超音波流量計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、超音波流量計のメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。超音波流量計関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:横河電機株式会社、2位:株式会社ソニック、3位:島津システムソリューションズ株式会社となっています。
超音波流量計と関連するカテゴリ
超音波流量計は流量計の一つであり、超音波による音響振動を利用するため非接触で測定が可能です。超音波流量計にはドップラー式、トランジットタイム(時間差)式の2つの方式があります。
超音波流量計は管内に障害物がないため圧力損失ゼロ、シンプルな構造で故障しにくい、測定可能な範囲が広い、流体の密度や粘度の影響を受けない、高精度などの特徴があります。
また超音波流量計はクランプオンデバイスであり、配管外側に取り付けることでセンサを腐食させることなく腐食流体も測定することができます。
超音波流量計は水処理施設や工場での流体の流量の管理に用います。伝播時間差方式は原理上、固体や泡が混じっていない清浄な流体でなければセンサが超音波を受信できないので純度が高い流体の測定、例えば半導体工場での薬品の流量管理などに使用されます。
一方ドップラー式は流体中の固体物質や泡に超音波を反射させて、反射による周波数のシフトを解析することで流量を測定しているため、懸濁した流体である汚泥や排水に使用されます。
超音波流量計の方式であるドップラー式とトランジットタイム式 (時間差式)の原理を紹介します。
ドップラー効果を用いた手法がドップラー式の流量計です。ドップラー効果とは、音の発生源が観測者に対して近づいたり遠ざかったりしたときに見かけ上の音波の波長が変わる現象です。本手法では変換器を用いて配管の内部を流れる流体に超音波を照射します。この超音波が流体中の粒や気泡に反射すると、超音波の波長(周波数)のずれが起こり、波長の変化した超音波を2台目の機器が受信します。この波の周波数変化は流速に対して直線関係となります。ドップラー式の超音波流量計はこの原理を利用して体積流量の測定を行っています。
トランジットタイム式はある変換器が送信した超音波信号が配管を通って別の変換器が信号を検出するまでの時間を測ります。流れの上流方向と下流方向の2つの方向から測定を行い、それらの測定値の差から配管を通過した流体の量を計算します。
超音波流量計は、音響振動を使用して流体の流速を測定したのちに、流量へ変換します。測定対象は気体、液体、固体全てになります。
また、構造はシンプルで機械的可動部はなく、圧力損失がほぼないのが特徴です。
気体並びに液体を測定する場合は、系内の流速分布の影響を受けますので、流量計の上流側は整流としておく必要があります。
液体の系を測定する場合は、気泡に気をつけなければなりません。
流速が早くなると、測定機器の上流や系内でキャビテーションが発生しやすくなり、液体中に気泡が発生・混入へつながります。
超音波流量計を使用している中で、気泡が混入すると、センサーの送受信ができずに流量計測が行われなくなります。
この気泡対策としては、機器の上流側に気液分離槽を設置することで対応可能ですが、既設の設備では改造が必要になります。
そこで、昨今の技術進歩により、気泡通過時にキャンセル機能が付いた超音波流量計が開発されています。
配管内の流体の流量を測定するには、多くの場合、配管内に検出端を設置する必要があります。新設の設備であれば、設計段階で流量計の設置位置を決め、仕様も確定できます。一方で、既設の場合、配管改造が必要となり、装置停止時の対応となる場合が多いです。
差圧式流量計やタービン式流量計を既設の設備に設置しようとする際には、配管の切断などの工事を行う必要があります。一方、超音波流量計の中でもクランプオン式の場合は、配管工事が必要ないため、容易に設置することができます。
クランプオン式は、配管の外側に2機1組の検出器をセンサーを設置し、変換器と組み合わせて、流量を測定します。配管内に検出端などの突起物を設置することがないので、圧力損失をなくすことができます。
また、配管の外からの測定になるので、万一、配管内部が強酸など腐食環境となる場合でも計測機器が故障することなく、測定することができます。
参考文献
https://www.tokyokeiso.co.jp/techinfo/magazine/pdf/flow4.pdf
https://www.jp.omega.com/technical-learning/dif-between-doppler-transit-time-ultrasonic-flow-meters.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/technique/ultrasonic.jsp
https://www.tokyokeiso.co.jp/products/download/tg/UL350_TG-F1083.pdf
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超音波流量計のカタログ一覧はこちら企業
関西オートメイション株式会社 エンドレスハウザージャパン株式会社 株式会社クローネ グリッドリンク株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 横河電機株式会社 |
26.8%
|
2 | 株式会社ソニック |
19.1%
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3 | 島津システムソリューションズ株式会社 |
16.0%
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4 | 富士電機株式会社 |
15.3%
|
5 | ハイテック株式会社 |
13.2%
|
6 | 株式会社ソーキ |
9.6%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月の超音波流量計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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企業
関西オートメイション株式会社 エンドレスハウザージャパン株式会社 株式会社クローネ グリッドリンク株式会社横河電機株式会社のUS350FM 超音波流量計 (大・中口径用)は口径50〜6500mmという超大口径にまで対応している流量計です。
一般的な配管で非常に太いのでも500mm程度なので、6500mmは非常に太い配管と言えます。
しかし、配管の外に検出器を取り付けるタイプなので非常に簡単に取り付けることができます。
また、独自の技術により配管内の気泡は除去した形で流量測定ができるので、非常に高精度な流量計となっています。
株式会社ソニックの超音波液体流量計(LF-2000)は水や海水などの液体の流量測定に最適な超音波流量計です。
特徴的なのが濁度の高い液体も測定することができ、10000ppm以下であれば測定できます。
また配管も50mm〜6000mmと小口径から大口径までを測定することができるので幅広い用途で使用できます。
注意点として配管の中に気泡などがあるとうまく測定できないので、取り付け位置に注意が必要です。遠くに門型配管の上部などは注意が必要です。
島津システムソリューションズ株式会社の超音波流量計 US182Fシリーズは気泡を含まない液体を測定できる超音波流量計です。
IP66の防水性を備えているので屋外でも安心して使用することができます。
ただし、多くの流量計でも同じですが上流側に10D、下流側に5D以上の直管部が必要です。これはオリフィス流量計などでも同じなので覚えておくことがおすすめです。
また、高温型を選べば115℃の高温流体でも測定できます。プロセスで温水などを扱っている場合でも問題なく測定できます。
富士電機株式会社の蒸気用超音波流量計は飽和蒸気流量を測定できる流量計です。
さらに便利なのがクランプオン式なので、わざわざ配管に切り込みなどを入れる必要がありません。そのため、設備や配管が稼働中でも取り付けることができ、メンテナンスも容易なので非常に使いやすい流量計です。
また、クランプオンであるので圧力損失も0であるので、下流の危機に影響も及ぼしません。
さらに飽和蒸気の圧力や温度を測定し密度補正を行うこともできる高性能の流量計です。
ハイテック株式会社のSL1168シリーズは工事費を大幅に削減できる流量計です。
配管の外側に取り付けるタイプなので、純水のようにできるだけコンタミさせたくない流体や、腐食性の流体でも簡単に測定することができます。
また、ポータブル対応のSL1168Pではポータブルでありながらモニターやキーパッド搭載し、最大16時間の稼働が可能なポータブルタイプです。
また、アナログ出力にも対応しているので、流体制御にも使用できます。