加速度ロガー

加速度ロガーとは

加速度ロガー (英: Accelerometer Logger) とは、物体や装置の加速度を記録・計測するためのデバイスまたはシステムのことです。

加速度センサーとデータロギング機能を組み合わせた装置で、加速度の計測かつ記録が可能です。最新の製品では最大400Gまでの加速度が計測可能で、小型・軽量のものが主流となっています。

そのため、従来、測定困難であった回転物や人体および小動物の加速度計測が可能になります。また、高速のサンプリングに対応しており、大容量メモリを搭載しているため計測の幅が広がっています。

加速度ロガーの使用用途

加速度ロガーは小型で幅広い周波数レンジを計測可能であるため、幅広い産業で活用されています。自動車はもちろん、物流・輸送、設備やスポーツなどにおいて各種振動計測に用いられています。

小型でセンサとロガーが一体となっているものが主流で、これまで設置が不可能であった場所での計測が可能です。落下試験衝撃試験などの製品評価試験や、人体の頭・手・足の動きの検知に用いられます。

加速度ロガーの利点を活かして、従来のセンサおよびロガーでは計測できなかった対象物まで計測可能となります。

加速度ロガーの原理

加速度ロガーは、各メーカーによって異なりますが、主に加速度センサ、フラッシュメモリCPU、電池 (バッテリー) で構成されています。加速度センサは3軸タイプのセンサが主流で、1つの加速度ロガーで3軸の加速度を1度で計測できます。さらに、測定レンジは最大400Gまで測定できるため、落下試験や衝撃試験にも対応可能です。

また、近年の加速度ロガーは軽量で、測定対象物の固有振動数への変化に影響を与えません。加えてサイズが小型であるため、人や小動物の動き、傾きや振動計測が可能となりました。加速度ロガー本体をUSBケーブルでパソコンに接続することで、外部電源供給、リアルタイムでの加速度のモニタリング、測定条件の各種設定や記録したデータのダウンロードができます。

加速度ロガーを構成している各電子部品は、計測の指令が入るまでは待機モードに入っており、データはフラッシュメモリに記録されるため電源を切ってもデータは失われません。

加速度ロガーの選び方

1. 用途と計測範囲

加速度ロガーを使用する目的や計測したい範囲を考慮する必要があります。加速度ロガーは様々な用途で使用されますが、どのような加速度を計測するかによって求められる仕様が異なるためです。どのような場面、場所、時間帯で使うのかまずは使用用途を明確にします。

2. 測定精度

加速度ロガーの精度は重要な要素です。特に高精度の計測が必要な場合は、より精密な測定が可能な製品を選ぶ必要があります。400Gまで測定可能なものから200Gまでなど、範囲を狭めることでコストを抑えることが可能です。

3. データ記録容量

ロガーが記録できるデータの容量も重要です。長時間の計測を行う場合や高頻度でデータを記録する必要がある場合は、大容量のデータ記録が可能な製品を選ぶことが重要です。

4. バッテリー寿命

ロガーのバッテリー寿命は、計測期間に応じて選ぶ必要があります。計測期間が長い場合や屋外での使用を想定する場合には、長時間動作するバッテリーが必要です。寿命が長いに越したことはありませんが、その分コストが高くなるため、用途に応じた最適な期間を選ぶと良いです。

5. 操作性とデータ取得方法

加速度ロガーの操作性が使いやすいかどうかを確認します。また、USB接続や無線通信といったデータの取得方法も重要です。用途によっては自分1人が扱うケースもあれば、複数人、不慣れな作業者が扱うこともあります。どういったケースで使われるか考え、ユーザレベルに合わせた操作性を認識して選びます。

6. 耐久性と防水性

加速度ロガーは実地で使用されることが多いため、耐久性や防水性がある製品を選ぶと長く使うことができます。バッテリーが保たれていても本体自体の損傷や浸水等で使えなくなる場合もあるため、どこでロガーを使うか明確にしておく必要があります。

参考文献
http://news-sv.aij.or.jp/jyoho/s1/proceedings/2012/pdf/H57.pdf

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