スクリュージャッキ

スクリュージャッキとはスクリュージャッキ

スクリュージャッキとは、スクリューねじを利用したねじ式のジャッキです。

ジャッキは小さな力で重量物を昇降させることができる機構で、昇降動作にはねじの原理が用いられています。ねじ式以外のジャッキには、油圧式などのジャッキがあります。

スクリュージャッキは重量物の昇降以外にも、重量物の移動、回転、位置決めなどに用いることも可能です。一般的にスクリュージャッキは手動、もしくはモーターで駆動させるものであり、車両や船舶の点検修理、建築現場や工場などでも使用されます。

また、入力に対して出力が非常に大きくなるため、油圧プレスの代わりに使用する場合もあります。

スクリュージャッキの使用用途

スクリュージャッキは鉄鋼材料の製造現場、金属加工装置、自動車部品製造装置、液晶ディスプレイや半導体洗浄機、基板搬送機などに用いられています。スクリュージャッキは大型の設備等には、設備の設計段階から組み込まれているものです。

私たちの身近な例は、自動車整備工場にある車の点検用の大型リフトです。建築現場では、鋼材溶接前の仮組み工程で、高さ調節に使用する場合もあります。

スクリュージャッキの原理

スクリュージャッキの原理は、ねじの原理を利用したものです。ねじを用いて回転運動を直進運動に変換し、昇降動作を行います。スクリュージャッキの駆動に用いられるのは、ウォームギアを用いた減速機です。

ウォームは入力軸をさしており、ウォーム軸には螺旋状のギアが付いています。出力側にはウォームの回転を受けるウォームホイールが取り付けられており、ウォームの回転に合わせてウォームホイールが回転します。

イメージとしては、ウォームがおねじで、ウォームホイールがめねじです。おねじを回すと、その力以上にねじは強い力で締め込まれていきます。この強い締め込まれた力がそのまま高トルクの回転力に変換するものがウォーム減速機です。

スクリュージャッキの種類

スクリュージャッキにはねじ形状の違いによって大きく2種類あります。台形ねじタイプとボールねじタイプです。

スクリュージャッキは、締め込んだねじがそのまま引っ張っても抜けないのと同様に、スクリュージャッキに荷重が掛かっていても、簡単にその状態が崩れる事はありません。しかし、荷重が掛かっている状態において位置を保持し続ける安定度は、台形ねじタイプとボールねじタイプで異なります。

1. 台形ねじタイプ

台形ねじタイプはセルフロック機能を有しており、どこで止めても逆転 (ジャッキの緩み) の心配はありません。台形ねじタイプのスクリュージャッキには、別にブレーキ機構を設けなくてすみます。

2. ボールねじタイプ

ボールねじタイプはセルフロック機能が無いので、別にブレーキが必要 (マグネットブレーキなど) です。しかし、ボールねじタイプの方が台形ねじタイプよりも、効率よく昇降させることができるので作業効率は高く、動力費も抑えられます。

スクリュージャッキの選び方

スクリュージャッキは汎用性、機能性共に優れており、アイデア次第で活用の場を広げる事ができます。しかし、大型設備の一部として使用する場合は、スクリュージャッキの選定時には注意が必要です。特に「入力」に関する設計を的確に行い、スクリュージャッキを選定しなければ破損に繋がる恐れがあります。

スクリュージャッキのその他情報

ベベルジャッキ

スクリュージャッキは回転運動から昇降動作への変換にウォームギアを用いていますが、ベベルギアを用いたベベルジャッキもあります。ベベルギアとは傘ギアとも呼ばれており、円錐形に歯車が刻まれた形状をしています。

一般的にウォームギアとベベルギアの違いは、得られる減速比と歯車の伝達効率です。ベベルギアのギア比は1~10程度ですが、ウォームギアでは最大100程度までの減速も可能とされています。減速比が大きく取れれば、小さなモーターでも大きな昇降力が得られるのがメリットです。

しかし、ウォームギアはベベルギアに比べて歯車の伝達効率は低くなります。減速比が大きく歯車の伝達効率が悪ければ、昇降時間が長く必要であり、さらに同じ時間にモーターを作動させるための動力が、より多く必要になることに注意が必要です。

参考文献
https://mechanical-engineer48.com/post-3344/
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0126.html

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