超音波厚さ計

超音波厚さ計とは

超音波厚さ計

超音波厚さ計とは、超音波を用いて物体の厚さを測定する装置です。

超音波が物体内部を移動する伝播時間を計測し、それに基づいて厚さを求めることができます。物体を傷つけずに厚さを測定できるため、製品や材料の品質管理に適しています。また、測定精度も高く、超音波の伝播時間を正確に計測することで微細な厚さの変化や薄い材料の厚さも検出することが可能です。

一般的には、測定装置を対象物の表面に押し当てて測定ボタンを押すだけで結果を得ることができます。デジタル表示や自動計測機能など、多機能機種も多いです。多くの超音波厚さ計は携帯可能であり、現場での使用に適しています。コンパクトなサイズなので、移動しながら複数個所を測定することもできます。

超音波厚さ計の使用用途

超音波厚さ計は、厚みを計測するさまざまな場面で活躍します。

1. 製造業

製造業では幅広く使用される機器です。鋼板やアルミニウムプレートなどの金属製品の厚さを測定するために用います。自動車の車体パネルや航空機のフレームなどの製造時に、正確な厚さを確保するために使用されます。

2. 建設業界

建築業界でも、建設現場や建築材料を対象として頻繁に使用されます。コンクリートの柱や壁の厚さを測定して強度を評価したり、フロアのコンクリートの厚さを確認して均一性を確保することが可能です。

また、金属の腐食検査にも用いられます。地下や建物内を通っている配管は気づかぬ内に腐食が進行していることも多いです。非破壊で外側から腐食による厚み減少を計測できるため、非常に重宝されます。

超音波厚さ計の原理

超音波厚さ計は、超音波の伝播時間を利用して物体の厚さを計測する原理です。まず、超音波発生装置が超音波を発生します。超音波発生装置は一般に圧電素子や磁気素子などで構成され、電気エネルギーを超音波に変換することが可能です。

発生した超音波は測定対象物の表面に向けて放射され、内部の物体構造や界面で反射や散乱が起こります。反射された超音波は受信器によって受信されます。受信器は超音波を受け取り、再び電気信号に変換することが多いです。この際、反射信号の到達時間が計測されます。

演算装置は、発生した超音波パルスから反射信号の到達時間を計測します。超音波の伝播速度をあらかじめ入力することで、到達時間を元に物体内の距離を算出することが可能です。超音波の速度は物体の材料や密度によって異なるため、正確な速度情報が必要です。

超音波厚さ計の種類

超音波厚さ計にはさまざまな種類が存在します。以下は代表的な種類の一例です。

1. 単素子型超音波厚さ計

1つの送受信素子を使用して超音波を発生し、反射信号を受信する超音波厚さ計です。一般的に薄い材料や単純な厚さ測定に適しています。

2. 二素子型超音波厚さ計

送信素子と受信素子を別々に配置した超音波厚さ計です。送信素子が超音波を発生し、受信素子が反射信号を受信します。高い信号の精度と感度を有し、多くの応用用途に使用されます。

3. デュアルエレメント超音波厚さ計

送信素子と受信素子が同じセンサーヘッドに組み込まれた超音波厚さ計です。送信と受信の位置が正確に対応し、より信頼性の高い測定結果を得ることが可能です。特に高温環境や不均一な表面条件の下での測定に適しています。

4. マルチエレメント超音波厚さ計

複数の送受信素子を持つ超音波厚さ計です。複数の角度から超音波を発生し、受信することができます。マルチエレメントの使用により、曲率のある表面や複雑な形状を持つ部品など、より複雑な応用用途での厚さ測定が可能です。

超音波厚さ計の選び方

超音波厚さ計を選ぶ際は、対象物体の特性や測定範囲、操作性などを考慮します。

1. 測定する対象

まずは、測定する材料の種類や表面状態などを考慮することが重要です。一部の材料や形状では、特殊な超音波厚さ計でなければ測定できないケースもあります。

2. 測定する厚さ・精度

測定したい厚さの範囲や必要な精度も考慮します。厚い材料や極薄の材料の測定には、対応できる範囲と高い精度を持つ超音波厚さ計が必要です。

3. 操作性

操作性も重要な要素です。直感的なインターフェース、使いやすいメニュー、データ保存機能など、操作性に関連する要素を確認します。

参考文献
https://www.dakotajapan.com/mpseries/point.html

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