電流変換機

電流変換器とは

電流変換器 (英: Current Transducer) とは、電流を測定して電気信号に変換するデバイスです。

高い精度で電流を測定することが可能で、正確な電流情報が必要な用途で特に重要です。特に、電力供給ネットワークや産業プロセス制御などで使用されます。

製品を選定することでさまざまな種類のデジタルまたはアナログ信号に変換し、制御システムやデータ収集システムと簡単に統合できます。これにより、リアルタイムのデータモニタリングや遠隔監視が可能です。

電流変換器の使用用途

電流変換器はさまざまな用途で使用されており、電流監視や制御など、さまざまな機能を果たすための重要なデバイスです。以下は電流変換器の使用用途です。

1. 電力送配電

電力供給ネットワークでは、電流変換器が重要な役割を果たしています。送電線や変電所での電流を正確に測定することにより、電力会社は電力供給の効率性と安定性を確保することが多いです。制御機器に適した信号に変換することで、電力供給量の調整や障害検出に使用されます。

2. 産業プロセス

工場や製造プロセスでは、電流変換器が機械の電流をモニタリングし、制御するために使用されます。製造ラインのコンベアやモーターの電流を制御し、生産効率を向上させたり、機器の保護を行うことが可能です。高精度で電流を測定し、制御機器に適した信号に変換して出力します。

3. 自動車

自動車の電子制御システムでは、電流変換器がモーターの電流を監視するために使用されます。電流を制御基板などで取り扱いやすい信号に変換することが可能です。電動車 (EV) やハイブリッド車では、電池パックの充放電管理などに不可欠です。

4. 電子機器

電子機器や電源装置では、電流変換器が電流制御と電流モニタリングに使用されます。コンピュータの電源供給ユニットでは、電流変換器は電圧や電流を安定させ、安定した電力供給に寄与する装置です。また、バッテリー充電器でも電流変換器がバッテリーへの充電電流を制御します。

電流変換器の原理

電流変換器は電流を測定し、アナログまたはデジタル信号に変換するデバイスです。電流変換器の動作原理は、使用されるセンサーのタイプに依存します。シャント抵抗やホールセンサー、変流器などが使用されます。

1. シャント抵抗

シャント抵抗は、電気回路に直列に挿入する低抵抗部品です。電気回路は、抵抗に電流が通過すると電圧降下が生じる特性を持っています。オームの法則に従って、シャント抵抗両端の電圧降下を測定することで通過する電流を計測する仕組みです。

2. ホール効果センサー

ホール効果センサーは電流と磁界の関係によって電流を測定するセンサーです。通常はセンサーの周りに永久磁石が配置され、通過する電流と磁界の相互作用で発生する電圧を測定することで電流値へ変換します。

3. 変換器

変流器はコイルを使用して電流を検出する方式です。2つのコイルと鉄心からなり、一次コイルに通過する電流によって発生する二次コイルの電流を計測することで一次コイルの電流を測定します。これにより、大電流の測定も可能です。

電流変換器の選び方

電流変換器を選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は電流変換器の選定要素一例です。

1. 電源電圧

電流変換器の選択において電源電圧は重要な要素です。電流変換器は通常、電源を導入することが必要となります。一般的にはDC24VやAC100~240Vなどが使用され、電源電圧に合わせて選定することが重要です。

2. 入力レンジ

電流変換器は特定の電流範囲内で動作します。電流変換器には、測定したい電流の範囲に合った入力レンジを選ぶことが必要です。AC0-5A入力やAC0-1A入力などの製品が存在し、入力信号に応じて適切に選定します。

3. 出力信号・レンジ

電流変換器の出力信号や出力レンジは、制御機器の要件に合わせて選択することが必要です。一般的な出力信号には0−5Vなどのアナログ電圧や4−20mAなどのアナログ電流などがあります。出力信号の範囲も重要で、これは制御システムとの互換性を確保するために考慮する必要があります。

参考文献
http://www.nfcorp.co.jp/techinfo/keisoku_kouza/viamp/viamp02/index.html
https://ednjapan.com/edn/articles/1503/23/news074.html

電圧検出器

電圧検出器とは

電圧検出器とは、供給された電圧を検出するために使用される機器です。

電気回路や電子機器において使用されるデバイスの1種です。主に電圧信号の変動や特定のしきい値超過を監視するために使用されます。これにより、電子機器の適切な動作や保護を行うことが多いです。

電圧検出器の使用用途

電圧検出器は、さまざまな使用用途で利用されます。以下は電圧検出器の代表的な使用用途の一例です。

1. 電源管理

電圧検出器は、電源回路において使用されます。電圧の変動や異常を検出し、電源の切り替えや保護回路のトリガーを制御します。電圧が低下した場合に補助電源を切り替えるなど、安定した電力供給を確保するために使用されることが多いです。

また、バッテリーの充電状態や電圧レベルの監視に使用されます。バッテリーの過充電や過放電を防ぐために、電圧検出器を使用することで適切な充電制御や警告機能が可能です。また、バッテリー残量の表示や交換時期の判断にも利用されます。

2. 過電圧保護

回路や機器を過電圧から保護するために使用されます。定められたしきい値を超える電圧を検出されると、保護回路が作動して回路を遮断するなどの対策を講じます。これにより、電子機器や回路の故障を防止することが可能です。

3. 自動車

電圧検出器は車載用途でも広く使用されます。自動車は電子制御システムが重要な要素となっており、安全性や快適性を確保するために正確な電圧監視が必要です。

車両のバッテリーは、エンジン始動や電子機器の動作に必要です。電圧検出器はバッテリーの充電状態や異常な電圧レベルを監視し、適切な充電制御やバッテリー交換の判断に役立ちます。電気自動車においてはモーター駆動用バッテリーの残量を確認するために使用されることも多いです。

また、車両の各種電子制御ユニットは、エンジンやブレーキ、エアバッグなどを制御しています。電圧検出器はこれらの制御ユニットの電源電圧を監視し、適切な動作や異常の検出に貢献します。

電圧検出器の原理

電圧検出器は、入力された電圧とあらかじめ設定された閾値を比較するデバイスです。入力電圧が閾値を上回るか下回るかによって、検出器の出力が変化します。

具体的な方法やデバイスは異なる場合がありますが、この原理に基づいて電圧検出が行われます。入力電圧が閾値を超えると検出が行われ、それに応じた制御などが実行されます。

電圧検出器の種類

電圧検出器にはさまざまな種類があります。以下は代表的な電圧検出器の種類一例です。

1. コンパレータ

コンパレータは入力電圧と参照電圧を比較し、その関係に基づいて出力を変化させるデバイスです。入力電圧が参照電圧を上回るか下回るかに応じて、出力を切り替えます。オペアンプを使用して実現されることが一般的です。

コンパレータは入力電圧が特定のしきい値を超えるか下回るかのみを検出するだけでなく、異常検出やヒステリシスなどの機能を備える場合もあります。これにより、さまざまな応用用途に対応することが可能です。

2. ザイナーダイオード

ザイナーダイオードは逆方向の電圧が特定のレベルを超えると導通する特性を持ったダイオードです。電圧検出器では、ザイナーダイオードを使用して特定の電圧レベルを超えた場合に電流が流れるように設計されます。

ザイナーダイオードは、非常にシンプルな構造です。また、逆方向の電圧が特定のレベルを超えると導通し始めるため、追加の電子回路や部品が不要です。リーク電流も非常に低く、消費電力を最小限に抑えることができます。

3. 継電器

内部のコイルに電圧が印可させ、その電圧レベルに応じて信号を発信する装置です。計器用変圧器を使用することで、高電圧への適用が可能となります。また、コイルとスイッチ部分が電気的に絶縁されており、入力電圧と出力部分を絶縁して切り離すことができます。

ただし、継電器は電磁機械的なデバイスであるため、応答速度や寿命などの制約があります。

参考文献
https://www.zuken.co.jp/club_Z/zz/tech-column/20190226_r010.html
https://www.rohm.co.jp/products/power-management/voltage-detectors/standard/bd48e35g-product

電圧変換機

電圧変換器とは

電圧変換器

電圧変換機とは、電圧を変換・調整することで必要とされる電圧で電力を供給する装置です。

一定の入力電圧を別の出力電圧に変換する役割を果たします。異なる地域や国で使用される電源の電圧が異なる場合、電圧変換器を使用することで電子機器や家電製品を適切に動作させることが可能です。これにより、異なる地域での国際旅行や海外での仕事などの場合にも、既存地域での機器を使用し続けることができます。

ただし、変換する電力の要件を考慮する必要があります。電圧変換器の容量が不足している場合、電力の供給が不安定になる可能性もあるためです。電力要件を確認し、適切な容量の電圧変換器を選ぶことが重要です。

電圧変換器の使用用途

電圧変換器はさまざまな用途で使用されます。以下は電圧変換器の使用用途一例です。

1. 海外旅行・出張

異なる国や地域では電源の電圧が異なることがあります。電圧変換器を使用することで、自国の電子機器や家電製品を異なる電圧の環境で使用することが可能です。企業の海外支店やプロジェクト現場など、異なる地域での業務活動において、現地の電源に合わせた電圧変換器が必要になる場合もあります。

また、海外から輸入した電子機器や家電製品を自国の電源環境で使用する際にも、電圧変換器が必要です。異なる電圧で動作する電子レンジや冷蔵庫を自国の電源に合わせて使用する場合などがその一例です。

2. 工業

工場や製造施設では、異なる電源電圧を必要とする機械や装置が使用されることがあります。電圧変換器を使用することで、これらの機械や装置に必要な電圧を供給し、正常な動作を実現します。なお、これらの用途で使用する場合、変圧器やトランスと呼ばれることが多いです。

また、産業セクターでは、再生可能エネルギーや発電機からの電力を工業用途に統合する必要があります。電圧変換器は、再生可能エネルギーの出力電圧を工業用の電力ネットワークに変換し、効率的なエネルギー供給を実現することが可能です。

3. 電子機器の保護

電圧変換器は、電子機器を不適切な電圧から保護するために使用されます。電子機器は、正確な電圧範囲内で電源供給することが必要です。電源の電圧が高すぎたり低すぎたりすると、機器の故障や損傷の原因になる可能性があります。

電圧変換器の原理

電圧変換器に共通する原理は、電力変換と絶縁です。

1. 電力変換

電圧変換器は、入力電力を変換して出力電力を生成します。入力側の電圧や電力源の特性を変換器内で処理し、出力側で必要な電圧や電力を提供します。

この変換は、入力と出力の電圧差や電力効率、安定性の維持などに基づいて設計されていることが多いです。

2. 絶縁

電圧変換器は、入力と出力の間に絶縁することが多くあります。入力側と出力側の電気的な絶縁を確保することで、安全性と保護を実現します。

絶縁することで、入力と出力間の電圧やノイズの影響を相互に分離し、電気的なショートや障害の発生を防止することが可能です。

電圧変換器の種類

電圧変換器は、主にトランス形式とスイッチング形式の2つに分類できます。

1. トランス形式

トランス形式の電圧変換器は、コイルと鉄心を使用して電圧を変換する型式です。入力コイルと出力コイルがトランスの鉄心に巻かれている構造です。

入力コイルに交流電圧が印加されると、コイルを通る電流がコアに磁界を生成します。この磁界がセカンダリコイルに誘導され、出力側で電圧が生成されます。トランスの巻き数比によって、入力電圧と出力電圧の比率が決まります。

巻き数比によって、出力電圧を調整することが可能です。また、入力電圧と出力電圧を絶縁することで、それぞれの機器を保護する役割も果たします。ただし、交流でしか使用できず、周波数などは変えられません。

2. スイッチング電源形式

スイッチング電源形式の電圧変換器は、高周波スイッチング素子を使用して入力電源を制御する形式です。通常はトランジスタやMOSFETなどを使用します。入力電源を高速でオンとオフに切り替えることにより、出力電圧を制御します。

スイッチング素子がオンの間は電源に接続され、エネルギーを蓄えます。スイッチング素子がオフの間は電源から切り離され、その蓄えられたエネルギーが出力側に供給されます。スイッチング素子のオン/オフタイミングやオン/オフ時間の比率を制御することで、出力電圧を調整することが可能です。

スイッチング形式では、周波数や電圧を自在に変換することが可能です。また、交流と直流の変換を行う場合もスイッチング形式です。インバータや太陽光発電用パワーコンディショナ―など、用途は多岐に渡ります。

電動ドラムポンプ

電動ドラムポンプとは

電動ドラムポンプ (英: Electric drum pump) とは、主にドラム缶内にあるオイルや薬品などを汲み上げて、移送するためのポンプです。

移送される液体には油や化学薬品、食品の原材料、グリース給脂といった粘度を有するものも含まれます。ドラムポンプには手動のものもあり、ハンドルを廻すことによってドラム缶内の液体を汲み上げます。

私たちの日常生活においては、灯油用のポリタンクから灯油を汲み上げる手動や電動のポンプが、電動ドラムポンプと同じ役割を果たすものです。構造はシンプルであり、ギヤードモーターを組み合わせた上で本体ポンプをドラム缶から用意に着脱可能できる方式のものが普及しています。

電動ドラムはそれぞれの使用目的毎に仕様が異なるため、使用目的や使用用途に応じて使い分けることが重要です。

電動ドラムポンプの使用用途

電動ドラムポンプは、ドラム缶内部の液体を汲み上げるために使用されます。オイル、経由・灯油、バイオディーゼル燃料などの油脂類だけでなく、さまざまな化学薬品、鉱山機械、セメント産業で扱われる液体、食品の原料などの移送にも有用です。

移送する液体によっては、粘度が高いものもあります。もし、ポンプの吸引能力が不足していると、粘度の高い液体は吸引しきれません。汲み上げる液体の粘度にあった能力を持つ電動ドラムポンプを選定する必要があります。

電動ドラムポンプの原理

電動ドラムポンプの原理は、ドラム缶内の液体を電動ポンプによって汲み上げることです。電動ドラムポンプは、大きく3つの部品で構成されています。

ドラム缶の底から液体を汲み上げるために缶内に挿入されるチューブ部分と缶内に挿入されたチューブから液体を汲み上げる電動ポンプ部分、汲み上げた液体を移送するた目のホース部分です。液体の汲み上げに電動ポンプを用いているだけで、原理は一般家庭用の灯油ポンプと変わりません。

電動ドラムポンプの種類

電動ドラムポンプには、ギアポンプ、ベーンポンプ、電動モーターポンプ、電動防爆ポンプの4つがあります。ここでは、代表的なギアポンプとベーンポンプについて紹介します。

1. ギアポンプ

ギアポンプは長穴形状の空間の中で、2つの平歯車が噛み合いながら回転し、液体を移送するポンプです。移送される液体の量が短い周期で変動する脈動が少なく、比較的粘度が高い液体を移送することもできます。

液体の移送量は歯車の回転数に比例するため、移送量の計算がしやすいものギアポンプの特徴の1つです。

2. ベーンポンプ

ベーンポンプは、円形の空間に対して中心が少しずれた羽根車があります。羽根車の羽根をベーンといい、遠心力によって円形空間の外壁部に広がります。

羽根車の回転中心が円形空間に対してずれているため、ベーンが外側に飛び出そうとしながら壁面と接触し、回転することによって液体を移送します。比較的粘度の低い液体の移送に適したポンプです。

電動ドラムポンプのその他情報

電動ドラムポンプを使用する際の注意点

電動ドラムポンプは使用環境や用途に応じて、実装されるモータの規格も設定されており、その規格に対応するモータを選定の上、生産・製造されています。そのため、指定されているスペック毎に使用可能なグリースや油脂が異なり、使用目的や使用条件に合ったタイプのものを選ぶ必要があります。

また、電動ドラムポンプを屋外で使用する場合には、防塵・防水性能を有する製品を選びます。一般的には、IP54相当の防塵・防水性能を有する使用されることが多いです。

工場の生産ラインなどで使用される場合、設備によっては、シングルライン、ダブルラインなどの対応を求めらるケースがあります。それぞれのシステムに合わせた供給を可能とするために、製造メーカー側も同式の型番の中でライン使用を分けています。

参考文献
https://www.koshin-ltd.jp/
https://www.webshiro.com/p74ponpu.html

鋸盤

鋸盤とは

鋸盤とは、のこぎりの刃を付けたブレードを回転することでワークを切断する機械です。

のこぎりや糸のこなどの手作業で使用する工具を自動で切削できるようにしたもので固定されている鋸に対して手に持ったワークを当てて切断させます。大型の鋸盤になるとワークも大きく、重量もあるので油圧で固定させ回転する鋸が下降することで切断します。

鋸盤の使用用途

鋸盤は序盤に行う加工工程で使用します。金属材料などの鋳造を行ってできた素材はほかの工作機械で加工するためには大きすぎるもしくは長すぎるため、所定の大きさに切り出すために使用します。

鋸の種類はワークの材質に合わせ、高速度工具鋼や超硬合金、ひと際切断が困難なものにはダイヤモンドなど使用します。また鋸の回転速度も変えること硬いワークに対応することができます。

鋸盤は、鋼材切断用、木工切断用、食品切断用に用途別に分かれ、大きく分けて3つあります。

1. 机上に置く卓上タイプ

横型タイプ
最も一般的な鋸盤は、卓上横型タイプです。金属製のパイプ、角材、板材、丸棒等を切断します。

縦型タイプ
数が少ない縦型タイプです。木材、アルミなどの柔らかい材料を切断します。

2. 持ち運びを重視したポータブルタイプ

充電式のタイプが多い。持ち運びが出来ない材料を切断、高いところでの材料を切断などが可能です。

3. 床に置く据置きタイプ

鋸盤のタイプでは、大型サイズです。主に工業系で使われ、横型、縦型に分かれます。

鋸盤の原理

鋸盤は、ブレードに付いた刃が同じ方向で、一方向に回転しながら切断するため他の切断工具と比較すると綺麗な切断が可能です。鋸盤は、チップソーのように、高速で刃が回転しないため、火花は出にくく、バリなども少なく切断が可能です。

1. 机上に置く卓上タイプ

横型タイプ
機器の自重で刃が下りるため、軽い力で切断ができます。

縦型タイプ
材料を刃に押し当てながら切断をするため、材料を曲線加工などの切断が可能です。また、テーブルを傾けることで角度を付けた切断もできます。

2. 持ち運びを重視したポータブルタイプ

持ち運びを目的とした鋸盤です。別売のスタンドを設置することで卓上型として使うことができる機種もあります。

3. ハイブリッドタイプ

卓上型タイプとポータブルタイプを融合したタイプです。本体とテーブルを切り離しが可能なため、時にはポータブル、卓上などのように臨機応変に使うことが出来ます。

4. キャスタータイプ

大型の鋼管や鋼材を持ち運びせずに切断が可能です。

鋸盤の種類

1. 帯鋸盤

帯鋸盤は、帯状の鋸刃を高速回転させて材料を切断する電動工具です。丸棒やパイプ、鋼材の素材を加工サイズに切断する際に使われています。

鋸刃がすべて同じ方向を向いたループ形状であり一方向に素材を切断します。一方向に切断するので切断面が滑らかになります。また、比較的鋸刃は回転数が遅く高速回転ではないので切断時の音が静か、火花が生じにくく焼けが起こりにくいですが、切断に時間がかかります。立型、横型、ポータブル型の3種類があります。

立型帯鋸盤
上下に設けられた二個のプーリーに回転鋸刃が取り付けられた構造を有しています。回転鋸刃が垂直方向に配置されているので切断位置も垂直となります。鋸刃が定位置にあるので素材をブレードの方に近づけて切断します。汎用性が高く、曲面形状物の切断や長尺状物の切断、表面研磨などの複雑な加工にも対応しています。

横型帯鋸盤
前後に設けられた二個のプーリーに回転鋸刃が取り付けられた構造を有しています。切断対象物を固定し、ブレードが上から下りてきて素材を切断します。素材が丸棒の場合はチェーン式のワーク保持具を使います。横型帯鋸盤は素材が固定されて一定の間隔で一方向に鋸刃が動くので高い寸法精度で切断できます。

ポータブル型鋸盤
動かせない素材を切断したい時や、切断機を移動して切断したい場合に適しています。

2. 丸鋸盤

丸鋸盤は円盤型形状の鋸刃の回転運動により材料を切り出す電動工具です。作業効率がよく機械の剛性が高いため、大きな材料の切り出しにも使われています。丸鋸にはチップソー、メタルソー、砥石の3つの刃があり、チップソーは剛性があり高速かつ精密な加工ができますが刃の部分が欠けると買い替える必要があるためランニングコストが高くなります。

メタルソーは刃と本体が一体もので摩耗した場合研磨することで再度利用することが可能でランニングコストが安く済みます。砥石は導入コストが安価ですが火花や粉塵が発生します。

3. 弓鋸盤

弓鋸盤は,弓型形状の鋸刃が自動的に往復運動することにより丸棒を切り出すのに最適な電動工具です。切断時には切断したい材料を固定し、その上に鋸刃をのせるだけで自動的に切断することができます。

なお直径が比較的小さい (10mm以下程度) 丸棒に鋸刃が当たると丸棒自体が曲がり刃を破損してしまう場合があるため、直径の小さい丸棒の切断には不向きです。

鉛シート

鉛シートとは

鉛シート (英: Lead sheet) とは、鉛を主成分とした薄い板形状、もしくはシート形状にした鉛製品のことです。

鉛は非常に重い金属であり、高い密度と柔軟性を持っています。これらの特性により、鉛シートはさまざまな用途で使用されています。

防音マットとして床に引いたり、防音材として壁に貼り付けたりして使う場合が多いです。また、放射線を効果的に遮蔽するため、放射線治療や放射線防護の用途もあります。

各種用途に合わせた厚みが存在するため、用途に応じて最適なものを使い分けることが大切です。

鉛シートの使用用途

鉛シートは家庭内や研究開発施設などにおいて、主に、次のような用途があります。

1. 放射線遮蔽

鉛は放射線を効果的に遮蔽するため、放射線治療や放射線防護の用途で使用されます。医療施設や核施設などで、X線室や防護壁に鉛シートが使用されることがあります。

2. 音や振動の吸収

鉛の高い密度と柔軟性により、音や振動を吸収する効果があります。音響室や振動対策の材料として使用されることがあります。

鉛シートの性質

鉛シートの主成分である鉛には、以下のような性質があります。

1. 高密度

鉛は非常に高い密度を持つ金属です。その密度は他の一般的な金属よりも高く、重い物質として知られています。有名な金属材料の鉄の密度は7.87g/cm^3ですが、鉛は11.34g/cm^3です。この数字を比較してみても、鉛の密度が高いことがよくわかります。

2. 柔軟性

鉛は比較的柔らかい金属であり、容易に加工・成形することが可能です。この柔軟性により、鉛シートは様々な形状にカットや加工され、特定の用途に適した形になります。手の力でも簡単に変形させられるため、釣り糸に使用する錘 (ウェイト) に使われています。

3. 耐腐食性

鉛は腐食に対して耐性があります。この特性により、鉛シートはさまざまな環境で使用される際に長期間にわたって耐久性を持ちます。

4. 高い放射線遮蔽性

鉛は放射線を効果的に遮蔽する特性を持ちます。

5. 有害性

鉛は有害な物質であり、特に長期間にわたる高濃度の暴露は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、鉛の取り扱いには十分な安全対策が必要です。

これらの性質により、鉛はさまざまな産業や用途で利用されていますが、その有害性に注意しながら適切な取り扱いが求められます。

鉛シートの種類

また、鉛シートは各種用途に合わせた種類、厚みが存在します。代表的なものは、以下のとおりです。

1. 放射線遮蔽用鉛シート

放射線治療や放射線防護に使用されます。厚みは1.0mmから5.0mm以上まで幅広くあります。

2. 防水用鉛シート

建物の屋根や外壁の防水に使用されます。一般的な厚みは1.0mmから1.5mm程度です。

3. 遮音シート

音響室や振動対策に使用されます。厚みは0.5mmから1.0mm程度です。

鉛シートの選び方

鉛シートは、さまざまな性質を持つ鉛をシート状に加工したものです。防音効果を得るためには、鉛シートの厚みは適切な大きさであることが重要です。

一般的に最低限の厚みは、0.5mmから1.0mm程度です。この範囲の鉛シートは、一般的な音響室や振動対策に一定の防音効果をもたらします。より高い防音効果を得るためには、厚みを増やすことが考えられます。1.5mm以上の厚みの鉛シートを使用すると、より高い防音性能が期待されます。

ただし、厚い鉛シートは重くなるため、設置や取り扱いが困難になることがあります。適切な厚みは、防音目的と取り扱いの容易さのバランスを考慮して決定する必要があります。 また、鉛シートの効果を最大限に発揮するためには、シール性を高めるためのコーキングや密着性の向上など、適切な取り付け方法も重要です。

防音対策は個々の状況に合わせて行う必要があるため、専門家のアドバイスを仰ぐことでより効果的な対策が可能となります。

参考文献
https://www.pialiving.com/q_and_a/material1.html
https://intuos4.blog.fc2.com/blog-entry-1257.html

濃度計

監修:株式会社アントンパール・ジャパン

濃度計とは

濃度計とは、液体や気体に含まれる物質の量をリアルタイムで測定する装置のことです。

液体濃度計の場合、サンプルの物性値を測定し、そこから検量線を使用して濃度値に換算します。主に屈折率、密度、音速、導電率、吸光度などが測定原理として用いられます。

単一の物性値から濃度値を算出する場合は、2液混合物の濃度測定に限られますが、複数の物性値を組み合わせることで、3成分程度の濃度測定であれば可能です。

特定の物質のピークを取って測定する場合は複数成分に対応しますが、ベースラインの安定が必要なため、使用毎に校正を行うことが望ましいと言えます。また、特定のピークがサンプルに含まれるほかの成分と重なることがないかの確認も必要となります。

濃度計の使用用途

濃度の分析を行う際には、HPLCや元素分析が行われますが、時間と手間がかかるため、濃度計は別の方法でリアルタイムに測定を行います。

そのため、工場や実験装置の配管やタンクに取り付けて、連続的に液体の濃度を測定する使い方がメインとなります。例えば、アルコール濃度の測定用としては、国税庁の所定分析法に密度計での測定が定められています。

エタノールのほかに、IPA、塩酸硫酸水酸化ナトリウムアセトン、NMP、ガソリン、軽油、潤滑油、冷媒、ビール、糖(Brix)、など幅広く対応できるため、化学、石油、食品、飲料、半導体、電池、自動車など使用する業界を問いません。

また、液体濃度だけでなく、スラリーなどの固形分濃度計に使用できる密度計も存在しますが、対応する装置かどうか確認が必要です。スラリーの場合、セラミックスラリー、金属スラリー、樹脂スラリー、食品などがあります。電池業界向けの需要も高まっています。

濃度計の原理

濃度測定の測定原理は様々なため、目的に合わせた測定原理を選ぶ必要があります。

最適な測定原理の選定がなされないと、必要以上に複雑な機構になったり、高額になったり、必要な精度が得られない可能性があります。

そのため、必要な測定原理が定まっていない場合は、複数の測定原理を並列して比べられるといいでしょう。測定原理の比較の際には、それぞれの物性を測定する卓上型分析計が必要になります。

例えば、屈折率計や密度計は卓上型もプロセス型も存在するため、小さなスケールで測定の可否を調べることができます。質量流量計などでは、卓上装置がないため、プロセスに流れるサンプルのデータから検量線のデータを作成せざる得なく、検量線の作成は大掛かりになります。

また、NIRなどは、多項目の分析の可能性がひたかれているものの、必要なデータ量が多く導入コストも高くなります。測定原理については、裏付け測定も可能な汎用的な規格化された項目だと導入後の検証が容易になります。

本記事は濃度計を製造・販売する株式会社アントンパール・ジャパン様に監修を頂きました。

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ブリッジブレーカー

ブリッジブレーカーとは

ブリッジブレーカーとはブリッジ(粉詰まり)を解消するための装置です。主に粉状の原材料を使用するホッパーやタンクに取り付けられます。

粉を使う場合、粉自体の重量、圧力によってホッパー内の排出口付近で粉体が固まってしまい、正常に排出されないということが度々起こるため、それを解消するためにブリッジブレーカーがホッパーやタンクに取り付けられます。

ラットホールブレーカーとも呼ばれ、バイブレーター型やノッカー型、エアレーター型、ブローディスク型、ブレイクロッド型などがあります。

ブリッジブレーカーの使用用途

粉を使用するホッパー内ではブリッジと呼ばれる粉詰まりの他、ホッパーの側面や上部に粉が張り付いてしまうラットホールなどの異常も起こり得ます。

ブリッジやラットホールが起きればホッパー下部のロータリーフィーダーは作動しているのに設定重量通りに粉を供給できない、といったトラブルが起きるため、定期的にホッパー内部に振動を与えることで粉をほぐす必要があります。その際に使われるのがバイブレーター型です。

ノッカー型と呼ばれる物はホッパーに強い衝撃を与えることでブリッジを一気に崩す目的で使用されます。

衝撃や振動を与えず、ホッパー内部にエアーを供給することでブリッジ、ラットホールを予防したい場合にはエアレーター型が使用されます。
     
その他、エアーを送りつつホッパー内を振動させる複合タイプのブローディスク型、ホッパー内に軸(ツメ)を挿入し、回転させることでブリッジを解消させたい場合はブレイクロッド型と、目的によって使い分けられます。

ブリッジブレーカーの原理

バイブレーター型にはボールバイブレーターやピストン式バイブレーターなどが使用されます。ボールバイブレーターは内蔵されているスチールボールが高速回転することで振動を産み出します。ピストン式の場合はシリンダ型になっており、内部のシリンダがエアーによってピストン運動を起こすことによって振動を発生させます。いずれもエアー式の物が主です。

ノッカー式の場合はピストン型が主です。圧縮空気が供給された際にバルブ室と呼ばれる部分に供給され、蓄圧室と呼ばれる部分に貯蔵されます。ノッカー式ブリッジブレーカーのエアー供給配管に設置された三方弁から排気が行われた際、蓄圧室に貯められた圧縮空気がノッカーの傘型バルブと呼ばれる部分を上に移動させます。傘型バルブが移動した後は、ピストン部を圧縮空気が通過することで勢いよくピストンが押し上げられます。

ブローディスク型はシリコン製のディスクが付いており、ホッパー内部でそのディスクが振動することによってブリッジを解消します。ディスクの真下からエアーが噴き出すことによって、ディスクが押し上げられ、それによって振動を産み出します。

ブレイクロッド型は手動で粉詰まりを解消することが出来ます。ホッパーの外側にハンドルが付いており、それを回転させることによってホッパー内に挿入された軸が回転し、粉体をかき混ぜることが出来ます。こちらは自動制御されている他の部品と比べると手間が掛かる上に、ホッパーが小型の物でないと取り付けられないというデメリットがあります。

参考文献
http://www.toyokohan.com/exen/rkv.html
https://www.exen.co.jp/industry/prevention_vibrator/BH/

バフ研磨機

バフ研磨機とは

バフ研磨機

バフ研磨機とは、研磨機の1種で、主にステンレスの表面仕上げなどに使用される機械のことです。

表面を綺麗に仕上げたり、バリや切粉などの不純物を除去したりすることが可能です。バフ研磨機の活用は、製品の品質向上や美観を向上させるために非常に重要な役割を果たします。

バフ研磨にはいくつかの目的がありますが、主な目的は「表面を綺麗にすること」と「バリや切粉などを除去すること」の2つです。目的に応じて、研磨の粗さを選ぶことが重要です。研磨の粗さが適切でない場合、作業効率が低下したり、製品の品質に悪影響を与えたりする可能性があります。

作業の際には、最適な研磨の粗さを選択し、適切な圧力と速度でバフ研磨機を使用することが重要です。また、研磨機のメンテナンスも大切な要素の1つであり、定期的に機械のチェックとメンテナンスを行うことで、長期的な性能を維持できます。

バフ研磨機の使用用途

バフ研磨機の使用用途は多岐にわたり、主にステンレスに対して使われます。ただし、アルミやチタンなどのステンレス以外の金属、アクリルやABS樹脂などにも使用可能です。

金属加工品は、加工時に発生するバリや切粉、油や汚れなどの付着が存在するため、製品として出荷する前にこれらを除去しなければなりません。バフ研磨機を使って表面処理を行うことで、これらの問題を解決し、美しい仕上がりの製品を作ることが可能です。

バフ研磨は、粗削りや中間仕上げなどの前工程で研磨しきれなかった表面の凹凸を滑らかにし、汚れを落とせます。そのため、表面処理の中でも最終工程に適していると言えます。バフ研磨機を使って行われる鏡面仕上げは、製品の美観だけでなく、機能性や耐久性にも寄与するため、多くの業界で重要視されています。

自動車や建築材料、家電製品など幅広い分野で使用されており、その用途は日々広がっています。最適な研磨方法やメンテナンスを実施することで、高品質な仕上がりが得られ、製品の価値を向上させることが可能です。

バフ研磨機の原理

バフ研磨は、綿やフェルト、ウール、スポンジなどで作られた「バフ」を回転させ対象物に当てることで表面を削り、表面処理を行います。研磨時の少しの力加減や研磨位置のブレなどで仕上がりが変わってしまうため、非常に繊細な作業が必要です。

研磨の粗さは番手と呼ばれる数字で区別されていて、一般的にこの数字が大きくなるほど細かい研磨です。通常、研磨は粗い番手から細かい番手という流れで複数回に分けて行われます。

バフ研磨の種類

バフ研磨では目的とする表面の仕上がりに合わせて、バフ研磨の種類、またバフと研磨剤を適切に選択する必要があります。バフ研磨の種類は目標とする表面粗さによって大きく4つに分けられます。

1. 粗研磨

凹凸や傷の多い金属表面に適した方法で、エメリーバフのような細粒度のバフを使用し、目標表面粗さ2μmRzとある程度の綺麗さに仕上げます。比較的きめの粗い麻バフの使用が適しています。

2. 中研磨

粗研磨後の金属表面を、目標表面粗さ0.3~0.6μmRzに仕上げる研磨です。材質によって適切にバフを使い分ける必要があり、ステンレスのような硬質なものであればサイザルバフ、黄銅アルミニウムのような比較的軟質なものには綿バフを使用するのが適しています。

やや光沢のある仕上げ面となるため、ステンレスや後工程でメッキ処理するものはここで最終仕上げとする場合もあります。

3. 仕上げ研磨

目標表面粗さ0.2μmRz以上に仕上げる研磨で、準鏡面仕上げと呼ばれます。番手の高い#600~#800程度のバフを使用し、酸化クロム系やアルミナ系などの研磨剤が適しています。

光沢の質やバフ傷の状態評価が非常にシビアなので、バフ材質や研磨剤の選択には注意が必要です。タオルや不識布などの柔らかい素材で作られた布バフやウールバフの使用が適しています。また自動車のワックス掛けなどであれば、表面が柔らかいスポンジバフの使用が適しています。

4. 鏡面仕上げ

仕上げ研磨後に目標表面粗さ0.1μmRz以上に仕上げるバフ研磨です。#800のバフで金属表面を綺麗な鏡面に仕上げる研磨方法です。

バフ傷もなく景観がしっかり写りこむほど丹念に研磨し、さらに除菌性や洗浄性に優れることも特徴です。柔らかい布バフやウールバフが適しています。 

バフ研磨機のその他情報

1. バフ研磨機のメリット

乱反射が抑えられる
表面を十分に滑らかに仕上げることができない表面処理方法では、乱反射が発生してしまいます。しかし、バフ研磨だと表面が鏡面のように仕上がるため、乱反射を抑えることもできます。

製品精度が向上する
バフ研磨により表面の凹凸を減らせるため、製品精度の向上が期待できます。

2. 自動バフ研磨機

バフ研磨は小さなものや複雑な形状の場合は、研磨対象物もしくはバフ研磨機を操作することで必要な面を作業員が手作業で綺麗に仕上げていきます。この方法では、一品一品丁寧に研磨できるメリットはありますが、大量生産品などの場合は生産性が悪くなるのがデメリットです。

単純形状で比較的平面が多い大量生産品では、研磨対象物もしくはバフ研磨機を自動で操作し仕上げる自動バフ機が広く利用されています。例えば、ステンレスシートなどの平面材やステンレスポールなどの円筒物、またギターなどの平面が多く比較的単純な形状なものにも自動研磨機が使用されています。

参考文献
https://www.chuo-buff.com/qa.html
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/buff/
https://www.polishing-qcd.net/polish_youshiki/buff.html
https://04510.jp/times/articles/-/17843?page=1

センサーブラケット

センサーブラケットとは

センサーブラケット_図0

センサーブラケット (英: Sensor Brackets, Sensor mountings) とは、センサーを固定するためのブラケット (固定器具) です。

ブラケット(英: Brackets) は、構造物や部品など容易に固定し調整するための、平板・L字形の器具です。センサー (英: Sensors) は、物理環境から何らかの入力を検出して応答するデバイスを指します。

入力は、光・熱・動き・湿気・圧力やその他の環境現象になります。出力は、センサー近傍で人間が判読できるディスプレイ表示するための数値などに変換されるか、次工程処理のためネットワークを通じて電子的に送信される信号です。

センサーブラケットの使用用途

センサーブラケット_図1

図1. センサーブラケットの使用例

センサーブラケットは、工場のオートメーション生産設備、ロボット、自動車など、センサーを使用しているあらゆる場面で使用されています。センサーを機械・装置や設備のフレーム (鉄骨や金属枠などの構造物) にボルト・ナットなどに固定するために使用されるのが一般的です。

フレームから少し離れた位置にレーザー光を照射する場合や、センサーをぶら下げて取り付ける場合などは、パイプ型スタンドやスライドレールとプレートタイプを組み合わせて使用します。センサーの種類、取り付け方法などに対応して、さまざまな形状・寸法があり、最適なブラケットの選定が必要です。

センサーブラケットの原理

センサーブラケットは、センサーの検出精度や信頼性に大きな影響を及ぼすことがあり、正確な作動に重要な部品で、その固定方法も重要な要素になります。センサーの固定方法は、大きく分けて下記2つに分類されます。

1. ねじ固定

円筒型センサーは、センサーブラケットの貫通穴にセンサーをはめ外面のねじ部にナットを組み込み、ブラケットを挟むようにナットを締め付けて固定します。角型のセンサーは、センサーの取り付け穴に合わせて加工されたセンサーブラケットを使用し、六角穴付きボルトなどで締め付けて固定します。

2. クランプ固定

円筒型センサーで、外径にねじ加工されていない場合は、クランプ固定式のブラケットの取り付け穴にセンサーをはめ込み、ブラケットのねじを締め付けて固定します。

センサーブラケットの種類

センサーブラケットの種類は、下記のように分類されます。

1. ブラケットによる分類

センサーブラケット_図2

図2. センサーブラケットの種類とセンサーとの組み合わせ

シングルプレートタイプ
シングルプレートタイプは、センサーを取り付けたセンサーブラケットを、フレームにそのまま直付けします。

コンビネーションタイプ
コンビネーションタイプは、シングルプレートタイプと組み合わせて使用します。形状は、レール型、ストレート型やL型などがあり、レール上でセンサーブラケットをスライドさせ、またセンサー取り付け用長穴で位置調整をして使用します。

フレキシブルタイプ
フレキシブルタイプは、パイプにジョイントやセンサーアタッチメントを取り付けて使用します。

2. ブラケットの形状による分類

センサーブラケット_図3

図3. センサーブラケットの形状

センサーブラケットの形状は、ストレート型・L型・Z型・フルガード型・スリット型などがあります。

3. センサーによる分類

レーザーセンサー、近接センサー、ファイバセンサーなど、センサーの種類によって取り付け方法や形状が異なり、対応したセンサーブラケットを選定します。

4. センサーブラケットの材質による分類

センサーブラケットに使用される材質は、主に下記3種類です。

オーステナイト系ステンレス鋼板
オーステナイト系ステンレス鋼板は、プレートタイプなど板材で製作されている材質です。一般的に、JIS G4305冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 SUS304などになります。

鉄板
鉄板の場合も、プレートタイプなど板材で製作されている材質です。一般的に、JIS G3141冷間圧延鋼板及び鋼帯SPCCなどになります。

アルミニウム合金
アルミニウム合金は、スリット型やレール型などの材質です。一般的に、JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063などになります。

樹脂
樹脂製は、丸シャフト取り付け用ベースなどの材質です。一般的に、ポリアミド (PA) などになります。

参考文
https://www.iwata-fa.jp/html/index-t3.html