ガス発電機

ガス発電機とはガス発電機

ガス発電機とは、ガスを電気エネルギーへと変換させる発電機のことです。

内燃機関の1種であり、燃料を燃焼させて発生した高温のガスを利用して発電します。ガス発電機の利点としては、燃料コストが比較的安いことや燃料の供給が安定していること、高い効率で電力を生成できることなどです。そのほか、重油やガソリンよりも排出CO2が少ない点も利点として挙げられます。

また、環境にやさしい燃料であるバイオガスを利用することで、さらに二酸化炭素の排出量を削減することも可能です。一方、ガス発電機の欠点としては、初期投資費用が比較的高いことや燃料供給インフラが必要な場合があることです。燃焼による排気ガスや騒音が発生するため、適切な排気や騒音対策が必要です。

電力需要が安定していない場所や、燃料供給が容易な場所で有用な電源として利用されています。

ガス発電機の使用用途

ガス発電機はさまざまな使用用途・分野で使用されます。常用発電機として使用する場合と、非常用として使用する場合があります。

1. 常用用途

常用用途として使用する主な施設は、工場・発電所です。大規模工場は電力系統の停電によって、多大な損害や環境破壊に直結する場合があります。電力会社送電線網で瞬時停電が発生することは珍しくないため、常時ガス発電機で電力を生成し、いつでも送電線網と切り離せる状態とする工場も多いです。

また、工場では熱エネルギーの供給源として蒸気を使用することも多いです。ガス発電機は排熱などから蒸気を取り出すことが可能なため、電気と熱の供給源として使用する場合もあります。

2. 非常用用途

非常用用途として使用する主な施設は、オフィスビルやショッピングモールなどです。大規模なショッピングモールやオフィスビルでは、多くのテナントや施設が電力を必要とします。ガス発電機は、停電時にも営業を継続させるためのバックアップ電源として使用されます。

ガス発電機の原理

ガス発電機は吸気、燃焼、排気のサイクルによって電気を生み出す内燃機器です。ガス発電機には燃料供給装置があり、プロパンガスなどの可燃性ガスが供給されます。

これらの燃料は燃料噴射装置などを通じて内燃機器内に供給され、空気と混合されます。混合されたガスと空気の組み合わせは、燃焼に適切な混合比を持つように設計される場合が一般的です。

燃料と空気の混合物は、点火プラグや点火装置によって点火されます。点火によって燃焼した混合物は高圧高温のガスを生み出し、このガスによって回転機器を動作させます。回転機器は発電機と直結しており、発電機が回転することで回転エネルギーを電力へ変換するというのが一般的なガス発電機の原理です。

燃焼と同時に、排気ガスが形成されます。ガス発電機の排気には、酸化触媒や還元触媒などの排気ガス処理装置が装備されることがあります。これによって、排気中の有害物質や環境への影響を低減します。

ガス発電機の種類

ガスを利用した発電方法にはガスエンジン方式とガスタービン方式の2種類が用いられることが多いです。

1. ガスエンジン式発電機

ガスの膨張を利用してエンジンを回して発電する方法です。発電機内にガスや空気を注入した後、エンジンと繋がったピストンで気体を圧縮させます。

圧縮させたガスや空気に着火することで急激な膨張を引き起こし、ピストンを動かします。最終的にピストンの運動は、エンジンの回転に変換されて発電する仕組みです。

小型でも効率の良い発電を行うことが可能です。大型機では、排気ラインにボイラを設置することで蒸気による排熱利用も可能です。ただし、ピストン周辺部品の摩耗が発生するため、高頻度でメンテナンスする必要があります。

2. ガスタービン式発電機

タービンにガスを吹き付けることで発電する方法です。継続的にガスを燃焼させて高温高圧のガスを発生させ、この燃焼ガスがタービンを回すことにより発電する仕組みです。メンテナンスが容易であるため、ランニングコストが低い点が特徴です。

また、熱回収率が高いため、コジェネレーションシステムなどと併用すれば高効率な設備運用が可能です。熱利用が多い工場などで重宝されます。一方で、発電効率はさほど高くないため、エネルギー消費のうち電気の比率が高い場合はエンジン方式を採用します。

参考文献
https://generac.jp/features/
http://reneria.co.jp/howabout/construction/power_generation/
https://www.ace.or.jp/web/chp/chp_0020.html

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