油面計とは
油面計とは、船舶やタンクなどで使用される液面の高さを測定する装置の1種です。
オイルゲージやオイルレベルゲージなどとも呼ばれます。特に石油や化学物質などの液体を扱う場合に、その量や流量の管理に欠かせない測定器です。
正確な測定と耐久性が求められるため、適切な選択とメンテナンスが必要です。
油面計の使用用途
油面計は、船舶や発電所、工場などで使用されることが多いです。船舶での燃料の消費量を正確に測定して燃費を把握し、効率的な航行が可能となります。また、貨物油タンクでは正確な在庫管理が必要であり、油面計によって液面高さを測定して在庫量を把握します。
発電所での使用箇所は、ボイラー給水タンクや蒸気ドラムなどです。発電所での石炭や原油の消費量を正確に測定することで、発電効率を向上させることが可能です。また、ボイラー給水タンクの水位が低下は火災や爆発と直結するため、油面計によって水位を常に監視します。
工場やタンクローリーでは、石油製品や化学物質の移送中に油面計が使用されます。液面高さを測定することで漏洩や過剰な荷重などのリスクを把握し、安全な輸送を行うことができます。その他、油圧ショベル、フォークリフト、油圧ユニットなども用途の1つです。
油面計の原理
油面計は、浮力の法則を利用しています。一般的に、U字型の管に液体を注入し、その中に浮体を浮かべて使用します。浮体は液面に浮かぶことで浮力を受けます。この浮力によって浮体が上下に移動し、液面の高さに応じて表示針が動く仕組見です。
浮体の体積や密度を決めることで、液面高さに対して正確な表示が可能です。また、U字型管の内側に付属した目盛で液面高さを一目で確認できます。
なお、油面計は液体の種類によって材質が異なります。石油製品やアルコールなどの液体には金属製の浮体を使用し、水などの液体にはプラスチック製の浮体を使用します。また、測定対象の液体の温度や圧力にも注意が必要であ、正確な測定には適切な油面計を選ぶことが重要です。
油面計の種類
油面計には、さまざまな種類が存在します。使用する場所や目的に合わせて適切な油面計を選択することが、正確な測定につながります。以下は油面計の種類の一部です。
1. ブースターゲージ
ブースターゲージは、圧力差を利用して液面高さを測定する油面計です。液体を注入したU字型管に空気の圧力をかけ、圧力差によって液面高さが決まります。液体の粘度や密度に影響を受けずに正確な測定ができるため、広く使用される油面計です。
2. ディプスティック
ディプスティックは、液体の高さを直接測定する油面計です。U字型管ではなく長い棒状の器具を液面に浸けて測定します。移動式のタンクや容器に使われることが多く、タンクの高さに合わせて長さを調整できる製品も販売されています。
3. ガラス管油面計
ガラス管油面計は、透明なガラス管に液体を注入し、液面高さを目視で確認する油面計です。液体がない場合はガラス部が白色に見え、液体がある場合は液体で反射して暗く見えます。液体が作動油であれば、作動油の色が反射して液面を確認できます。
精度が高いため、化学物質や薬品などの厳密な測定に使われることがあります。ただし、ガラス管は割れることがあるので注意が必要です。
4. フロート式油面計
フロート式油面計は、液面に浮かぶフロートを用いて、液面高さを測定する油面計です。液体が激しく動く場所でも正確な測定が可能で、タンクに直接取り付けることもできます。ただし、フロート式油面計は、浮体の種類や形状によって測定精度に差が出ることがあるため、適切な選択が必要です。
接点出力を持つ製品はフロート、マグネット、リードスイッチなどの部品で構成されます。フロートが液体の浮力をうけ上下に移動し、フロート内蔵のマグネットでリードスイッチが作動して接点出力します。
参考文献
https://www.imao.co.jp/introduce/oilgauge.html
https://www.klingage.co.jp/expound.html