空気流量計とは
空気流量計 (英: air flowmeter) とは、配管等の内部を流れる空気の量を測定する流量計です。
流量計の測定原理はさまざまで、測定対象も色々な気体や液体に対応しています。流量計は多くの製品が存在し、流量を測るセンサ部のみで電気出力するものや、表示部も備えたものなど、出力方式は製品によって大きく異なります。
測定原理の違いにより、被測定の流体と接触しない非接触型のものも多いです。
空気流量計の使用用途
空気流量計は、化学製品や石油プラント、自動車、半導体、電子部品、医薬品、食品、樹脂加工、溶接加工などの流体を使用する製造において幅広く使用されています。
製品によって、使用可能な流体が異なります。空気の測定が可能な流量計は、空気のみの測定が可能ではなく、窒素やアルゴンなど、そのほかの気体も測定が可能な製品が多いです。
管内に設置する流量計は、流れを乱す可能性があります。その影響がどの程度なのかを検討して選定することが大切です。
空気流量計の原理
空気流量計は、気体を測定する流量計の1種で、その計測原理は様々なものがあります。気体の流量が測定できる例は、超音波式、差圧式、熱式、カルマン渦式などです。
1. 超音波式流量計
超音波が物質を透過して伝播する特性を利用した流量計です。管内の気体を斜めに横切って超音波を受信し、2つの超音波の伝搬時間の差を流量に換算します。
超音波式流量計の利点は、圧力損失がない点や配管の外側から検出できるタイプなどがあることです。
2. 差圧式流量計
差圧式流量計の原理は、ベルヌーイの定理を利用する方式です。流体が流れている流路にオリフィスと呼ばれる絞りを設置し、絞りの前後の圧力差を検出して流量を測定します。
圧力差はダイヤフラムなどを利用して検出します。利点は、安価な点などです。デメリットは、流量計の上下流に長い直管部が必要なことや、最大最小流量比が小さいことなどです。
3. 熱式流量計
熱式流量計は、流体が発熱体から奪う熱量を検出して流量を測定する方式です。動く部品がないため、メンテナンスが不要で、微小な流量まで測定可能です。また、数百度の高温から-100℃以下の超低温まで測定なタイプもあります。直接気体の質量流量の測定が可能です。
4. カルマン渦式流量計
流体が物体を通過すると、規則正しい渦が発生します。カルマン渦列と呼ばれ、カルマン渦式流速計は、この渦の個数を圧電素子などで検出し流量を測定する方式です。振動や音響ノイズの影響を受けやすく、取り付けには直管部が必要です。
5. 面積式流量計
面積式流量計は、垂直のテーパー管内のフロートにより下から上への流れがさえぎられることで、フロートの前後で圧力差が生じます。フロートの重量と圧力差による力が均衡した位置で静止し、その位置を読み取ることで流量の測定が可能です。
構造が簡単なので低価格であり、直管部や電源が不要なことがメリットです。一方、脈動がある場合は誤差が大きいことや、浮き子の汚れや摩耗の問題などのデメリットもあります。
6. コリオリ式流量計
コリオリ式流量計は、2本のU字管と振動機、力センサで構成されます。流体が流れている振動する2本のU字管に、お互いに反対の方向に力、即ちコリオリの力が発生する原理を利用した流量計です。
測定原理から全長が長くなる欠点はありますが、質量流量を直接測定することができます。高精度かつ応答性も高いです。
空気流量計の選び方
流量計には多くの種類があり、測定対象、測定の目的、価格などを明確にして選定します。
1. 測定対象
測定する空気の密度、粘度、導電率、混入物、腐食性、流量の最大・最小、脈動、温度、圧力、許容圧損などを考慮します。
2. 測定の目的
測定した結果の利用目的を明確にすれば、測定精度も明確になり、適切な流量計のタイプが選定できます。例えば、流量の監視や警報が目的なら、高い精度は必要ありません。
また、質量流量は体積流量から換算して求めることが多いですが、精度を求める場合は、直接質量流量が計測できる流量計が必要です。具体的には、熱式やコリオリ式流量計が適しています。