キャッチクリップとは
キャッチクリップとは、別名でパチン錠、スナップ錠、尾錠とも呼ばれ、主にキャッチクリップ式の密閉容器に使用されるステンレス製のクリップです。
蓋を閉じてロックする機能を持っています。蓋の縁にフック部分を引っ掛け、レバーを下げることで蓋を固定し、容器を簡易的に密閉が可能です。容器の胴部に溶接で取り付けられるため、レバーバンドを使用する場合と比較して、保管時に固定具を紛失を防げます。
キャッチクリップの使用用途
キャッチクリップは、蓋を閉じるために道具箱、工具箱、アタッシュケースなどに使用される金具です。これらは蝶番と組み合わせて使用され、蓋の開閉を効果的に管理します。
使用される場面に応じて、キャッチクリップには多様なバリエーションが存在しており、サイズに関しても、目的に合わせてさまざまなオプションが提供されています。
標準型は、一般的な使用に適したもので、さまざまな大きさがあります。受金具差し込み型では、クリップが直接本体に入り込んでおり、突出物対応型は、箱の突出部分を避けつつ固定するために設計されています。
ばね式は振動を吸収する機能を持ち、シリンダ錠対応型では南京錠を使用しての施錠が可能です。錠付型は鍵による管理を可能とし、ラッチ型は振動による不意の解除を防ぎます。
キャッチクリップの原理
キャッチクリップの作動原理は、バネの力を利用してフックを引っ張り、これを固定することに基づいています。この装置の設計上の特徴は、フックの中心とハンドルの支点との間にわずかな高さ差が存在する点です。
ハンドルがフックよりも高い位置に設定されており、この高さ差によってハンドルに少し下向きの力が働くことで、ハンドルが自然と持ち上がらずに固定されます。
もしハンドルとフックが完全に水平な位置関係にあれば、ハンドルの位置が不安定となり、確実な施錠が難しくなります。このメカニズムにより、キャッチクリップはスプリングの力を活かして蓋をしっかりと閉じることが可能です。
さらに、キャッチクリップには耐食性に優れた冷間圧延ステンレス鋼板 (英: SUS304) を使用したものもあります。このステンレス製のキャッチクリップは、耐久性が非常に高く、表面はバレル研磨によって滑らかに仕上げられています。
キャッチクリップの種類
キャッチクリップは、その用途の広さと多様性に富んだ構造から、さまざまなタイプが開発されています。使用される環境や要求される機能に応じて選択されます。
- 標準型キャッチクリップ
最も一般的なキャッチクリップで、シンプルな構造でありながら効果的に蓋や扉を固定できます。様々なサイズがあり、多くの用途に適応する汎用性が特徴です。 - 調整可能型キャッチクリップ
調整可能型は、固定する際の締め付け力を調整できる機能が付いています。精密な固定が必要な場合や、締め付け力を細かくコントロールしたい場合に適しています。 - スプリング式キャッチクリップ
スプリングを用いて蓋や扉を固定するタイプで、振動や衝撃があっても確実に固定を維持できるように設計されています。移動する機器や振動が多い環境での使用に最適です。 - 防水型キャッチクリップ
防水性能を持つキャッチクリップで、特に屋外機器や水や湿気の多い環境で使用されます。内部への水の侵入を防ぎ、機器の保護に貢献します。 - 錠前付きキャッチクリップ
セキュリティが重視される用途に適したキャッチクリップで、鍵や南京錠を使用して蓋や扉を施錠できます。貴重品の保管や不正アクセスを防ぐ必要がある場所で使用されます。 - 高耐久型キャッチクリップ
耐久性と強度に優れた材質を使用したキャッチクリップで、重量物の固定や過酷な使用条件下での使用に適しています。長期間にわたる使用や、高い信頼性が求められる場面での利用に最適です。
参考文献
https://marukoo.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-553e.html
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/243_1/