オイルフリーコンプレッサ

オイルフリーコンプレッサとは

オイルフリーコンプレッサとは、圧縮工程で潤滑油を使用せずに空気を圧縮する構造を持つ圧縮製品です。

内部に油を必要としないため、吐出される圧縮空気に油分が混入しない点が特徴です。クリーンな圧縮空気が求められる食品工場や医療設備などに広く導入されています。圧縮方式はスクリュー式やスクロール式・ピストン式などがあり、用途に応じて選択できます。

オイルフリー構造は、圧縮室周辺の部品に特殊コーティングや高耐久材料を用いることで潤滑油なしでも摩耗を抑えられるよう設計されています。オイル式と比較するとメンテナンス時に油交換が不要で、運用時の油管理や油ミスト対策にかかるコストを削減できます。また、油分の混入リスクを避けられることで、製品の品質に直結する生産工程の安定性の向上にもつながります。

オイルフリーコンプレッサの使用用途

オイルフリーコンプレッサは、主に以下のような用途で使用されています。

1. 食品・飲料製造工程でのエア供給

食品の加工や充填ラインでは、製品に油分が触れると品質に影響するため、油分を含まない圧縮空気が求められます。包装機器のエア駆動・エアブロー工程・搬送設備の動力源としてオイルフリーコンプレッサが利用され、安全性と衛生管理の向上に貢献します。

2. 医療・製薬分野でのクリーンエア供給

医療機器・滅菌設備・製薬工程などでは、高い清浄度と安定した圧力の圧縮空気が必要です。油分が混入しない空気を供給できるため、検査装置や調剤の工程で安心して利用できます。クリーンルームの空調の補助にも使用されます。

3. 電子部品・半導体製造での乾燥・駆動用途

半導体や精密な電子部品の製造工程では、微細な汚染も不良につながるため、オイルフリーの圧縮空気が必須です。基板のエアブロー・組立装置の駆動・洗浄後の乾燥などに使用され、異物が混入するリスクの低減に役立ちます。

4. 塗装・印刷工程での高品質なエアの供給

塗装設備や印刷機では、油分を含む空気が製品の表面の仕上がりに影響するため、油分ゼロの圧縮空気が求められます。表面仕上げの品質の向上やムラ防止につながるため、工業塗装・グラビア印刷などで導入が進んでいます。

5. 研究施設・分析機器での安定したエア源

分析装置・実験設備・精密測定機器では、安定した圧力と高純度の空気が必要です。油分が混入しないため装置の汚染を防ぎ、機器の繰り返し精度や信頼性の向上に寄与します。