BNCコネクターとは
BNCコネクター (Bayonet Neill-Concelman connector) とは、同軸ケーブルを接続するためのコネクタの1つです。
バヨネット機構 (Bayonet mount) と呼ばれるロックにより、コネクター先端部のリングの回転操作で迅速かつ簡単に着脱・固定できます。
BNCコネクターの使用用途
様々な同軸ケーブル用コネクターがある中で、BNCコネクターは周波数特性にすぐれ小型化が可能であることから、映像機器や通信機器、計測機器の信号線として広く用いられています。
多くの研究施設で、科学実験用機器間のトリガー信号送受信、検出器からのデータ送信、実験機器の遠隔操作などの際に、必要なケーブル接続に定常的に利用されています。
BNCコネクターの原理
1. BNCコネクターの接続
BNCコネクターの構造上の特徴は、ネジを使わないバヨネット機構です。アダプタをレセプタクルのガイドにあわせて押し込み、先端部のリングを回転させることでロックします。この機構はコネクタ同士の接続を安定に維持するだけでなく、迅速かつ簡単な着脱も可能です。
通常オスのコネクタがケーブルに取り付けられ、雌のコネクタが機器のパネル等に取り付けられます。
2. BNCコネクターの通信での役割
BNCコネクターが装着される同軸ケーブルは、高周波マルチメガヘルツ信号の送受信に利用されます。
内部の導体電線が二重絶縁層で保護され、外側にプラスティック製シースが巻かれた構造です。電磁干渉と信号損失を抑えつつ、10MHz/sという高速かつ安定な信号伝送が可能です。
BNCコネクターは、接続部分からのノイズ侵入を防止しつつ接続されたデバイス間で安定に信号を送受信するため、構造上の工夫がなされています。
BNCコネクタの種類
インピーダンスに関して2種類に分かれています。計測や通信で用いられるのは特性インピーダンスが50Ωのもので、映像信号で用いられるのは特性インピーダンス75Ωのものです。こちらは、コンタクトピンの径が50Ωのコンタクトピンよりも細いものが使われています。
適用周波数としては、最大4GHzが一般的です。50ΩのBNCコネクタと75ΩのBNCコネクタは異なるものなので、機械的に相互接続ができないか、あるいは接続できても信頼できないものが多いです。
BNCコネクタのその他情報
1. 圧着式のBNCコネクタ
圧着式のBNCコネクタは一般的に使われているものです。取付をするには、専用圧着工具が必要となります。圧着工具は各メーカーで異なるため、各メーカーが表示している工具を使用することが推奨されています。
取付方法の大まかな流れは以下となります。
- 圧着工具を用意します。
- 圧着スリーブをケーブルに通し外部被覆・外部導体・絶縁体をメーカ指定の寸法で切り取ります。
- 中心ロンタクトを中心導体に装着して、メーカ指定の圧着部分を圧着します。
- シェルをBNCコネクタの絶縁体と外部導体の間に挿入します。
- 圧着スリーブをメーカ指定の位置まで移動して圧着します。
2. はんだ取り付け式のBNCコネクタ
はんだ取り付け式のBNCコネクタは圧着式のBNCコネクタと同様に一般的に使われる取付方法です。
取付方法の大まかな流れは以下となります。
- シェルから締付ナットを外してかっく部品を取り出します。
- ケーブルに締付ナット、ワッシャー、ガスケットの順番に通して、外部被覆をメーカ指定の寸法で切り取ります。
- クランプを装着して、外部導体を折り返して切りそろえ、絶縁体をメーカ指定の寸法で切り取ります。
- 中心コンタクトを中心導体へ装着して、メーカ指定部分をはんだ付けします。
- 中心コンタクトを中心導体へ装着した際にできたケーブルをシェルに挿入して、締付ナットで固定します。
参考文献
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/coaxial-connectors-guide
https://ssl.tajimi.co.jp/connector/type/bnc2/
https://www.jae.com/connectors/series/?search_ext_col_25[]=T1080
https://www.doujiku-hikari.com/coaxial/connector/type/bnc/assembly/