鋼製束とは
鋼製束とは、床や建物の荷重を支えるために使用される金属製の支持部材の製品です。
主に床下に設置され、床組や大引きの下に配置することで、建物にかかる重さを基礎へ安全に伝える役割を果たします。従来の木製束に代わって使用されることが多く、鋼材を用いることで高い強度と寸法の安定性を確保できる点が特長です。多くの製品は高さを調整できる構造を備えており、施工時の床レベルの調整を容易に行えます。
鋼製束は、防腐や防虫の処理が不要な一方で、防錆の処理が施されているため、湿気の影響を受けにくく、経年による劣化や変形が起こりにくい点も評価されています。住宅建築だけでなく、集合住宅や各種施設の改修工事でも使用され、床の沈み込みを防ぎ、建物全体の耐久性を保つために重要な役割を担う製品です。
鋼製束の使用用途
鋼製束は、主に以下のような用途で使用されています。
1. 住宅の床下構造の支持
木造住宅の床下に設置し、大引きや根太を支える用途で使用されます。床の荷重を均等に分散させることで、たわみや沈み込みを防ぎ、安定した床構造を維持することに貢献します。
2. 集合住宅や施設の床補強
集合住宅や公共施設の改修工事において、床の補強する部材として使用されます。既存の構造に後付けで設置できるため、床下の空間を活用して補強の作業が行いやすくなる点が特長です。
3. 木製束からの置き換え
腐食や劣化が懸念される木製束の代替として使用されます。鋼製のため、木材と比べ湿気による劣化の影響を受けにくく、長期間にわたり安定した支持する性能を保つことができます。
4. リフォームや耐震の補強工事
住宅のリフォームや耐震の補強工事において、床下の支持力を高める目的で使用されます。高さを調整する機能により、既存の床レベルに合わせた施工が可能です。
5. 施工性を重視した現場の対応
現場で調整の作業がしやすく、施工の効率を高めたい場面で使用されます。作業する時間の短縮と仕上がりの安定を両立できる点が、建築現場で評価されています。