コーティングワイヤ

コーティングワイヤとはコーティングワイヤ

コーティングワイヤとは、ステンレスなどの金属製の細いワイヤを撚り合わせてできたワイヤロープを、ビニールやナイロン等の樹脂でコーティング被覆したワイヤの一般総称です。

金属製のワイヤロープは細くても強度がある上に、コイル状に巻き取れるなど多くの用途で使えるロープです。しかし金属性でかつ細い金属の線を撚り合わせていることから、外周には凹凸が存在します。また錆の発生や薬品に反応してしまう場合もあります。

コーティングワイヤは金属のワイヤロープに樹脂などの皮膜を加えることによって、より利用しやすくしたものです。金属ワイヤロープならではの強度と、コーティングされる樹脂の特性を活かすことによって、幅広い分野で利用されています。

コーティングワイヤの使用用途

コーティングワイヤは電子機器の製造、自動車産業、医療機器、航空宇宙産業、産業機械などに用いられています。ワイヤロープにコーティングが施される理由は様々ですが、目的は耐環境性能の向上、電気の絶縁、表面の平滑化や着色、摩擦抵抗の低減などです。

耐環境性能の向上では、酸やアルカリ、海水などによる金属の腐食を防ぐことができます。自動車や医療、航空産業の機械においては、絶縁性の確保としてコーティングが役割を果たします。

私たちの身近な生活においての一例は、スポーツ用自転車の変速機を動かすシフトワイヤと呼ばれるものです。ワイヤを利用した自転車の変速機では、変速レバーを操作をワイヤで引っ張りデュレーラーと呼ばれる変速機を動かします。ワイヤは同じくワイヤロープで作られたチューブの中で動きますが、ワイヤ同士の摩擦が発生します。そこでナイロンのコーティングを施すことによって、変速操作時の抵抗力を低減させることが可能です。他にはインテリア用に用いられているものもあります。

コーティングワイヤの原理

コーティングワイヤは、金属製のワイヤロープに合成樹脂などの皮膜を染み込ませたものです。被覆工程は溶かした樹脂を押出機と呼ばれる装置の中で、ワイヤを巻き取りながら樹脂を塗布し、その後水槽を通して冷却します。

また樹脂の被覆にはストランドというある程度の本数の金属ワイヤを撚り合わせた状態で被覆した後に、複数の被覆されたストランドを撚り合わせたものと、ストランドを撚り合わせてから最後に被覆したものがあります。

コーティングワイヤのその他情報

樹脂の種類と特性

コーティングワイヤは目的に応じてコーティングする樹脂を選ぶことが大切です。

1. 軟質塩化ビニル (PVC)
軟質塩化ビニルは可塑剤によって柔らかさが確保された樹脂です。透明性が高いため着色性にも優れています。耐環境や耐薬品性にも優れ、高い電気絶縁性も誇ります。

2. ポリエチレン (PE)
ポリエチレンは電気絶縁性、耐薬品性、耐水性に優れた樹脂です。コーティングワイヤでは電線や光ファイバーなどを吊り下げて保持するためのテンションメンバーや、アウターケーシングの外層やライナー、インナーケーブルの被覆材としても用いられます。

3. ポリプロピレン (PP)
ポリプロピレンは私たちの日用品に多く使われるプラスチックです。コーティングワイヤの被覆としては、プッシュプルケーブルと呼ばれる、引っ張りと押しの両方で使われるケーブルを覆うアウターケーシングの外層などがあります。

4. ポリアラミド (PA)
ポリアラミドは樹脂の中でも機能が優れたエンジニアリングプラスチックの一つで、特に機械的性質に優れた樹脂です。一般的にはナイロンという名前で広く知られています。ポリアラミドは耐摩耗性、対疲労性、自己潤滑性に加えて耐環境性能にも優れていることから、自動車部品や産業用機械の用途にも用いられます。

5. フッ素樹脂 (ETFE、FEP、PFA)
フッ素樹脂は特に耐熱性が高い樹脂として知られています。他にも耐化学薬品性や耐候性があり電気特性が良好、摩擦、摩耗特性にも優れているのが特徴です。フッ素樹脂の種類は主に耐最高使用温度に応じて選択されますが、PFAなら200℃以上でも使えます。

参考文献
http://swage.co.jp/product/coated_rope/

コントロールアンプ

コントロールアンプとは

コントロールアンプとは、微小なアナログ信号を通常の増幅器の入力として使えるレベルまで増幅するアンプのことです。

次のような機能を備えているものがあります。

  • イコライジング処理
  • フィルター処理
  • 周波数分離
  • 信号レベルの調整等

マイクロフォン、レコードプレーヤーのカートリッジ、エレキギターなどの出力は、信号レベルや出力インピーダンスからパワーアンプを直接駆動できないので、コントロールアンプを必要とします。しかし、あらゆる信号処理がデジタル演算で実行されるようになったことから、微小なアナログ信号の処理にコントロールアンプを利用する機会は少なくなりました。

多くの場合、高性能なバッファアンプで信号レベルを増幅した後、A/D コンバータを介してPCMデータに変換し、必要な信号処理演算を実行する手順に置き換わっています。

コントロールアンプの使用用途

現在、コントロールアンプの使用用途は、音響製品の世界に限定されつつあります。コントロールアンプは別名をプリアンプとも呼ばれ、パワーアンプの前段で入力信号の選択や音量調整、トーンコントロール、さらにはフォノカートリッジの出力を本来の音楽信号に変換するイコライザー等の機能を備えています。

その上で、後段のパワーアンプを駆動できる信号レベルまで増幅します。CDプレーヤーや音楽配信ソフトを扱うネットワークプレーヤーなどの出力信号は、そのままパワーアンプを駆動できるレベルなので、信号の増幅は不要です。しかし、出力インピーダンスを低下させる目的で、バッファアンプを通すことがあります。

コントロールアンプの原理

コントロールアンプの原理を機能によって解説します。

1. フォノイコライザー回路

レコードの場合、低音は音量を下げて記録していますが、高音は振幅が小さいので、SN比を確保するために実際の音量より大きく記録されています。従って、再生時に正しい音楽信号になるように、フォノカートリッジの信号をフォノイコライザー回路で補正する必要があります。多くのコントロールアンプではフォノイコライザー回路を備え、レコード音楽の再生を可能にしています。

2. 入力切替回路

パワーアンプに出力する信号を選ぶための入力切替回路を備えています。これは、ロータリースイッチやリレーマトリックスなどのスイッチ手段で構成されていて、複数の入力端子から1つの端子を選択し、増幅回路に接続します。

3. 音量調整

音楽信号の音圧を決定する音量調整機構は、嘗ては多連ボリューム (可変抵抗器) によるものでした。最近はそれに加えて、精密抵抗器を組み合わせたアッテネータや電流加算回路を応用した回路、D/Aコンバータ等様々な方式も採用されています。

4. バランス調整

左右のチャンネルの音量差をキャンセルするための機能です。音量差が発生するのは、多連ボリュームにおいて、左チャンネルと右チャンネルのボリュームの抵抗値が微妙に異なることが主な原因です。この抵抗値の差異はギャングエラーと呼ばれ、多連ボリュームでは避けられない問題です。

一方、上記の様な多連ボリュームとは異なる方式では、左右のチャンネルの減衰量はほぼ同一で、ギャングエラーは殆ど発生しません。そのため、バランス調整機能を省略する製品もあります。

5. トーンコントロール

コントロールアンプでは、全周波数帯域一定のゲインで音楽信号を増幅することが基本ですが、「低域もしくは高域を強調したい」等の要望に対応するためにトーンコントロールを備えています。アンプの周波数特性を変化させることになりますが、その方法として従来のアナログフィルターによるものの他、A/D変換した上でデジタルフィルター演算を行い、その後D/A変換してアナログ信号に戻すものもあります。

コントロールアンプのその他情報

コントロールアンプの必要性

コントロールアンプと対になるパワーアンプは、低能率のスピーカーを音楽信号でドライブするため、瞬間的に数Aの大きな電流を流します。電源系にもその影響 (ノイズ) が廻り込むので、微小な信号を扱うフォノイコライザー回路等はコントロールアンプにある方が音質面で有利なのは言うまでもありません。

一方、独立したフォノイコライザーアンプやCDプレーヤーの出力信号は、パワーアンプを直接ドライブするのに十分なレベルです。ここからコントロールアンプを不要とする意見が出てきたと言われています。このあたりの判断は、単なる技術論ではなく再生音楽に対する感性が関連するため、最終的にはユーザー各人の判断に委ねられるものです。

参考文献
https://justfriends.jp/blog/post37
http://area-sasuke.net/hometheater/amp_kind.php
https://www.phileweb.com/review/article/202002/25/3762.html

コベルココンプレッサ

コベルココンプレッサとは

コベルココンプレッサとは、各種汎用の圧縮機の製造・販売を行う企業であるコベルココンプレッサが販売するコンプレッサです。

コベルココンプレッサは、KOBELCO (コベルコ) を統一ブランドとする神戸を拠点とした神戸製鋼グループに所属しています。コベルココンプレッサが会社名であり、コベルコが販売するコンプレッサを一般的にコベルココンプレッサと呼んでいます。

コベルココンプレッサの特徴は、コベルコが手掛ける各種圧縮機による省エネ性能、その実使用診断、及び長年の経験に基づく、多彩なソリューションや改善提案による企業貢献です。

コベルココンプレッサの使用用途

コベルココンプレッサは、国内外で石油化学、空気分離、環境用途など幅広い分野で活用されています。また、客先のニーズにあわせたカスタムメイドや最適な設計も特徴です。

コンプレッサのラインナップは、給油型圧縮機とオイルフリー型圧縮機を始め、蒸気駆動型の空気圧縮機やスクリュー型の蒸気発電機、窒素発生機器など、多彩な圧縮機とその関連装置などです。

又、コベルココンプレッサは、工場やプラントなどの産業用の大型設備において、高性能な省エネ圧縮機と、その圧縮機を駆動するインバータと共に使用されています。

コベルココンプレッサの原理

1. コベルコココンプレッサの構成

コンプレッサは、昔からの日本語で言う圧縮機のことを言いますが、圧縮機は「気体に対して圧力を掛けて、その気体の体積を縮小させる機械」です。

コベルココンプレッサは、圧縮するメカ機構部分とその圧縮機構部分を駆動する電動機部分とで構成されています。主に工場で使う圧縮空気源、プラントにおいて使用しているガスの圧縮、及び冷凍機における冷媒ガスの圧縮などに使われます。

2. コベルコココンプレッサの圧縮機構

メカ部分に関する圧縮方式は色々なものがありますが、コベルコでは従来から大型のコンプレッサ用途が多いため、それに適したレシプロ型やスクリュー型、遠心式と呼ばれる圧縮機構が主流です。

レシプロ型圧縮機は、往復動式とも呼ばれ、シリンダの中でピストンが往復運動してガスや空気を圧縮する方式です。回転運動を往復運動にするため、クランクシャフトとコンロッドを使います。吸入弁と吐出弁を設け、逆流を防止します。レシプロ型は振動が大きいのが難点ですが、多気筒にして振動の緩和が可能です。

スクリュー型圧縮機は、コベルコの場合2個のスクリューを使用して、かみ合い空間を次第に小さくして圧縮します。連続流であり、振動が小さい特徴があります。弁などがなく、単純構造で高耐久性です。

遠心式圧縮機は、ターボ型圧縮機の1つであり、高速で回転する羽根車により遠心力を使って圧縮する方式です。小型で振動が小さい圧縮機であり、化学プラントや大型の冷凍機・空調機などに使われます。

メカ圧縮機構を動かす電動機部分は、昨今の省エネ要求の高さから電動機の駆動は、多くはインバータです。電動機そのものは、永久磁石を内蔵した同期モータを採用し、磁界部分を高性能な磁石にすることで省エネ性能を向上させています。

コベルココンプレッサの種類

1. レシプロ型圧縮機

横型圧縮機は、歴史が古く、シリンダ配置は水平対向です。小型から大型までラインナップしており、給油式・無給油式などを含めて客先の要求に適した製品があります。

縦型圧縮機は、横型に比べ設置面積が小さく、付帯設備を含めたパッケージ設計により最適な運転・制御方法になっています。

2. スクリュー型圧縮機

スクリュー型圧縮機は、省スペース・低メンテナンスコスト・連続運転性・取扱いガスの幅広さなどが特徴で、プロセスガス中に油が混入しない無給油式と油を注入する油冷式及び冷凍機があります。

無給油式スクリュー圧縮機は、オイル&ガス、石油精製・化学、製鉄用など広範囲な分野において、多くの実績があります。

油冷式スクリュー圧縮機は、水素ガス、ヘリウムガス、コークス炉ガス、ガスタービン燃料ガス、最近ではLNG船低圧エンジン燃料ガス等、多分野にわたり実績があります。圧縮機室内に油を注入するタイプであり、給油によるロータ間のシール効果により、容積効率が向上し、高圧用途・高圧縮比に最適です。また、スライド弁機構を用いた圧縮機の容量制御が可能であり、負荷変動に対するエネルギーロスが少なくなります。

3. スクリュー冷凍機

冷凍機本体に油冷式スクリュー圧縮機を採用し、単段機とタンデム2段機があります。ユーザーの要望により、最適な冷媒選定およびエコノマイザーシステム、2元冷凍システム等の冷凍システム設計などが可能です。

4. 遠心式圧縮機

遠心式圧縮機は、遠心力により気体に速度エネルギーを与え、それを圧力に変換して気体を圧縮します。高速で回転するので、小型・軽量であり、圧力を上げるには多段にします。

参考文献
https://www.kobelco.co.jp/products/db/1193597_14789.html

コイルチューブ

コイルチューブとは

コイルチューブ

コイルチューブとは、独特ならせん状の形状と設計を持つ特殊なチューブです。

コイルチューブは曲げや捻じりに対して柔軟性を持ちつつ、一定の剛性も備えています。これにより、コイルチューブはさまざまな用途に適した多くの種類が存在します。

コイルチューブの使用用途

1. 熱交換器

コイルチューブは、熱交換器において液体やガスの熱を効率的に移動させる役割を果たします。らせん状の構造により、長いチューブをコンパクトなスペースに収めることができ、省スペース化が可能です。

冷蔵庫、冷凍庫、空調システムなどの冷却装置に広く利用されています。

2. 冷却装置

コイルチューブはコンデンサーやエバポレーターなどの部品に使用され、熱を吸収または放出して冷却効果を発揮します。家庭用電化製品から産業用の冷凍装置まで、幅広い冷却装置において重要な役割を担っています。

3. 加熱装置

加熱用コイルチューブは、蒸気や加熱媒体を通して物体を加熱するために使用されます。工業プロセスや家庭用電化製品の加熱要素として活用され、製造業、食品加工、医療機器など、さまざまな分野で広く使用されます。

4. メディカル機器

コイルチューブは、内視鏡やカテーテルなどの医療機器に応用されます。柔軟性と剛性を持つコイルチューブは、手術や診断などの医療処置をスムーズかつ安全に行うために重要です。

5. 自動車産業

自動車産業でも、コイルチューブはブレーキシステムや燃料供給装置などの部品に使用され、自動車の性能向上に貢献しています。

コイルチューブの原理

1. 均等な熱交換

コイルチューブはらせん状に巻かれているため、その表面積が増加します。この特性により、液体やガスがコイルチューブの内部を通過する際に、より多くの表面と接触することが可能です。

結果として、均等な熱交換が可能となります。例えば、コイルチューブを熱交換器に使用すると、効率的な熱の伝達が行われ、熱を効率よく移動させることができます。

2. 剛性と柔軟性の両立

コイルチューブはらせん状の構造により、一定の剛性と柔軟性を両立しています。チューブがらせん状に巻かれているため、折り曲げたり捻ったりする際にも一定の抵抗を示しますが、同時に曲げられる柔軟性も持っています。

この特性により、コイルチューブは様々なアプリケーションで使用され、特に狭いスペースや複雑な形状に適が可能です。

3. 強度と耐久性

コイルチューブは、内部に液体やガスの圧力を受けるため、一定の強度と耐久性が求められます。素材や構造の設計によって、適切な強度と耐久性を持つコイルチューブが製造されます。

特に産業分野では、厳しい環境下で使用されるため、高い品質と信頼性が求められます。

コイルチューブの種類

1. 冷却用コイルチューブ

冷却用コイルチューブは、冷媒や冷却液を内部に通し、熱を吸収して冷却するためのチューブです。冷蔵庫やエアコン、冷凍庫などの家庭用電化製品から、工業用の冷凍装置まで幅広いアプリケーションで使用されています。これらのコイルチューブは高い熱伝導性と耐久性を持ち、効率的な冷却を実現します。

2. 加熱用コイルチューブ

加熱用コイルチューブは、蒸気や加熱媒体を内部に通し、熱を加えるためのチューブです。加熱炉や蒸気発生器、ボイラーなどで使用され、さまざまな工業プロセスにおいて重要な役割を果たします。加熱用コイルチューブは高い耐熱性を持ち、高温下での安定した動作が求められます。

3. 熱交換用コイルチューブ

熱交換用コイルチューブは、2つの流体の熱交換を行うために使用されるチューブです。内部のチューブを流れる流体と、外部のコイル表面を流れる別の流体との間で熱が移動し、これにより冷却や加熱、温度調節などが可能です。熱交換器や蒸留装置、太陽熱温水器などに利用されます。

4. 線形コイルチューブ

線形コイルチューブは、直線状に巻かれているコイルで、曲げ半径が大きく、長いチューブです。この種類のコイルチューブは、特に長尺のチューブが必要な場合や、特定の設備に合わせた形状を得るために使用されます。工業用パイプラインや長大な機器での熱交換に適しています。

5. ヘリカルコイルチューブ

ヘリカルコイルチューブは、らせん状に巻かれているコイルで、曲げ半径が比較的小さく、コンパクトな設計が可能です。限られたスペースでの熱交換や冷却に適しています。ヘリカルコイルチューブは、特に機器や装置のコンパクト化が求められる場面で有用です。

参考文献
https://www.nitta.co.jp/product/moore/tool_and_accessories/S/
https://www.smcworld.com/products/ja/get.do?type=GUIDE&id=TCU

コアピン

コアピンとは

コアピンとは、金型の重要な部品の1つで、特に「穴」や「ねじ止め用のボス」などの形状を作る際に使用される部品のことです。

金型における役割は、成形品の形状を正確に再現することであり、コアピンはその目的を果たすための欠かせない要素と言えます。コアピンと似た形状を持つ部品に「イジェクトピン」というものが存在します。

しかし、イジェクトピンは金型が開く際に同時に動いて成形物を押し出す機能があり、成形品を金型から取り出す役割を担っています。対して、コアピンは金型を開く際も固定された状態で動かず、あくまで形状作製のための部品です。

コアピンは金型設計において精度と正確性を求めるために不可欠な部品で、金型産業において品質を向上させるために欠かすことのできない存在です。

コアピンの使用用途

コアピンは、金型において「穴」や「ねじ止め用のボス」などの形状を作るために使用される部品で、その用途は非常に広範囲にわたります。具体的には、自動車部品や家電製品、精密機器など、ねじ止めが多い製品に使用する部品の金型で、頻繁に利用されています。

成形する部品の形状に応じて、コアピンの数も変化し、例えば、ねじ止め用のボスが多い製品の金型では、それに対応する数のコアピンが必要です。そのため、複雑な形状を持つ製品の金型では、多くのコアピンが使用されることが一般的です。

また、小型で精密な製品を成形する場合には、細いコアピンが用いられます。製品の精度が向上し、高品質な成形が可能です。しかし、細いコアピンは破損しやすく、成形時に注意が必要です。そのため、金型設計や製造プロセスにおいて、コアピンの取り扱いに関する知識や技術が重要となります。

コアピンの使用用途は多岐にわたり、その重要性は高まっています。金型産業において、品質を向上させるためには、コアピンの正確な使用が不可欠であり、設計者や製造者がコアピンの特性を理解し、適切な取り扱いを行うことが求められます。

コアピンの原理

棒状の部品であるコアピンは、成形が必要な形状の径や深さに合わせて作られ、金型の一部として使用されます。特に「穴そのものが深い」場合や「金型形状として、穴位置自体が深い位置にある」場合、長いコアピンの作製が求められ、作製難易度が高度です。そのため、強度を確保するために途中まで太い径で作られ、先端形状だけを必要となる細い径にすることもあります。

また、設計時には、コアピンが隣り合うことがあり、コアピンの間隔の最小値に注意が必要です。近接する「穴」や「ボス」が必要な部品では、コアピン同士の間隔に制約があります。単純な形状であるコアピンですが、金属を削る加工方法の特性上、「穴 (ボス) 径を小さくする」ことはコアピンを再度削って対応できる可能性がありますが、「穴 (ボス) 径を大きくする」ことは難しく、最悪の場合は作り直しが必要です。

そのため、穴径やボス径の調整の可能性がある部品を設計する場合には、まず穴 (ボス) 径を大きめにした状態で金型を作製し、径を小さくする方向で微調整を行うという流れが、コスト的にも時間的にも効率的です。

コアピンの種類

コアピンは、主にストレートコアピン、ステップコアピン、タッパードコアピンの3種類が存在します。適切なコアピンの選択は、品質の高い製品を生産するために重要です。

金型設計者や製造者は、それぞれのコアピンの特性を理解し、最適な選択を行うことが求められます。

1. ストレートコアピン

ストレートコアピンは、最も一般的なコアピンのタイプで、円柱状のシンプルな形状をしています。このタイプのコアピンは、様々な産業で幅広く使用されており、特に「穴」や「ねじ止め用のボス」などの成形に適しています。

ストレートコアピンは、耐久性があり、加工が容易なため、多くの金型設計に採用されている点が特徴です。

2. ステップコアピン

ステップコアピンは、複数の径が連続している特徴的な形状を持っています。成形物の内部に段差がある場合や、複雑な形状を持つ部品の成形に適しています。ステップコアピンは、精密な加工が必要であり、設計者や製造者が高い技術を持っていることが求められます。

3. タッパードコアピン

タッパードコアピンは、先端が細くなっている円錐状の形状をしています。成形物の内部に傾斜がある場合や、ねじ穴など特殊な形状を持つ部品の成形に適しています。タッパードコアピンは、加工が難しいため、技術力の高い専門家が必要です。

参考文献
http://www.tetras.uitec.ac.jp/files/data/200006/20000613/20000613.pdf
http://www.techno-labo.com/blog/moldsite/diary/rookie3

オイルダンパー

オイルダンパーとは

オイルダンパー

オイルダンバー(英語:oil damper)とは、オイルの粘性を利用して、振動や衝撃を吸収する装置のことです。オイルダンパーの中には、オイルとピストンが入っています。ピストンには小さなバルブがあり、振動によりピストンが動くと、オイルがこのバルブを通って移動します。

バルブを通る粘性抵抗により、振動のエネルギーが熱エネルギーに変換され、振動が抑制できます。オイルダンパーは、建物の免振や制振、および、自動車などの振動・衝撃吸収に使用されます。

オイルダンパーの使用用途

オイルダンパーの用途として、建築関係の耐震と一般の振動・衝撃の抑制が挙げられます。建築関係で多く用いられるのは、高層ビルや一般建物の地震対策です。地盤と建物を切り離して建物に地震の揺れが伝わらないようにする免震構造と、地震が起きたときの揺れを吸収する制振構造に使われます。

高層ビルでは、特に長い周期の振動による高層階の揺れが、人体への影響や室内のものの落下や破損に影響します。このため、免震構造や制振構造が使われるようになっています。住宅や事務所などの建物にも小型の制振ダンパーが、部材の接続部に使用されます。

発電所やプラントなどの配管やボイラーの耐震装置にもオイルダンパーが使われます。特に原子力発電所は、高い安全性が要求され、最新のダンパー装置が使用されています。

自動車などでは、サスペンション装置の中にオイルダンパーが組み込まれています。ショックアブソーバとも呼ばれます。操縦安定性や乗り心地を左右する重要な部品です。多くはコイルスプリングの中心に設置し、ダンパーによりスプリングの振動を減衰させて収束させます。

オイルダンパーの原理

オイルダンパーは、シリンダにピストン・ロッド・オイルを入れた構造です。ピストンには小径のバルブを設け、振動によりピストンの両側のオイルがバルブを通って移動を繰り返します。

粘性のあるオイルがバルブを通って往復すると、振動の運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、振動が低減します。オイルダンパーには、建築・産業用のバイフロー型とユニフロー型、及び自動車用など多くの種類があります。

1. バイフロー型

オイルダンパーが伸びる場合と縮む場合とで、シリンダ内のオイルの流れる方向が変化する方式です。ピストンのバルブは2個の逆止弁を使い、ピストンの両側の容積を同じにするため、ピストンロッドは両側に付けます。このタイプは取付け角度に制約がない特性があり、制振ダンパーなどに使われます。

2. ユニフロー型

オイルダンパーが伸びる時と縮む時とで、シリンダ内のオイルの流れる方向が変化しない方式で、構成が少し複雑になります。シリンダーを2重にして、ピストンの両側と合わせ、3つの部屋にします。

各部屋を一方向のバルブでつなぎ、オイルの流れは一方向のみです。ピストンロッドは一方向のみでよく、全体のサイズが小さくできます。外側の部屋には空気層があるので、水平方向で使う必要があり、建物の免震構造などに使われます。

3. 自動車用

自動車用のオイルダンパーにも、単筒式と2重筒式があり、縦方向で使用できます。ピストンの背面側が負圧になると、オイルが発泡するので、窒素ガスを封入して圧力を高めています。単筒式はピストン径が大きくできるメリットがありますが、ガス室が同軸上に配置されるため、全長が長くなる短所があります。一般の自動車のサスペンションには、複筒式が主流になっています。

オイルダンパーのその他情報

1. 免震用のオイルダンパー

免震構造は、地盤と建物を切り離して建物に地震の揺れが伝わらないようにしたものす。ユニフロー型のオイルダンパーを地盤と建物の間に水平方向に設置します。オイルダンパーの他に、高減衰積層ゴムなどのアイソレータを使用して建物を支持します。

地震が起きた際には、建物に入力された地震エネルギーは、オイルダンパーにより吸収され、建物の揺れを低減します。制振構造と比べ揺れの激しさが大きく低減されるため、建物の損傷を防ぐだけでなく、地震後も建物機能を維持することが可能です。

2. 制振用のオイルダンパー

制震構造は、地震が起きたときの揺れを吸収することを目的とする装置です。制振用のバイフロー型オイルダンパーを、壁や柱に直接取り付けて地震の揺れのエネルギーを吸収します。高層ビルやマンションでは、各階層に設置して、揺れやすい高層階を揺れにくくします。ブレースのように斜め方向に設置する場合が多く、水平方向だけでなく垂直方向の揺れにも対応しています。

小型な装置であるため、断熱材の欠損箇所が少なく済み、断熱性能への影響が小さい手法です。このため、木造住宅など一般家屋への設置も進められています。

参考文献
https://www.tekki.co.jp/products/list/dampers/product_building01/
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_kensetsufudousan20181017j-02-w490
https://www.lifehacker.jp/2016/12/161206_161206gizmodo_mediagene.html
http://www.ubm-rheology.co.jp/kouza/kiso01.shtml
https://material-r.co.jp/iroha/917/
https://www.kenzai-navi.com/column/colum0084.php

エネルギーモニタ

エネルギーモニタとは

エネルギーモニターとは、エネルギーの状態をモニター画面に反映させて可視化した製品です。

主に家庭やビルなどの電力使用量を測定する装置を指すことが多いです。産業用から家庭用製品まで広く使用されます。代表的な使用例はハイブリッドカーのモータ・エンジン使用状況確認、太陽光などの発電システムを有する施設の電力使用状況表示などがあります。

エネルギーモニタの使用用途

エネルギーモニタを使用することで、電気やガスなどのインフラエネルギー使用量を把握することが可能です。これにより、時間帯別使用量や機器別使用量を把握可能であり、省エネルギーに役立ちます。

消費電力が多い機器の使用制限や省エネルギー設備の導入などによるランニングコストの低下に寄与します。また、企業はイメージ向上を目的にCO2排出量削減につなげる場合もあります。異常な使用量があった場合に早期発見可能であるなどの利点もあります。

エネルギーモニタの原理

エネルギーモニターは電力メーターと同様に、精度クラス1の電力計測技術に基づいて設計されることが多いです。精度クラスとは国際電気標準会議 (英: International Electrotechnical Commission, IEC) が定める規格で、クラス0.1からクラス3までの5段階に分かれています。クラス0.1が最も高精度であり、クラス3が最も低精度です。

電力に関するモニタであれば、電流と電圧の測定値を基に消費電力を計算します。したがって、AC電源電圧測定用の電圧センサーと、AC電源電流測定用の電流センサーから構成されます。これらのセンサーは設備の元電源ケーブルに取り付けて測定します。電圧センサーはワニ口クリップなどで充電部から供給電圧を測定し、電流センサーはクランプなどでケーブル被覆越しに電流を測定することが多いです。

測定した電流・電圧は、内部マイコンボードなどの制御部で演算されます。通信機能を持つモデルでは通信モジュールも搭載されます。

上記によって演算された値を使用して消費電力を計算し、リアルタイムにモニターに表示させたり、データログに保存させたりします。大規模工場などにおいては接続されている各種機械のON・OFF状態を表示させたり、リアルタイムの電力詳細を数値で表示させることがあります。

エネルギーモニタの種類

エネルギーモニタには用途に合わせてさまざまな種類が販売されています。以下はエネルギーモニタの種類の一例です。

1. スタンドアロン型

単体で使用することができるエネルギーモニタです。これらのモニターには電圧センサーと電流センサーが組み込まれており、電力消費量を測定することが可能です。ただし、エネルギーモニタ駆動用の電源は別途必要となる場合が多いです。

2. スマートメーター型

通常の電力メーターのように電力会社が提供するメーターとして設置されるエネルギーモニタです。スマートグリッドやリアルタイムの通信に対応しており、電力使用量をリアルタイムで通知することが可能です。太陽光システムや内燃自家発電機器を有する場合、この型が使用されることがあります。

太陽光システムに導入した場合、発電量や電力消費量を測定するために使用されます。照明設備やエアコンなどの電灯電力使用量を監視する場合にも用いられます。

3. インライン型

配電盤や制御盤に直接取り付けることができるエネルギーモニタです。これらのモニターは、通常は産業用や商業用のエネルギー管理に使用されます。制御機器に連なる製品のため、計装機器メーカーなどから販売されている場合が多いです。

4. ポータブル型

携帯用の小型デバイスとして設計されたエネルギーモニタです。局所的または短時間のみエネルギー使用量を測定する場合に使用します。バッテリーなどを内蔵している製品も販売されており、その場合は電源不要で測定可能です。家庭用電化製品やオフィス用機器などの消費電力を測定することもできます。

参考文献
https://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/denro/enemoni/
http://www.nissan.co.jp/

アルミシール

アルミシールとはアルミシール

アルミシールとは、アルミ箔の裏面に粘着剤を塗布したシールです。

別名称でアルミテープとも呼ばれており、ホームセンタなどで市販されています。アルミテープは一般的なガムテープやビニルテープと比べて劣化が少なく耐熱性に優れています。

さらに強度もあることから、空調用配管や水道や屋外補修工事の際の補修材として広く使用されます。その分価格は、他の一般的なテープに比べると高価です。

アルミシールの使用用途

アルミシールの使用用途は、空調や水道などの屋外補修工事です。配管や各種接合部の隙間を塞ぐなど、あらゆる場面で補修材として使用されます。

同じテープでもガムテープや養生テープなど多種類が存在しますが、屋外工事などで用いられる耐候性のあるテープの中では、アルミテープが一番防水性能に優れ安価で使いやすいです。

アルミシールの原理

アルミシールは、アルミ箔の裏面に粘着剤を塗布しただけの単純な構造です。バッテリーなどの熱くなる部品に、アルミシールを張り付けると約5度程度下がると言われています。そのため、放熱用にも利用されており、ヒートシンクとしても機能します。

また、シート素材がアルミ金属であるため、ノイズの遮断にも効果的で、光沢やツヤがあることから見た目を良くする飾りとしても使用されます。その他、耐熱性や防水性を生かした加工や真空パックの材料など、素材の単純性を十分に生かせるような用途も多いです。

アルミシールのその他情報

1. アルミシールの使用上の注意

アルミシールを取り扱う際の注意事項は、表面に電気が通ることです。アルミの金属で電気に対する絶縁性がないため、活電部近傍にアルミシールを使用すると結露やトラッキングなどで絶縁が破壊されてしまい配管や板金などに漏電して感電する恐れがあります。

したがって、アルミシールは電気配線周りに使用する際は不向きです。

2. 防水アルミシールを用いた雨漏り応急処置の方法

突然の大雨や台風で雨漏りが起きてもすぐに業者に修理してもらうことが難しい場合があります。そのような時は、防水タイプのアルミシールを用いることで応急処置をすることが可能です。

方法としてはまず雨漏り箇所を特定し、油分や汚れを落として乾燥させます。その後、アルミシールを隙間なく貼り付けます。アルミシールの種類によっては直射日光に対応していなかったり、素材的に貼れないこともあるため選定には注意が必要です。

また、広範囲の雨漏りには防水シートを用いた方が便利なこともあるため、アルミシールとの使い分けも重要です。

3. アルミシールの剥がし方

アルミシールは古いタイプの台所の繋ぎ目によく貼られています。台所を長期間使用するとアルミシールが中途半端に剥がれ、汚れの原因となります。一般的に熱や水分を加えるはがし方が効果的ですが、アルミシールはこのような方法ではほとんど落とすことができません。

綺麗なはがし方としては、まず素材に適したシールはがし剤を使って本体を取り除きます。AZ超強力ラベルはがし雷神は金属やガラスに適している強力なシールはがし剤で、頑固なシールも簡単に落とすことができます。そして粘着剤が残っていれば消しゴムやヘラで擦って落とします。

参考文献
https://www.monotaro.com/k/store/
https://sq.jbr.co.jp/library/701
https://taskle.jp/media/articles/908#outline35

セメント抵抗器

セメント抵抗器とは

セメント抵抗器

セメント抵抗器とは、電子回路部品の一つであり、回路中を流れる電流に対して抵抗となる部品です。

抵抗器には様々な種類がありますが、中でもセメント抵抗器は巻線系の抵抗器に分類されます。これは電気の流れを妨げる抵抗エレメントに、巻線を使用しているものが多いためです。一部、巻線以外の抵抗エレメントを使ったセメント抵抗器もあります。

なお、巻線系の抵抗器は、外側を覆うケースの材質によって分類されています。セメント抵抗以外には、巻線抵抗、メタルクラッド抵抗、ホーロー抵抗があります。

セメント抵抗器の使用用途

セメント抵抗器は電子回路中の抵抗であり、電流の流れを妨げるものです。目的に応じて電流を制限したり、電圧を分圧したり、電流を検出するために使われます。

セメント抵抗器が使用される場合、抵抗の温度が高い、又は湿度が高く抵抗器の劣化が激しいケースが多いです。抵抗器は使用できる電力に応じても分類されますが、セメント抵抗器は中容量クラス (10W以下) の電力回路用に該当します。

セメント抵抗器は、抵抗の周りをセメントで固められているため、耐熱性や耐湿性や耐振動性にも優れています。そのため、多くは屋外の大電力設備などで使用される電子基板に実装されています。

セメント抵抗器の原理

セメント抵抗器は電子回路中における抵抗であり、オームの法則では抵抗として表されるものです。オームの法則は以下の関係式で表されます。

V (電圧) = R (抵抗) x I (電流)

抵抗の単位はΩ (オーム) であり、セメント抵抗器のカタログにも記載されています。セメント抵抗器は、電気抵抗となる抵抗エレメントをセメントで封入しています。抵抗エレメントに電流が流れると発熱するので、この熱が周囲に伝えにくくなるよう、少しずつ放熱させるのが役割です。

なお、抵抗エレメントの多くは巻線抵抗ですが、抵抗値が大きいもの (100Ω以上) には、酸化金属皮膜抵抗が用いられていることもあります。耐環境性能に優れているので、屋外で高温高湿度で振動が激しいなどの劣悪環境において使用されます。

セメント抵抗器の多くは、巻き線タイプの抵抗器であり、構造としてはコイルと同じになります。なので、インダクタンス成分を有しています。この影響が高周波帯で影響されるため、高速スイッチングなどの高速動作をしている回路では、想定外のノイズを発生する可能性があるため、避けた方が無難です。

セメント抵抗器のその他情報

1. セメント抵抗器の長所

セメント抵抗器のケーシングに使われるセメントは不燃性です。高温になっても発火することがないので、基板に直接実装できる点が長所と言えます。セメント抵抗器は耐環境が厳しい条件で、安定した電力用回路として採用するのに適した抵抗器です。

2. セメント抵抗器の短所

セメント抵抗器の多くは抵抗エレメントに巻線を使用しており、巻線はインダクタンスが生じます。高周波の交流回路で使用すると、インピーダンスが上昇することになります。これらの現象により、高速スイッチングなどの高速動作をしている回路では、想定外のノイズを発生する可能性がある点が短所です。

インダクタンスとは、コイルに流す電流を増やそうとすると、コイル自体に電流を流しにくくしようとする働きが生まれ、逆に電流を減らそうとすると、流れる電流を増やそうとする現象です。

インピーダンスとは、交流回路における電圧と電流の比であり、電流の流れを妨げる働きをします。電流の流れにくさを表すもので、直流回路の抵抗に相当するものです。

参考文献
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2465/

オイルコン

オイルコンとは

オイルコンとは、機械等で使用する油の温度を適切に保つ装置のことをいいます。

空気の温度を調節する装置を「エアコン」というのに対し、オイルコンはその名の通り、油の温度管理をするものとなります。一般的な構造は、冷媒ガスを通じて熱処理を行うエアコンと大きな違いはありません。

高速回転する機械のモーター部やベアリング部は発熱を起こすため、予期せぬ故障や不具合を引き起こす場合があります。オイルコンは効率的に機械の熱を取り払うことができるため、機械の安定した動作を支援する機能を持ちます。

オイルコンの使用用途

オイルコンは、マシニングセンタCNC旋盤といった、高い精度が求められる工作機械などで多く使用されています。

主軸が高速回転すると熱変位が生じ、加工精度にも悪影響を及ぼします。そこで、オイルコンにより使用する油の温度を冷やすことで、熱変位を最小限に抑えることができ、安定した連続加工が実現します。

工作機械を用いて生産を行っている現場で、加工精度がばらついていたり、歩留まりが上がらないなどの問題を抱えている場合にも利用されることがあります。

オイルコンの原理

一般的なオイルコンは、空気を圧縮する圧縮機と凝縮器、減圧機構、蒸発器などから構成されています。

  • 圧縮機
    圧縮機では冷媒ガスは高い圧力をかけられ、高温・高圧の状態になります。
  • 凝縮器
    圧縮機で高い圧力がかけられた冷媒ガスを大気中の空気によって冷却・凝縮することで、液体に変化させます。
  • 減圧機構
    高温・高圧の液体を減圧し、蒸発しやすい液体にします。
  • 蒸発器
    減圧機構を介して生成された液体を機械油と接触させます。すると、液体が油から熱を取り去って蒸発し、低温・低圧の気体になります。この現象は気化熱といい、あらゆる物質を冷却させるのに役立ちます。

また、中にはインバータが搭載されているものと、そうでないものがあります。インバータが搭載されていないと、温度管理を運転のON/OFFでしか制御することができないため、設定温度との誤差が大きくなります。より高精度に油の温度管理したい場合はインバータ付きのものを選ぶのが一般的です。

参考文献
https://www.daikinpmc.com/special/oilcon/index.html