セルフィール

セルフィールとは

セルフィールとは、空気中に噴霧施工することによっって有害物質を分解し、消臭や抗菌作用を果たす空気触媒です。

空気中の水と酸素だけを利用して、さまざまな効果が発揮されます。他の触媒として知られているものに光触媒がありますが、光触媒が作用するためには光が必要です。

空気触媒のセルフィールは、光がない場所でも空気中の水と酸素があれば作用できるのが特徴です。

セルフィールの使用用途

セルフィールは、新築やリフォーム後のお部屋において、さまざまな建材に含まれる揮発性のホルムアルデヒドやvocによって問題となるシックハウス症候群を防ぐために用いられます。

新築やリフォーム後の建築物以外では、病院や学校、商業店舗、多くの人が集まる公共施設、電車、鉄道などの公共交通の車内に施行されます。

セルフィールの原理

セルフィールは触媒です。まず触媒とは、自分自身は変化しないままで、特定の化学反応を促進させる物質のことを指します。触媒がない環境では起こりにくい化学反応であっても、触媒を加えることによって科学反応が促進されます。

その際に、触媒自体が変化することはありません。セルフィールは空気触媒なので、空気だけを使って触媒効果を発揮します。空気の中でも関与するのは、水と酸素です。具体的には、セルフィールに含まれているカリウム40という成分が、空気中の水分子に作用し、ヒドロキシルラジカル (・OH) と過酸化水素を生成します。

生成された過酸化水素は、セルフィール中の鉄やチタンなどのフェルトン反応と呼ばれる作用によって、ヒドロキシルラジカルを生成します。また、過酸化水素から生成されたヒドロペルオキシルラジカル (・OOH) や、空気中の酸素から生成されるのが、スーパーオキシドイオン (O2-) です。

このようにセルフィールは、空気中の水からはヒドロキシルラジカルを生成し、空気中の酸素からはスーパーオキシドイオンを発生します。そして、ヒドロキシルラジカルが、セルフィールのさまざまな効果を担います。また酸素から生成されたスーパーオキシドイオンの作用は、空気中における分解反応です。この分解反応が起こることによって、細菌などが死滅し、カビの繁殖を防ぐ効果が得られます。

セルフィールのその他情報

1. ラジカルとは

ラジカルとは、不対電子を持った原子や分子のことです。ラジカルは通常の原子や電子のように安定していないために、さまざまな反応を生じます。セルフィールが触媒として化学反応を促進するのは、ラジカルが活発に働くものだからです。

また、ラジカルは反応後には、水と酸素に再び分解され、空気中に戻ります。つまり、空気中の水と酸素を循環、利用できます。

2. セルフィールの効果

セルフィールは、新築住宅で問題となるシックハウス症候群を防止する効果があります。他にも、室内の壁などに汚れが付きにくくなる防汚効果や抗菌・防カビ効果、トイレやタバコの臭いなどに対する消臭効果、抗ウイルス効果、マイナスイオン効果などがあります。

3. セルフィールと光触媒との違い

セルフィール以外で、シックハウス症候群を防止するものは光触媒です。光触媒が作用するためには十分な光、具体的には紫外線が必要であり、紫外線が入る環境においては、セルフィールよりも高い効果が発揮できます。

セルフィールの特徴は、光の少ない環境でも効果を発揮できることです。その他、施行しても壁などに変色や風合いの変化がない、無色透明である、施行にあたって養生が不要であり、容易に作業できる、低コストであることもメリットとして挙げられます。

特に、セルフィール自体は人体に無害です。安全性が高いことから学校や病院、公共施設などでも採用され、体の弱い方や子供にとっても安心して使用することができます。

参考文献
https://nichirin-chemical.co.jp/products/selfeel/effects01.html

セラミック板

セラミック板とは

セラミック板とは、 粘土や珪石等の天然物を用いて焼いた板のことです。

一般的に耐火性や耐久性のある板として、古くから汎用的に利用されています。セラミックは非金属の素材で作られたものであるため、純金属や合金で作られるものとは異なります。

セラミック板の使用用途

セラミック板は、瓦や石膏ボード、陶磁器、セメント壁、ガラス板など、耐久材として使用されています。セラミック板の特徴は、金属板と比べて軽く、プラスチック板と比べて重いものが多いことや硬度と耐熱性が高いことです。

現在は、原料の精製及び加工技術の進歩に従って、機械材料、電子材料、複合装甲等の材料にも用いられています。しかし、内部における局所的な構造の欠陥によって熱衝撃破壊や脆性破壊が生じやすいため、強度のばらつきが大きく、加工が困難であることから信頼性があまり良くないことも特徴です。

セラミック板の原理

セラミック板の原料には、炭化ケイ素などを用いた炭化物系、炭酸マグネシウムなどを用いた炭酸塩系、チタン酸バリウム、ジルコニア、アルミナなどを用いた酸化物系、蛍石などを用いたハロゲン化物系、リン酸ジルコニルなどを用いたリン酸塩系、窒化ケイ素などを用いた窒化物系、ハイドロキシアパタイトなどを用いた水酸化物系などがあります。

それらの原料を使用用途に合わせて、ボード状や角板に加工したものがセラミック板です。また、複合材料として炭素を用いた炭素系の原料を用いた板もあります。セラミック板は少しの衝撃でも壊れやすいため、構造材として用いられています。

セラミックの特徴

セラミックの脆さの原因である破壊靱性の低さは、金属イオンと非金属イオンによる強固なイオン結合と共有結合によってもたらされます。金属イオンと非金属イオンの間に強い力が加わると、それらの原子は元の場所から隣の原子がある位置にずれようとします。

金属イオンと非金属イオンは強固に結合していることから、力の加わっていない原子間での位置ずれはほとんど生じません。そのため、強い力で結合がずれた領域は、再び引き付けられることがなく、脆く粘りの無い板になります。

しかし、このデメリットを克服する方法も存在します。具体的には、アルミナ繊維、炭化ケイ素、炭素繊維などの織物を強化材として混ぜ込んだセラミックを固めて焼成するという方法です。この方法で作られた繊維強化セラミックスは、セラミックの脆さを補完することができます。

セラミック板の種類

セラミック板には、素材ごとによって使用される場所や目的が分かれています。それぞれの機能性や特徴によって適切に使い分ける必要があります。

また、ほうろうは金属の上に釉薬皮膜を重ねているため、セラミックの部類には入りません。

1. ガラス製セラミック板

ガラス製のセラミック板は耐熱性に優れているため、加熱しても有害物質を発しません。また、赤外線の透過率がいいため、保護板として非加熱物と火元の間においても熱がとても伝わりやすいことが特徴です。

さらに、耐薬品性も高いことから、腐食性液体からの保護板としても優れています。

2. 石膏ボード

硫酸カルシウムを主成分とした鉱物である石膏は、防火性の高さ、遮音性に優れていることから、建築物の材料として使用されます。無機質であり火が燃え移りにくいというメリットから、内壁や天井、クロス貼りの仕上げ下地材として使用されることも多いです。

3. コンクリート壁

コンクリート壁の素材として使用されているセラミック板は、建築物の外構や内壁にも使用されており、シンプルな色や素材が持つ特徴的な質感が人気を集めています。

4. セラミックタイル

セラミックの素材を使用してタイル状にしたものをセラミックタイルと呼びます。色や模様も様々ですが、天然石のような質感のものは、キッチンや浴室などの水回りに使用できるほか、床や壁など幅広く使用されています。

また、メンテナンス性が高いことも特徴です。セラミックタイルの施工後に防汚加工を施すことによって、定期的なワックス塗布をしなくても艶のある綺麗な状態を維持できます。

スケール防止剤

スケール防止剤とは

スケールの堆積とスケール防止剤の概要

図1. スケールの堆積とスケール防止剤の概要

スケール防止剤とは、送排水施設や設備、配管内などに堆積した水の不溶な水垢 (難溶性の塩) を除去する薬剤です。

地下水などに溶け込んでいるシリカ、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が、空気との接触による酸化、圧力や温度の変化などによって、水に溶けにくくなり析出して結晶化した物をスケール (Scale) と呼びます。

スケールが配管設備などの内部で結晶化して固着した場合、除去することが困難となり、送排水に問題が生じます。スケール防止剤は、このようなスケールの析出を抑制したり、析出したスケールを分散させる目的で使用される薬剤です。

スケール防止剤の使用用途

1. 配管・送排水施設

一般的に水中には様々なイオンが含有されています。陽イオンでは、カルシウム、マグネシウム、鉄、バリウムなどが含まれ、陰イオンでは炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、ケイ酸イオンなどが含まれています。スケールとは、これらのイオンが過飽和状態となって析出する難溶性の塩です。スケールが発生する原因には、加熱や冷却、pHの変化などが挙げられます。また、温泉水には無機質成分が多いため、特にスケールが堆積しやすい性質があります。

工場の製造現場や温泉のボイラー、熱交換器などにおいては、配管にスケールが詰まると、送排水に大きな圧力が必要です。水の循環速度が遅くなることで生産能力や熱効率が低下し、また、機器故障の原因にもなります。運営コストや管理コストの増加要因でもあります。スケール防止剤は、このようなスケール堆積による不具合を防止するために使用される薬剤です。工業的には、ボイラーや冷却塔の冷却水配管、食品工場の配管などにも使用されています。

2. その他

スケール防止剤は、送排水の他に、鏡や自動車の表面にできるウロコ状のスケールを取り除く際にも使用されます。

スケール防止剤の原理

1. 概要

スケール防止剤は、水中に溶解している無機成分に対してスケールの析出・堆積を防止する効果があります。主な作用としては、

  • 無機成分と結合して静電反発作用によって安定化する
  • 立体障害作用を利用して安定化する
  • pH調整や脱酸素剤として作用する

などの種類があります。

2. 静電反発作用

スケール防止剤による静電的反発の模式図

図2. スケール防止剤による静電的反発の模式図

静電的反発作用を用いたものでは、スケール防止剤がマイナスの電荷を持ち、無機イオン成分同士の接近・結合を抑制します。溶解している状態が安定となり、析出しにくくなる仕組みです。

3. 立体障害

スケール防止剤による立体的反発の模式図

図3. スケール防止剤による立体的反発の模式図

立体障害の作用を用いたものは、側鎖構造が大きく立体障害の高いスケール防止剤が水中の無機イオンと結合します。その結果、イオン成分同士の結合を立体的に阻害して反発し、水中での安定性が増して溶解状態が安定となります。

4. その他

温泉などのカルシウム系のスケールは、酸性条件下で溶解させることが可能です。このため、塩酸などのpH調整剤や脱酸素剤を除去剤として有効に用いることができます。尚、シリカ系のスケールは、酸性洗剤でも落ちにくい特徴がありますが、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムに良く溶けるため、これらが主成分である除去剤を用いることで、対策が可能です。

スケール防止剤の種類

スケール防止剤には、温泉で用いられることの多い製品と、主に工業配管で用いられる製品などの種類があります。

1. 温泉用途など

温泉用途では特に無機イオンの成分が多く、また温泉によっても成分の種類が異なるため、泉質に合わせた製品展開です。鉄系スケールに特化した製品や、鉄・カルシウム・硫酸カルシウム・複合スケールなど広く付着を防止する製品などがあります。また、温泉や、食品工場などで用いられるスケール防止剤には、食品添加物を原料に用いた、人体への安全性が高いものもあります。

2. 工業用

工業用では、特に冷却水での需要が多いことから冷却水向けの製品が販売されています。中には、スケールの防止とともに、冷却水系で繁殖しやすい細菌の防除、スライム、腐食予防が同時に可能なものもあります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/grsj1979/25/3/25_3_163/_pdf

スプレードライヤ

スプレードライヤとは

スプレードライヤ

スプレードライヤとは、特殊な装置で溶液を噴霧し乾燥させる技術のことです。

溶液が微粒子化され、熱風と触れる表面積が増大します。結果として、短時間で乾燥が可能です。スプレードライヤーの利点は、熱による変性を抑えられることです。

短時間で乾燥できるため、成分の劣化を防げます。さらに、通常の乾燥方法に比べて工程数が少なく、効率的な過程が実現可能です。

食品、医薬品、合金、ファインセラミックスなど、多岐にわたる分野で活用されており、用途は多岐にわたります。スプレードライヤは、品質を維持しながら迅速に乾燥させることが求められる産業において、重要な役割を果たしています。

スプレードライヤの使用用途

スプレードライヤは幅広い分野で活用されており、特に食品や医薬品の製造において重要な役割を担っています。

1. 食品分野

食品分野では、インスタントコーヒーの製造にスプレードライヤが利用されています。コーヒー液を噴霧し乾燥させることで、長期保存が可能な粉末状のコーヒーが作られます。

2. 医薬品分野

医薬品分野では、新薬候補となる化合物の開発にスプレードライヤが活用されています。従来は水に溶けにくい化合物が開発の障壁となっていましたが、スプレードライヤを用いることで、これら難溶性の化合物でも薬剤化が可能になりました。

有機溶剤に溶ける化合物であっても、熱による乾燥の制限がある可燃性の有機溶媒を回避し、安全な方法で薬剤を製造することが可能です。

スプレードライヤの原理

スプレードライヤは、溶液を乾燥室で噴霧し、熱風で粒子化させています。構成部品は、原料タンク、送風機、乾燥室、フィルタの4つです。原料タンクから溶液が乾燥室に供給され、送風機からの熱風と乾燥室での噴霧により粒子化し、粒子化した製品はフィルタで捕捉されます。

乾燥室での噴霧方法の方式は主に、ロータリーアトマイザー方式とノズル方式の2方式です。スプレードライヤは、噴霧方式を組み合わせることで、さまざまな粒子径や特性を持つ製品を効率的に作製可能です。

1. ロータリーアトマイザー方式

穴の開いた円盤を回転させ、遠心力で溶液を飛散させて乾燥させます。粒子径は円盤形状や回転数で調節可能です。

2. ノズル方式

ノズル方式は、圧力をかけてノズルから溶液を噴射し、熱風で乾燥させます。ノズルには一流体ノズルと二流体ノズルがあり、一流体ノズルは設置面積が限られた場合に使用され、比較的大きい粒子が得られます。一方、二流体ノズルはロータリーアトマイザー方式よりも小さい粒子を作製でき、低い圧力で粒子化が可能です。

スプレードライヤのその他情報

スプレードライヤと併用される装置

スプレードライヤは、さまざまな製品の乾燥プロセスにおいて利用される装置ですが、他の機械と併用されることもあります。併用される機械は、搬送ポンプ、混合機、微粒子分離機 (サイクロン・バッグフィルター) の3種類が代表的です。

スプレードライヤを組み合わせることで、効率的に安定した乾燥プロセスが実現され、製品の品質や生産性が向上します。各工程のニーズに応じて、適切な機械を選択することが重要です。

1. 搬送ポンプ
搬送ポンプは、原料タンクからスプレードライヤへ溶液を連続的に供給するために使用される機械です。搬送ポンプは、正確な流量制御が可能で、均一な供給を保証します。また、高粘度の溶液や懸濁液に対応した特殊なポンプも利用されることがあります。

2. 混合機
混合機は、スプレードライヤに供給される溶液の均一性を確保するために使用されます。混合機には、高速回転するインパラーや静的ミキサーなど、さまざまなタイプが存在します。

3. 微粒子分離機 (サイクロン・バッグフィルター)
微粒子分離機は、スプレードライヤから排出される乾燥ガス中の製品粒子を回収するために使用されます。サイクロンは、遠心力を利用して粒子を分離し、バッグフィルターは、繊維製のフィルターを通過させて粒子を捕集します。製品の回収効率を高めるだけでなく、環境への粉塵の放出を低減させることが可能です。

参考文献
https://www.preci.co.jp/spray-dryer/spray-dryer-profile/
http://www.makino-co.co.jp/products/kansou/kansou01/
https://www.agf.co.jp/enjoy/cyclopedia/flow/manufacture_02.html
https://tech.fujichemical.co.jp/csd/
http://nikkakasei.com/spraydry

スパイラルフリーザ

スパイラルフリーザとは

スパイラルフリーザ

スパイラルフリーザとは、螺旋状に配置されたコンベア上で対象物を冷凍させる装置です。

直線状のコンベアに比べて、省スペースかつコンベアの全長が長くなります。そのため大量の冷凍が可能になり、コスト削減につながります。また人の手が加わる工程を削減可能で、異物混入を防ぐことで品質管理にもメリットを及ぼします。

スパイラルフリーザの使用用途

スパイラルフリーザは、主に食品分野で使用されます。主な用途は食品の冷凍やチルド品の一時冷却です。

冷蔵庫に付属して食品を急速に冷凍するために使用されます。食品を凍結させることで、品質や味を長期間保つこと可能です。冷凍食品や冷凍果物など、多くの食品製品の生産に欠かせない装置です。

また、チルド品の一時冷却にも使用されます。チルドルーム (低温保存室) に入れる前に食品を冷やすことで、食品の品質を保つことができます。

その他には化粧品やペットボトル飲料の冷却にも使用されます。ジェル状のスキンケア製品やアイシャドウなどは低温環境で保管することで、劣化や変質を防ぐ場合があります。焼き菓子やパンの冷却に使用される場合もあります。

スパイラルフリーザの原理

スパイラルフリーザは対象物をコンベアに載せ、冷却室内に入れます。冷却室内では冷媒を循環する管が内蔵され、冷却室の温度を下げます。コンベアは対象物を回転させながら進み、冷却室内を通過することで対象物を急速に冷却されます。

コンベアに使われるベルトには種類があります。対象物の種類により使い分けられます。

1. プラスチックベルト

プラスチックで作られたベルトで、レンガのようにモジュール構造です。取り外しやすく手入れが容易で、金属製よりも軽く持ち運びもしやすい点が特徴です。ほうれん草など冷凍野菜の製造で用いられます。

2. メッシュベルト

金属で作られた網目状のベルトで、ステンレスが用いられることが多いです。0℃以下の低温から200℃以上の高温まで、幅広い温度域に対応しています。練り製品など非常に高い温度で製造される食品の冷凍に用いられます。

また、メッシュの目が細かいため、米粒など小さいものに対しても使うことが可能です。高温下で扱えるため、蒸気による殺菌や消毒が可能でコンベアを衛生的に保つことができます。スパイラルフリーザはメッシュベルトが用いられています。

スパイラルフリーザの種類

スパイラルフリーザは使用される冷媒に応じて、いくつかの種類があります。

1. 液体冷媒式

液体冷媒を循環させて対象物を冷却するタイプのスパイラルフリーザです。冷却速度が速く、急速に対象物を冷却できます。電力によって液体冷媒を気化・液化するため、冷媒を再利用できる点が特徴です。

ただし、液体冷媒にはフロンガスなどの環境に悪影響を与える物質が含まれていることがあるため、環境問題などの課題があります。近年では環境に配慮した冷媒が使用されるようになってきています。

2. 液体窒素式

液体窒素を使用して食品を急速に冷却するタイプのスパイラルフリーザです。液体窒素は非常に低温であり、-196℃で沸騰するため極めて高い冷却効果が得られます。液体窒素は急速に蒸発して窒素となるため、環境への悪影響を与えない点が特徴です。

液体窒素式スパイラルフリーザの冷却プロセスは、液体窒素をスプレーまたはノズルから食品の上に散布することによって行われます。食品の表面に液体窒素が付着して、急速に蒸発することで食品の温度を下げます。このプロセスを繰り返すことにより、食品の内部にまで急速に冷気を送り込むことが可能です。

ただし、液体窒素式スパイラルフリーザにはいくつかの欠点があります。まず、液体窒素の取り扱いには専門的な知識が必要であり、設置・操作には高度な技術が必要となります。また、運用に高価な液体窒素を大量に必要とするため、ランニングコストも高くなる傾向があります。

参考文献
https://shunkashutou.com/column/spiral-freezer-structure/
https://www.mhiair.co.jp/contents/14-engineering/spiral-freezer.html
https://www.technican.co.jp/column/1607/
http://www.yoneda-kohki-group.co.jp/prdct_blog.asp?page=post2006
https://www.galilei-tm.co.jp/product/wkf.html

スクロールコンプレッサ

スクロールコンプレッサとは

スクロールコンプレッサとは、渦巻き状の回転盤 (スクロール) が回転することで、圧縮空気を作り出す装置です。

圧縮空気は自転車や車のタイヤなど、私たちの生活の身近なところで使用されています。この圧縮空気を作り出すのが、コンプレッサの役割です。

コンプレッサには大きくスクロール、レシプロ、スクリューの3種類がありますが、スクロールコンプレッサは近年最も注目されています。

スクロールコンプレッサの使用用途

スクロールコンプレッサの身近な使用例は、家庭用のエアコンの室外機です。スクロールコンプレッサは、比較的小型のコンプレッサの効率が高く、騒音も少ないです。

オイルフリーコンプレッサであることから、一般家庭用、食品、冷蔵、輸送業界で広く用いられています。

スクロールコンプレッサの原理

コンプレッサはある空間に存在する空気を圧縮する装置ですが、スクロールコンプレッサでは空気を圧縮するために、インボリュート曲線で構成されたスクロールを2つ組み合わせています。インボリュート曲線とは、円筒に糸を巻きつけておき、糸を緩むことなく引きほどいていく際に糸の先端が描く曲線のことです。

動力伝達に用いる歯車の歯形にも、インボリュート曲線が広く使われています。スクロールコンプレッサではインボリュート曲線形状を持つ2つのスクロールを180°ずらした状態で噛み合わせています。一方のスクロールを固定し、もう一方のスクロールを動かすことによって生まれる2つのスクロールで仕切られた空間の容積の変化を利用して、空気を圧縮する仕組みです。

スクロールコンプレッサの構造

スクロールコンプレッサの可動部分は、2枚のスクロールで構成されています。一方が固定スクロールで、もう一方は旋回スクロールです。

吸い込み口から気体が入ると、旋回スクロールが回転して空気を移動させます。固定スクロールと旋回スクロールの隙間に空気が一定以上溜まると、中心部にある吐出口から圧縮空気が押し出され圧縮空気が押し出されたら、旋回スクロールは最初の位置に戻ります。

このサイクルをの繰り返しが、連続的に圧縮空気を送り出すスクロールコンプレッサのメカニズムです。

スクロールコンプレッサの特徴

スクロールコンプレッサには、次のような特徴があります。

1. オイルフリーエアである

スクロールコンプレッサで得られる圧縮空気は、オイルフリーエアです。コンプレッサで圧縮空気を作る際、旋盤やピストンの動きを滑らかにするため、装置の中にオイルを入れて使う方式があり、一般工場用機械の作動用エアとして広く用いられています。

スクロールタイプではオイルは使用していない無給油式のため、食品、塗装、医療等、オイルを嫌う用途に向いたコンプレッサです。

2. 低音・低振動で作動できる

スクロールコンプレッサは発生する音や振動が、他の方式に比べて非常に小さく抑えられます。そのため、近くで作業していても、騒音を最小限に抑えることが可能です。

3. 小型クラスで効率が高い

スクロールコンプレッサは小型クラスのコンプレッサの中で、最も効率が高い方式です。しかし、工場エアなど中型のコンプレッサでは、スクリューコンプレッサの方が高い効率を得ることができます。

スクロールコンプレッサのその他情報

使用上の注意点

コンプレッサを使い続けると、結露により水が溜まってきます。溜まった水を放置し続けると錆びにつながり、エアータンクがタンクの役目を果たさなくなるため注意が必要です。

さらに、錆が進行するとコンプレッサ自体の故障にもつながりかねません。そのため、コンプレッサを運用する際には、定期的な掃除が大切です。

また、周りの環境温度にも影響されます。極端な低温下や高温下に置いていると、寿命を縮める原因にもなるので、適切な温度管理が必要です。

参考文献
https://www.ihi.co.jp/compressor/technical-info/basic.html
http://www.id-c.co.jp/contents/web/chishiki/acshikumi.html
https://sanei-air.jp/hpgen/HPB/categories/9221.html

スクリュー杭

スクリュー杭とは

スクリュー杭

スクリュー杭とは、地盤改良のために使用される杭の一種です。

スクリュー状の鋼管を地面に回転させながら打ち込み、地盤と杭を一体化させることで地盤強度を高めること可能です。

従来の杭打ち工法と比較して騒音や振動が少なく、施工期間も短く済むという利点があります。広大な敷地にコンクリートを打設して土台を設置するのはコストも工期もかかります。しかし、スクリュー杭を重機で回転させながら打ち込めば丈夫な土台を簡単に設置する事ができます。

コンクリート打設時の土台に比べると打ち込み式のため、精度が狂う事もあります。そのため、スクリュー杭上部フランジの取付穴は長穴の場合が多いです。架台設置時においても長穴となっていることで微調整が効くため、作業性も良い特徴があります。

スクリュー杭の使用用途

スクリュー杭の主な使用用途は土木・建築工事です。狭いスペースや斜面など、従来の杭打ち工法では施工が困難な場所でも、スクリュー杭で容易に施工することができます。その特徴から、屋外太陽光パネル設置工事では広く使用される杭です。

太陽光パネルを野立てで設置するためには、設置するための架台を設置しなければなりません。架台は、ただ地面に置いただけでは台風や突風が吹いた際に吹き飛ばされます。架台を強固に設置するためには丈夫な土台が不可欠であり、スクリュー杭によって安価かつ短納期で土台の敷設が可能です。

ドックや海洋プラットフォームにおいても、スクリュー杭は使用されます。スクリュー杭は河川や海底などの脆弱な地盤にも打ち込むことができるため、ドックや海上プラットフォームの基礎工事に重宝されます。特に、海上プラットフォームの場合は高い耐久性が求められるため、スクリュー杭が適した基礎杭とされています。

その他、小型建築物や地盤改良にも使用されることがあります。地盤の強度を高め、地盤沈下の防止や建築物の耐震性向上に寄与します。

スクリュー杭の原理

スクリュー杭の原理は杭の先端についたスクリュー状の鋼管を地面に回転させながら打ち込むことで、地盤と杭を一体化させることにあります。

スクリュー杭は回転するスクリュー状の鋼管によって地盤を締め付けます。地盤の密度を高め、地盤の強度を向上させることが可能です。スクリュー状の鋼管は地盤の摩擦力によって抵抗され、打ち込みが進むにつれて地盤と杭が一体化していきます。

一般的には油圧モーターを使用して打ち込みます。地盤の状況に合わせて適切な長さや直径の杭を選択できるため、柔軟性に富んだ施工が可能です。多くの場合、溶融亜鉛メッキ加工が施してあるため、屋外で長期間使用しても錆や腐食は生じません。

スクリュー杭の種類

スクリュー杭には様々な種類があります。以下はスクリュー杭の種類の一例です。

1. グランドスクリュー杭

一般的に使用されるタイプのスクリュー杭です。大きな木ねじのような形状をしており、全体の長さの半分程度に螺旋状の突起がついています。最も安価なのがこのタイプです。

特に、庭園や遊具、看板など、軽量の構造物に使用されます。比較的小型の杭であり、鋼管の直径が数十センチ程度のものが一般的です。一方、他のスクリュー杭は建築物の基礎工事に使用されるものは直径1メートル以上にもなる大型の杭もあります。

2. 大羽スクリュー杭

大羽スクリュー杭は一般的なスクリュー杭より、螺旋状の羽が大きくなっています。この羽が広いことで地盤への引っかかりが強くなり、上下方向の強度が高まります。比較的地盤が弱く、やわらかい農地などに使用すると相性が良いです。

3. スパイラル杭

スパイラル杭はネジ形状というよりも、スクリューそのもののような形状をしています。上部フランジと数十センチの単管部を残して後はすべてスクリュー状に成型されています。この形状はどんな地盤であっても、とても高い安定効果を付与します。

参考文献
http://rapyuta.jp/led7/
https://www.solar-kadai.com/lineup/floor-screw.html
https://solar-georhizome.com/screw-pile-driving/screwpile-suitable-land/

スクリュージャッキ

スクリュージャッキとはスクリュージャッキ

スクリュージャッキとは、スクリューねじを利用したねじ式のジャッキです。

ジャッキは小さな力で重量物を昇降させることができる機構で、昇降動作にはねじの原理が用いられています。ねじ式以外のジャッキには、油圧式などのジャッキがあります。

スクリュージャッキは重量物の昇降以外にも、重量物の移動、回転、位置決めなどに用いることも可能です。一般的にスクリュージャッキは手動、もしくはモーターで駆動させるものであり、車両や船舶の点検修理、建築現場や工場などでも使用されます。

また、入力に対して出力が非常に大きくなるため、油圧プレスの代わりに使用する場合もあります。

スクリュージャッキの使用用途

スクリュージャッキは鉄鋼材料の製造現場、金属加工装置、自動車部品製造装置、液晶ディスプレイや半導体洗浄機、基板搬送機などに用いられています。スクリュージャッキは大型の設備等には、設備の設計段階から組み込まれているものです。

私たちの身近な例は、自動車整備工場にある車の点検用の大型リフトです。建築現場では、鋼材溶接前の仮組み工程で、高さ調節に使用する場合もあります。

スクリュージャッキの原理

スクリュージャッキの原理は、ねじの原理を利用したものです。ねじを用いて回転運動を直進運動に変換し、昇降動作を行います。スクリュージャッキの駆動に用いられるのは、ウォームギアを用いた減速機です。

ウォームは入力軸をさしており、ウォーム軸には螺旋状のギアが付いています。出力側にはウォームの回転を受けるウォームホイールが取り付けられており、ウォームの回転に合わせてウォームホイールが回転します。

イメージとしては、ウォームがおねじで、ウォームホイールがめねじです。おねじを回すと、その力以上にねじは強い力で締め込まれていきます。この強い締め込まれた力がそのまま高トルクの回転力に変換するものがウォーム減速機です。

スクリュージャッキの種類

スクリュージャッキにはねじ形状の違いによって大きく2種類あります。台形ねじタイプとボールねじタイプです。

スクリュージャッキは、締め込んだねじがそのまま引っ張っても抜けないのと同様に、スクリュージャッキに荷重が掛かっていても、簡単にその状態が崩れる事はありません。しかし、荷重が掛かっている状態において位置を保持し続ける安定度は、台形ねじタイプとボールねじタイプで異なります。

1. 台形ねじタイプ

台形ねじタイプはセルフロック機能を有しており、どこで止めても逆転 (ジャッキの緩み) の心配はありません。台形ねじタイプのスクリュージャッキには、別にブレーキ機構を設けなくてすみます。

2. ボールねじタイプ

ボールねじタイプはセルフロック機能が無いので、別にブレーキが必要 (マグネットブレーキなど) です。しかし、ボールねじタイプの方が台形ねじタイプよりも、効率よく昇降させることができるので作業効率は高く、動力費も抑えられます。

スクリュージャッキの選び方

スクリュージャッキは汎用性、機能性共に優れており、アイデア次第で活用の場を広げる事ができます。しかし、大型設備の一部として使用する場合は、スクリュージャッキの選定時には注意が必要です。特に「入力」に関する設計を的確に行い、スクリュージャッキを選定しなければ破損に繋がる恐れがあります。

スクリュージャッキのその他情報

ベベルジャッキ

スクリュージャッキは回転運動から昇降動作への変換にウォームギアを用いていますが、ベベルギアを用いたベベルジャッキもあります。ベベルギアとは傘ギアとも呼ばれており、円錐形に歯車が刻まれた形状をしています。

一般的にウォームギアとベベルギアの違いは、得られる減速比と歯車の伝達効率です。ベベルギアのギア比は1~10程度ですが、ウォームギアでは最大100程度までの減速も可能とされています。減速比が大きく取れれば、小さなモーターでも大きな昇降力が得られるのがメリットです。

しかし、ウォームギアはベベルギアに比べて歯車の伝達効率は低くなります。減速比が大きく歯車の伝達効率が悪ければ、昇降時間が長く必要であり、さらに同じ時間にモーターを作動させるための動力が、より多く必要になることに注意が必要です。

参考文献
https://mechanical-engineer48.com/post-3344/
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0126.html

ジェットディスペンサ

ジェットディスペンサとは

ジェットディスペンサとは、容器に入った溶液を一定量吐出する装置のことです。

ディスペンサとも呼ばれます。主に工業用途で活用されることが多く、ガスケット材料への接着剤塗布や電子基板への少量のはんだ付けに利用されています。現在は、手洗い洗剤やアルコール消毒液向けのディスペンサとして、家庭でも利用される場合が多いです。

ディスペンサにはいくつかの方式があり、それぞれ異なる名前が付けられています。特に代表的なものは、シリンジから溶液を吐出するエアパルス方式です。

エアパルス方式を採用することで、精密な量の溶液を迅速かつ繰り返し吐出することが可能となります。

ジェットディスペンサの使用用途

ジェットディスペンサは、さまざまな用途で利用され、中でも自動車や電子部品の製造において特に重要な役割を果たしています。自動車部品は多くのパーツから成り立ち、細かいパーツも多数存在することで有名です。

インパネや軸受などの部品を組み立てる際、各パーツを結合させるためにジェットディスペンサが活用されます。ディスペンサの型によっては、吐出先の直径が数ミリ程度になるものもあり、細かいパーツへの対応が可能です。

また、電子部品の分野でもジェットディスペンサの重要性は高まっています。電子部品も自動車部品同様、細かいパーツが多く、吐出先が細いディスペンサが必要です。特に代表的な例として、電子基板へのはんだ付けが挙げられます。

従来は、スクリーン印刷という手法が用いられていましたが、装置の小型化が進み、部品の精度が求められるようになってきました。スクリーン印刷では、形状の条件によって小型化への対応が難しいため、ジェットディスペンサによるはんだ付けが行われています。

ジェットディスペンサの原理

ジェットディスペンサの原理にはいくつかの方式があり、ここでは代表的なエアパルス方式について解説します。エアパルス方式の装置は、エア源、配管、レギュレータ、コントローラ、シリンジから構成されています。

まずエア源から圧縮空気が放出され、配管を通ってレギュレータに移動し、圧縮空気の圧力を下げ、一定の安定した圧力で空気をコントローラに送ります。圧縮空気をそのままコントローラ側に送ると、部品の破損につながるためです。コントローラでは、シリンジへの圧力供給を調節しています。供給条件は作業者側の設定が必要です。シリンジに圧力がかかることで、シリンジ内の溶液が吐き出されます。

レギュレータやコントローラで供給圧力が一定になるように調整されていますが、実際にはシリンジ内の溶液が減るに従って、吐出量も減少してしまう問題があります。吐出量のばらつきを抑えるためには、溶液残量に合わせて条件を設定し直すことが必要です。

ジェットディスペンサの原理を理解することで、装置の効果的な利用やトラブル対策が容易になります。エアパルス方式は、高速で精密な吐出が可能であるため、さまざまな産業分野で重要な役割を果たしています。

ジェットディスペンサの種類

ジェットディスペンサは、主にエアパルス方式、ピエゾ式、ペリスタルティックポンプ方式の3方式に分類されます。

1. エアパルス方式

エアパルス方式は、最も一般的なジェットディスペンサの種類です。エア圧を利用してシリンジ内の溶液を吐出する方式で、高速で精密な吐出が可能です。自動車や電子部品の製造業界で幅広く使われています。

2. ピエゾ式

ピエゾ式は、電圧をかけた際に変形する特性を持つピエゾ素子を利用して溶液を吐出する方式です。微小な粒子を高速で正確に吐き出せるため、医療やバイオテクノロジー分野で利用されることが多い点が特徴です。

3. ペリスタルティックポンプ方式

ペリスタルティックポンプ方式は、チューブ内の溶液を圧縮・膨張させることで吐出する方式です。溶液に直接触れる部品が少ないため、滅菌や洗浄が容易で、衛生面での要求が高い医療や食品業界で活用されています。

参考文献
https://www.monotaro.com/p/2566/3777/
https://www.monotaro.com/p/2566/3777/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223013576908/
https://www.musashi-engineering.co.jp/case/case_006_00014.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1998/7/6/7_6_501/_pdf
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/25/

シーラント

シーラントとは

シーラント

シーラントとは、接合部や隙間を埋めて、水や空気の侵入を防ぐために使用される材料のことです。

また、建築物や構造物の隙間に使用して、緩衝材の役割をはたし、建築材の破損を防ぎます。シーラントは、柔軟性があり、乾燥後もある程度の伸縮性が保たれるため、素材の動きに対応できます。接着剤のように素材同士をしっかりと固定するわけではなく、隙間を埋めることが主な目的です。

シーラントは、歯科治療の分野でも使われる用語です。プラスチック樹脂を使って奥歯の隙間をうめる虫歯予防などに効果が高い処置方法を指します。

シーラントの使用用途

シーラントは、建築物や構造物の繋ぎ目に充填して防水性や機密性を高めたり、緩衝材の役割、固定の用途などに使用されます。具体的な使用用途は、以下のとおりです。

1. 住宅の窓や扉の隙間

住宅の窓や扉の隙間にシーラントを使用して、水や風の侵入を防ぎ、断熱効果や遮音効果を向上させることができます。

2. 浴室やキッチンの目地

浴室やキッチンの目地にシーラントを使用して、水や汚れの侵入を防ぎ、カビや黒ずみの発生を抑制できます。

3. 屋外の屋根や壁のひび割れ

屋外の屋根や壁のひび割れにシーラントを使用して、雨水の侵入を防ぎ、建物の劣化を防ぐことができます。

4. 自動車の窓やサンルーフの隙間

自動車の窓やサンルーフの隙間にシーラントを使用して、水や風の侵入を防ぎ、快適な車内環境を保つことができます。

シーラントの原理

シーラントは、主に以下の原理で働きます。

1. 隙間を埋める

シーラントは、隙間に充填されることで、水や空気の侵入を防ぎます。また、シーラントの柔軟性により素材の動きに対応し、隙間を埋められます。

硬化前のシーラントは、液状であるため接着面に凸凹があっても密閉可能です。繋ぎ目などの公差バラツキも吸収します。

2. 密着性を持つ

シーラントは、素材に密着する力を持っています。これにより、シーラントが隙間から浮いてしまうことを防ぐことができます。さらに、接着強度もあるので、ボルトの緩み止め効果も期待できます。

3. 耐候性を持つ

シーラントは、紫外線や温度変化に対して耐性を持っています。これにより、シーラントが劣化しにくく、長期間にわたって隙間を埋める働きを続けることができます。

シーラントの種類

シーラントには、様々な種類があります。それぞれのシーラントの特性に応じた、用途毎に使い分けられています。以下は、代表的なシーラントの概要です。

1. シリコーンシーラント

シリコーンシーラントは、シリコーン樹脂を主成分としたシーラントで、耐水性や耐候性が高く、多くの素材に適しています。特に、浴室やキッチンの目地や、屋根や壁のひび割れに使用されることが多いです。また、シリコーンシーラントは、伸縮性が高いため、素材の動きによる隙間の開きにも対応できます。

2. アクリルシーラント

アクリルシーラントは、アクリル樹脂を主成分としたシーラントで、シリコーンシーラントに比べてコストが安いことが特徴です。水性であるため安全に使用できます。塗工後、水分が揮発して硬化するので、体積収縮が大きいデメリットがあります。住宅の窓や扉の隙間や、室内の壁のひび割れに使用されることが多いです。

3. ウレタンシーラント

ウレタンシーラントは、ウレタン樹脂を主成分としたシーラントで、強い接着力と伸縮性を持っています。また、耐摩耗性や耐油性にも優れているため、自動車や船舶の部品の隙間に使用されることが多いです。しかし、紫外線に対する耐性が低いため、屋外での使用には注意が必要です。

シーラントのその他情報

1. シーラントの使用上の注意点

シーラントは適切な量を塗布しなければ、以下の理由により製品不良などの危険性が発生します。

  • 多い場合
    シーラントが内部に入り込み異物となってしまう可能性があります。
  • 少ない場合
    機密性を保つために不十分となってしまう可能性があります。

2. 塗布方法

シーラントの塗布方法としては、シール面の両面に塗布する方法、方側のみに塗布する方法などがあります。以下に注意点を示します。

  • 両面に塗布する場合
    硬化する前に貼り付けるために、適切なシーラント量を塗布する必要があります
  • 片面に塗布する場合
    硬化させてから、組み立てを行う必要があるのでシーラントを塗布しない面を均一にしておきます。

参考文献
https://gaihekitosou-hotline.com/caulking-sealing/#i
http://www.mohno-dispenser.jp/compass/compass13.html
https://www.threebond.co.jp/ja/technical/seminar/liquidgaskets.html