難燃防炎作業着とは
難燃防炎作業着とは、炎を防ぐ機能を持つ燃えにくい作業服です。
主に製鉄・溶接・電気工事・化学プラントなど、火災や高熱のリスクがある作業環境で使用されます。難燃性・防炎性は、JISやISOなどの規格で基準が定められているため、製品を購入する際には用途に適した性能を有しているかを確認することが重要です。防炎製品は、消防法で定められた防炎性能の基準に合格する必要があります。
一般的な作業着との最大の違いは、生地が燃えにくい素材で構成されている点です。アラミド繊維やモダアクリル繊維などの難燃性繊維を使用するタイプと、綿やポリエステルなどの一般繊維に難燃処理を施したタイプがあり、用途やコストに応じて選択されます。
難燃防炎作業着の使用用途
難燃防炎作業着は、以下のような現場で使用されています。
- 溶接・製鉄・金属加工現場
- 電気工事現場
- 化学・石油・ガス関連施設
1. 溶接・製鉄・金属加工現場
難燃防炎作業着は、高温金属や火花が飛散する溶接・製鉄・鋳造などの現場で欠かせません。難燃防炎作業着を着ることにより、炎症ややけどのリスクを大幅に軽減できます。
例えば、アラミド繊維を使用した製品は自己消火性を持ち、火源が離れると燃焼が止まります。耐熱性と強度のバランスに優れ、火花やスラグの付着にも耐えるため、過酷な環境下での長期使用が可能です。
2. 電気工事現場
送電・配電業務では、アーク放電などの高エネルギー現象が発生する危険性があります。難燃防炎作業着は、これらの突発的な熱や光に対しても防護性能を発揮します。
特に、電気を扱う現場では、帯電防止機能を併せ持つタイプが有効です。静電気による引火を防ぎ、作業時の安全性を向上します。
3. 化学・石油・ガス関連施設
化学プラントや石油精製所は、可燃性ガスや溶剤の取り扱いがあるため、火災や爆発のリスクが高い環境です。難燃防炎作業着は、炎の拡散を防ぎつつ、二次災害を防止するのに有効です。
難燃防炎作業着の中には、耐薬品性や引張強度などの防炎以外の性能を持つ製品もあるため、現場の環境に応じて選定できます。