反毛綿

反毛綿とは

反毛綿とは、使用済みの繊維製品や生地を再利用し、再び綿状に加工した再生繊維素材です。

主に、綿・ポリエステル・ウールなどの繊維くずを細かく裁断し、ほぐして綿のような状態に戻したものを指します。製造過程では、反毛機という専用装置で繊維を分離・開繊し、新しい糸や不織布の原料として再び利用できるようにします。新たな綿よりも品質はやや落ちますが、クリーニングやムダな工数の低減により、高品質な綿に再生可能です。

資源循環型社会の実現に向けたリサイクル素材として注目されており、衣料品・寝具・自動車の内装材など、さまざまな分野で活用されています。新たな綿に比べてコストを抑えられる点や、廃棄物の削減による環境負荷の低減に寄与できる点が特長です。

反毛綿の使用用途

反毛綿は、以下の製品の素材として利用されています。

1. 寝具・クッション材

反毛綿は、布団・枕・クッションなどの中綿として利用されています。再生繊維でありながら、綿が持つ弾力性と保温性を兼ね備えているため寝心地を損ないません。また繊維の混合比率を調整することで、柔らかさや通気性を自由にコントロールできる点も特徴です。環境負荷の少ない素材として、ホテルや介護施設などの事業用にも採用されています。

2. 自動車の内装材・防音材

自動車業界では、内装部品のクッション層や防音材として反毛綿が活用されています。反毛綿は吸音性と断熱性に優れているため、静音性や保温性が向上します。これにより、環境に配慮した素材を使用しながら車内の環境を改善できます。

3. 産業用資材・清掃用品

反毛綿は、工業用の雑巾 (ウエス) や清掃用具として使用されています。古布や繊維くずを再利用することで産業廃棄物の削減が可能です。特にウエスは、機械の油拭きや塗装工程の清掃に適しており、多くの工場で利用されています。また工場の断熱材や吸音ボードの原料としても再利用されるなど、環境負荷を抑えながら実務に活用できます。

紡糸機

紡糸機とは

紡糸機とは、化学繊維の原料を細い糸状にする機械です。

ポリエステルやナイロンといった化学繊維は、石油などを原料とするポリマーから製造します。紡糸機は、この高分子のチップを溶かした液状原料を繊維に加工する装置です。代表的な方式は溶融紡糸式であり、熱で溶かした原料を小さな穴が開いた口金から高圧で押し出す仕組みです。

紡糸機で口金から押し出された直後の糸は、分子の並びがバラバラで強度が不足しています。そのため紡糸機では、延伸工程を組み込んで、糸を熱しながら引き伸ばす場合があります。糸を引き伸ばすことで分子の並びが整い、実用的な強度を持つ化学繊維が完成します。このように紡糸機は、原料から糸を作り出して巻き取るまでの工程を有する、繊維産業に不可欠な装置です。

紡糸機の使用用途

紡糸機は以下のような用途で使用されます。

1. 衣料品・生活用品

最も身近な用途は衣服です。ポリエステルはシワになりにくく乾きやすいため、ワイシャツやスポーツウェアに多用されます。ナイロンは摩擦に強く丈夫なため、アウターや靴下などに使用する例が多く見られます。目的に応じた繊維を製造することで、生活のあらゆる場面で活用されています。

2. 産業資材・工業

自動車業界では、タイヤの形状を保つ骨格材であるタイヤコードや、乗員を守るエアバッグに高強度のポリエステルやナイロンが使用されます。土木・建築分野では、化学繊維が軽量で錆びない特性を活かし、ロープや防護ネットのような建材として利用します。さらに炭素繊維やアラミド繊維といった高性能な繊維は、航空機の機体やテニスラケットなどの素材として不可欠です。

3. 医療

医療現場では、手術後に体内で分解・吸収される糸や、逆に体内に残り続ける丈夫な人工血管を高分子材料から紡糸して作ります。また使い捨てマスクやおむつなどに使われる不織布も、紡糸技術を応用して大量生産されています。人工腎臓治療に使われる中空糸膜も、高度な紡糸機の応用例です。

制御盤設計

制御盤設計とは

制御盤設計とは、工場の設備に必要な制御盤の設計を代行するサービスです。

制御盤は、工業・商業に使用する設備を正しく安全に動作させるための制御設備です。PLCと呼ばれる制御装置や、電気を安全に供給・遮断するための機器、操作用のスイッチなどが内部に収められます。制御盤設計は、実現したい機械の動きや必要な機能に基づき、製作に必要な一連の図面を作成する業務を指します。

制御盤の設計には、電気工学の専門知識だけでなく、各種の安全規格や法律に関する知識も求められます。また効率的でメンテナンスしやすい配置を考える経験も必要です。専門家が設計を担当することで設計にかかる時間を短縮できます。将来的な改造・メンテナンスのしやすさが考慮された信頼性の高い制御盤を設計できます。

制御盤設計の用途

制御盤設計のサービスは以下のような用途で活用されます。

1. 製造業

製造業におけるFA分野は、制御盤の最も代表的な用途です。自動車や半導体など、あらゆる工場の生産ラインで使用します。製品を組み立てる産業用ロボットや画像認識装置などを、あらかじめ定められた順序通りに動かすために制御盤が不可欠です。設計サービスにより、生産効率の向上と作業者の安全確保を両立させるための複雑な制御システムを設計します。

2. エンターテインメント

テーマパークの大型アトラクションや劇場の舞台装置などでも活用されます。エンタメの分野では、乗客や演者の安全を最優先で確保する必要があります。そのため工場の機械とは異なる、非常に高度な安全基準に基づいた設計が求められます。異常時にも安全に停止させる機能や、照明・音響などと正確に連動させる特殊な制御を設計します。

3. 社会インフラ

社会インフラ設備では、制御盤設計サービスが重要な役割を担っています。上下水道処理場やごみ焼却施設などが代表例です。これらの施設は、24時間365日にわたって安定的に稼働し続ける必要があります。制御盤設計サービスは、長期的な安定稼働と遠隔地からの監視・操作を可能にするシステムの構築を支援します。

不織布

不織布とは

不織布とは、織ったり編んだりせずに繊維を結合させたシート状の布素材です。

一般的な布地である織物は、タテ糸とヨコ糸を交互に織ることで製造します。一方、不織布は織らない布であり、繊維そのものを直接シート状に形成する点が特徴です。ポリエステルのような化学繊維やコットンなどの天然繊維同士を様々な方法で結合させます。

主な結合方法として、熱で繊維を溶かして接着するサーマルボンド法や、針を刺して物理的に絡ませるニードルパンチ法などがあります。化学的な接着剤を用いるケミカルボンド法や、高圧水流で繊維を絡ませるスパンレース法も採用されます。製造方法の選択によって、通気性・吸水性・柔軟性といった機能を意図的に付与できます。織物や編み物と比較して大量生産に適しており、コスト効率が良い点も産業用途で重視されます。

不織布の使用用途

不織布は以下のような用途で使用されます。

1. 医療・衛生

不織布は衛生面での利点から、医療・衛生用品に不可欠な素材です。使い捨てのサージカルマスクや医療用ガウンに活用します。またキャップや手術用のシーツなどにも採用されます。おしりふきや除菌シートといった衛生・産業用資材の基材としても重要な役割を担います。

2. 産業・工業

産業分野では、流体から特定の粒子を分離するためのフィルターが代表的な用途です。エアフィルターや水処理フィルターとして活用されます。自動車産業においては、内装材・防音材・吸音材・エンジンルームの断熱材など、目に見えない部分で多く採用されます。加工分野では研磨剤として利用されます。

3. 土木・建築・農業

不織布はジオテキスタイルとして知られ、地盤の安定や排水のために用いられます。例えば、道路や堤防の補強材・遮水シートの保護材として活用します。建築用途では、住宅の屋根や壁に使用される防水シートとして利用されます。農業分野では、保温性や通気性を活かした防草シートや、霜や害虫から作物を守るベタがけシートとして活躍します。

難燃防炎作業着

難燃防炎作業着とは

難燃防炎作業着とは、炎を防ぐ機能を持つ難燃性の作業服です。

主に、製鉄・溶接・電気工事・化学プラントなど、火災や高熱のリスクがある作業環境で使用されます。難燃性・防炎性の基準はJISやISOなどの規格で基準が定められているため、製品を購入する際は用途に適した性能を有しているかを確認することが重要です。防炎製品は、消防法で定められた防炎性能の基準に合格する必要があります。

一般的な作業着との最大の違いは、生地が燃えにくい素材で構成されている点です。アラミド繊維やモダアクリル繊維などの難燃性繊維を使用するタイプと、綿やポリエステルなどの一般繊維に難燃処理を施したタイプがあり、用途やコストに応じて選択されます。

難燃防炎作業着の使用用途

難燃防炎作業着は、以下のような現場で使用されています。

1. 溶接・製鉄・金属加工現場

難燃防炎作業着は、高温金属や火花が飛散する溶接・製鉄・鋳造などの現場で欠かせません。難燃防炎作業着を着ることで、炎症ややけどのリスクを大幅に低減できます。例えば、アラミド繊維を使用した製品は自己消火性を持ち、火源が離れると燃焼が止まります。耐熱性と強度のバランスに優れ、火花やスラグの付着にも耐えるため、過酷な環境下での長期使用が可能です。

2. 電気工事現場

送電・配電業務では、アーク放電などの高エネルギー現象が発生する危険性があります。難燃防炎作業着は、これらの突発的な熱や光に対しても防護性能を発揮します。特に電気を扱う現場では、帯電防止機能を併せ持つタイプが有効です。静電気による引火を防ぎ、作業時の安全性を向上します。

3. 化学・石油・ガス関連施設

化学プラントや石油精製所は、可燃性ガスや溶剤の取り扱いがあるため、火災や爆発のリスクが高い環境です。難燃防炎作業着は、炎の拡散を防ぎつつ、二次災害を防止するのに有効です。難燃防炎作業着の中には、耐薬品性や引張強度などの防炎以外の性能を持つ製品もあり、現場の環境に応じて選定できます。

ニードルパンチ不織布

ニードルパンチ不織布とは

ニードルパンチ不織布とは、繊維を多数の針 (ニードル) で突き刺して絡み合わせることで製造される不織布です。

原料には、ポリエステル (PET) ・ポリプロピレン (PP) ・ナイロン (PA) などが用いられ、繊維同士を機械的に絡ませることで高い強度と耐久性を実現しています。接着剤や熱溶着を用いずに製造できるため、環境への負荷が少なく、厚みや密度を自在に調整できるのが特徴です。

滑らかさやしなやかさがありながらも、耐摩擦性や耐久性に優れていることから、自動車・建築・土木などの幅広い分野で広く使用されています。また通気性や柔軟性に優れているため、インテリアや生活用品などの生活に密接する分野でも利用が進んでいます。

ニードルパンチ不織布の使用用途

ニードルパンチ不織布は、自動車・建築・日用品などの幅広い分野で活用されています。

1. 自動車分野

ニードルパンチ不織布は、自動車の内装材として使用されています。繊維構造による優れた吸音性能と断熱性能により、車内の快適性を高める効果があります。また耐摩耗性にも優れているため、長期間の使用でも形状が大きく崩れません。例えば、フロアカーペット・トランクライナー・ルーフ材・シート裏地の材料として使用されています。熱プレスや樹脂との複合加工が容易なため、成形性の高い部材として自動車メーカーで採用が進んでいます。

2. 建築・土木分野

建築分野では、断熱材の表面層や防湿シートの補強層として使用されています。機械的な強度が高く、変形に強いことから、長期にわたり構造体の安定性を維持できる点が特徴です。土木の現場では、防水シートや地盤安定材として利用できます。透水性や伸張性を活かし、港湾や河川などの工事で活用されています。

3. 雑貨・日用品分野

ニードルパンチ不織布は、雑貨や日用品の分野でも広く利用されています。例えば、カーペットの裏地・マットの滑り止め材・クッション材・バッグや靴の芯材などに用いられています。柔軟性と弾力性を兼ね備えているため、使い心地がよく耐久性の高い製品の作成が可能です。また通気性が高く湿気をこもらせない性質を活かし、収納用品や寝具の内部素材としても採用されています。リサイクル繊維を利用したエコ製品が多く、環境に配慮した日用品の素材として注目されています。

スパンボンド不織布

スパンボンド不織布とは

スパンボンド不織布とは、熱可塑性樹脂を溶融し、紡糸・ウェブ形成・熱圧着の工程 (スパンボンド製法) を経て製造される不織布です。

主にポリプロピレン (PP) ・ポリエステル (PET) ・ナイロン (PA) などが原料として用いられます。繊維を機械的に絡ませるニードルパンチ方式とは異なり、スパンボンド法では繊維が連続フィラメント状で形成されるため、強度や均一性に優れるのが特徴です。

製造工程が連続的かつ単純なため、大量生産に適し、コストパフォーマンスの高い素材として知られています。さらに素材によっては、通気性・耐水性・耐薬品性があるため、産業資材や医療用品などの幅広い用途で利用されています。

スパンボンド不織布の使用用途

スパンボンド不織布は、工業・医療・農業などの幅広い分野で使用されています。

1. 工業・製造分野

スパンボンド不織布は、高い引張強度と寸法安定性を活かし、工業・製造分野で利用されています。例えば自動車分野では、内装材・天井材・シート裏地の素材として利用され、軽量化や断熱性の向上に寄与しています。また製造現場では、フィルター基材・クリーンルームの防塵カーテン・作業服などに採用されています。

ポリエステル系のスパンボンド不織布は耐熱性や耐薬品性が特に高いため、塗装ブースや機器の保護材としても有効です。さらに軽量で成形性が良いため、複合材の補強層や樹脂成形品の離型シートの材料としても活用されています。

2. 医療・衛生分野

医療や食品などの衛生管理が求められる分野でも、スパンボンド不織布は幅広く活用されています。特にポリプロピレン系の不織布は、軽量で通気性に優れながらも遮断性能を持つため、つなぎやマスクなどの衛生製品の素材として使用されます。スパンボンド法で形成されたフィラメント構造は毛羽立ちが少ないことから、クリーンルームでの使用が可能です。

またメルトブローン不織布と組み合わせてフィルター性能を高めたSMS構造 (スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド) のマスクも医療現場で広く使用されています。

3. 農業・土木分野

農業分野では、スパンボンド不織布が被覆資材として利用されます。適度な通気性と保温性を持つため、ハウスの内張やべたがけの被覆材として有効です。土木分野では、透水性と耐久性を活かし、保護材や地盤の安定シートとして使用されています。耐候性の高いポリエステル系スパンボンドを採用すれば、長期にわたって強度を維持できます。

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

サッカーJ1東京ヴェルディvsアビスパ福岡戦でメトリーCM (大型ビジョンでの15秒CM) が放映されました

ZAZA株式会社は、東京ヴェルディのオフィシャルスポンサーとして、日々チームを応援しています。

この度、2025年11月8日に味の素スタジアムにて行われたアビスパ福岡戦にてメトリーCM(大型ビジョンでの15秒CM)が放映されました。今シーズンは、全ホーム試合にてメトリーのビジョンCMが放映される予定です。

 

 

社員一同も熱い気持ちでスタジアムに足を運び、全力でチームにエールを送りました。

試合は0-0の引き分けとなりましたが、最後まで両チームがぶつかり合う迫力あるプレーに、たくさんの感動をもらいました。勝利こそつかめなかったものの、次につながる大きな一歩だったと感じています。

 

 

また味の素スタジアムにはベルディコーポレートパートナーのパネルが掲載されており、メトリーのロゴも掲載されています。

 



これからもZAZA株式会社は、東京ヴェルディの挑戦を共に歩みながら、オフィシャルスポンサーとして全力で応援してまいります。

パーティクルボード

パーティクルボードとは

パーティクルボードとは、木材の小片に接着剤を塗布し熱圧成形した木質材料の一種です。

主原料として、間伐材・製材時の端材・解体材といったリサイクル木材が用いられます。これらの木材を細かく砕いたチップに合成樹脂接着剤を塗布し、熱と圧力で板状に成形します。同じ木質ボードであるMDF (中質繊維板) が木材を繊維状にまで分解して成形するのに対し、パーティクルボードはより大きな木材チップを用いる点が異なります。

このような製法により、天然木に見られる節や木目がなく、材質が均一で寸法安定性に優れているため、切断や釘打ちなどの加工を容易に行えます。品質は、日本産業規格 (JIS A 5908) で厳格に定められており、木材資源を有効活用できるため環境負荷の低減にも貢献します。

パーティクルボードの使用用途

パーティクルボードの主な使用用途を以下に示します。

1. 建築分野

建築分野では、主に建物の下地材として広く採用されています。

床の下地材としては、コンクリートスラブの上に直接施工されるほか、支持脚と組み合わせて二重床を構成するために用いられます。また壁や天井の下地材や屋根の野地板としても利用され、断熱性や遮音性の向上に寄与します。下地材としての用途では、寸法安定性と加工性の良さが評価されており、施工効率の向上にも貢献しています。

2. 家具・什器分野

家具・什器の分野では、最も一般的な用途として芯材として利用されます。具体的には、テーブルの天板・キャビネットの扉・棚板など平面を構成する部材の芯として使われます。パーティクルボードの表面にメラミン化粧板や突板などを貼り合わせることで、意匠性と耐久性を両立させた部材が作られます。特にオフィス家具やシステムキッチンなどの量産される箱物家具において、加工性の良さと品質の安定性から不可欠な材料となっています。

3. その他工業製品・資材としての利用

特定の性能が求められる工業製品の部材として採用されています。例えば音響製品の分野では、スピーカーキャビネットの材料として利用されます。材質が均一で適度な内部損失を持つため、音の共振を抑え、クリアな音質を実現するのに適しています。また、その強度と経済性から、重量物を輸送する際の梱包材や、物流現場で使用されるパレットの材料としても活用されています。

MDF

MDFとは

MDFとは、木材繊維を樹脂で成形した中密度繊維板 (Medium Density Fiberboard) です。

MDFは、製材残渣や間伐材などから繊維を取り出し、合成樹脂接着剤とともに熱圧成形した均質な板材として製造されます。JIS A 5905に準拠した密度範囲を持ち、面内での物性ばらつきが小さい点が特徴です。微細な繊維構造により、切削やエッジ加工に適しています。高い平滑性を持つため、塗装や化粧シートの基材として有効です。また天然木材と比べて節や導管の影響が少なく、寸法安定性に優れます。

低ホルム仕様や難燃・耐湿タイプなどの規格製品も流通し、家具・建築内装・音響機器など寸法精度と表面品質が求められる用途に広く用いられます。また森林認証材の活用などの環境配慮も進んでいます。

MDFの使用用途

MDFの主な使用用途を以下に示します。

1. 建築・建材分野

建築・建材分野では、建築物の内装部材や造作工事で重要な役割を担います。室内ドア・幅木・カウンターの基材に広く採用され、均質で割れにくい特性からCNCなどによる精密加工でも安定したエッジ品質が得られます。さらに塗装下地としても優れ、塗料の吸い込みが均一なため美しい仕上がりを実現します。また化粧板やフローリングの基板にも活用され、その平滑性が品質向上に寄与します。耐湿性や難燃性を高めた製品もあり、用途に応じて選択されます。

2. 家具・什器分野

家具・什器分野では、キャビネットの扉・棚板・テーブルトップの下地・店舗什器の面材などに不可欠な材料です。薄物から厚物まで規格が豊富で、設計の自由度が高いのが特徴です。メラミンや突板などを表面にラミネートすることで、意匠性と耐久性を両立できます。ただし、ビス保持力はパーティクルボードに劣る場合があるため、下穴加工や専用ねじで信頼性を確保します。低ホルム仕様が普及しており、居住空間の空気質への配慮が求められる用途に広く対応しています。

3. 工業・特殊分野

工業・特殊分野では、緻密さと加工精度の高さを活かし、専門性の高い用途に採用されています。代表例としてスピーカーの筐体が挙げられます。不要な箱鳴りを抑制し、音響性能を高めます。また高密度MDFは、CNC切削で安定した寸法精度を維持できるため、自動車などのデザインモックアップや真空成形用の母型、治具にも用いられます。切削時の管理が容易で、接着積層後の歪みが小さい点も、高精度な加工が求められる工業用途での大きな利点です。