ロードスイッチICについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ロードスイッチICのメーカー24社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ロードスイッチIC関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:リコー電子デバイス株式会社、2位:ローム株式会社、3位:新日本無線株式会社となっています。
ロードスイッチは、モータや電子機器などの負荷へ、電源から供給される電力ラインのオンとオフを行うスイッチになります。ロードスイッチには、MOSFETが使用され、MOSFETの代表的な応用分野になります。ロードスイッチを使用することで、スイッチがONになった瞬間に流れる一時的な大電流によって、機器が受ける損害のリスクを減らすことができます。多くのロードスイッチにはPチャンネル型MOSFETが利用されていますが、安価なNチャンネル型MOSFETが使用される場合もあります。
ロードスイッチは、リチウムイオン電池や交流電源などから電力を供給することで動作する電気機器において、幅広く利用されています。使用例としては、スマートフォンやノートパソコン、産業用ロボット、車載部品などになります。ロードスイッチは、小型化ができ、少ない電力で動作するので、広く使用されています。ロードスイッチの選定の際には、定格の入力電圧や電流、抵抗値などを考慮する必要があります。
ロードスイッチに使用されるMOSFETは、主にPチャンネル型MOSFETを使用します。入力側にソースを接続し、出力側にドレインを接続し、ゲートにコンデンサと内部電源を接続します。MOSFETの入力側には、突入電流に対応するためのコンデンサ、抵抗が接続されています。
Pチャンネル型MOSFETは、ゲートに電圧が印加されると電流がソースからドレインへ流れるようになり、ロードスイッチがオンの状態になります。電流が流れるような状態になると、一時的に大きな電流がMOSFETを通過して、負荷の電気機器へ流れてしまいます。それを防止するために、突入電流に対応するためのコンデンサがあり、一時的に大電流が流れる状態では、コンデンサのインピーダンスが小さくなり、電流がコンデンサの方に流れます。そのため、大電流がMOSFETを通って、負荷の電気機器へ流れることを防止します。また、スイッチがOFFになったときに、MOSFETを通過して電源の入力側に電流が逆流する恐れがあるので、注意が必要です。
出力電圧が入力電圧よりも高い状態になったとき、ロードスイッチのドレイン-ソース間に存在する寄生ダイオードを通じて電流が逆流します。
ロードスイッチをOFFしたときに、出力電圧が入力電圧よりも高い状態になる理由として、出力側の負荷に電荷が残っていたり、パワーマルチプレクサ(複数電源による組み合わせ論理回路)を構成していることが考えられます。
逆流を防止する方法として、一般的には2つのMOSFETの向きを逆にして直列接続(バック・トゥ・バック接続:Pチャネルならドレインコモン、Nチャネルならソースコモン)し、ゲート制御を共通化します。
ダイオードを接続しても良いですが、順方向電圧効果が発生するので出力電圧が低下する弊害が起こります。しかしこの方法だとMOSFETのON抵抗だけなので、電圧低下はほとんど起こりません。
逆流防止機能以外にも豊富な保護機能あります。ここではよく使われる保護機能を4つ紹介します。
参考文献
https://detail-infomation.com/load-switch/
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/transistors/tr_what8
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2004/12/p106-107.pdf
https://toshiba.semicon-storage.com/info/docget.jsp?did=68574
https://toshiba.semicon-storage.com/info/docget.jsp?did=13560
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/faq/liner_load-switch-ics/load-switch-ics12.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | リコー電子デバイス株式会社 | 9.7% |
2 | ローム株式会社 | 9.1% |
3 | 新日本無線株式会社 | 8.7% |
4 | アナログ・デバイセズ株式会社 | 8.1% |
5 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 7.7% |
6 | サンケン電気株式会社 | 5.4% |
7 | インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 | 5% |
8 | Diodes Incorporated | 5% |
9 | Dialog Semiconductor | 4.7% |
10 | トレックス・セミコンダクター株式会社 | 4.7% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月のロードスイッチICページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
スマートスピーカーソリューションは大容量ネットワークの普及、クラウドによるビッグデータの収集と活用を前提としたロードスイッチICです。
近年のスマートスピーカーのディスプレイやカメラの付加、空間情報処理、IoTセンサー情報からのAI最適制御による膨大な機能の処理や複雑な電子回路を効率的に動作させます。
各種パワーマネジメントICの応用により、電源管理をおこない動作電流を低減、低電力動作させています。
機能追加による基板スペースの削減を、小型軽量パッケージでサポートします。
NJW4828-Bは8チャンネルのパラレル入力とパラレル出力を可能としたロードスイッチICです。
入力部はインバータ形式(非ラッチ)であり、出力部は常に入力信号に基づいて反転論理で駆動しており、ノイズ耐性に注目したフィルタを内蔵したCLRb 入力となっています。
電源電圧および入力電圧は5Vロジックに対応し、出力部の耐圧は45Vで出力電流は300mAとなっており、過電流保護回路、過熱保護回路、出力スルーレート調整機能を内蔵しています。
XC8101シリーズは特徴としてPch MOS FETを内蔵しており、ON/OFF機能及び出力電流保護機能が付いたロードスイッチICです。
CE端子を採用してON/OFF制御が可能で、降圧DC/DCコンバータなどの出力に使用することで最大効率での電源分配が可能となっており、バッテリーの使用時間を拡大、さらに長寿命化することを実現しています。
外付け部品が必要ないため、電源回路全体の省スペース化を実現し、過電流保護回路およびフォールドバック回路により、出力ラインへの過電流の保護と出力端子短絡時の保護をすることができます。
LTC4421は高電力対応の優先コントローラを搭載したロードスイッチICです。
0V~36V(60Vまで許容)の広い動作範囲を有し、高出力電流アプリケーション用の大型外部NチャンネルMOSFETを駆動させており、突入電流を正確に制限し、優先度が最も高い有効電源を出力負荷に接続します。
チャンネルの優先度をリアルタイムに変更し、チャンネルごとに個別調整可能な電源制限タイムアウトを搭載しており、入力検証時間も調整可能です。
システム電源保護ICは産業、医療、eモビリティなどの環境での故障や予期せぬダウンタイムを防ぐ目的のロードスイッチICです。
多発する逆電圧、活線挿抜、過電圧、過電流、および過熱フォルト状態の有害な影響を軽減し、バックツーバックのMOSFETを内蔵し、ナノ秒での応答時間を備えた保護を実現しています。
突入電流制限や電力制限、電子ヒューズ/過負荷制限、逆電圧保護をおこない安全に注視してさらに電流監視も行っています。