クラッド鋼についての概要、用途、原理などをご説明します。また、クラッド鋼のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。クラッド鋼関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:東洋鋼鈑株式会社、2位:日本製鉄株式会社、3位:日鉄ステンレス株式会社となっています。
クラッド鋼とは母材の片面に、異なる種類の鋼を合わせ材として重ね合わせた複合材料です。母材には炭素鋼や低合金鋼が用いられます。
異種金属接合により、単体の金属にはない機能も発現できます。また新規の機能発現だけではなく、高価な金属に安価な金属を組み合わせることで、コストダウンも可能になります。
母材と鋼を組み合わせた後に、加熱と延伸の実施により製造されます。クラッド鋼の製造は古くからあり、日本刀や包丁にも技法が用いられています。
クラッド鋼は、刃物、プラント、ガス輸送パイプなど、幅広い分野で用いられております。
使用用途により、クラッド鋼の構成が異なります。
クラッド鋼は母材と鋼を組み合わせた後に、加熱をすることで、異種素材が接着されます。加熱の種類により、以下の分類があります。
アルミクラッド鋼は、純アルミニウムもしくはアルミニウム合金に鉄鋼材料をクラッドした2層以上の構造を持つ複合材料です。鉄鋼材料としては、ステンレス鋼や炭素鋼と幅広く対応可能で、目的によって最適な組み合わせを選択します。アルミクラッド鋼のメリットは、次の5つになります。
軽量化
近年の環境負荷低減の観点からも、自動車などのモビリティなど様々な業界で軽量化による燃費の向上が要求されています。この様な要求に対してアルミクラッド鋼を用いることで、鉄鋼材料とアルミニウム合金の比率によりますが比重を半分以下に軽量化できるなどの大きなメリットがあります。
コストダウン
軽量化のみを目的とした場合、鉄鋼材料を完全にアルミニウム合金に代替することが一番効果が大きいですが、アルミニウム合金は鉄鋼材料と比較して効果になるデメリットがあります。アルミクラッド鋼は、アルミニウム合金の使用量を減らすことが可能で、材料コストと下げることが可能です。
優れた機械強度
アルミニウム合金は鉄鋼材料と比較すると強度で劣るので、コスト面で問題がなくても強度不足で構造部材としての使用が制限されることがあります。アルミクラッド鋼は、鉄鋼材料とアルミニウム合金の比率によりますが、アルミニウム合金よりも高い機械強度を示すため強度が要求される構造部材としても広く利用できるメリットがあります。
成形加工が容易
アルミニウム合金も鉄鋼材料も成形加工性に優れるため、両材料から構成されるアルミクラッド鋼も容易に成形加工ができるメリットがあります。クラッド接合後の板材を曲げ加工やプレス加工することで、比較的複雑な形状でもクラックなしでの成形加工が可能です。
脆い中間層が形成しない
鉄鋼材料とアルミニウム合金に溶融を伴う溶接などの接合方法を用いると、中間層として脆くて割れやすい金属間化合物が形成します。アルミクラッド鋼では、鉄鋼材料とアルミニウム合金を高温に加熱し拡散により接合するため、接合層が薄く脆い金属化合物の形成も少ないことがメリットになります。このため、成形加工や使用中でも接合界面から割れが入ることがありません。
クラッド鋼で作製した包丁は、衝撃に強く、研ぎやすいメリットがあります。刃の部分のみを高硬度の炭素鋼を使用しそれ以外の部分は軟質なステンレスなどを使用しているため、万が一落下した場合でも大きな欠けや全体の折れなどが起きにくいからです。包丁研ぎの場合はも、高硬度の部分が限られた範囲に限定されているため比較的簡単に研ぐことが可能です。
参考文献
https://www.tokkin.co.jp/materials/high_parformance/nickel
http://www.atm-fukaumi.co.jp/service/clad
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hpi/53/1/53_27/_pdf
https://www.jfe-steel.co.jp/products/atuita/b10.html
http://www.sfc-hp.co.jp/products/detail/ccs.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hpi/53/1/53_36/_pdf
https://www.bimetal.co.jp/clad.html
http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0050020660
https://www.kobelcokaken.co.jp/tech_library/pdf/no02/d.pdf
https://www.bimetal.co.jp/al-stainless.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト7
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 東洋鋼鈑株式会社 | 21.2% |
2 | 日本製鉄株式会社 | 16.8% |
3 | 日鉄ステンレス株式会社 | 16.1% |
4 | 株式会社日立金属ネオマテリアル | 13.1% |
5 | JFEスチール株式会社 | 12.4% |
6 | モリ工業株式会社 | 11.7% |
7 | 株式会社ベンカン機工 | 8.8% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のクラッド鋼ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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