮膜を剥がすことなくはんだ付けできるという点もメリットです。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/surface_treatment_technology/st01/c1784.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/36/4/36_193/_pdf

粉塵計

粉塵計とは

粉塵計

粉塵計は、空間内の粉塵濃度を測定するための装置です。

空間内の粒子を計測する装置としては、粉塵計の他にパーティクルカウンターがあります。この2つの装置はよく似ていますが、粉塵計のほうが高濃度の測定が可能です。

粉塵計とパーティクルカウンターは、計測および表示する濃度単位が異なります。粉塵計では質量濃度、パーティクルカウンターでは個数濃度で測定・表示されます。

2つの装置間で異なる点としては、吸引速度も挙げられます。高濃度の測定に用いられる粉塵計においては、吸引速度は毎分数Lほどで十分です。一方パーティクルカウンターは、比較的粒子濃度が低い気体を測定するため吸引量を増やす必要があり、吸引速度は速いと毎分100Lのものまであります。 

粉塵計の使用用途

粉塵計は比較的高い濃度の粉塵を測定する装置です。使用例としては、一般的な室内、屋外の大気、または工場、トンネルなどの粉塵濃度が高い場所が挙げられます。PM2.5の測定は大気中で行われるため、粉塵計が用いられます。

これに対しパーティクルカウンターは、粉塵計と比べて粒子濃度が低い空間で使われるのが普通です。例えば医療分野や電子材料分野、食品分野の製造工場のクリーンルームなど、清浄度が高い空間での測定に適しています。 

粉塵計の原理

粉塵の検出には、一般にレーザーが用いられます。レーザーを粉塵に当てると、粉塵のサイズや形状、色などの性質が均一であれば、生じる散乱光の強弱は粉塵の質量濃度に比例することが知られています。レーザー粉塵計では、この散乱光の強弱を電気信号に変換することで、粉塵の質量濃度を測定しているのです。

レーザーを用いて間接的に粉塵濃度を測定する手法(相対濃度測定法)に対し、フィルターで捕集した粒子の質量を直接測定する手法は直接重量測定法と呼ばれています。レーザーによる測定は、フィルターを用いる測定に比べて少量の吸引で測定が可能で、測定時間が短いという利点があります。この利点を活かし、粉塵濃度の経時変化や分布の変化の測定に利用することが可能です。

しかし、レーザー粉塵計により得られる相対濃度は、あくまで粉塵の性状が均一である前提で間接的に求めたものです。得られた濃度の妥当性を確認したいときは、直接重量測定法との比較試験を行います。 

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2011.1/0/2011.1_305/_pdf/-char/ja
https://www.transtech.co.jp/product/particle-qa
http://www.kanomax.co.jp/technical/detail_0029.html 

紫外線強度計

紫外線強度計とは

紫外線強度計とは、特定波長の紫外線の強度を測定する機器です。

紫外線は波長が10~380nmと非常に短く、人間の目には見えない電磁波です。可視光線の紫の外側ということから紫外線と呼ばれます。紫外線は波長が短いためエネルギーが高く、殺菌や様々な工業的用途で使用されています。一方で、DNAには紫外線の特定波長に吸収帯があり、紫外線によってDNAが傷ついてしまうことから人体には有害です。紫外線を適切に管理して使用する目的や、太陽光に含まれる紫外線を測定する目的で、紫外線強度計は使用されています。

紫外線強度計の使用用途

1. 概要

紫外線強度計の一つの用途は太陽光に含まれる紫外線を測定することです。それ以外では、人為的に紫外線を利用する際に、光量を測定し、管理する目的で使用されます。紫外線には非常に多様な用途が有り、下記はその例の一部です。

  • 半導体、液晶、PCB製造における、レジスト硬化、シーリング、接着処理
  • プリント基板の印刷、乾燥、実装ライン
  • 各種産業における殺菌工程
  • 食品加工
  • 半導体、FPD、プリント基板などのフォトリソ工程管理
  • 印刷、製版における感光材
  • 太陽電池の特性評価
  • 光電気反応、光化学反応、光放射バイオ反応の利用
  • 医療 (紅斑、色素沈着、白斑病治療、光過敏症診断)
  • 歯科における紫外線硬化樹脂の使用
  • 家畜、魚類の成育促進・管理
  • 植物の徒長抑制や光合成環境管理
  • その他、学術研究

例えば、紫外線照射用のランプが劣化して紫外線の強度が低下してしまうと、硬化させる樹脂が上手く固まらないなどの問題が生じます。そのため、紫外線の照射を伴う作業の場合は、紫外線強度計で定期的に強度を確認する必要があります。

2. 紫外線強度計を必要とする照射装置の例

以下のような各種紫外線照射装置の保守管理で、紫外線強度計が使用されています。

  • 紫外線ランプ
  • 露光装置
  • 紫外線消毒装置、殺菌装置
  • 紫外線硬化装置
  • 紫外線表面処理装置

高圧水銀ランプやエキシマランプをはじめとする紫外線ランプは、使用に伴い劣化し、紫外線強度が低下します。そのため、紫外線強度計で定期的に強度を確認することは大切です。半導体産業などの厳密な紫外線強度を求める分野で特に必要とされています。

紫外線強度計の原理

紫外線強度計はシリコンフォトダイオードを主な動作機構として動作する装置です。フォトダイオードのPN接合部に紫外線が当たることで、電子と正孔が生まれます。電子はN型領域、正孔はP型領域へと移動し、その結果、フォトダイオードに電流が流れる仕組みです。これは、光電効果の一種である光起電力効果を利用しています。

この際に流れる電流は紫外線の強さに比例するため、電流値の変化を測定することにより紫外線量を定量化することが可能となります。

紫外線強度計の種類

紫外線強度計には、太陽光を測定するための機器や、工業用・産業用に利用される紫外線を計測するための機器等の種類があります。

1. 太陽光測定用

太陽光測定用の紫外線強度計は、UVA/UVB/UVCなどの波長別に測定を行うことが可能です。製品によって、測定可能な波長が異なる他、複数の波長の光を合算して計測する (UVAとUVBなど) 場合もあるため、注意が必要です。紫外線のカット能力の判定や、教育用、劣化作用の検証などに用いられます。中には、測定した数値から人体のビタミンD3の体内生産量を推定することが可能な製品もあります。

2. 工業用・産業用

工業用の紫外線強度計には様々な波長域の種類があります。230~280nm、350~490nm、290~430nmなどの種類があり、ピーク感度波長は、255nm/355nm/410nmなどです。照射装置の強度分布・交換時期の管理などに使用されます。

内蔵メモリを保有している他、USBメモリなどで書き出すことが可能な場合が多いです。工業的用途であることから、本体が耐熱構造である場合もあります。リアルタイム照度やピーク値だけでなく、積算光量や偏差などの多種測定が可能な機種もあります。目的や用途に合わせて最適なものを選定することが可能です。

参考文献
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color_part2/vol13.html

簡易集塵機

簡易集塵機とは

簡易集塵機

簡易集塵機とは、小型で手軽に利用できる粉塵を集めるための集塵装置です。

家庭や作業場などで使用されます。木工・金属加工やDIYプロジェクトなど、粉塵やごみの発生が多い作業において特に有用です。簡易集塵機を使用することで粉塵が周囲に広がるのを抑えられ、作業場の清潔さや安全性が向上します。

簡易集塵機は小型なため、全体換気装置よりも局所的に粉塵を除去することが可能です。移動型集塵装置や集じん袋付きの小集塵装置などの製品が存在します。簡単に移動・設置が可能な型が多く、作業手順や工程により最適な簡易集塵機を選択することが可能です。

ただし、簡易集塵機は本格的な集塵装置と比較して吸引力や容量が限定されている場合があります。大量の粉塵や重いごみを処理する際は、より大きな容量や高い性能を持つ集塵機を検討する必要があります。

簡易集塵機の使用用途

簡易集塵機は、さまざまな分野で役立ちます。

1. 木工作業

木材の切削や削りくずの発生が多い木工作業において、簡易集塵機は非常に有用です。木くずや粉塵を効果的に集めることで、作業場の清潔さを保ちつつ粉塵が周囲に飛散することを防ぎます。

2. 加工作業

金属の切削や研磨などの加工作業では、金属粉塵や切りくずが発生します。簡易集塵機を使用することで、これらの粉塵やごみを効率的に集めることが可能です。また、金属粉塵は健康に害を及ぼす可能性があるため、集塵機を使用することは作業者の安全性を高める一環となります。

3. 家庭でのDIY

自宅でのDIYプロジェクトにおいても、簡易集塵機は便利です。木工や金属加工などの作業で発生する粉塵やごみを効果的に集めることが可能です。これにより、作業場や周囲の清潔さを維持し、作業の効率と安全性を向上させることができます。

簡易集塵機の原理

簡易集塵機は以下のような要素で構成されます。

1. モーター

吸引力を発生するためにモーターを使用します。モーターは通常、電源からの電力を受け取って回転力を発生します。この回転力によって吸引ファンやブロワーユニットを駆動し、空気を移動させます。

2. 吸引ファン/ブロワーユニット

モーターによって駆動される吸引ファンまたはブロワーユニットが、空気を吸引または送風する役割を果たします。空気の流れを生成し、粉塵やごみを吸い込む力を発生させます。

3. フィルター

吸い込まれた空気中の粉塵やごみを捕集するためのフィルターが装備されています。微細な穴やメッシュ構造を持っており、空気を通す一方で粉塵やごみを取り込みます。フィルターの種類は機種によって異なりますが、布製のバッグフィルターやフィルターカートリッジを使用するのが一般的です。

4. キャッチ容器

粉塵やごみがフィルターに捕集されると、それらを保持するためのキャッチ容器があります。キャッチ容器は一般的に取り外し可能な構造で、定期的に中身を取り出して清掃することが可能です。容器の容量は機種によって異なりますが、大型の集塵機に比べて容量は限定されている場合があります。

5. フレーム

モーターやファンなどの構成要素を保持するための構造です。一般的にはプラスチックや金属などの耐久性のある材料で作られます。取っ手やホース接続口などの便利な機能も備わっている場合があります。

簡易集塵機の選び方

簡易集塵機を選ぶ際は、フィルターや携帯性、吸引力などから選定します。

1. フィルターのタイプ

簡易集塵機には、バッグフィルターやフィルターカートリッジなどのフィルタータイプがあります。吸い込む粉塵やごみの種類に応じて、フィルタータイプを選ぶことが大切です。また、フィルターの清掃や交換の容易さも考慮が必要です。

2. 携帯性

簡易集塵機は移動しながら使用することも多いため、携帯性が重要です。軽量かつコンパクトなデザインの集塵機は、使用場所の変更や移動が容易です。取っ手やキャスター付属など、持ち運びや操作がしやすい機能を備えた製品も販売されています。

3. 吸引力

吸引力は、集塵機の性能を評価する重要な指標です。吸引力が強いほど、より効果的に粉塵やごみを集めることができます。吸引力はモーターやファンの設計によって決定します。

参考文献
https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000fkjc-att/2r9852000000fn7n.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakoronbunshu1953/31/7/31_7_628/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakoronbunshu1953/26/11/26_11_1207/_pdf
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1970/10/1970_10_01.pdf