希土類磁石

希土類磁石とは

希土類磁石

希土類磁石とは希土類の元素を主成分とした永久磁石の事です。希土類は希(まれ)な土類という意味で、英語ではRARE EARTH(レア・アース)と呼ばれており、こちらの呼称の方がよく知られているかもしれません。希土類磁石の種類はいくつかありますが、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石(サマコバ磁石とも呼ばれます)、プラセオジム磁石、サマリウム磁石などが知られています。希土類磁石はフェライト磁石と比較して磁気特性がはるかに優れていることが特徴です。

希土類磁石の使用用途

希土類磁石は小さなサイズで大きな磁力を得ることができるため、多くの分野で利用されています。具体的には小型の磁気センサー、小型リレー、小型スピーカー、モーターのマグネット、ローター部分、時計内のローター磁石などで使用されています。特にモーターに代表される動力源が希土類磁石により小型化されることにより、モーターを使用する製品(ロボットアームなど)の小型化も進みました。製品の小型化と、高性能化が求められている分野では希土類磁石の利用はさらに進んでいくとみられます。

希土類磁石の特徴

希土類磁石の特徴はその磁力の強さにあります。フェライト磁石やアルニコ磁石と比較するとはるかに磁気特性が優れており、磁力はフェライト磁石の6倍以上もの強さを有します。希土類磁石は含まれる希土類元素の種類によって特性は異なります。個別の特徴について説明します。

  • ネオジム磁石
    希土類磁石の中で最も強い磁力を持つ磁石です。ネオジムと鉄が主原料で、ネオジムの原料も比較的豊富にあることから希土類磁石の中では比較的にコストが安価です。さびやすい材料であるため、通常はめっきやコーティングを施しています。
  • サマリウムコバルト磁石
    ネオジム磁石と比較すると、温度による磁力の変化(低下)が1/4程度であることが特徴です。温度変化による安定性や、高温での使用に対して適しています。さびにくい材料であるため、通常の使用においてはめっきやコーティングは不要です。脆い材料であるため、使い方や取り扱いには注意が必要です。
  • プラセオジム磁石
    プラセオジム磁石は、異方性の希土類磁石です。 機械的強度が大きいのが特徴で、引っ張り強度はネオジム磁石の3倍以上を有します。割れ・欠け等はありません。機械加工も比較的容易にでき、穴あけやねじ切りなどが可能です。

参考文献
https://www.sanshin-kk.co.jp/service/magnet_feature.htm
https://staff.aist.go.jp/a.ohta/japanese/study/REE_ex_bs.htm
https://www.neomag.jp/products_navi/smco/smco_introduction.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です