テーパーリーマ

テーパーリーマとはテーパーリーマ

テーパーリーマとは、金属部品の下穴加工に用いられる切削工具のことです。

加工される部品の面粗度を向上し、正確な仕上がりの実現が可能です。角度のついた穴 (テーパー差込み穴) に沿って切削することにより部品内部に線径差をつけられます。手動式と機械式があり、手動式は手回しで使用され加工部品の拡張に用いられます。機械式は工作機械に取り付けられて使用されます。

使用の際は加工する材質に合わせて適切なものを選択することが必要です。また、使用前には適切な刃先形状や刃先の研磨を行うことが重要です。

テーパーリーマの使用用途

テーパーリーマは、角度のあるテーパー差し込み穴の加工に使用されます。例えば、テーパータックの加工では、テーパー差し込み穴に圧入することで、摩擦力で固定されます。穴の精度が低いとテーパータックがしっかり固定されず、機能しない恐れがあるため、テーパーリーマによる正確な拡張と仕上げが必要です。

位置決めピンなどの穴の加工にも使用されます。正確な位置決めが求められるため穴の精度が重要ですが、テーパーリーマを使用することで、正確なテーパー差し込み穴を作成し、部品の精度を向上させることが可能です。

また、手作業での手回し用と機械加工機で使用するものに分けられます。手回し用は小型の加工部品の加工に適しています。機械加工機で使用する場合は、自動化された加工ラインなどで大量生産される部品の加工に適しています。適切なテーパーリーマを選択し、正確な加工を行うことで部品の品質や信頼性を向上させられます。

テーパーリーマの原理

テーパーリーマは加工面の滑らかさを実現するために外周のマージン部によるバニシング作用を利用することで成り立ちます。リーマを加工面に押し付けることにより、マージン部が働き、仕上げ面の滑らかさを向上させることが可能です。

マージン部の幅は、加工する材質に応じて最適な幅を選択する必要があります。軟材質の場合は厚めのマージン部、硬い材質の場合は薄めのマージン部が最適とされています。

また、テーパーリーマを取り付けた際には、芯ずれを起こしてしまうと正確な仕上げができなくなるので注意が必要です。穴仕上げ加工により、テーパー差し込み穴の面粗度を向上し、正確な拡張と仕上げを行うために使用されます。

テーパータックや位置決めピンなどの穴の加工に使用され、装置や治具などのさまざまな用途と部品に使用されます。仕上げ面の精度を上げるには、加工する材質などから適切な種類を選択することが大切です。

テーパーリーマの種類

テーパーリーマは、シンクリーマ、コンカーチリーマ、ステップリーマ、ストレートシャンクリーマ、テーパーシャンクリーマ、スプラインリーマの6種類が存在します。

1. シンクリーマ

シンクリーマは、広い範囲にわたる切削加工に使用されます。そのため、テーパー部分が比較的短く、刃部分が長い形状をしています。シンクリーマは、短いテーパー部分を利用して穴の位置決めや拡張加工が可能です。

2. コンカーチリーマ

コンカーチリーマは、テーパー部分の角度が小さく、広い範囲をカバーできるため、広範な穴の拡張や仕上げ加工に使用されます。

3. ステップリーマ

ステップリーマと呼ばれるテーパーリーマもあります。ステップリーマは、テーパー部分の角度が段階的に変化しており、複数の直径の穴を拡張する際に使用されます。

4. ストレートシャンクリーマ

ストレートシャンクリーマは、リーマ本体とシャンク部分が一体となっており、ドリルチャックなどで簡単に取り付けることが可能です。

5. テーパーシャンクリーマ

テーパーシャンクリーマは、リーマ本体とシャンク部分が分かれており、モーリステーパーやBTシャンクなどの加工機に取り付けて使用します。

6. スプラインリーマ

スプラインリーマは、歯車の歯の形状に合わせて穴を加工するために使用されます。歯車の歯の形状は、円錐形をしているため、スプラインリーマもテーパー状になっています。

参考文献
http://tool.jisw.com/01310/post_120.html
https://kikakurui.com/b4/B4401-2009-01.html
https://www.takamaz.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/02/no.15.pdf
https://www.kanagawa-iri.jp/MatchingPortal/tech/kk-shimokawa/kk-shimokawa.html

テーパーピンリーマ

テーパーピンリーマとは

テーパーピンリーマとは、工業分野で重要な役割を果たす切削用工具のことです。

テーパー差し込み穴 (角度のついた穴) の下穴の面粗度を向上させ、滑らかに仕上げるために使用されます。金属部品などの加工において、テーパーピンリーマは非常に効果的です。下穴を滑らかにすることで、面粗度が向上し、より正確な加工が可能となります。そのため、製品の品質や寸法精度を高められます。

テーパーピンリーマは、自動車や航空機などの精密機械の製造や建設機械や電子機器などの部品加工にも有用です。また、金属だけでなく、プラスチックや木材などの材料にも対応できます。

テーパーピンリーマの使用用途

テーパーピンリーマは、工業分野で幅広く活躍する切削用工具で、使用用途は多岐にわたります。

1. 自動車産業

自動車部品の加工において、テーパーピンリーマは精密な穴あけや面粗度の向上を実現します。これにより、部品の組み立て精度や耐久性が向上し、自動車の性能や安全性が向上します。

2. 航空機産業

航空機の部品は、軽量化と強度が求められるため、高度な加工技術が必要です。テーパーピンリーマは、航空機部品の加工において、高い精度と滑らかな仕上がりを提供し、信頼性の高い製品を生み出します。

3. 建設機械産業

建設機械は厳しい環境下で使用されるため、部品の強度や耐久性が求められます。テーパーピンリーマは、建設機械の部品加工において、面粗度の向上や正確な加工を実現し、長寿命の製品を作り出します。

4. 電子機器産業

電子機器の部品は、微細な加工が必要とされます。テーパーピンリーマは、電子機器部品の精密加工において、正確な穴あけや滑らかな仕上がりを実現し、高い品質と信頼性を提供します。

5. 医療機器産業

テーパーピンリーマは、医療機器の製造にも使用されます。外科手術用の器具やインプラント、診断機器などの部品加工において、高い精度と滑らかな仕上がりが求められるため、テーパーピンリーマの活用が重要です。

6. 精密機械産業

時計やカメラなどの精密機械の部品加工にも、テーパーピンリーマは欠かせません。部品同士の隙間が極小であるため、正確な穴あけと滑らかな仕上がりが必要とされます。

7. エネルギー産業

風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー関連機器の製造にも、テーパーピンリーマが使用されます。これらの機器は高い信頼性と耐久性が求められるため、テーパーピンリーマによる正確な加工が不可欠です。

8. メンテナンス・修理

テーパーピンリーマは、メンテナンスや修理の際にも役立ちます。劣化した部品の穴を修復したり、新しい部品との適合性を確保したりするために、テーパーピンリーマによる加工が行われます。

9. その他

テーパーピンリーマは、金属以外の材料にも対応できます。プラスチックや木材などの加工にも使用され、家具や玩具などの製品にも貢献しています。

テーパーピンリーマの原理

テーパーピンリーマの原理は、テーパー形状の特性、切刃の配置、素材とコーティング、ガイド機能の4つを理解する必要があります。

1. テーパー形状の特性

テーパーピンリーマの最大の特徴は、先端から基部に向かって徐々に太くなるテーパー形状です。切削時に加工対象の穴に圧力がかかり、徐々に摩擦が増すため、滑らかで精度の高い加工が可能となります。

2. 切刃の配置

テーパーピンリーマの切刃は、螺旋状に配置されています。切削時に発生する摩擦熱が効果的に放散され、切削性能が向上し、切刃の数や角度も最適化されているため、加工面の滑らかさや面粗度が向上します。

3. 素材とコーティング

テーパーピンリーマの素材は、高速度鋼 (HSS) や超硬合金など、高い耐摩耗性と切削性能を持つものが使用されます。また、表面にはチタンやダイヤモンドなどの特殊コーティングが施されており、切削性能の向上や工具寿命の延長が図られています。

4. ガイド機能

テーパーピンリーマの先端部には、加工対象の穴に案内されるためのガイド機能があります。リーマが正確な軌道で切削を行い、加工精度が向上します。

テーパーピンリーマの種類

1. ストレートテーパーピンリーマ

ストレートテーパーピンリーマは、切刃が直線状に配置されたタイプです。主に、穴の面粗度を改善し、摩擦の低減や部品の組み合わせ精度向上を目的として使用されます。金属やプラスチックなど、さまざまな素材に対応しています。

2. スパイラルテーパーピンリーマ

スパイラルテーパーピンリーマは、切刃が螺旋状に配置されたタイプです。切削時の摩擦熱が効果的に放散されるため、切削性能が向上し、より高い精度の加工が可能です。

また、切削面が滑らかに仕上がり、面粗度が向上します。硬い素材や薄い素材の加工に適しています。

3. シェルタイプテーパーピンリーマ

シェルタイプテーパーピンリーマは、リーマ本体が中空のシェル状になっている特殊なタイプです。切削時に発生する切粉が効果的に排出され、切削性能が向上します。また、工具の重量が軽減されるため、機械にかかる負荷が低くなります。大径の穴加工や深い穴加工に適しています。

スクリューナット

スクリューナットとは

スクリューナットとは、さまざまな機械において、モーターなどの回転運動によって直進方向の移動や位置決めをする機構で使われるナット部品のことです。

スクリューナットと回転軸を併せて使用することによって、回転運動と直線運動の変換を行います。

広義にスクリューナットという言葉からは、6角形状の外形に内ねじを持つ六角ナットも当てはめて捉えることができますが、工業部品を扱う上でスクリューナットという名称は、回転と直線運動の変換に使うナット部品に限定して用いられています。

スクリューナットの使用用途

スクリューナットは、モーターなどの回転運動を発生させる動力源と、動力源によって回転する回転軸とを併せて、可動域のある対象物の搬送や装置の昇降機能として使用されます。

主には産業用機械や産業用ロボット、アミューズメント装置の可動機構の一部として用いられています。また可動ジャッキも、スクリューナットの使用用途の一つです。

スクリューナットの原理

スクリューナットが回転軸とセットで用いられ、回転運動と直線運動との変換ができるのは、螺旋状のねじ形状によるものです。

ねじはリード角という斜面の斜度に相当する一定の傾きを持った山と谷形状が連続しており、回転軸と回転軸の外側を覆うナットの穴の内径に、互いが嵌合することによって機能します。

広く用いられている締結用のボルトやナットと原理は同じですが、大きな違いの一つは、スクリューナットには移動や位置決めを行うために台形ねじと呼ばれるねじ形状が用いられていることです。

スクリューナットの種類

スクリューナット自体にJISやISOの規格はありませんが、現在市販されている製品には、DCM形とDC形の2種類があります。両者の違いはフランジという鍔 (つば) 形状の有無で、DCM形にはスクリューナットを固定するための鍔と固定用のねじ穴がついたものです。

DC形にはフランジはなく円筒形上をしていますが、円周方向の溝や軸方向に切り欠き溝などが設けられています。

スクリューナットのその他情報

1. ボールねじとの違い

スクリューナットと同様の目的に用いられる機械要素にボールねじがあります。ボールねじも回転運動と直線運動の変換に用いられる機構です。

ボールねじでは作動時の摩擦抵抗を減らすために、ボールの転がりを利用しています。スクリューナットと回転軸はお互いにすべり運動をするため、特に両者に作用する荷重が大きいほど大きな摩擦力が生じます。繰り返し動作すれば摩耗も発生するため、耐摩耗性の高い材料や表面処理なども考慮しなければなりません。

一方でボールねじのように鋼球を内臓していないため機構がシンプルであることから、利用目的によって選択する必要があります。

2. スクリューナットの諸元

スクリューナットはダイカスト製で成形されており、ボールネジに比べ高耐久で低コスト運用が可能です。また、ボールねじの要領で使用出来ますが、ボールねじに比べてねじ部分の摩擦が多いため稼働効率は落ちます。そのため使用する際には、可動するものや精度を考えて剪定しなければなりません。

スクリューナットは高強度亜鉛合金で製造されており、摩擦性や高荷重に優れています。機械特性については以下のとおりです。

  • 引張強さ:275~314 N/mm^2
  • 引張耐力 (0.2%) :216~245 N/mm^2
  • 圧縮強さ:539~686 N/mm^2
  • 圧縮耐力:294~343 N/mm^2
  • 疲れ強さ:132 N/mm^2×10^7
  • シャルピー衝撃値:0.098~0.49 N・m/mm^2
  • 伸び:1~5%
  • 硬さ:120~145 HV

スクリューナットを選定する際には、荷重の種類に応じて以下の安全係数を考慮し選定する必要があります。

  • 使用頻度の少ない静荷重のとき:安全係数1~2
  • 一般的な一方向荷重のとき:安全係数2~3
  • 振動・衝撃を伴う荷重のとき :4以上

参考文献
https://www.kss-superdrive.co.jp/jp/pdf/qa/Q-LS-01.pdf

クリンチングファスナー

クリンチングファスナーとは

クリンチングファスナーとは、薄板部品にねじ締結を行う際に利用する締結部品の一つです。

部品同士の固定にねじを使うメリットの一つは、接着とは違って固定と分解を繰り返し行える点にあります。しかし薄い部品では、ねじ同士が噛み合うための十分な長さ (深さ) が確保できないケースがあります。クリンチングファスナーは、薄板部品をねじによって締結できるようにするための部品です。

近年の家電製品の小型化に伴って、省スペース化や軽量化、部品点数の削減などに繋がるという理由で、薄板製品にクリンチングファスナーが利用される例が、非常に多くなってきています。

クリンチングファスナーの使用用途

クリンチングファスナーは、ねじの噛み合いの長さが十分に取れない薄板の部品にねじ締結をしたい場合に使用されます。具体的にはパソコンや、通信機や、自動車や、交通機器や、航空宇宙や、工作機械や、産業ロボットなどです。これらの機器にはさまざまな電子機器部品が基盤によって組み込まれますが、基盤を本体部品に固定する際に、クリンチングファスナーが多く用いられます。

例えば大型の薄型テレビの例を挙げると、200個程度の多様な長さのクリンチングファスナーが設置されています。家電以外にも、医療機器や、建設関係や、計測機器や、アミューズメント関係も活用分野です。

またクリンチングファスナーを利用することは、家電製品を小型化することにも貢献しています。

クリンチングファスナーの原理

クリンチングファスナーは、ねじ締結したい部品と強固に固定されなければなりません。ねじ締結したい部品とクリンチングファスナーの固定力を生み出すのは、材料の塑性変形を利用した圧入力によるものです。

クリンチングファスナーにはねじ締結したい部品と結合するための、ローレットと呼ばれる部分があります。例えば円筒に凹凸や溝が掘られていたり、歯車のようにギザギザした形状の部位を、相手となる薄板部品の穴に圧入します。薄板部品の穴は下穴として、ローレットよりも僅かに小さい直径であらかじめ空けられていなければなりません。ローレットと下穴の大きさが、クリンチングファスナーを固定する上で重要なポイントになります。

また薄板部品などに圧入する際には、傾くことなく取り付けなければなりません。そのためにローレット部の先に傾きを抑えるためのパイロット部が設けられたものもあります。

クリンチングファスナーの種類

クリンチングファスナーには多くの種類がありますが、大きく3種類に分類できます。まずねじ締結のめねじとして機能するクリンチングナット、2つ目ににねじ締結のおねじとして機能するクリンチングスタッド、3つ目にスペーサーやその内部にめねじが設けられたクリンチングスペーサーがあります。

クリンチングファスナーはPenn Engineering & Manufacturing Corp. 社 (PEM) の製品によって、広く普及するようになりました。そのためPEMファスナーと呼ばれることもあります。

クリンチングファスナーのその他情報 

1. クリンチングファスナーのメリット

クリンチングファスナーの歴史において、世界で最初に開発されたのがクリンチングナットです。

板に雌ねじを付ける作業は、昔から板金作業においては日常茶飯事的に行われており、その際の工法は、バーリング加工を行い、そこでねじを切るというものでした。

ここで問題になるのは、板金加工において多用される板厚が1mmの板を用いた場合、 どうしてもねじ山が3つほどしか切れない (作れない) という点です。またその結果、固定したい部品をしっかりと固定することができません。クリンチングナットを使うメリットは、薄板でもねじ締結によって大きな固定力が得られることです。

2. クリンチングファスナーを扱う上の注意点

クリンチングファスナーを圧入する際には、簡易プレス機を用いますが、製品によっては治具も必要不可欠です。

簡易プレス機の選定においては、使用する製品の性能表に記載された圧入加力を参考にしながら、その圧入加力以上で加圧ができるプレス機を使用しなければなりません。ここで、圧力加入が必要量よりも弱過ぎた場合、製品の脱落の原因になってしまいます。

また一方で、必要以上に強い圧入加力で圧入してしまうと、鈑金にキズやたわみが発生するだけでなく、製品を変形にさせてしまうことで脱落やネジ固の原因となってしまいますので、この点にも注意する必要があります。

参考文献
https://www.seljapan.co.jp/fastener.html

クランプシリンダ

クランプシリンダとは

クランプシリンダとは、製造ラインでの自動化のためにワーク (加工対象物) をクランプ (=留めて固定) する反復動作の機構を有する機械のことです。

ロッドと呼ばれるシリンダ部分を上下または左右に直線運動させ、製造工程時にワークをクランプさせますが、通常は油圧ないしは空気圧をクランプの動作源として用いています。

機械加工スポット溶接の妨げにならないよう、なるべく省スペースになる工夫が随所に施されています。クランプシリンダは、加工の着手と完了時にワークの着脱を簡便かつ手早く行えるかが重要です。

クランプシリンダの使用用途

クランプシリンダは、工場などの自動化製造ラインでワークを固定する際に使用されています。主に、産業ロボットを利用した自動溶接ラインやマシニングセンタでのワーククランプなどです。

クランプの確認を電気信号として取得するため、通常シリンダには、オートスイッチをクランプ側とアンクランプ側に設置します。ただし、溶接ラインで使用する場合、溶接電流によって外乱磁界が発生し、通常のオートスイッチでは誤作動を起こす恐れがあります。耐強磁界オートスイッチを利用することで、正確に使用可能です。

クランプシリンダの原理

クランプシリンダは、空気圧もしくは油圧を駆動源としてシリンダ本体を動作させ、ワークを挟み込んでクランプする仕組みです。通常のクランプシリンダでは、シリンダの前進・後退の動きを機械機構の一つであるリンク機構を用いて、ワークを挟み込んでクランプする動作に変換して使用されます。

特に強固なクランプ力を必要とする場合は、油圧が選択されますが、油圧の場合は設備メンテナンスにそれなりの工数を要することから、クランプ力が通常で良いものは空気圧が選択されます。ロータリークランプシリンダは、ロッドに旋回するための溝が加工されており、カム機構によって旋回しながらクランプしますが、前進および後退側の供給口に空気圧もしくは油圧を供給することで、動作する機構は通常のシリンダと同じです。

ピンクランプシリンダは、主に空気圧で駆動しますが、ピンが位置決めの機能を果たしながら、ピンの内部にあるクランプアームを引き込むことでクランプします。位置決めとクランプに使用する穴径によって、ピンクランプシリンダのピン径を選定します。クランプした状態での上面からは、ピン部のみが見える形であり、加工の妨げになることが少なく、省スペースでの使用が可能です。

クランプシリンダの種類

クランプシリンダは、用途によって非常に多種多様な種類があります。その中でも代表的なものが、ロータリークランプシリンダとピンクランプシリンダです。

1. ロータリークランプシリンダ

ロータリークランプシリンダは、クランプシリンダのピストンロッドに旋回する回転機構を追加したものです。使用用途によって、左回りと右回りが選定可能なタイプがありますが、旋回途中にクランプ動作はできないタイプもあるため、注意が必要です。

2. ピンクランプシリンダ

ピンクランプシリンダは、その名の通りクランプにピンを用いる機構を有しており、主に板金のクランプに利用されます。よって、溶接に耐えるように耐強磁界オートスイッチをオプション搭載できるものがあります。

クランプシリンダのその他情報

クランプシリンダの駆動動力源

昨今のクランプシリンダの駆動動力源の選択肢の一つに、電動化の流れがあります。電動化には、エアー配管設備なしで使用可能、多点の位置決めが簡単、終点の衝撃緩和が可能など、さまざまなメリットがありますが、コストの観点でなかなか普及に至っていませんでした。

しかしながら、近年は電動アクチュエータの普及に伴い、理にかなったコストでのクランプシリンダ用途に使える (エアシリンダと互換性のある) 電動シリンダが急速に普及をしています。弱点として、同サイズ比較では空気圧品と比較してクランプ力が劣っている点が挙げられますが、電動化でのきめ細かい制御や位置決めのしやすさから置き換えも進んでいる状況であり、業界での注目すべき流れの一つです。

参考文献
https://www.smcworld.com/products/ja/s.do?ca_id=213
https://www.ckd.co.jp/kiki/jp/product/detail/454/CAC4

キャッチクリップ

キャッチクリップとは

キャッチクリップ

キャッチクリップとは、別名でパチン錠、スナップ錠、尾錠とも呼ばれ、主にキャッチクリップ式の密閉容器に使用されるステンレス製のクリップです。

蓋を閉じてロックする機能を持っています。蓋の縁にフック部分を引っ掛け、レバーを下げることで蓋を固定し、容器を簡易的に密閉が可能です。容器の胴部に溶接で取り付けられるため、レバーバンドを使用する場合と比較して、保管時に固定具を紛失を防げます。

キャッチクリップの使用用途

キャッチクリップは、蓋を閉じるために道具箱、工具箱、アタッシュケースなどに使用される金具です。これらは蝶番と組み合わせて使用され、蓋の開閉を効果的に管理します。

使用される場面に応じて、キャッチクリップには多様なバリエーションが存在しており、サイズに関しても、目的に合わせてさまざまなオプションが提供されています。

標準型は、一般的な使用に適したもので、さまざまな大きさがあります。受金具差し込み型では、クリップが直接本体に入り込んでおり、突出物対応型は、箱の突出部分を避けつつ固定するために設計されています。

ばね式は振動を吸収する機能を持ち、シリンダ錠対応型では南京錠を使用しての施錠が可能です。錠付型は鍵による管理を可能とし、ラッチ型は振動による不意の解除を防ぎます。

キャッチクリップの原理

キャッチクリップの作動原理は、バネの力を利用してフックを引っ張り、これを固定することに基づいています。この装置の設計上の特徴は、フックの中心とハンドルの支点との間にわずかな高さ差が存在する点です。

ハンドルがフックよりも高い位置に設定されており、この高さ差によってハンドルに少し下向きの力が働くことで、ハンドルが自然と持ち上がらずに固定されます。

もしハンドルとフックが完全に水平な位置関係にあれば、ハンドルの位置が不安定となり、確実な施錠が難しくなります。このメカニズムにより、キャッチクリップはスプリングの力を活かして蓋をしっかりと閉じることが可能です。

さらに、キャッチクリップには耐食性に優れた冷間圧延ステンレス鋼板 (英: SUS304) を使用したものもあります。このステンレス製のキャッチクリップは、耐久性が非常に高く、表面はバレル研磨によって滑らかに仕上げられています。

キャッチクリップの種類

キャッチクリップは、その用途の広さと多様性に富んだ構造から、さまざまなタイプが開発されています。使用される環境や要求される機能に応じて選択されます。

  • 標準型キャッチクリップ
    最も一般的なキャッチクリップで、シンプルな構造でありながら効果的に蓋や扉を固定できます。様々なサイズがあり、多くの用途に適応する汎用性が特徴です。
  • 調整可能型キャッチクリップ
    調整可能型は、固定する際の締め付け力を調整できる機能が付いています。精密な固定が必要な場合や、締め付け力を細かくコントロールしたい場合に適しています。
  • スプリング式キャッチクリップ
    スプリングを用いて蓋や扉を固定するタイプで、振動や衝撃があっても確実に固定を維持できるように設計されています。移動する機器や振動が多い環境での使用に最適です。
  • 防水型キャッチクリップ
    防水性能を持つキャッチクリップで、特に屋外機器や水や湿気の多い環境で使用されます。内部への水の侵入を防ぎ、機器の保護に貢献します。
  • 錠前付きキャッチクリップ
    セキュリティが重視される用途に適したキャッチクリップで、鍵や南京錠を使用して蓋や扉を施錠できます。貴重品の保管や不正アクセスを防ぐ必要がある場所で使用されます。
  • 高耐久型キャッチクリップ
    耐久性と強度に優れた材質を使用したキャッチクリップで、重量物の固定や過酷な使用条件下での使用に適しています。長期間にわたる使用や、高い信頼性が求められる場面での利用に最適です。

参考文献
https://marukoo.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-553e.html
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/243_1/

ガンノズル

ガンノズルとは

ガンノズル

ガンノズルとは、主にホースと連結して使用する特定のノズルのことです。

ホースから供給される液体や気体を手動で排出するのに便利な形状、特にピストルの形状をしています。持ち手には引き金が備えられており、この引き金レバーを引くことで液体や気体の排出が可能となります。

手動式とオートストップ式の2種類があり、後者は液面を検知し自動で停止する機能などを有しているのが特徴です。

ガンノズルの使用用途

ガンノズルは高圧洗浄器やポンプからホースを延ばし、ソケットを介して接続することで使えます。排出物が気体 (例えばエアー) の場合、エアーホースとコンプレッサを併用することが可能です。

畑に水を散布したいとき、温水で車を洗いたいとき、エアーを使って塗料を乾燥させたいときなど、主に手作業で液体や気体を供給する場面で活躍します。

手動式のものもオートストップ式のものも、流量計を取り付けることが可能で、液体を分ける必要がある場合や、排出量を測定したい場合に活用されます。

ガンノズルの原理

手動式のものとオートストップ式のものがありますが、基本的な構造はどちらも大きく変わりません。

1. 手動式ガンノズル

ガンノズルの内部には液体や気体が通過する流路があり、レバーが引かれていないときは弁がその流路を閉ざしています。レバーを引くと連動してピンが上がり、ガンノズル内部の弁を上に押し流路を開放します。

その結果、ガンノズルに供給されていた液体や気体がノズルの先端から噴射することが可能です。

2. オートストップ式ガンノズル

オートストップ式のガンノズル内部には液面検知センサーが組み込まれており、ノズルの先端には検知用の穴が開けられています。

例えば、ガソリンをタンクに注入する場合、タンク内がガソリンで満ちていないときは先端の検知穴が塞がりません。ガンノズル内部には空気が流れ、タンクが満ちたときはノズルの先端がガソリンで塞がり、ガンノズル内部は空気が流れなくなって真空状態となります。

その後、内蔵センサーがこの真空状態を検知し、ガンノズルの弁を押し上げて自動的に流路が閉じる仕組みです。

ガンノズルの種類

ガンノズルには様々な種類が存在します。それぞれ特定の作業や環境に適した設計がなされており、その特性を理解することは適切なノズルの選択に役立ちます。

1. 材質による分類

ガンノズルの材質は多岐にわたり、プラスチック、アルミニウム、ステンレス鋼などの材料が使われます。材質によって耐久性、軽量性、防錆性などの特性が異なります。

2. 形状による分類

ガンノズルの形状もまた多種多様です。直線形、角度付き、先端が細いもの、広範囲に散布できるものなど、用途によって最適な形状を選択することが重要です。

3. 流量制御機能による分類

ノズルによっては流量を制御できるものもあります。これらのノズルには流量調節ノブがついており、液体や気体の排出量を繊細に制御することが可能です。

ガンノズルの選び方

ガンノズル選びは、使用目的や環境によって大きく変わります。

1. 使用目的

ガンノズルの選択時に最も重要なのは、何に使用するのかという点です。液体の散布、洗浄、換気、熱の吹き付けなど、目的に応じて適切なノズルを選びます。

2. 耐久性

耐久性は、ガンノズルの材質選択に大きく関わります。頻繁に使用する場合や、高圧、高温の液体や気体を扱う場合は、耐久性の高い材質のものを選ぶことが必要です。

3. 流量制御の有無

流量制御が必要な作業には、流量調節機能がついているガンノズルを選びます。散布量や噴射力の調節が可能なノズルは、より精密な作業に有効です。

4. 取り扱いやすさ

最後に、ガンノズルの取り扱いやすさも重要な選択基準です。持ち手の形状、重さ、サイズなど、自分の手に合ったものを選ぶことが必要です。

参考文献
https://www.aqsys.co.jp/products/nozzle
https://news.line.me/articles/oa-trafficnews/0dbe7ad39295

ガウジング棒

ガウジング棒とはガウジング棒

ガウジング棒とは、溶接機を用いて、ガウジングを行うためのカーボン製の棒のことです。

ここでのガウジングとは、溶接の際に発生する欠陥部分を除去することを目的としています。カーボン製のガウジング棒と金属板の間にアークを発生させて、欠陥部分を中心とした金属を溶融すると同時に、溶融した金属を機械的に除去して、金属板に溝を付けています。

なお、アークとは電気の放電現象を利用したアーク溶接のことです。母材とガウジング棒の間に発生させたアークの高熱で、母材やガウジング棒を溶融させる溶接方法を指します。

ガウジング棒の使用用途

ガウジング棒は、アークエア法に用いられています。アークエア法とは、金属の母材をアークで溶かして出来た溶融金属を高速空気噴流で吹き飛ばして溝を掘る手法です。

主な用途として、鉄骨や橋梁、造船、製缶などが挙げられます。溶接裏ハツリや開先取り、あるいは溶接部の欠陥ハツリなどに用いる場合と、鋳物の押湯や湯口部等の切断、巣のハツリなどに用いる場合があります。

その他の用途は、軟鋼板のU型開先や切断、穴あけ、鋳鉄、鋳鋼補修溶接の加工などです。

ガウジング棒の原理

ガウジング棒を用いたエアアークガウジングは、トーチにガウジング棒を挟み、この電極と母材との間に直流もしくは交流のアークを発生させて、局部的に溶融させながらエアーで吹き飛ばし溝を掘っています。

また、エアーを使わず、軟鋼芯線に特殊なフラックスを塗布した溶接棒と交流もしくは直流溶接機を使って加工を行う方法のあります。ステンレス鋳鉄や軟鋼、鋳鋼、各種合金鋼の開先加工、ミゾ堀りやクラック巣などの欠陥削除、穴掘りなどを、電流と溶接棒と母材との角度の調整によって簡単に行うことが可能です。

なお、溶接棒の母材に対する角度は、10~30°が適しています。これより角度が小さいと、作業性は良好になりますが、溶接棒の消耗激しくなってしまいます。反対に、これより角度が大きいと、深いミゾ掘り作業は可能ですが、溶金の流れが悪くなってしまいます。

ガウジング棒の種類

1. 直流用ガウジング棒

直流ガウジング棒は、鋼板の開先、切断、孔あけ、キズ取り等、多方面に使用が可能です。

2. 交流ガウジング棒

交流ガウジング棒は、特殊高級原料を配合して交流特有のアーク難易性が完全に解決されたものです。卓越したアーク安全性は、作業能率の向上や経済性を高めています。

3. 直流中空ガウジング棒

直流中空ガウジング棒は、ガウジングの跡を平滑に掘るのに最適です。通常のガウジング棒だとガウジングの堀の深さが尖って掘れますが、中空だと電流が先端に集まらないので、底浅でU字形状に掘りやすいのが特徴です。

ガウジング棒のその他情報

ガウジングの方法

ガウジング棒を用いたガウジングの方法は、以下の2種類があります。

1.エアカーボンアークガウジング法
エアカーボンアークガウジング法とは、ガウジング棒と母材の間にアークを発生させることで、母材を溶融させて欠陥部を除去する方法です。母材を溶融する際に、ガウジング棒に沿って空気を噴射し溶融した金属を除去させます。

エアカーボンアークガウジング法は従来の方法に比べて作業効率が良く、ステンレスにも使用できます。また、母材への影響が少ないこともメリットです。

2.プラズマアークガウジング法
プラズマアークガウジング法とは、プラズマによる切断と移行式のプラズマアークを使用した方法です。高密度・高温のエネルギーであるプラズマアークはガウジング後の変形が少なく、どの金属にも施工できます。

また、作業の自動化が可能で、エアカーボンアークガウジング法のように騒音や粉塵が発生しにくいのがメリットです。そのため、ガウジングの際は、プラズマアークガウジング法を用いることが多いです。

参考文献
http://www.sweco.co.jp/business/misc.html
https://www.monotaro.com/g/00404074/
https://sekokan-navi.jp/
https://weld-blog.com/back-goujing/

超音波ホモジナイザ

超音波ホモジナイザとは超音波ホモジナイザ

超音波ホモジナイザとは、粒子を含む液体に超音波を照射することで、粒子と液体を均質化 (ホモジナイズ) する装置です。

粒子は固体や液体中液滴の場合があります。超音波により液体中に非常に小さな (数100〜数10マイクロメートル) 泡が発生し、この泡が破裂する際に溶液中に乱流が起こります。

この乱流が粒子に衝撃を与え、大きな粒子を破砕・微粒子化し、分散することで均質化します。通常の機械的な攪拌では混合しにくい場合でも、より安定に均質化した懸濁液や乳化した液体を調製することが可能です。

超音波ホモジナイザの使用用途

超音波ホモジナイザは、非常に安定した均質液 (懸濁液や乳濁液) を生成できることから様々な現場で利用されています。

1. 食品・乳製品の製造

食品・乳製品加工業などの製造現場では、安定した品質を得るために分散や乳濁液生成の目的で用いられています。

2. 化粧品の製造

化粧品の製造においても同様に、非常に安定した乳化を行うことにより、高品質なクリームやローションなどを製造できます。

3. その他

セラミックス、顔料、鉱物などの分散・懸濁液 (サスペンジョン) の安定性や粘度を調整することにも効果的です。製造業だけではなく、生物学・微生物学などの研究・開発現場でも細胞組織・ウィルスの破砕や、DNAやタンパク質の抽出の前処理に超音波ホモジナイザは利用されています。また、材料分野においての研究でも懸濁・乳化に幅広く用いられています。

超音波ホモジナイザの原理

1. 超音波の発生

超音波ホモジナイザを構成する重要な部品は発振器振動子です。この発振器から電気信号が出力され、その信号を受けてこの振動子の先端にあるチップ状のもの (チップまたはホーンと呼ばれます) が1秒間におよそ2万回の縦振動を行います。

チップが振動を液体に伝えると、振動が超音波として液体中を伝わっていきます。

2. キャビテーション

音波は縦波であるため、液体中に密度が高い場所と低い場所を繰り返し生成しながら液体中を進みます。極端に密度が低くなった場所は真空の泡となります。このような泡を生じる現象が、キャビテーション (空洞化現象) です。

3. 破砕・分散・均質化

泡が破裂する瞬間に強力な乱流が発生し、凝集していた粒子が引きちぎられたり、ぶつかり合って砕けたりすることで、液体中の粒子が微粒子化し、均質になっていきます。このように、キャビテーションを介して微細で強力な乱流を繰り返し起こすことで、均質化が進んでいく仕組みです。

超音波ホモジナイザの特徴

超音波ホモジナイザの特徴と使用にあたって注意すべき点は以下の通りです。

1. 異物混入リスクが比較的低い

従来の機械的なホモジナイザの中には、物理的破砕を行うためにビーズや刃、あるいは、すりつぶしをする面など、試料液との接触面が多いものがあります。また、物理的に粒子に接触して破砕を行うため、接触部が傷む可能性が高いです。

これらに比較すると、超音波ホモジナイザは比較的接触面が小さく、物理的接触で傷むこともないため、破片などの異物が液体中に混入 (コンタミネーション) する可能性が低くなっています。

2. 保全・管理コストが低い

接触部で物理的な力を与えて破砕するわけではないので、摩擦による装置の劣化も少なく、装置の保全・管理にかかるコストを抑えることができます。

3. 粒度分布を揃える意図に向いている

均質化の最終段階では、ほぼ粒子同士がぶつかることにより微粒子化が進行します。そのため、粒子は球体に近い形状に整うことが多く、出来上がりは整った粒子が分散した状態です。すなわち、粒度分布を揃える意図により向いていると言えます。

4. 成分に過度の破壊を起こすことがある

超音波は高エネルギーであるため、液体中の成分に対して過度の破壊を引き起こす可能性があります。例えば、生物学的なサンプルの場合には細胞が崩壊します。

ただし、通常はむしろ細胞の破砕に超音波ホモジナイザが用いられている状況であり、使い分けが重要です。細胞を取り出すときにはタンパク分解酵素で結合組織を分解して取り出します。

5. 熱が発生する

使用中に熱が発生するため、生物試料ではタンパク質の変性のもとになります。そのため、処理時間と照射間隔を最適化し、冷却しながら処理する必要があります。

参考文献
https://www.yamato-net.co.jp/product/show/luh150/
https://www.cho-onpa.co.jp/product/another/homogenizer.html

カートンシーラ

カートンシーラとはカートンシーラ

カートンシーラとは、梱包や出荷時に必要とされるダンボール箱を封するための機械です。

手動と自動の2種類があり、手動のものは手に持って使用するタイプで、自動のものは大型の機械になります。

手動のカートンシーラは、ガムテープなどの包装・梱包用のテープを箱に貼り付けるための機械で、人手で行う封をする作業を大幅に効率化が可能です。手動のものは、比較的小型で使い勝手が良く、安価で入手できるため、小規模な物流や個人での出荷作業に適しています。

自動のカートンシーラは、大量のダンボール箱を効率的に封できる大型の機械です。自動で箱にテープを貼り付け、封をするため、作業効率が非常に高く、大量の商品を出荷する場合には欠かせない機械となります。

また、最近ではテープを貼るだけでなく、ダンボール箱を開いたり、自動で商品を箱に詰めたりする機能も備えているものもあります。自動化による効率化が進む中、カートンシーラは物流分野において重要な機械です。

カートンシーラの使用用途

カートンシーラは梱包業界で使用されます。手動の物は運送業者などが持っており、効率的に封をするのに使われます。一方、全自動の物は様々な産業分野で使用されています。

例えば、食品業界では、菓子や調味料、冷凍食品や健康食品などの包装に使用されています。また、青果物業界では、生産者から加工、流通に至る各段階の企業で使われ、医薬品業界では、薬や医療機器の包装に利用されています。他にも、運輸業界や化学品業界、製造業などの様々な梱包を効率的に行っています。

カートンシーラの原理

カートンシーラは、ダンボール箱のフタの部分にテープを自動的に貼り付けることで、ダンボールの梱包作業を効率化します。

手動タイプでは、ガムテープを手で切って貼り付ける作業が必要でしたが、カートンシーラを使うことで、作業の効率化が可能です。自動タイプのカートンシーラでは、フタの部分に直線状にテープを貼り付ける作業を完全に自動化しています。

ダンボール箱の梱包作業が大量にある場合、カートンシーラの導入によって作業時間および作業人員を節減できます。機械化することにより、連続して綺麗にダンボールのテープ貼りが可能になり、ダンボール梱包の見栄えが良くなります。作業者によるテープ使用量のばらつきもなくなり、コスト管理が容易です。また、テープ貼りのミスを減らすことで、工程ロスを防ぐことも可能です。

カートンシーラの種類

カートンシーラには、手動タイプと自動タイプの2種類があります。

1. 手動タイプ

手動タイプは、操作する人の手で、ダンボール箱のフラップにテープを貼り付けます。手動タイプのカートンシーラは運送業者などがよく利用しています。ダンボールの梱包作業が多くない場合において、手動タイプのカートンシーラはコスト面で有利です。

2. 自動タイプ

自動タイプは、完全自動化された機械で、ダンボール箱のフラップに直線状にテープを貼り付けます。自動タイプのカートンシーラは、ダンボールの大量梱包作業に向いており、物流業界や食品業界、医療品業界などで幅広く利用可能です。

自動タイプのカートンシーラには、側面テープを貼れるサイドシーラ、上面テープを貼れるトップシーラ、上下両方のフラップを閉じられるボトムシーラなど、用途によって種類があります。

また、自動タイプのカートンシーラには、直線状にテープを貼るだけでなく、L型やU型の封箱も行える角型シーラもあります。これらは、角型のダンボール箱を扱う場合に適した機械です。さらに、ダンボール箱のサイズに応じて調整可能な自動調整機能を持つカートンシーラもあります。

参考文献
https://tape-omakase-navi.com/column/post-639/
https://talblo.com/carton-sealer/
https://www.sekisui-pack.com/lp01/