瞬間流量計とは
瞬間流量計とは、瞬間的に流体が配管内を流れる量を表示する計器です。
主に現場で値を指示する計器を指します。
瞬間流量計の使用用途
瞬間流量計は主に産業において、生産現場で用いられます。具体的な使用用途は、以下の通りです。
電気接点付きの流量計を選定した場合は、配管内に流れる流体流量の上下限警報を発報することも可能です。
瞬間流量計の原理
瞬間流量計には、ピトー管式流量計や浮子式流量計などが用いられる場合が多いです。
1. ピトー管式流量計
ピトー管式流量計は、差圧型流量計の一種です。流体の流れ面に対して平行に、ピトー管と言う円筒型の管を差し込んで測定します。ピトー管は流体の流れ面とその対面に測定孔が開いており、両孔の差圧を測定して流量へ変換します。
ピトー管式流量計の利点は、圧力損失が少なく精度も高いことです。また、大口径配管の流量測定にも適しています。ただし、測定孔のつまりなどが発生する場合があるため、定期的な清掃が必要です。また、固体が混じった流体に対しては不向きです。
2. 浮子式流量計
浮子式流量計は、目盛付きガラス管に浮子を内封した流量計です。流体がガラス管に流れると浮子が浮くことで流量を指示します。構造が簡単で安価な反面、圧力損失が高く大口径配管には不向きです。したがって、比較的小規模な系統に用いられます。
瞬間流量計の種類
瞬間流量計は、ピトー管式や浮子式の他にもさまざまな種類の製品が販売されています。以下は瞬間流量計に採用される流量計の一例です。
1. 容積式流量計
容積式流量計は流体流路に歯車が設置された流量計です。流体が流路を流れる際に歯車を動かすことで流量を指示します。精度が高い反面、圧力損失が大きいというデメリットがあります。また、歯車が固着した場合に流体が流れなくなります。
その特性上、ガスメーターや燃料油用メータなどの取引用メータとして使用される場合が多いです。積算流量測定と瞬間流量測定のどちらも可能ですが、積算流量の測定に多く使用されます。
2. 電磁流量計
流体が流れる際に流体が持つ電子による起電力を測定することで流量へ変換出力する流量計です。測定用の電子機器が掲載されているため、電源が必要です。ただし、製品によっては電池が内蔵されている場合があります。
圧力損失がほとんどなく、流体の流れを妨げません。ただし、測定原理から非導電性流体の流量を測定することができません。積算流量測定と瞬間流量測定のどちらも可能な流量計です。
3. 超音波流量計
超音波流量計は配管の外から超音波を発生させて流体を隔てて受信機で受信し、周波数変化や到達時間変化を測定して流量へ換算します。その測定原理から、超音波発生用の電源が必要です。
圧力損失なく測定が可能な反面、流体内部に気泡が混じると測定できなくなります。積算流量測定と瞬時流量測定のどちらも可能ですが、瞬時流量測定に多く使用されます。
瞬間流量計のその他情報
1. 流量と流量計の関係
流量とは、単位時間に流れる流体の体積または質量のことです。その流量を測定する測定器を流量計と呼びます。流量計には瞬間流量計と積算流量計があり、管理方法に応じて使い分けられます。
2. 瞬間流量と積算流量の違い
流量には、瞬間流量と積算流量があります。
瞬間流量管理
瞬間流量管理は、単位時間内に配管内を通過する流体の容積または質量を計測するために用いられます。瞬間流量は、その測定をある一定時間あたりの値で表示されます。一定時間あたりに流れる量をさすため、例えば1分間に10L流れるときの瞬時流量は10L / minとなります。
積算流量
積算流量は、配管内を通過する流体の容積または質量を計測するために用いられ、計測開始から終了までに流れた累積値を言います。計測開始から終了までの累積値で測定され、一定期間で流れた流量をさすため、10Lなど体積で表す場合がほとんどです。