リニアステージ

監修:CKD日機電装株式会社

リニアステージとは

リニアステージとは、リニアサーボモータを搭載したテーブル機構です。位置検出にリニアエンコーダを使用したフルクローズ制御を行うことで、精密な位置決めと動作性能を可能とする機電一体のダイレクトドライブシステムとなります。

直交する2軸を組合せたXY軸や垂直方向のZ軸、回転テーブルのθ軸など、複数の軸を組み合わせる事でXYステージ、XYZステージ、XYZθステージなどの多軸化や用途に合わせた軸構成が可能です。
リニアサーボモータはダイレクトドライブモータですので、中間機構を介在せずに駆動出来ます。機械性能の向上、省スペース化、環境性の向上、メンテナンスの軽減、長距離駆動が可能です。

リニアステージはその特性を生かし、精密位置決め用途や搬送用途に使用されます。
精密位置決め用途では、ボールネジ、ラック・ピニオン、ベルト等の搬送機構に比べ、速度安定性に優れた高精度位置決めが可能です。

リニアステージの使用用途

リニアステージは、位置決め精度や速度安定性能が求められる精密加工装置や検査装置に使用されています。

例えば以下の用途があります。
レーザー加工機半導体露光装置プローバーなど高い位置決め精度が求められる装置
・コーター装置、画像検査装置など速度安定性能が求められる装置
・振動試験機、加振機、シミュレータなど相反動作で振動を抑えた高加速度の実現が求められる装置

その他の用途として、ロングストローク搬送装置、高速ハンドラ装置、高速プレス機の材料送り出し機構部などの搬送用途があります。

リニアステージの原理

リニアステージの構造は、駆動源にリニアサーボモータ、位置を検出するリニアエンコーダ、可動部の案内機構である直線軸受で構成され、モータを制御するサーボドライバによって指令通りの動作をします。

一般的にリニアステージは、固定子にマグネットユニット、可動子にコイルユニットを配置します。
コイルに電流を流すことで地場が発生し、電磁誘導の法則によりマグネットユニットに沿ってコイルユニットに推進力が生じて、可動子がストロークします。
また、リニアステージには、位置を検出するリニアエンコーダが必要となり、高分解能エンコーダによる精密位置検出とサーボドライバによるフルクローズ制御を用いることで、高い精度と速度安定性を実現します。

リニアステージの高精度化には、各構成要素の設置条件や性能が重要となります。
リニアガイドなどと呼ばれる直線軸受の走り精度や設置面の精度が、リニアステージの直進性に大きく影響します。
リニアエンコーダの設置位置はアッベの原理を考慮して、ワークポイントに近い位置に設置することが望まれます。
また、リニアサーボモータは自身が発熱源となります。ダイレクトドライブ機構であるが故にワークやリニアエンコーダへ熱が伝達しやすく、熱膨張によって精度が変化してしまうことがあります。
よって、放熱性能の向上や冷却機構を追加するなどの対策が肝要です。

【リニアステージの構成要素】

本記事はリニアステージを製造・販売するCKD日機電装株式会社様に監修を頂きました。

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