ジェットディスペンサ

ジェットディスペンサとは

ジェットディスペンサとは、容器に入った溶液を一定量吐出する装置のことです。

ディスペンサとも呼ばれます。主に工業用途で活用されることが多く、ガスケット材料への接着剤塗布や電子基板への少量のはんだ付けに利用されています。現在は、手洗い洗剤やアルコール消毒液向けのディスペンサとして、家庭でも利用される場合が多いです。

ディスペンサにはいくつかの方式があり、それぞれ異なる名前が付けられています。特に代表的なものは、シリンジから溶液を吐出するエアパルス方式です。

エアパルス方式を採用することで、精密な量の溶液を迅速かつ繰り返し吐出することが可能となります。

ジェットディスペンサの使用用途

ジェットディスペンサは、さまざまな用途で利用され、中でも自動車や電子部品の製造において特に重要な役割を果たしています。自動車部品は多くのパーツから成り立ち、細かいパーツも多数存在することで有名です。

インパネや軸受などの部品を組み立てる際、各パーツを結合させるためにジェットディスペンサが活用されます。ディスペンサの型によっては、吐出先の直径が数ミリ程度になるものもあり、細かいパーツへの対応が可能です。

また、電子部品の分野でもジェットディスペンサの重要性は高まっています。電子部品も自動車部品同様、細かいパーツが多く、吐出先が細いディスペンサが必要です。特に代表的な例として、電子基板へのはんだ付けが挙げられます。

従来は、スクリーン印刷という手法が用いられていましたが、装置の小型化が進み、部品の精度が求められるようになってきました。スクリーン印刷では、形状の条件によって小型化への対応が難しいため、ジェットディスペンサによるはんだ付けが行われています。

ジェットディスペンサの原理

ジェットディスペンサの原理にはいくつかの方式があり、ここでは代表的なエアパルス方式について解説します。エアパルス方式の装置は、エア源、配管、レギュレータ、コントローラ、シリンジから構成されています。

まずエア源から圧縮空気が放出され、配管を通ってレギュレータに移動し、圧縮空気の圧力を下げ、一定の安定した圧力で空気をコントローラに送ります。圧縮空気をそのままコントローラ側に送ると、部品の破損につながるためです。コントローラでは、シリンジへの圧力供給を調節しています。供給条件は作業者側の設定が必要です。シリンジに圧力がかかることで、シリンジ内の溶液が吐き出されます。

レギュレータやコントローラで供給圧力が一定になるように調整されていますが、実際にはシリンジ内の溶液が減るに従って、吐出量も減少してしまう問題があります。吐出量のばらつきを抑えるためには、溶液残量に合わせて条件を設定し直すことが必要です。

ジェットディスペンサの原理を理解することで、装置の効果的な利用やトラブル対策が容易になります。エアパルス方式は、高速で精密な吐出が可能であるため、さまざまな産業分野で重要な役割を果たしています。

ジェットディスペンサの種類

ジェットディスペンサは、主にエアパルス方式、ピエゾ式、ペリスタルティックポンプ方式の3方式に分類されます。

1. エアパルス方式

エアパルス方式は、最も一般的なジェットディスペンサの種類です。エア圧を利用してシリンジ内の溶液を吐出する方式で、高速で精密な吐出が可能です。自動車や電子部品の製造業界で幅広く使われています。

2. ピエゾ式

ピエゾ式は、電圧をかけた際に変形する特性を持つピエゾ素子を利用して溶液を吐出する方式です。微小な粒子を高速で正確に吐き出せるため、医療やバイオテクノロジー分野で利用されることが多い点が特徴です。

3. ペリスタルティックポンプ方式

ペリスタルティックポンプ方式は、チューブ内の溶液を圧縮・膨張させることで吐出する方式です。溶液に直接触れる部品が少ないため、滅菌や洗浄が容易で、衛生面での要求が高い医療や食品業界で活用されています。

参考文献
https://www.monotaro.com/p/2566/3777/
https://www.monotaro.com/p/2566/3777/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223013576908/
https://www.musashi-engineering.co.jp/case/case_006_00014.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1998/7/6/7_6_501/_pdf
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/25/

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