シーラントとは
シーラントとは、接合部や隙間を埋めて、水や空気の侵入を防ぐために使用される材料のことです。
また、建築物や構造物の隙間に使用して、緩衝材の役割をはたし、建築材の破損を防ぎます。シーラントは、柔軟性があり、乾燥後もある程度の伸縮性が保たれるため、素材の動きに対応できます。接着剤のように素材同士をしっかりと固定するわけではなく、隙間を埋めることが主な目的です。
シーラントは、歯科治療の分野でも使われる用語です。プラスチック樹脂を使って奥歯の隙間をうめる虫歯予防などに効果が高い処置方法を指します。
シーラントの使用用途
シーラントは、建築物や構造物の繋ぎ目に充填して防水性や機密性を高めたり、緩衝材の役割、固定の用途などに使用されます。具体的な使用用途は、以下のとおりです。
1. 住宅の窓や扉の隙間
住宅の窓や扉の隙間にシーラントを使用して、水や風の侵入を防ぎ、断熱効果や遮音効果を向上させることができます。
2. 浴室やキッチンの目地
浴室やキッチンの目地にシーラントを使用して、水や汚れの侵入を防ぎ、カビや黒ずみの発生を抑制できます。
3. 屋外の屋根や壁のひび割れ
屋外の屋根や壁のひび割れにシーラントを使用して、雨水の侵入を防ぎ、建物の劣化を防ぐことができます。
4. 自動車の窓やサンルーフの隙間
自動車の窓やサンルーフの隙間にシーラントを使用して、水や風の侵入を防ぎ、快適な車内環境を保つことができます。
シーラントの原理
シーラントは、主に以下の原理で働きます。
1. 隙間を埋める
シーラントは、隙間に充填されることで、水や空気の侵入を防ぎます。また、シーラントの柔軟性により素材の動きに対応し、隙間を埋められます。
硬化前のシーラントは、液状であるため接着面に凸凹があっても密閉可能です。繋ぎ目などの公差バラツキも吸収します。
2. 密着性を持つ
シーラントは、素材に密着する力を持っています。これにより、シーラントが隙間から浮いてしまうことを防ぐことができます。さらに、接着強度もあるので、ボルトの緩み止め効果も期待できます。
3. 耐候性を持つ
シーラントは、紫外線や温度変化に対して耐性を持っています。これにより、シーラントが劣化しにくく、長期間にわたって隙間を埋める働きを続けることができます。
シーラントの種類
シーラントには、様々な種類があります。それぞれのシーラントの特性に応じた、用途毎に使い分けられています。以下は、代表的なシーラントの概要です。
1. シリコーンシーラント
シリコーンシーラントは、シリコーン樹脂を主成分としたシーラントで、耐水性や耐候性が高く、多くの素材に適しています。特に、浴室やキッチンの目地や、屋根や壁のひび割れに使用されることが多いです。また、シリコーンシーラントは、伸縮性が高いため、素材の動きによる隙間の開きにも対応できます。
2. アクリルシーラント
アクリルシーラントは、アクリル樹脂を主成分としたシーラントで、シリコーンシーラントに比べてコストが安いことが特徴です。水性であるため安全に使用できます。塗工後、水分が揮発して硬化するので、体積収縮が大きいデメリットがあります。住宅の窓や扉の隙間や、室内の壁のひび割れに使用されることが多いです。
3. ウレタンシーラント
ウレタンシーラントは、ウレタン樹脂を主成分としたシーラントで、強い接着力と伸縮性を持っています。また、耐摩耗性や耐油性にも優れているため、自動車や船舶の部品の隙間に使用されることが多いです。しかし、紫外線に対する耐性が低いため、屋外での使用には注意が必要です。
シーラントのその他情報
1. シーラントの使用上の注意点
シーラントは適切な量を塗布しなければ、以下の理由により製品不良などの危険性が発生します。
- 多い場合
シーラントが内部に入り込み異物となってしまう可能性があります。 - 少ない場合
機密性を保つために不十分となってしまう可能性があります。
2. 塗布方法
シーラントの塗布方法としては、シール面の両面に塗布する方法、方側のみに塗布する方法などがあります。以下に注意点を示します。
- 両面に塗布する場合
硬化する前に貼り付けるために、適切なシーラント量を塗布する必要があります - 片面に塗布する場合
硬化させてから、組み立てを行う必要があるのでシーラントを塗布しない面を均一にしておきます。
参考文献
https://gaihekitosou-hotline.com/caulking-sealing/#i
http://www.mohno-dispenser.jp/compass/compass13.html
https://www.threebond.co.jp/ja/technical/seminar/liquidgaskets.html