リニア電源

リニア電源とは

リニア電源は、商用の交流電源から直流電源に変換し、回路を安定化して電圧変動を少なくするためにリニア電源かスイッチング電源の安定化電源を使用しています。

リニア電源は真空管が使用されてきた時代からある方式です。回路に可変抵抗か三端子ICを組み込んで入力から電力を連続的に制御して、出力電圧を調整します。アナログ制御で動作します。

出力電圧の精度は良いですが、装置が大型で重く、内部での電力損失が大きいため効率が悪く、可変抵抗での発熱が多くなってしまう特徴があります。

リニア電源の使用用途

最近は軽量で小型なスイッチング電源が使用されることが多いですが、リニア電源は小出力の電源で、ノイズを抑えたい場合に利用されることが多いです。

大型になりますが、ノイズが少ないので、計測器、医療機器や高級オーディオに使用されています。また、コードレス電話機やデスクトップパソコンのスピーカ、電動工具、などにも用いられています。特に三端子ICを使用したリニア電源は比較的小型で使い勝手が良いので良く利用されました。

リニア電源の原理

リニア電源は回路の構成がシンプルでノイズが少ない電源です。商用の交流電源を取り出して、可変抵抗を直列にして余分な電圧を除去して直流電源とします。除去した電圧は抵抗で熱エネルギーとなりますので発熱量が増えます。そのため、レギュレータの部分にはヒートシンクが必要です。

回路には抵抗器を使用するだけなので単純な構造ですが、熱のコントロールができません。

シリーズレギュレータとシャントレギュレータがありますが、一般的にはシリーズレギュレータが使用されており、シャントレギュレータが使用される用途は限られています。ツェナーダイオードや三端子ICが使用されます。

使用用途によってリニア電源による発熱に耐えるか検討する必要があります。また、リニア電源のノイズはスイッチング電源よりも小さく抑えることができ音質を高めることができるので、オーディオ機器にこだわる場合には、自分の求める音質を実現するためにリニア電源を自作することもあります。

ノイズカットトランスのアース

電気回路のグランドとグランドの間で、電位の異なる場所やグランドが接地不可の箇所でもノイズを防止する施策はあります。そんな時でも先ずは、ノイズカットトランスを設置してみてください。それでも効果がないような時は、一つ目が、ノイズカットトランスの設置している場所を、グランドと出来る限り広い面積で接触させるようにすることです。二つ目は、入力ケーブルと出力ケーブルをノイズが遮蔽できるシールド線にして、このシールド線とノイズカットトランスのケースを広い面積で取り付けることです。以上の操作でノイズ除去効果の向上が期待できます。

ノイズカットトランスの構造

ノイズカットトランスの構造について説明します。その前に、ノイズをカットしたい時、概ね行う対策は、ノイズの発生源を絶縁することです。絶縁することで、ノイズの影響は、ほぼ受けなくなります。そこで実際に行われる絶縁対策ですが、回路上では、殆どの場合は、フォトカプラを使用します。そして、もう一つのフォトカプラを使わない場合の対応方法が、絶縁トランスです。コストやスペースの問題からすれば、圧倒的に基板上のフォトカプラで対応した方が望ましいですが、基板が使用出来ない場合は絶縁トランスを使用します。

しかし、絶縁トランスも万能ではなく、1次側巻線から来たノイズの影響を、2次側巻線も受けてしまいます。そこで、登場したのがノイズカットトランスです。このトランスは、ただの絶縁トランスではなく、障害波遮断変圧器です。ここでは、その原理や動作などの詳細は省略しますが、その構造を紹介します。

ノイズカットトランスの構造的な特長は、従来からある絶縁トランその構造に加えて、コイルトランスの外周に、多重の包覆電磁遮蔽版を設けています。ここが最大の特長になります。さらに、コイル配置や磁心材質と形状を高周波ノイズの磁束がコイル相互に鎖交しないように作られており、分布する静電容量結合と電磁誘導によるノイズの伝達を防止しているノイズ遮断に対して非常に優れたトランスです。

参考文献
https://www.jp.tdk.com/tech-mag/power/002
https://www.cqpub.co.jp/term/linearpowersupply.htm
https://www.matsusada.co.jp/column/column-dc-power.html
http://www.totora.co.jp/other/noise_cut_earth.pdf
http://www.sanwa-denki.com/kaisha/denken/shiryou01.pdf

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