GPIBについての概要、用途、原理などをご説明します。また、GPIBのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。GPIB関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:サンワサプライ株式会社、2位:National Instruments Corporation、3位:キーサイト・テクノロジー株式会社となっています。
GPIB (General Purpose Interface Bus) とは、情報機器間の信号のやり取り (いわゆるインターフェイス) 手段としての通信規格の一つのことです。
GPIBケーブルは計測器の制御用のPCと計測器間の接続に、しばしば使われています。GPIBの発端は1960年代に考案されたヒューレットパッカード (HP) 社の社内規格で、その後USA電気電子学会IEEEに1975年に承認され、現在はIEEE488及びIEEE488.2という国際標準規格です。
計測器の多くは、このGPIBによる情報のやり取り手段を標準で搭載し、PCと他の情報機器を使用した計測システムなど、あらゆる機器との通信において汎用的に使用されています。PC側にGPIBインターフェイスが一つあれば、通信速度の異なる機器でもPCを含め最大15台まで接続することが可能です。ただし、この場合全体の通信速度は速度がもっとも遅い機器に依存します。
GPIBは、PC (パソコン) でのソフトウエア制御で動作可能な計測機器に接続し自動制御を行い評価するために、従来の機種を中心に広範囲に使用されています。
GPIBは耐ノイズ性に優れ、信頼性の高い通信が可能です。製品の特性評価で基準となる電気的特性を評価することを目的として、 (厳密な制御を必要とする) 測定機器によく採用されています。例えば、電気化学計測や、表面処理技術などではファンクションジェネレータとエレクトロメータを組み合わせて電位や電流の計測を行います。
低価格帯の測定機器ではシリアル通信のRS-232Cが搭載されていることが多いですが、ハイエンドの機器では信頼性が高く高速通信が可能なGPIBが採用されているケースが多いです。
GPIBの原理は、その利便性確保のために、複数の機器をスター接続ないしはデイジーチェーン接続し、ケーブルを接続するだけで、ノイズ耐性に優れた測定器の相互間での高速な通信制御が可能な点にあります。例えば、他の通信規格であるRS-232Cでは、別途インターフェイスを設けるかスイッチングハブのようなものを用意する必要があります。
これを実現しているのは、GPIBの特殊なコネクタ形状です。プラグとレセプタクルが一体になった構造をしており、8本のデータバスと5本の管理バス、3本のハンドシェイクバスからなる16本の信号線で構成されています。GPIBを介して接続された機器の中でデータを発信する機器を「トーカー」と、受信する機器を「リスナー」と呼びます。
一台の機器がトーカーとリスナーの役割を両方担うことはできますが、同時にはできません。この場合、送信と受信を交互に切り替えることで通信が行われます。このようなトーカーとリスナーを指定する役割を持った機器のことをコントローラーと呼び、一般的にはパソコンがこの役割を担います。コントローラーとのデータやコマンドのやり取りはASCII形式で行われます。
その中でGPIBボードが果たす役割は、GPIBのバス通信線上で機器同士のデータ衝突を防ぐ機能です。この役割において、データを送信できるデバイスを1台だけに制限して実用化したのがGPIBボードコントローラであり、常に決まったルーチン動作を行っています。
昨今はLANやUSBといった通信規格においても、測定器の制御が実施できるような新機種が増えています。特にLANでは、GPIBの制限である、最大15台の通信接続台数や4mという測定器間の距離の制限はなく、例えば異なる拠点間のリモート接続での測定評価やオンライン勤務での自宅から実験室へLAN接続し、測定評価することも実施可能です。
一方USBではハブの併用で最大127台の接続が実施できますが、接続に関しては最も簡便であり、IPアドレスなどの通信に関する知識がなくても、USBケーブルを接続するだけで通信制御が可能になる利便性が魅力です。とはいえ、LANもUSBも測定器業界では比較的新しい機種での対応が主になっているので、従来の測定器では未対応のものもあり、評価したい項目と機種によって使い分ける必要があります。
通信速度はUSB2.0やLANの高速バスが優れますが、一般に測定器の測定とデータ処理に要する処理速度の方が速度を律束する場合が多いです。特に、データ量が多いスペクトラムアナライザなどでの変調波形の処理などは、バスの速度の有意差が顕著になってきます。
IEEE488.2はIEEE488を包括する上位規格です。IEEE488では、コマンド (指令) やデータのフォーマット、クエリ (問い合わせ) などの規定はなく、基本的な通信プロトコルや電気的、機械的な通信インターフェイスの仕様のみの規定でした。
IEEE488.2は、IEEE488の上位規格として、コマンドやデータフォーマットなどの規定もなされており、より測定器や情報機器間の通信規格の色合いを濃くしたものになっています。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj1970/34/12/34_12_474/_pdf
http://www.interface.co.jp/download/tutorial/tut0041_14.pdf
http://www.aim-ele.co.jp/products/gpib/
https://www.contec.com/jp/support/basic-knowledge/daq-control/gpib-communication/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | サンワサプライ株式会社 |
26.9%
|
2 | National Instruments Corporation |
19.2%
|
3 | キーサイト・テクノロジー株式会社 |
15.4%
|
4 | ADLINKジャパン株式会社 |
11.5%
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5 | 株式会社インタフェース |
11.5%
|
6 | 株式会社コンテック |
11.5%
|
7 | エムシーアイエンジニアリング株式会社 |
3.8%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のGPIBページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
GPIB RS232Cシリーズは、GPIB機器を制御することができる変換機で、コンパクトで軽量な外部電源タイプと電源内蔵タイプがあります。
制御モード、通信モード、オンリーモードの3タイプの通信モードが搭載されており、用途に応じて切り替えることが出来ます。
インターフェイス機能はIEEE-488に準拠しており、ユーザー設定を自在に行うことで高い操作性と機能性を実現しています。
GPIB機器を制御したり、端末に対してGPIB側から通信したりする用途で用いられ、RS232C1台でGPIB機器15台まで制御することが出来ます。
GPIB ZS-6103EGシリーズは、GPIBのバスを拡張し、光ファイバーケーブルによって伝達距離を延長してGPIB機器の追加設置を行うことが出来ます。
光ファイバーケーブルによる伝送経路はGPIBを含めた内部経路と絶縁されているため、外部からのノイズに影響されることがありません。
主な用途として、GPIBインターフェイスを有していない表示ユニットや制御回路などに用いることで、GPIBシステムに簡単に接続することが出来ます。
GPIB FL2-USBシリーズは、高機能で高速型の通信マイクロコンバータです。
GPIB通信はIEEE-488に準拠しており、最大で毎秒1.5Mバイトで通信を行うことができます。
バッファメモリや、安定供給を行える自社開発のGPIBコントローラを搭載しています。
USB1.1/2.0の規格に準拠しており、GPIBインターフェイスに接続できることやUSBのバスパワーで駆動するため、外部からの電力供給を必要としないことなどが特徴です。
主な用途として、マイクロコンバータとして、パソコンのUSBポートをGPIB通信ポートへ変換するために使用されています。
GPIB KB-GPIB05KNシリーズは、外部ノイズに強いFCC対策品である通信用ケーブルです。
銅を材質とする密度の高いシールド材の内部に、密閉型のアルミシールド処理を行った二重シールドケーブルになっており、さらにツイストペア線を用いることでノイズに強く、低域から広域の広い範囲におけるノイズからデータを守ることが出来ます。
主な用途として、IEEE-488に準拠したGPIBインターフェイスを有するパソコンや計測器や周辺機器などを接続する目的で使用することができます。
GPIB製品5400シリーズは、GPIBインターフェイスを有するミニパワーリレーユニットで、7ビットのステータス入力と16個のリレー接点の出力を搭載しています。
IEEE488規格に準拠しており、GPIBを通して主となるコンピューターから、リレー出力の入切制御や、端末側のステータス入力を監視するために使用することが出来ます。
主な用途として、電源装置や高周波リレーやパワーリレーなどの制御や計測器の入力切替などに用いられています。