クリーンペーパー

クリーンペーパーとは

クリーンペーパーとはクリーンルーム内で使用可能な用紙のことで、防じん紙、無じん紙とも呼ばれています。

クリーンルーム用品としての必須条件である低発じん性を有しながら、コピー・印刷のしやすさや断裁しやすさといった、紙としても優れた機能を兼ね備えている製品です。コピー用紙だけでなく、ノートや付箋状のものもあります。

通常のコピー用紙やノート用紙は発じん性があるため、クリーンルームで使用できません。クリーンペーパーの多くは、これらの用紙と容易に区別できるように、青色をはじめとした色味が付いています。 

クリーンペーパーの使用用途

クリーンペーパーは発じん性が低いため、発じんが許されないクリーンルーム内において、通常のコピー用紙やノート用紙の代わりに使用できます。例えば半導体の製造工場などでは、作業の条件や製品の種類などが記載された表(流動表)に、クリーンペーパーが採用されています。

クリーンペーパーの中には、導電性繊維を使用することによって、導電性を付与したものもあります。シリコンウエハー、基板などの電子工業製品は、作業の際に静電気を嫌うものの1つです。導電性クリーンペーパーは静電気が生じにくいため、これらの製品の間紙に用いることができます。導電性クリーンペーパーは、コピー機の機種によっては印字が定着しない場合があるため、コピー用紙として使用する場合はテストが必要です。

クリーンペーパーの原理

クリーンペーパーは、通常の用紙と異なる製法や素材で製造されます。これらの違いは用紙の発じん性に大きく影響しています。

通常のコピー用紙やノート用紙の原料には、多くの場合、木材パルプの短繊維が用いられます。短繊維は用紙から繊維が脱落しやすいので、短繊維から作られた製品は発じん性が高いのが普通です。クリーンペーパーには長繊維が選択的に使用されており、繊維同士の結合が強いため、発じん性が低くなっています。

通常の用紙とのもう1つの違いとして挙げられるのは、クリーンペーパーの着色には顔料が使われていないことです。炭酸カルシウムチタンに代表される顔料は、用紙を白くしたり、不透明性を持たせたりする目的で添加されます。通常の用紙からは、これらの顔料由来の粉じんが発生します。クリーンペーパーでは、液体の染料を着色料として使用するため、顔料による発じんは生じません。

他の発じん対策としては、樹脂で繊維を固め、繊維の脱落を防止する方法などがあります。 

参考文献
https://www.tanimura.biz/catalog/conductive_cleanpaper.html
https://www.monodukuri.com/gihou/article/273
https://www.sakurai.co.jp/products/clean/cleanpaper/data/clean_paper_how.pdf 

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