BNCコネクター

BNCコネクターとは

BNCコネクタ

BNCコネクター (Bayonet Neill-Concelman connector) とは、同軸ケーブルを接続するためのコネクタの1つです。

バヨネット機構 (Bayonet mount) と呼ばれるロックにより、コネクター先端部のリングの回転操作で迅速かつ簡単に着脱・固定できます。

BNCコネクターの使用用途

様々な同軸ケーブル用コネクターがある中で、BNCコネクターは周波数特性にすぐれ小型化が可能であることから、映像機器や通信機器、計測機器の信号線として広く用いられています。

多くの研究施設で、科学実験用機器間のトリガー信号送受信、検出器からのデータ送信、実験機器の遠隔操作などの際に、必要なケーブル接続に定常的に利用されています。

BNCコネクターの原理

1. BNCコネクターの接続

BNCコネクターの構造上の特徴は、ネジを使わないバヨネット機構です。アダプタレセプタクルのガイドにあわせて押し込み、先端部のリングを回転させることでロックします。この機構はコネクタ同士の接続を安定に維持するだけでなく、迅速かつ簡単な着脱も可能です。

通常オスのコネクタがケーブルに取り付けられ、雌のコネクタが機器のパネル等に取り付けられます。

2. BNCコネクターの通信での役割

BNCコネクターが装着される同軸ケーブルは、高周波マルチメガヘルツ信号の送受信に利用されます。

内部の導体電線が二重絶縁層で保護され、外側にプラスティック製シースが巻かれた構造です。電磁干渉と信号損失を抑えつつ、10MHz/sという高速かつ安定な信号伝送が可能です。

BNCコネクターは、接続部分からのノイズ侵入を防止しつつ接続されたデバイス間で安定に信号を送受信するため、構造上の工夫がなされています。

BNCコネクタの種類

インピーダンスに関して2種類に分かれています。計測や通信で用いられるのは特性インピーダンスが50Ωのもので、映像信号で用いられるのは特性インピーダンス75Ωのものです。こちらは、コンタクトピンの径が50Ωのコンタクトピンよりも細いものが使われています。

適用周波数としては、最大4GHzが一般的です。50ΩのBNCコネクタと75ΩのBNCコネクタは異なるものなので、機械的に相互接続ができないか、あるいは接続できても信頼できないものが多いです。

BNCコネクタのその他情報

1. 圧着式のBNCコネクタ

圧着式のBNCコネクタは一般的に使われているものです。取付をするには、専用圧着工具が必要となります。圧着工具は各メーカーで異なるため、各メーカーが表示している工具を使用することが推奨されています。

取付方法の大まかな流れは以下となります。

  1. 圧着工具を用意します。
  2. 圧着スリーブをケーブルに通し外部被覆・外部導体・絶縁体をメーカ指定の寸法で切り取ります。
  3. 中心ロンタクトを中心導体に装着して、メーカ指定の圧着部分を圧着します。
  4. シェルをBNCコネクタの絶縁体と外部導体の間に挿入します。
  5. 圧着スリーブをメーカ指定の位置まで移動して圧着します。

2. はんだ取り付け式のBNCコネクタ

はんだ取り付け式のBNCコネクタは圧着式のBNCコネクタと同様に一般的に使われる取付方法です。

取付方法の大まかな流れは以下となります。

  1. シェルから締付ナットを外してかっく部品を取り出します。
  2. ケーブルに締付ナット、ワッシャー、ガスケットの順番に通して、外部被覆をメーカ指定の寸法で切り取ります。
  3. クランプを装着して、外部導体を折り返して切りそろえ、絶縁体をメーカ指定の寸法で切り取ります。
  4. 中心コンタクトを中心導体へ装着して、メーカ指定部分をはんだ付けします。
  5. 中心コンタクトを中心導体へ装着した際にできたケーブルをシェルに挿入して、締付ナットで固定します。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/coaxial-connectors-guide
https://ssl.tajimi.co.jp/connector/type/bnc2/
https://www.jae.com/connectors/series/?search_ext_col_25[]=T1080
https://www.doujiku-hikari.com/coaxial/connector/type/bnc/assembly/

加速度ロガー

加速度ロガーとは

加速度ロガー (英: Accelerometer Logger) とは、物体や装置の加速度を記録・計測するためのデバイスまたはシステムのことです。

加速度センサーとデータロギング機能を組み合わせた装置で、加速度の計測かつ記録が可能です。最新の製品では最大400Gまでの加速度が計測可能で、小型・軽量のものが主流となっています。

そのため、従来、測定困難であった回転物や人体および小動物の加速度計測が可能になります。また、高速のサンプリングに対応しており、大容量メモリを搭載しているため計測の幅が広がっています。

加速度ロガーの使用用途

加速度ロガーは小型で幅広い周波数レンジを計測可能であるため、幅広い産業で活用されています。自動車はもちろん、物流・輸送、設備やスポーツなどにおいて各種振動計測に用いられています。

小型でセンサとロガーが一体となっているものが主流で、これまで設置が不可能であった場所での計測が可能です。落下試験衝撃試験などの製品評価試験や、人体の頭・手・足の動きの検知に用いられます。

加速度ロガーの利点を活かして、従来のセンサおよびロガーでは計測できなかった対象物まで計測可能となります。

加速度ロガーの原理

加速度ロガーは、各メーカーによって異なりますが、主に加速度センサ、フラッシュメモリCPU、電池 (バッテリー) で構成されています。加速度センサは3軸タイプのセンサが主流で、1つの加速度ロガーで3軸の加速度を1度で計測できます。さらに、測定レンジは最大400Gまで測定できるため、落下試験や衝撃試験にも対応可能です。

また、近年の加速度ロガーは軽量で、測定対象物の固有振動数への変化に影響を与えません。加えてサイズが小型であるため、人や小動物の動き、傾きや振動計測が可能となりました。加速度ロガー本体をUSBケーブルでパソコンに接続することで、外部電源供給、リアルタイムでの加速度のモニタリング、測定条件の各種設定や記録したデータのダウンロードができます。

加速度ロガーを構成している各電子部品は、計測の指令が入るまでは待機モードに入っており、データはフラッシュメモリに記録されるため電源を切ってもデータは失われません。

加速度ロガーの選び方

1. 用途と計測範囲

加速度ロガーを使用する目的や計測したい範囲を考慮する必要があります。加速度ロガーは様々な用途で使用されますが、どのような加速度を計測するかによって求められる仕様が異なるためです。どのような場面、場所、時間帯で使うのかまずは使用用途を明確にします。

2. 測定精度

加速度ロガーの精度は重要な要素です。特に高精度の計測が必要な場合は、より精密な測定が可能な製品を選ぶ必要があります。400Gまで測定可能なものから200Gまでなど、範囲を狭めることでコストを抑えることが可能です。

3. データ記録容量

ロガーが記録できるデータの容量も重要です。長時間の計測を行う場合や高頻度でデータを記録する必要がある場合は、大容量のデータ記録が可能な製品を選ぶことが重要です。

4. バッテリー寿命

ロガーのバッテリー寿命は、計測期間に応じて選ぶ必要があります。計測期間が長い場合や屋外での使用を想定する場合には、長時間動作するバッテリーが必要です。寿命が長いに越したことはありませんが、その分コストが高くなるため、用途に応じた最適な期間を選ぶと良いです。

5. 操作性とデータ取得方法

加速度ロガーの操作性が使いやすいかどうかを確認します。また、USB接続や無線通信といったデータの取得方法も重要です。用途によっては自分1人が扱うケースもあれば、複数人、不慣れな作業者が扱うこともあります。どういったケースで使われるか考え、ユーザレベルに合わせた操作性を認識して選びます。

6. 耐久性と防水性

加速度ロガーは実地で使用されることが多いため、耐久性や防水性がある製品を選ぶと長く使うことができます。バッテリーが保たれていても本体自体の損傷や浸水等で使えなくなる場合もあるため、どこでロガーを使うか明確にしておく必要があります。

参考文献
http://news-sv.aij.or.jp/jyoho/s1/proceedings/2012/pdf/H57.pdf

フローセンサー

フローセンサーとは

フローセンサー

フローセンサーは流体の流れを測定するために使用されるセンサーです。流体の速度や量をリアルタイムで計測し、その情報をデジタル信号やアナログ信号として出力します。液体や気体の制御や監視、エネルギー管理、医療、環境保護など、多岐にわたる分野で使用されるデバイスです。

フローセンサーの使用用途

フローセンサーは流体の流れを測定する計測器具として、多くの分野で幅広く使用されます。以下はフローセンサーの使用用途一例です。

1.  医療

医療機器において液体やガスの流れを制御し、正確な投与量を確保するために用いられます。点滴や輸液ポンプ、人工呼吸器などが使用例です。患者に適切な量の薬液や酸素を供給するために重要な役割を果たしています。

2. 工業

製造業では生産プロセスや装置の効率や安全性を向上させるために活用されます。化学工場や製薬工場での原料や溶剤の供給、冷却システムの制御などで使用されます。燃料ガスや石油の供給量を制御することで、省エネルギー化やコスト削減にも寄与します。

自動車産業ではエンジンや冷却システムでの冷却液や燃料の流れを測定し、車両の性能や燃費を最適化するために使用されます。また、排ガスの流れを測定することで、排出ガス規制に適合した設計や運用が可能です。

3. 水処理分野

上下水道施設や浄化装置での水の流れを測定し、適切な処理を行うために重要です。水の供給量や浄化過程での流速を正確に把握することで、水資源の効率的な利用や環境保護に貢献しています。

フローセンサーの原理

フローセンサーは複数の種類がありますが、古くから機械式フローセンサーを使用されます。

機械タイプのフローセンサーはプロペラなどの回転物を有しています。配管内の液体の流れが内部の回転物を回転させ、液体の流量は回転物の回転数に比例します。よって、回転物の回転数に比例した信号が出力されます。

原理はシンプルですが精度よく流量を計測するには、配管径や液体の温度を事前に想定しておき、最適なタイプのフローセンサーを選定する必要があります。

フローセンサーの種類

フローセンサーにはさまざまな種類があり、用途に合わせて選択する必要があります。以下は代表的なフローセンサーの種類です。

1. 渦流式フローセンサー

流れの速度に応じて流体中に発生する渦を検出し、流量を測定するフローセンサーです。渦の発生と検出には、小さな鉄板や磁石が使用されます。渦流式フローセンサーは、低圧の流体に適しているとされます。

2. 熱式フローセンサー

流体の熱伝導率に基づいて流量を測定するフローセンサーです。熱源と温度計を使用し、温度差から流量を計算します。熱式フローセンサーは、高温、高圧、高粘度の流体にも適しています。

3. 超音波式フローセンサー

超音波の伝播速度を利用して流量を測定するフローセンサーです。超音波の発生源と受信器を使用し、流体中の音速を計算します。高精度かつ非接触で測定ができるため、血流計などの医療分野にも使用されます。

4. 電磁式フローセンサー

流体中を流れる電流によって生じる磁場の変化を検出して流量を測定するフローセンサーです。高い精度と高い測定範囲を有するため、一般的な流量計として幅広く使用されています。

フローセンサーの選び方

フローセンサーは多くのラインナップが存在するため、用途に応じて最適なフローセンサーを選定する必要があります。

まずは測定対象流体の種類を確認します。対象が蒸気などの場合は渦流式や差圧式などを選定し、工業用水などの場合は電磁式などを選定します。フローセンサーの種類に応じてそれぞれ測定可能な流体が異なります。

また、測定対象の流体の温度や圧力に応じて、選ぶフローセンサーも異なります。高温高圧の流体には、熱式フローセンサーや電磁式フローセンサーが適しています。

フローセンサーのメンテナンス性も重要なポイントです。測定対象の流体によって、メンテナンスが必要な頻度や方法が異なります。メンテナンス性が高く、耐久性があるフローセンサーを選定します。

参考文献
https://www.fierceelectronics.com/sensors/what-a-flow-sensor
https://realpars.com/how-flow-meters-work/

位置センサー

位置センサーとは

位置センサー

位置センサとは、対象物や機器の位置情報を検出・測定するために使用されるセンサーです。

自動車や航空機、スマートフォンなどの広範な産業分野で利用されています。正確な位置情報を提供することで、機器の動作やナビゲーションを向上させる役割を担っています。

位置センサーの使用用途

位置センサーは、産業機械から日常生活まで幅広く使用されます。

1. 自動販売機やATM機器

自動販売機やATM機器で位置センサーが使用されます。無人機器の前に立つ人の検知をして、機器のディスプレイのオンオフの制御をします。また、機器の傾きなどを検知することで機器の盗難を防ぎます。

2. 自動ドア

セキュリティにおいても重宝されます。自動ドアでの人や物の検知や、反対に人が検出してはいけない場所での不法侵入の検知などのセキュリティの観点からも用いられます。セキュリティの観点から、金庫の傾き検知などにも用いられる場合もあります。

3. 駐車場

駐車場においても、位置センサーは使用されます。機械式の駐車場でのパレット (駐車するスペース) の位置決めや、立体駐車場などのセンサとして用いられます。

また、駐車場の出口などにある遮断器の棒が、自動車などにぶつかったまま遮断できない場合の検知なども行います。

位置センサーの原理

位置センサーは、光や磁気などの媒体を用いて位置を検出します。

光学位置センサーや超音波位置センサーは、媒体となる光や超音波を発信し、物体による反射を検知してフィードバックします。また、静電容量式位置センサーなどはインダクタンスなどを検知してフィードバックします。

これらの原理を用いた位置センサーは、それぞれの特性や精度、応用分野に応じて選定されます。また、複数のセンサーを組み合わせることで信頼性の高い位置情報を得ることも可能です。GPSと慣性式センサーを組み合わせた「慣性航法システム」は、位置情報の精度と更新速度を向上させるために使用されています。

位置センサーの種類

位置センサーには、さまざまな種類が存在します。光学式、磁気式、超音波式などが代表的です。

1. 光学式位置センサー

光学式位置センサーは、光学的な方法を用いて位置を測定します。一般的な例はエンコーダーで、回転や直線運動の位置情報をデジタル信号に変換するデバイスです。また、イメージセンサーを用いた3D測位技術も広く利用されています。

2. 磁気式位置センサー

磁気式位置センサーは、磁場の変化によって位置情報を検出します。ホール効果センサーや磁気インダクティブセンサーがあり、磁性材料が存在する環境での使用に適しています。汚れや振動に強い点が特徴です。

3. 超音波式位置センサー

超音波式位置センサーは、音波を用いて距離や位置情報を測定します。ロボットや自動車の障害物検出、水位計測などの用途で利用されます。

位置センサーの選び方

多種多様な位置センサーが販売されているため、各センサーの特性を掴んで選定する必要があります。

1. 測定精度

位置センサーの必要精度は、測定したい対象などによって異なります。高精度が求められる場合は、光学式センサーや電気式センサーが適しています。一方、精度があまり重要でない場合は磁気式センサーや超音波式センサーが選択肢となります。

2. 使用環境

使用環境によっても、適したセンサーが変わります。汚れや振動が多い環境では、磁気式センサーが適しています。また、水や透明物体の検出が必要な場合は、超音波式センサーが適切です。

3. 予算

位置センサーの価格帯は、種類や性能によって異なります。予算に合わせて適切なセンサーを選ぶことが重要です。ただし、安価なセンサーでも、適切な設定や組み合わせを行うことで十分な性能が得られる場合があります。

位置センサーのその他情報

モーショントラッキングで用いる3次元センサー

3次元位置センサーでの位置計測は、モーショントラッキングシステムで活用されます。モーショントラッキングはスポーツ分野や医療分野などの幅広い分野で利用されており、VRやCGの分野でも活用されます。モーションキャプチャによって人の動きをデジタル化し、キャラクターの表情や動きの表現します。

参考文献
https://www.mtasia.co.jp/product/position/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/26/2/26_2_99/_pdf
https://www.optex-fa.jp/tech_guide/dsp_report_no2/
https://www.sii.co.jp/jp/news/release/2013/06/05/3315/
https://www.mtasia.co.jp/product/position/
https://www.sensatec.co.jp/application/

油面計

油面計とは

油面計

油面計とは、船舶やタンクなどで使用される液面の高さを測定する装置の1種です。

オイルゲージやオイルレベルゲージなどとも呼ばれます。特に石油や化学物質などの液体を扱う場合に、その量や流量の管理に欠かせない測定器です。

正確な測定と耐久性が求められるため、適切な選択とメンテナンスが必要です。

油面計の使用用途

油面計は、船舶や発電所、工場などで使用されることが多いです。船舶での燃料の消費量を正確に測定して燃費を把握し、効率的な航行が可能となります。また、貨物油タンクでは正確な在庫管理が必要であり、油面計によって液面高さを測定して在庫量を把握します。

発電所での使用箇所は、ボイラー給水タンクや蒸気ドラムなどです。発電所での石炭や原油の消費量を正確に測定することで、発電効率を向上させることが可能です。また、ボイラー給水タンクの水位が低下は火災や爆発と直結するため、油面計によって水位を常に監視します。

工場やタンクローリーでは、石油製品や化学物質の移送中に油面計が使用されます。液面高さを測定することで漏洩や過剰な荷重などのリスクを把握し、安全な輸送を行うことができます。その他、油圧ショベル、フォークリフト油圧ユニットなども用途の1つです。

油面計の原理

油面計は、浮力の法則を利用しています。一般的に、U字型の管に液体を注入し、その中に浮体を浮かべて使用します。浮体は液面に浮かぶことで浮力を受けます。この浮力によって浮体が上下に移動し、液面の高さに応じて表示針が動く仕組見です。

浮体の体積や密度を決めることで、液面高さに対して正確な表示が可能です。また、U字型管の内側に付属した目盛で液面高さを一目で確認できます。

なお、油面計は液体の種類によって材質が異なります。石油製品やアルコールなどの液体には金属製の浮体を使用し、水などの液体にはプラスチック製の浮体を使用します。また、測定対象の液体の温度や圧力にも注意が必要であ、正確な測定には適切な油面計を選ぶことが重要です。

油面計の種類

油面計には、さまざまな種類が存在します。使用する場所や目的に合わせて適切な油面計を選択することが、正確な測定につながります。以下は油面計の種類の一部です。

1. ブースターゲージ

ブースターゲージは、圧力差を利用して液面高さを測定する油面計です。液体を注入したU字型管に空気の圧力をかけ、圧力差によって液面高さが決まります。液体の粘度や密度に影響を受けずに正確な測定ができるため、広く使用される油面計です。

2. ディプスティック

ディプスティックは、液体の高さを直接測定する油面計です。U字型管ではなく長い棒状の器具を液面に浸けて測定します。移動式のタンクや容器に使われることが多く、タンクの高さに合わせて長さを調整できる製品も販売されています。

3. ガラス管油面計

ガラス管油面計は、透明なガラス管に液体を注入し、液面高さを目視で確認する油面計です。液体がない場合はガラス部が白色に見え、液体がある場合は液体で反射して暗く見えます。液体が作動油であれば、作動油の色が反射して液面を確認できます。

精度が高いため、化学物質や薬品などの厳密な測定に使われることがあります。ただし、ガラス管は割れることがあるので注意が必要です。

4. フロート式油面計

フロート式油面計は、液面に浮かぶフロートを用いて、液面高さを測定する油面計です。液体が激しく動く場所でも正確な測定が可能で、タンクに直接取り付けることもできます。ただし、フロート式油面計は、浮体の種類や形状によって測定精度に差が出ることがあるため、適切な選択が必要です。

接点出力を持つ製品はフロート、マグネット、リードスイッチなどの部品で構成されます。フロートが液体の浮力をうけ上下に移動し、フロート内蔵のマグネットでリードスイッチが作動して接点出力します。

参考文献
https://www.imao.co.jp/introduce/oilgauge.html
https://www.klingage.co.jp/expound.html

周波数測定器

周波数測定器とは

周波数測定器とは、信号周波数を測定する機器です。

周波数を数値として出力する電子機器またはコンポーネントで、周波数カウンタとも呼ばれます。電気信号の周期的なパルスの数を計測し、周波数を出力します。

周波数測定器は、高精度の周波数信号を計測するために、高周波無線技術に関連する多くのアプリケーションで使用されています。正確で高精度な測定を行い、信号の波形や周波数の特性を詳細に分析可能です。この周波数測定器は、繰り返し信号の周波数を計測するために、電気テストのさまざまな分野において幅広く使われます。

周波数測定器の使用用途

周波数測定器は、電気工学や通信工学などの分野で広く使用されています。

1. 機器の信頼性評価

周波数測定器は、電子機器の信頼性評価に広く使用されます。例えば、電源回路で発生したノイズや、周波数変換回路の動作評価などがそれに該当します。

2. 周波数特性の評価

周波数測定器は、周波数特性の評価にも使用されます。例えば、アンプやスピーカーなどの音響機器において、周波数応答を評価することができます。また、周波数フィルターの特性評価にも利用されます。

3. 通信工学

周波数測定器は、通信工学においても重要な計測機器です。例えば、送信機の周波数の調整や、受信機の周波数の評価に使用されます。また、無線通信の障害解析にも利用されます。

4. 電力測定

周波数測定器は、電力測定にも使用されます。例えば、発電機や変圧器の周波数の評価に利用されます。また、周波数変換器において、交流電力の効率評価にも使用されます。

5. システム設計

周波数測定器は、システム設計においても利用されます。例えば、システム全体の周波数特性の評価や、周波数変換回路の設計に使用されます。

6. 音響測定

音響空間において、音の反射、吸収の具合を確認し、均一の取れた音場を作るためにモニタとして使われたり、設備から出る振動の強さと周波数を確認するために周波数測定器を使用します。

例えば、車室内ではフロントガラスやリアガラスでの音の反射、シートやフロアでの音の吸収、エンジン音の混入など、複雑な音響空間が形成されます。心地よい音を作るために、周波数と信号強度分布を周波数測定器で確認し、イコライザで高音や低音を強めたり、弱めたりして快適な音響空間を作ります。

周波数測定器の原理

周波数測定器は、多くの場合、オシロスコープなどの他の測定器と組み合わせて使用されます。周波数測定器の種類は、卓上型、携帯型、高周波、低周波、RF (無線周波数) 、マイクロ波などです。

周波数測定器は、波形整形部、基準時間パルス発生部、ゲート部、表示部で構成されています。入力された信号は、波形整形部でパルス列に整形され、基準時間パルス発生部にて、0.1秒や1秒といった正確な時間幅を持ったパルスを生成します。

ゲート部では、この時間幅を持ったパルスで、入力信号をパルス列に整形した信号をスイッチングします。ここで得られたパルス数を処理して表示部に出力されます。例えば、時間幅が1秒、入力したパルス列の数が10であれば、周波数は10Hzです。

ノイズを含んでしまうとパルス波形が不安定になり誤った周波数を測定したりする恐れがあるため、測定時は注意が必要です。

周波数測定器のその他情報

1. 周波数測定器のメリット

周波数測定器のメリットは、周波数だけでなく、周期、デューティ、などを計測できることです。周波数測定器は、周波数をデジタル表示することで、電子回路の性能を確認するための測定器です。

発振周波数を所定の値に調整するためのモニタにしたり、発振安定度 (周波数ジッタ) の確認をしたりするために使います。その原理を活用したのが、振動や音響測定です。この用途の場合は入力された信号をフーリエ変換して、スペクトルとしてグラフ表示します。

その他にも、電子工学分野での波形観測や信号処理、医療分野での超音波測定、電磁波測定、環境調査など多岐にわたる用途があります。

2. 周波数測定器のアプリ

周波数測定器には、入力された信号の周波数を数値化するだけでなく、グラフ化するアプリケーションが付属します。数字だけではふらつき具合やノイズ成分を確認することができませんが、FFT演算をすることで周波数成分を切り分けてそれぞれの強度をグラフ化できます。

メインの信号の横に現れるサイドローブの強さを表示したり、入力信号を平均化して突発ノイズを除去して精度よく計測をしたり、信号のふらつき具合を色の濃淡で表現したりするなど、信号の質をビジュアルでわかりやすく表現するためのアプリケーションが用意されています。

1軸ステージ

1軸ステージとは

1軸ステージ

1軸ステージとは、1方向の移動を行う軸を持った位置決めステージのことです。

1軸ステージでは、製品により水平方向や上下方向 (鉛直方向) などの1方向にのみステージが動きます。1軸ステージでは任意の位置での位置決めが可能です。1軸ステージを使用する際は、用途に合わせてステージの可動方向や位置決め精度を考える必要があります。

あくまで1軸であるため、例えば左右方向の移動と前後方向の移動の2軸の移動が必要な場合には2軸ステージを使用する必要があります。マイクロメーターを採用する1軸ステージでは、精度を必要とする位置決めにも対応可能です。

1軸ステージの使用用途

1軸ステージは、位置決めや調整などを目的として検査装置などの装置で使用されます。ガイド機構や送り機構の違いによって、精度はさまざまです。

また、ガイド機構や送り機構によって1軸ステージの特長も異なります。そのため、使用目的や条件に合った1軸ステージの選定が必要です。

なお、1軸ステージの使用例は以下の通りです。

  • 製品検査用装置の位置決め
  • 装置位置 (部組) のストローク調整用
  • 製品組み立て用治具のモデル変更への対応調整
  • FA装置の搬送や位置決め

1軸ステージの原理

1軸ステージは基本的にガイド機構・送り機構・クランプ機構の3つの機構により構成されています。3つの機構の組合せにより1軸ステージの精度などを変更できます。

以下、ガイド機構と送り機構の代表的な方式を説明します。

1. ガイド機構

ガイド機構には、大まかに3種類の機構があります。

アリ溝方式
台形状のアリ溝とアリ溝の収まるアリほぞを利用したガイド機構です。アリ溝とアリほぞの間の摩擦係数が高いため、精度の高い位置決めには不向きです。一方、コストが抑えられるので、簡単な位置決めを行う用途には向いています。

クロスローラ方式
ローラーが内蔵されるスライダーとV溝が形成されるレールを利用したガイド機構です。レールに沿ってスライダーが移動するときに、V溝の中でローラーが転がります。剛性が高いのが特長です。また、低摩擦で微小な送りができるため、正確な位置決めに向いています。

ボール方式
ボールが内蔵されるスライダーと円弧状のR溝が形成されるレールを利用したガイド機構です。レールに沿ってスライダーが移動するときにR溝の中でボールが転がります。クロスローラ方式と同様に正確な位置決めに適しています。

2. 送り機構

送り機構には、おおまかに3種類の機構があります。

ラック&ピニオン
ラックギアが形成されるレールとピニオンと呼ばれる歯車を利用した送り機構です。送り速度が速い点が特長ですが、精密な位置決めには不向きです。

送りねじ
おねじとめねじを利用したねじ方式の送り機構です。例えば、ボールねじがこの送り機構に該当します。細かな送りは可能ですが、送り速度が遅いため、長いストロークでの位置決めには不向きです。

マイクロメーター
送りねじよりも細かな精度での送りが可能なねじ方式の送り機構です。送りねじよりも精密な送りが可能ですが、送りねじよりも送り速度は遅くなるため、長いストロークでの調整には向いていません。

1軸ステージの種類

1軸ステージには、直動ステージと回転ステージ、ゴニオステージがあります。

1. 直動ステージ

直動ステージは、水平方向または上下方向の1方向に直線移動するステージを持つ1軸ステージです。

2. 回転ステージ

回転ステージは、上下方向を回転の軸方向として回転するステージを持つ1軸ステージです。

3. ゴニオステージ

ゴニオステージでは、ステージの垂線上の一点を回転中心にしてステージが円弧状に移動します。ステージの傾斜角度を調整できます。

1軸ステージのその他情報

モーター式の1軸ステージ

1軸ステージは手動で操作するものに限らず、駆動をモーターで行うものもあります。この場合、位置決めの精度は、送り機構の精度とモーターの分解能によって決まります。

そのため、モーターの仕様も重要です。一般的に、精密な位置決めを行う場合には、サーボモーターやステッピングモーターが使用されます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/d0039.html
https://jp.misumi-ec.com/maker/misumi/mech/product/xy/faq/faq01.html

インサーター

インサーターとは

インサーターとは、文章やカードなどのアイテムを自動的に封かんする装置です。

通称では封入封かん機とも呼びます。 本装置の導入により、作業時間短縮によるコストダウンと誤封入の防止を図ることが可能です。これにより、封かんの品質向上と労働力の削減んが見込まれます。

また、昨今では個人情報漏洩防止の観点からクレジットカードの利用明細書の封入封かんに本装置が使われます。 具体的には利用明細書と封筒をバーコードで管理し、封入時に誤封入や誤発送が発生しないように自動処理する仕組みです。したがって、現在はクレジットカードの紙面明細発行に必要不可欠な装置です。

インサーターの使用用途

インサーターは手作業で封入していた封かんを機械化する装置です。具体的な使用用途は以下の通りです。

1. 印刷・出版業界

書籍や雑誌に付録を挿入する際にインサーターが使用されます。一例として、特別な冊子やポスターまたはDVDなどがこれに該当します。これにより、読者に付加価値を提供し、販促効果を高めることが可能です。

また、定期購読の場合には、付随する請求書やアカウント情報などの文書を出版物に封入する際に使用されます。これにより、読者への情報提供やサービス提供を効率的に行うことが可能です。

印刷・出版業界では他業界での郵便物の封入・作成を委託されることが多いです。したがって、業務の効率化および品質向上を目的にインサーターを導入する事例があります。

2. 通信業界

インサーターは大量の郵便物を処理するために、通信業界で広く使用されます。これにより、郵便物の封入作業が自動化され、処理速度を向上させることが可能です。請求書や明細書そしてカタログなど、様々な種類の郵送物の封入に利用されます。

3. 医療業界

医療業界においては、様々な個人情報を取り扱うことが多いです。患者の診断結果や処方箋、およびその他の医療文書や患者情報を封入する必要があります。これらの文書を秘匿性を保ちながら挿入し、封かんするためにインサーターが使用されることも多いです。

インサーターの原理

インサーターは装置本体と操作部および制御部の3つで構成されています。

装置本体は封入封緘作業を実際に行う部分であり、主要な機械構造部です。一般的には書類などを挿入するためのフィーダーやトレイ、封入材料供給部、挿入された部品を封緘するための封緘機構などを有します。書類の挿入や封緘作業を行うための機械構造部であるため、作業の正確性などに影響を与える要素です。

操作部はインサーターを操作するための部分であり、使用者のインターフェイスとなる重要な要素です。一般的にはユーザーが機械を起動・停止したり、設定を調整するために使用されます。作業を監視するためのボタンや表示灯などを有する部分で、近年では液晶タッチパネルなどが使用されることが多いです。

制御部はインサーターの動作を管理するための電子制御システムです。モーターやセンサーなどの機械部品を制御するための制御回路やプログラムが含まれます。操作部からの指示に基づいて装置本体の動作を調整し、作業を自動化する部分です。

インサーターの選び方

インサーターを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 対応用紙

インサーターを選ぶ際には対応する用紙の種類やサイズが重要です。一般的な用紙のサイズに加えて、光沢紙や厚紙などにも対応できるかを確認する必要があります。また、特大サイズや異形用紙への対応可否や、自動フィーディングや整列機能の有無なども確認することが重要です。

2. 動作速度

インサーターの動作速度は1時間あたりに処理できる用紙や製品の量を示す指標です。自社の生産量や需要に合わせて適切な動作速度を選択する必要があります。高速のインサーターは大量生産ラインで効果的に使用できますが、柔軟な条件での生産ができない場合があります。

3. 歩留まり

歩留まりはインサーターが正確に書類などを挿入する能力を示す指標です。センサーの性能や調整・メンテナンス状態によっても異なります。高い歩留まり率を保つことは、品質の一貫性を確保する上で重要です。

参考文献
https://www.rakurakumeisai.jp/column/invoice/190620.php

EMC試験機

EMC試験機とは

EMC試験機

EMC試験機とは、電磁環境両立性 (英: Electro Magnetic Compatibility, EMC) を試験するための機器のことです。

電磁環境の両立性とは、電子機器が他の電子機器に電磁的な妨害を与えないことと、もし電磁ノイズを受けたとしても誤動作しないことを要求することを指します。また、ノイズを出すものをエミッションと言い、外来ノイズに耐える力のことをイミュニティと分類されます。両方の性質を表すものが電磁環境両立性 (EMC) です。

EMC試験機の使用用途

EMCには電子機器から発生するノイズを測定するための機器および電子機器にノイズを印加する機器など様々なものが存在します。

ノイズの測定や印加は、電波暗室と呼ばれる電波を完全遮断した試験室で実施します。試験室は公的な認証が必要なため、試験を実施出来る場所は限られます。

電波暗室とは、オープンサイトの電波伝搬特性を模擬した人工試験サイトのことで、金属製の壁によって外来電波をシールドしつつ、壁面や天井に設置された電波吸収体によって電波が吸収される仕組みです。

また、試験室での認証試験は一般的に一日数十万円の費用が発生し、時間をかけるほど試験費用が発生します。電子機器を搭載したメーカーにとっては、開発時の大きな課題となっています。

EMC試験機の原理

電子機器のエミッション (発生ノイズを測定) 試験方法は、伝導エミッションと放射エミッションの2種類があります。

伝導エミッションは、擬似電源回路網と呼ばれるLISN (英: Line Impredance Stabilization Network) と呼ばれる専用ノイズ測定器を使用し、電子機器の発生するノイズを測定します。一方、放射エミッションはアンテナで受信したノイズを測定します。外部ノイズが完全に遮断された場所で行われるため、これらのエミッション試験機の測定システムは、測定する部屋も含めて大変複雑な試験設備となっています。

イミュニティの主な試験は、静電気試験機、方形波インパルスノイズ試験機、スイッチ等の開閉器によるノイズを想定したファストトランジェントバースト試験機、雷サージ試験機、サグやディップとも言われる電源電圧変動試験機等の専用の試験機を使用し、EUTと呼ばれる対象の被試験機にノイズを印加して、規格値まで耐え得るか否かを確認します。

他の試験は、電源ラインの伝導ノイズを評価する試験やマルチメディア機器の通信ポートに流れる伝導ノイズを評価するための試験、放射性の電界ノイズを評価する試験、吸収クランプを使用して電源LINEに流れる伝導ノイズを測定する試験なども実施されています。

以上のことから、EMC試験機を使用した各々の試験によってIEC等の規格をクリアしたものだけが正式に市場で販売ができるということになります。

EMC試験機の種類

エミッションとは「放出・放射」と訳され、排気ガス規制の場面で使用されています。EMCにおけるエミッションは「電子機器が周囲に対して不審な電磁ノイズを放射する」という解釈です。

イミュニティは「免疫」と訳され、EMCにおけるイミュニティは「周囲から印加される電磁ノイズに対する耐性」という解釈です。

また、世界で電子機器を搭載した自社製品メーカー企業に とって、EMCが日本の電気用品安全法や海外のIEC規格に基づいた各国の法律を遵守しないと販売できないことから、EMCをクリアすることが販売する必須条件として重要なポイントになります。

したがって、EMC試験は電子機器から発生するノイズレベルを測定するエミッション試験と電子機器が、外来ノイズに耐えるレベルをチェックするイミュニティ試験になります。

参考文献
http://www.micronix-jp.com/products/emc/
http://www.noiseken.co.jp/modules/products/index.php?content_id=165

絶縁耐圧試験機

絶縁耐圧試験機とは

絶縁耐圧試験機とは、電気機器や電子部品の絶縁耐圧特性を評価するための測定器具です。

電気機器や電子部品が正しく絶縁されており、電気回路が漏電や短絡によって危険を引き起こさないことを確認するための重要な手段です。正しく絶縁されていない場合、電気ショックや火災のリスクが高まります。絶縁耐圧試験機は、絶縁耐圧試験において電圧を印加するために使用されます。

多くの国や地域で、電気機器や電子部品は規制要件に従うことが必要です。絶縁耐圧試験の実施が義務付けられていることも多く、法的規制を順守するために実施されます。製品の品質を確保し、不良品を検出するための有効な手段です。

絶縁耐圧試験機の使用用途

絶縁耐圧試験機は、さまざまな電気機器や電子部品の製造および安全性確保のために使用される測定器具です。以下は絶縁耐圧試験機の主な使用用途です。

1. 電気工事

高圧ケーブルや変圧器などの高圧設備に対して高電圧絶縁耐圧試験を実施することが多いです。これにより、安全性と適切な動作を確認します。工事において機器を損傷させ、絶縁破壊が発生していないかなどを確認し、工事品質を保証します。

2. 電気製品製造

コンピュータやテレビなどの電気機器製造プロセスで使用される場合が多いです。絶縁耐圧試験機は製品の絶縁性能をテストし、絶縁不良を検出します。これにより、不良品が市場に流通するのを防ぐことが可能です。

3. 研究・開発

新しい電子機器や電子部品の開発プロセスでは、絶縁耐圧試験が新製品の評価に役立ちます。新しい材料や新構造の絶縁性能をテストし、改良を加えるために使用されます。これにより、新開発された機器・部品が要件を満たした絶縁耐力があるかを確認することが可能です。

絶縁耐圧試験機の原理

絶縁耐圧試験機の原理は、電気機器や電子部品の絶縁性能を評価するために、電圧を印加して絶縁抵抗を測定することに基づいています。試験対象の電気機器や部品に、特定の企画や要件をに基づいた高電圧を印加します。

印加される電圧は正弦波の交流電圧であることが多く、数百Vから数キロV以上にわたる高電圧です。高電圧を印加することにより、絶縁材料が高電圧に耐えることを確認できます。絶縁耐圧試験機は高電圧が印加された状態で絶縁抵抗を測定することが可能です。

絶縁抵抗は電流を通しにくい程度を示す指標であり、通常はオーム (Ω) の単位で表されます。絶縁抵抗が高いほど、絶縁性が優れていることを示す指標です。絶縁抵抗の測定方法としては、高電圧が印加された最中に絶縁材料から漏れる電流を検出します。漏れ電流と印可電圧の関係によって、絶縁抵抗を測定する仕組みです。絶縁不良や絶縁材料の劣化によって、漏れ電流が増加することがあります。

絶縁耐圧試験機の選び方

絶縁耐圧試験機を選ぶ際に考慮すべき重要な要因はいくつかあります。以下は絶縁耐圧試験機の選定要素です。

1. 印可電圧

印可電圧は、試験対象に印加することができる電圧です。選択する絶縁耐圧試験機は、試験対象の用途に適した範囲の印可電圧を提供する必要があります。高電圧試験が必要な場合、試験機の印可電圧が高い製品を選択します。

2. 電源

絶縁耐圧試験機は電源供給が必要なことが多いです。選択する試験機の電源要件が、設置場所の電源供給に合致していることを確認します。AC電源またはDC電源で動作するモデルがあります。

また、バッテリー駆動の製品も多いです。移動して使用する可能性がある場合は、バッテリー駆動の製品が有利です。

3. 漏れ電流の範囲

絶縁耐圧試験では、漏れ電流を観測して絶縁耐力を測定します。試験機の漏れ電流測定範囲が、試験対象の特性に合致していることを確認します。低漏れ電流要件を持つ製品に対しては、低い漏れ電流範囲を持つ試験機が必要です。

4. 補助機能

試験機の操作性や機能も重要です。直感的なインターフェースやデータ保存・転送機能、試験プロセスの自動化機能など、作業効率を向上させる機能を持つかどうかを検討します。

参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/support/faq/detail/?dbid=2027
https://www.kikusui.co.jp/knowledgeplaza/?d=safetytest