周波数変換器

周波数変換器とは

周波数変換器とは、受け取った周波数を任意の周波数に変換する機械のことです。

周波数とは振動数とも呼ばれ、電流や電波などが一秒間に何回波を繰り返すかという値を指します。電流には直流電流と交流電流がありますが、家庭や工場の電源は基本的に交流電源で、決まった周波数の電流を供給します。

しかし、機械によっては電源より高い周波数や低い周波数が必要になることもあります。そのようなときに、任意の周波数に変換するのが周波数変換器です。

周波数変換器の使用用途

周波数変換器は、周波数を変えたいときに使用されます。例えば、家電製品や海外の工場などです。

地域ごとの周波数は異なり、コンセントから供給される電流は東日本なら50Hz西日本なら60Hzと決まっています。異なる地域でも同じように使用できるように、周波数変換器を搭載している場合が多いです。

さらに、工作機械には低周波数や高周波数の電源が必要なものがあります。50Hzや60Hzの電源から、必要な周波数まで変換します。

周波数変換器の原理

周波数変換器は電流を流すことによって、任意の周波数に変換できます。周波数変換器では、インバータやコンバータが用いられます。

インバータとは直流電流を交流電流に変換する装置で、コンバータとは交流電流を直流電流に変換する装置です。

1. コンバータ回路

コンバータ回路に電流を流すことで、元の交流電流を直流電流へと変換させます。交流電流は正弦波なので正負が存在しますが、コンバータ回路に含まれたダイオードによって全波整流を引き起こすことで、どちらも正の値で取り出すことが可能です。

次に取り出した電流をコンデンサに通します。何度も充電と放電を繰り返すことで平滑化し、なめらかな直流電流を作ります。

2. インバータ回路

最後にインバータ回路に電流を流すことで任意の周波数に変えた交流電流を流します。インバータ回路にはトランジスタが含まれており、オンオフのスイッチング間隔を調節することで周波数を変化させた波を作り出すことができるのです。

インバータ回路では、一般的にパルス幅変調が用いられています。略称ではPWM (英: Pulse Width Modulation) と呼ばれ、スイッチのON/OFF比率をコントロールすることで所定の出力を制御します。

本制御を用いることにより、低消費電力と小型化をすることが可能です。インバータ回路ではスイッチのON/OFFで負荷を流れる電流の向きが逆向きになります。このスイッチング技術と呼ばれる技術で、交流の生成を実現しています。

3. PWM

PWM制御方式の1つに、三角波比較方式と呼ばれるものがあります。三角波比較方式では、実現したい周波数の正弦波 (交流) とキャリアと呼ばれる三角形の形をした波の高低をオペアンプに入力して比較します。

正弦波がキャリアよりも大きい値を持つときは、スイッチング制御信号はONを出力します。一方、正弦波がキャリアよりも小さい値を持つときはOFFを出力します。この比較を繰り返すことで、スイッチング制御信号であるパルス波を出力することが可能です。

サイリスタなどの半導体スイッチング素子を用いて直流をスイッチングして、交流電圧を供給します。

周波数変換器のその他情報

1. サイリスタ

周波数変換器でも、使用されるサイリスタはダイオードにゲート端子がついた構成です。ダイオードを使用することで電気が一方向にしか流れなくなる働きを得ます。

ゲート端子の役割は電路の開閉を制御することで、ダイオードと組み合わせることにより電流の方向と出力が制御可能です。

2. サイリスタバルブ

複数個のサイリスタ素子を直列あるいは並列に接続することで十分な高電圧に耐えて、必要量の電気容量を持つ装置のことをバルブ (整流器) と呼びます。

以前のサイリスタバルブは空気絶縁風冷方式、油絶縁油冷方式を採用していましたが、近年は光直接点弧大容量サイリスタ素子を使用した空気絶縁水冷方式が主流です。

参考文献
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/b3a.html
https://www.yasnaga.co.jp/product/2018/08/post-29.php
https://www.matsusada.co.jp/column/inverter.html
https://www.fujielectric.co.jp/products/column/inverter/inverter_02.html

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