フレコンバック

フレコンバックとは

フレコンバッグ

フレコンバックとは、粉体物や廃棄物、農作物などをひとまとめにして運ぶための、大容量かつ丈夫な袋のことです。

正式名称はフレキシブルコンテナバックですが、略して「フレコン」や「トン袋」と呼ぶこともあります。

フレコンバックの寸法はさまざまで、直径1,100mm×高さ1,100mm/容量1,000L/耐荷重1,000kgのタイプが多用されています。直径500mm×高さ500mm/容量100L/耐荷重100kgほどの小型もあり、小さな備品や部品の片付けにも便利です。

フレコンバックの使用用途

フレコンバックの主な使用用途は、運搬と保管です。農林水産業や廃棄物処理業、建設土木事業、製造業など様々な業界で使用されています。具体的には、次のような物品を個別に運ぶのが大変なときに、1袋にまとめて使用されます。

  • 農林水産業
    米・大豆・芋・小麦粉・飼料・堆肥・もみ殻・剪定くずなど
  • 廃棄物処理業
    汚泥・廃棄物など
  • 建設土木事業
    土・セメント・土嚢・建設廃棄物など
  • 製造業
    製品・中間生産物・化学樹脂原料・酒粕など

上記のように、あらゆる物品を入れて運搬袋として使用するほか、運搬容器への詰め替えにも使われます。また、保管袋としても使用されますが、食品類の長期保存をする場合は、カビが発生する可能性があります。

フレコンバックの特徴

長所

フレコンバックはフォークリフトなどで運びやすいだけでなく、パレット積みや段積みが可能です。紙袋や麻袋などを人力で運ぶ作業と比べ、運搬や保管にかかる時間・作業負担を大幅に削減でき、効率アップにつながります。

また、フレコンバックは化学繊維素材を編み込んで製造されているため、軽量で扱いやすいのも長所です。使用しない時には折りたたむことができ、倉庫の場所を取らない利点もあります。

短所

フレコンバックの素材であるポリプロピレンは耐候性が低く、1カ月ほど屋外に放置すると紫外線劣化を起こし、破損の原因となるため注意が必要です。河川や工事現場など紫外線が当たる場所での使用や長期間使用する際は、UV耐候剤が配合された約1~5年ほどの耐候性を持つ製品が適しています。

また、フレコンバックは人力では運べないため、フォークリフトなどの吊り上げ装置が必要不可欠です。

フレコンバックの種類

フレコンバックは、柔らかいポリプロピレンやポリエチレン製が主流で、重量は約2kgと軽量です。非常に簡易な構造をしており、袋の形状は丸形や角形があります。

代表的な排出口の種類と主な用途を紹介します。

  • 排出口なし
    土・堆肥・廃棄物など
  • 排出口小口
    もみ殻・根菜・飼料・肥料・化学樹脂原料など
  • 排出口全開
    飼料・肥料・化学樹脂原料など
  • 内袋付き
    汚泥・粉末・アスベストなどの有害物質・水気を含むもの・湿気を嫌うものなど

フレコンバックの選び方

フレコンバックの容量はさまざまで、約500Lの小型タイプから2,000Lを超える大型タイプまで販売されており、内容物に適した製品を選んだほうが作業しやすくなります。フレコンバックに食品関係の材料を入れる場合は、食品対応の製品を選ぶことが重要です。

また、内容物にかかわらず、脱気性や防湿性を保つ必要がある場合は、アルミ内袋やラミネート内袋などの機能性を持たせたフレコンバックを選ぶことが大切です。

フレコンバックの使い方

フレコンバックの外側には吊りベルトやロープが付いており、フォークリフトやクレーンフック、バーなどで容易に吊り上げたり運搬したりできる構造です。内容物を排出する方法は、形状や種類で異なります。

吐き出し口の紐をほどくことで底部から排出するタイプや、反転ベルト付きの全開タイプなどがあります。フレコンバックに粉粒体を入れている場合は、上部から取り出しができる「吸引抜き取り式の装置」を併用すると便利です。

井戸ポンプ

井戸ポンプとは

井戸ポンプ

井戸ポンプとは、井戸から地下水を汲み上げるポンプのことです。

井戸ポンプの仕組みはストローの原理と似ており、井戸ポンプで人工的に真空に近い状態を作り、大気圧で液体が上昇する原理を利用して汲み上げます。

井戸ポンプで汲み上げた地下水は、水質によって災害時を含めた飲用水や雑用水、農業用水などに使用されます。

井戸ポンプの使用用途

井戸ポンプには手動ポンプと電動ポンプがあり、生活用水をはじめ、田畑・果樹園・茶園などの農業用水、営業用水、非常用水など用途はさまざまです。井戸ポンプで汲み上げた地下水を飲用水として利用する場合は、各都道府県および自治体の条例で決められた水質検査を定期的に実施する必要があります。

飲用水として使用しない場合でも、衛生面・安全面を確保するために、水質検査やメンテナンスを実施してください。

井戸ポンプの特徴

井戸ポンプを設置した際の長所と短所を紹介します。

長所

井戸ポンプから汲み上げられる地下水は、季節による水温の変化が少ないのが特徴です。体感的に、夏には冷たい水を使え、冬には温かい水を使えます。

また、水道水にありがちなカルキ臭がしない水を飲めるのは大きなメリットといえます。どのような用途であれ、井戸ポンプの使用により上水道代がかからない点もメリットです。

短所

井戸ポンプを設置するには、相応の費用が掛かる点がデメリットです。また、飲用水として使用する場合は、定期的に水質検査代がかかりますが、安全に利用するためには欠かせない出費です。

そのほか、井戸ポンプには定期的なメンテナスが必要になります。錆びたり異音が生じたりした場合は交換してください。

井戸ポンプの種類

井戸ポンプの汲み上げ方式には、次の3種類があります。

1. つるべ井戸

つるべ井戸とは、浅い井戸の上に「滑車・ロープ・桶」を設置し、人力で地下水を汲み上げる井戸のことです。

ロープの先端には、「つるべ」と呼ばれる桶が括られており、テコの原理で汲み上げます。日本では江戸時代中期に普及し、水道が普及した昭和30年代以降に廃れていきました。

つるべ井戸は構造が簡単で修理も容易なため、現代でも途上国の水支援に活用されています。

2. 手動井戸ポンプ

手動井戸ポンプは、つるべ井戸が進化した汲み上げ方式です。手押しハンドルを手動で上下させることにより真空に近い状態を作り、大気圧の働きを利用して汲み上げます。

手動井戸ポンプは、主に江戸時代末期から昭和30年代以前まで普及し、現在でも災害時協力井戸として各地に存在しています。

3. 電動井戸ポンプ

電動井戸ポンプは、電源モーターを使った汲み上げ方法で、昭和30年代以降に普及しました。原理は手動ポンプ同様です。

電動井戸ポンプには、高圧噴射式で押し上げるジェットポンプや水中ポンプなどがあります。

井戸ポンプの選び方

家庭に井戸ポンプを設置する際は、井戸の「深さ」と井戸ポンプの「種類」に着目して選びます。

1. 深さ

一般的に、井戸の深さが8メートル以内であれば「浅井戸ポンプ」が適しています。8メートルを超える深さの場合は浅井戸ポンプでは対応できないため、「深井戸ポンプ」を選んでください。

2. 使用目的

災害時の停電を想定して設置するなら、手動の井戸ポンプが安心です。日常的に汲み上げるのであれば、電動の井戸ポンプをおすすめします。

また、浅井戸であれば、手動井戸ポンプ、電動井戸ポンプのいずれも利用可能です。ただし、浅井戸から汲み上げた地下水は土壌汚染等の影響を受けやすく飲用水には不向きのため、雑用水として使ってください。

井戸ポンプのその他情報

1. 井戸ポンプの設置費用

DIYで数十万円の費用と労力をかければ、自力で井戸ポンプを設置することは可能です。しかし、場合によっては有毒ガスが生じるケースや、崩壊を防ぐための作業も生じるため、できるだけ業者に依頼することをおすすめします。

業者に依頼した場合の費用は帯水層の深さや井戸ポンプの耐用年数などによって異なりますが、最低でも20~30万円以上かかると考えてください。

2. 購入前の注意点

井戸ポンプを購入する前の段取りとして、自治体に掘削が可能かどうかを確認するほか、助成金・補助金の有無も調べることをおすすめします。井戸ポンプを設置したあとから申請しても、助成金や補助金の交付がなされない可能性が高いので注意が必要です。

園芸ネット

園芸ネットとは

園芸ネット

園芸ネットとは、主につる植物を生育させる際に使用する農業資材です。

つる植物の例として、キュウリやゴーヤなどが挙げられます。そのほか、アサガオもつるを伸ばして成長するので、園芸ネットを使用して育てることも可能です。

園芸ネットの使用用途

1. つる植物の生育促進

園芸ネットの主な使用用途として、つる植物の生育促進が挙げられます。つる植物は園芸ネットにつるを巻き付けることで、効率よく光を吸収し、成長しやすくなります。

2. 植物の倒状防止

つる植物は、つるを周りの資材や植物に巻き付けて成長していきます。巻き付いたつるは、植物自体のバランスをとっており、植物が倒れないようにしています。

3. 鑑賞効果の向上

近年は、つる植物が園芸ネットに巻き付いて成長することを利用した「グリーンカーテン」が多く見られるようになりました。「グリーンカーテン」は見栄えもよく、鑑賞効果の向上が期待できます。

園芸ネットの特徴

長所

園芸ネットの長所は、つる植物を適切に育てられることです。また、園芸ネットを張った範囲で成長をしてくれるため、決められた範囲で育てることができます。

短所

園芸ネットの短所は、コストがかかることです。園芸ネット自体のコストは小さいですが、園芸ネットとしてしか使用できず、用途範囲が狭いです。

園芸ネットの選び方

園芸ネットには様々な種類があります。使用するプランターの大きさなどによって、適切な園芸ネットを選びましょう。また、育てる植物専用のネットも販売されているので、専用ネットも検討すると良いです。

1. 素材

園芸ネットに使用されている素材として、主に「化学繊維」と「天然素材」の2種類があります。

化学繊維
化学繊維から作られた園芸ネットは軽く、設置が簡単です。園芸ネットを設置する際は、良く張って設置しなければ、植物が上手くつたを絡ませることができません。

その上でも、軽いという特徴は大きなメリットになります。しかし、化学繊維から作られているため、栽培が終わった後は、園芸ネットを回収して捨てる必要があります。

天然繊維
天然繊維から作られた園芸ネットは、天然の材料から作られているため、栽培が終わった後、そのままつるや葉などと一緒に処分することができます。放置しておくと、そのまま植物のように堆肥にもなるので、サスティナブルの観点からも非常に良いです。

しかし、天然繊維の園芸ネットは麻製のものが多く、化学繊維の園芸ネットほど、設置が簡単ではありません。

2. 強度

園芸ネットはその素材によって、強度が変わってきます。基本的に、天然繊維の園芸ネットは、化学繊維の園芸ネットよりも強度が低いです。特に、麻からできた園芸ネットは、水にぬれると強度が落ちます。

そのため、天然繊維の場合は、太さが4mm以上など太めのものを選びましょう。複数回繰り返し使う場合は、数年にわたって使える化学繊維の園芸ネットがおすすめです。

3. 大きさ

園芸ネットの大きさは、栽培するプランターや畑の大きさに合わせて購入しましょう。後から大きさを合わせてカットすることができる園芸ネットもあるので、大きさが明確に分からない方は、調整できる園芸ネットがおすすめです。

また、植物の種類に応じて生育に必要な大きさが満たされている専用の園芸ネットが販売されている場合もあります。そのため、園芸ネットから畑の大きさを決定することも可能です。

園芸ネットの使い方

園芸ネットは支柱を立てたり、支柱にネットをはったり、植物の栽培までにやらなければいけないことがいくつかあります。下記では、畑で栽培する一般的な方法として、支柱同士をクロスさせたものに園芸ネットを張る方法を解説します。

1. 支柱を固定する

2つの支柱をクロスさせて、クロスさせた部分をひもで結んで固定します。あとから崩れてこないように固く結ぶのがポイントです。2セット用意します。

2. ネットを通す

用意した2セットの支柱と後から支柱の間に置く1本の支柱にネットを絡ませて、ネットを張ります。ネットの網目の1マスずつに支柱を絡めていくことがポイントです。

3. ネットを固定する

ネットを支柱に通し終わったら、上に置く支柱を固定します。また、地面と接する部分の支柱もきちんと固定をして、倒れないようにします。

キュウリやゴーヤなどのつる植物は、夏に栽培される場合が多いです。夏は夕立など強めの雨が降ったり、台風が発生しやすかったりする季節でもあるので、きちんと固定をしておきましょう。

園芸ネットのその他情報

グリーンカーテンの活用

近年、園芸ネットが栽培だけではなく、グリーンカーテンに利用されることが多くなってきました。グリーンカーテンはつる植物をプランターで育てて、一面に葉やつるを生い茂らせます。

グリーンカーテンのメリットは、電気を使わず室内の気温の上昇を防げることです。そのため、SDGsなどの取り組みとしても企業などで注目されています。

散水ノズル

散水ノズルとは

散水ノズル

散水ノズルとは、ホースの先端に装着し、多種多様な散水方法をワンタッチで変更できるノズルです。

例えば、シャワータイプ、ミストタイプなどの広範囲にまんべんなく散水する方法やジェットタイプなどの局所的に強い水圧で放水する方法等を1つのノズルで行えます。レバーを握っている間は散水され、握る力加減で散水量を調節することもできます。

基本的にノズルとホースは、ワンタッチで留められる場合が多く、専用の留め具があります。

散水ノズルの使用用途

散水ノズルの使用用途は、散水方法のタイプで異なります。散水ノズルの先端がダイヤル式になっており、そこを回すことで散水方法のタイプを選択できます。

メーカーによって散水タイプが異なりますが、大きく分けると以下のようなタイプがあります。

1. シャワータイプ

シャワータイプは、花壇などの園芸・盆栽への水やりに用いられています。例えば、発芽期の植物といった強い水圧に耐えられないが、根本まで給水したい場合に適しています。

水圧の強弱で2種類のシャワータイプがある散水ノズルもあり、遠くの作物に散水する際には圧の強いシャワータイプが有効です。

2. ジェットタイプ

ジェットタイプは一点集中型のタイプで、散水ノズルの中では最も水圧が高いです。車や外壁、床の汚れ落とし、遠距離の散水に適しています。

水圧が強いため、作物への散水には適していません。また、高圧洗浄機ほどの水圧は出ないため、水圧のみで汚れを落とすのには限界があります。

3. ミストタイプ

ミストタイプは、その名の通り霧状に散水するタイプです。作物や園芸の葉水の供給に利用されています。また、作業空間の熱中症対策としても有効です。

4. 横拡散タイプ

ジェットタイプほどではないですが、水圧の強い散水タイプです。ジェットタイプよりも広範囲で散水できるため、広範囲の汚れを落とす際や収穫物を洗浄する際に有効です。

散水ノズルの特徴

長所

ホースのまま散水すると、土が流れてしまったり、作物を傷めたりする場合があります。また、散水範囲も狭いため、散水にかかる時間も多くなってしまいます。

それに対して散水ノズルは、水圧や散水範囲を調整できるため、土が流れたり作物が傷んだりすることはありません。また、無駄な水を使用しないため、節水にもつながります。

短所

軽量なプラスチック製は作業性が良いのですが、紫外線に弱いという欠点があります。そのため、長期間外やハウス内に置いておくと劣化の原因になるので、保管方法に注意が必要です。

丈夫な金属製はプラスチック製よりも重たいため、長時間の作業にはおすすめできません。

散水ノズルの種類

軽量なプラスチック製が主流ではありますが、丈夫な金属製や離れたところに散水できるロングタイプもあります。散水ノズルの種類によって散水タイプも異なるので、散水ノズルを選ぶ際は散水タイプを確認することが大切です。

散水ノズルの選び方

散水ノズルは、数種類の散水方法に切り替えが可能なので、幅広い用途で使えます。しかし、散水ノズルの種類によって散水方法が若干異なるため、用途に合った散水方法がある散水ノズルを選ぶ必要があります。

作物などへの水やりを目的としている場合は、シャワータイプが2種類ある散水ノズルがおすすめです。また、ロングタイプを使用すると同じ位置から遠くの作物にも水やりができます。

車や壁、床などの洗浄を目的としている場合は、ジェットタイプなどの水圧の強いタイプがあるものが最適です。

散水ノズルの使い方

散水ノズルは、ホースの先端に取り付けて使用します。使用する水は水道水が一般的で、この場合は散水ノズルが取り付けてある側と反対側のホースの端を水道の蛇口に取り付けます。

給水ポンプがあれば貯め水を使用して散水することも可能です。その際には、ポンプに取り付け可能なホースの径と散水ノズルに取り付け可能なホースの径とが同じでなければなりません。ホースには内径と外径がありますので、どちらの径で表記されているか注意が必要です。

貯め水を使用する際には、ゴミなどの不純物があると散水ノズルのつまりの原因になります。そのため、給水ポンプの給水部分にフィルターを設置するなどの工夫が必要です。

遮光フィルム

遮光フィルムとは

遮光フィルム

遮光フィルムとは、透過する光の量を調節する被覆資材のことです。

15%ほど光を透過するように設計された遮光フィルムから、遮光率ほぼ100%で光をまったく通さない製品まで、幅広く販売されています。主に、野菜・花栽培などで使われますが、畜舎での活用も可能です。

遮光フィルムの使用用途

遮光フィルムは、主にビニールハウスや農業用格納庫、作業小屋などの屋根面や側面に伸ばしながら設置 (展張) して使用します。そのほか、建物の窓ガラスに貼って紫外線対策や日射しよけ、ガラスの飛散防止などに使用する遮光フィルムもあります。

1. 遮光率20%程度の遮光フィルム

遮光率20%程度の遮光フィルムは、夏野菜を育苗する際や、真夏に生育する農作物を直射日光から守るために使います。日射しを必要とするニンジンやコマツナなどの発芽期に使用したり、トマトやキュウリなどの夏野菜が割れるのを防いだりできます。

2. 遮光率が80%程度の遮光フィルム

遮光率が80%程度の遮光フィルムは、育苗期の高温防止・床土の乾燥防止・灌水の省力化が期待でき、暗出芽の作物の発芽に最適です。水稲やタマネギなどの育苗期における出芽・緑化時などに使用されます。

3. 遮光率100%に近い遮光フィルム

遮光率が100%に近い遮光フィルムは人工的に暗闇を作れるので、シイタケの原木栽培などに最適です。また、日朝時間調整を要する菊シェード栽培などにも、遮光性の高い遮光フィルムが利用されます。

遮光フィルムの特徴

長所

遮光フィルムは遮光性と遮熱性を持つため、ハウス内などの温度を下げ、野菜や花などを光や高温から守れる点が長所です。作業場での熱中症予防にも活用できます。

また、遮光フィルムは耐候性と無滴性に優れている点も長所の一つです。長期間に渡り展張したままにできるので、張り替える労力やコストを抑えられます。

短所

遮光フィルムをハウスに展張する作業は一人では難しく、複数名の作業員を要する点が短所です。遮光フィルムは大変薄いので、展張作業の際には遮光フィルムを傷つけないように注意が必要です。

また、遮光フィルムを張る際は高所作業を伴うため、事故防止のためにも慎重に作業を行います。

遮光フィルムの種類

遮光フィルムの種類は多く、各企業から機能性の高い製品が販売されています。

1. 構造による分類

遮光フィルムには、三層のシルバーポリの魔法瓶効果を持つタイプやアルミ粒子層をポリエチレン層で挟んだ多層構造で形成された農POフィルムなどがあります。ほかにも、表が白く裏がグレー系の色などで作られた遮光・遮熱フィルムもあり、内部の温度や明るさを抑えたい作物に最適です。

2. 厚みによる分類

遮光フィルムの厚みは様々で、0.04mmと極薄い遮光フィルムや0.15mm程度などがあり、幅広い活用が可能です。育苗用にトンネル・ベタ掛けで使用する遮光ネットは極薄い傾向にあり、ハウス全体に展張する外張りタイプの遮光フィルムは、0.15mm程度の製品が多く見られます。

3. 幅による分類

遮光フィルムの幅も様々販売されています。一例をあげると、1.35m・1.5mと幅が狭いタイプから12mの幅広タイプまであります。幅広タイプの遮光フィルムは、複数枚のフィルムをつないで製造するため、数カ所のつなぎ目が入ります。経年劣化などによるキズや穴用の補修テープがあると便利です。

遮光フィルムの選び方

遮光フィルムを選ぶ際は、遮光率が対象となる農作物などに適しているかを確認することが大切です。また、保温性の高い遮光フィルムも数多くありますが、開閉作業がしやすいか、物理的な耐久性はあるかなども確認し、作業性の低下を防ぎましょう。

ナスやトマトなどの野菜は色づきが商品価値を高めるので、遮光率が低めの製品がおすすめです。

遮光フィルムのその他情報

遮光フィルムを使用する際の注意点

遮光フィルムは耐久性に優れているものの、長持ちさせるためには以下の点に注意が必要です。

  • 表裏がないか確認し、正しく展張する。
  • 遮光フィルムを保管する際には融着を避けるため、冷暗所に保管する。
  • 夏場の展張時には、たるみが出ない程度のゆるさで張る。
  • 冬場の展張時には、夏場のゆるみを想定して強めに張る。
  • 劣化を避けるため、ハウス内で硫黄散布や燻蒸は控える。
  • 農ビ用のハウスバンドを使用すると破れることがあるので注意する。

ガソリン携行缶

ガソリン携行缶とは

ガソリン携行缶

ガソリン携行缶とは、ガソリンや軽油、灯油などの燃料を運搬するための容器です。

ガソリンの保管や運搬には消防法により、ガソリン携行缶の使用が義務付けられています。特に灯油用のポリタンクは、強度や気密性に欠けており、破損や漏れの可能性が高く、ガソリンを入れて運搬・保管することは違法です。そのため、ガソリンを持ち運ぶ際は、必ずガソリン携行缶を使用する必要があります。

ガソリン携行缶の使用用途

ガソリン携行缶は、小型エンジンに給油するための燃料保管・運搬に用いられます。また、耕運機や草刈り機などの農業機械をはじめ、バイク、車、発動機や小型船舶など、燃料を機械類まで運び給油する場合や、緊急時や災害時など、一時的に燃料を持ち出す必要がある場合にも使用されています。

ガソリン携行缶の特徴

長所

ガソリン携行缶の長所は、農作業の圃場など、ガソリンスタンドへのアクセスが悪い場合や、車・バイクで遠距離移動の場合でも燃料の運搬が可能なことです。燃料を車両に積んでおくと、燃料不足を避けられます。

短所

ガソリン携行缶自体の短所とは異なりますが、中に入れる燃料は発火しやすいという共通の特徴があり、取扱には危険が伴います。ガソリンの引火点は、マイナス40℃程度と大変低く、静電気などでも容易に引火する上、その蒸気は目に見えません。特に冬場は、静電気に注意して取り扱うことが重要です。

ガソリン携行缶の種類

ガソリン携行缶の容積は、乗用車で運搬可能な最大値として、22リットルまでと消防法で規定されています。750ccの小型から20リットル以上の製品まで容量は幅広いです。ガソリン携行缶に、最も多く用いられる素材は金属ですが、プラスチック製もあります。

軽量で錆びを原因とした燃料漏れを起こさないという長所がありますが、10リットルまでと消防法で定められており、また衝撃に弱いという欠点があります。また、ガソリンは揺れると静電気が発生し、発火の危険があるため大き目のサイズでは、ガソリン携行缶の内部に横揺れ防止板が付いているものが多いです。

ガソリンの詰め替え給油が認められている容器は、落下試験、気密や内圧、積み重ね試験といった消防法の安全基準試験に合格したものです。乗用車で運搬の場合、金属製ならば22リットル以下の密閉できる容器で、危険物保安技術協会基準をクリアしたKHKマークや、危険物の国際輸送に関する国際勧告をクリアしたUNマークが表示されています。

なお、高密度ポリエチレン製のフューエル缶や緑色で×印の入った金属製のジェリ缶も、ガソリン携行缶として使用可能です。

 ガソリン携行缶の選び方

ガソリン携行缶による燃料の運搬・保管は、用途により適切な素材や容量が異なります。バイク旅行などの場合に携帯する予備の燃料としては、小型の750cc~1リットル、自宅の草刈りなどでは1~3リットル、農業の圃場や公共の場の草刈りなど、作業時の運搬には5~10リットル、保存用には20リットル以上の容量が便利です。特に作業時は、丈夫な金属製が推奨されますが、旅行など、軽さを求める場合はプラスチック製という選択も可能です。

ガソリン携行缶の使い方

ガソリン携行缶を使用する際は、安全面での注意が必要で、火気厳禁です。保管した燃料を給油するときに、気化したガソリンにより内圧が上昇して、開栓した途端に燃料が噴出することがあります。近くに火気があると、爆発事故につながります。

危険を避けるには、ゆっくりと開栓するか、エア調整ねじ付きの場合は開栓前にネジを開け、帰化したガスを抜いて内圧を下げてから開栓することが重要です。ガソリン携行缶への詰め替え給油販売は、必ず給油取扱所の「危険物取扱有資格者」に依頼する必要があります。セルフ給油は、法的に禁じられています。

また、依頼する際は、購入者の本人確認、使用目的の申請、販売者側での販売記録が必須で、ガソリン携行缶の規定容量を守ることも大切です。燃料の入ったガソリン携行缶は、直射日光を避け、長時間の車載、気温40℃以上の場所は避けて保管します。空間にゆとりがあり、換気の良い場所が最適です。

しっかりと閉めた蓋を上にした状態で使用・保管し、定期的にガス抜き作業を行います。蓋のパッキングのごみなどは、ガソリン漏れの原因となるため、ふき取って使用します。あくまでも携行用の容器で、燃料の保管は長くても半年が目安です。

ガソリン携行缶のその他情報

ガソリン携行缶の規定

ガソリンや軽油の購入・保管には消防法により、量的制限があります。自動車以外へガソリンの詰め替え給油販売を行う場合、1日の上限は基本的に200リットル未満と定められています。

40リットル以上200リットル未満のガソリンを保管する場合は、必要書類を添付して管轄消防機関に届け出ることが義務です。届け出を行ってない場合、40リットル未満のみ購入可能となります。

ガソリンを200リットル以上貯蔵する場合は、危険物取扱者の資格と、法令に合致した構造の保管場所が必要です。ガソリンスタンドの数が少ない地域で、特に夏場の草刈り作業など燃料消費が増える場合は、1日200リットル以上のガソリンを詰め替え購入できるケースもありますが、その場合も管轄消防機関に必要書類の提出が義務となっています。

食品乾燥機

食品乾燥機とは

食品乾燥機

食品乾燥機とは、30~70℃程度の熱風により食品を加熱乾燥する家電のことです。

具体的には、ドライフルーツやジャーキー、ヨーグルトなどを作るのに使用されます。食品の保存性を高め、味や食感などの味わいを楽しむことが可能です。

従来の天日干しに比べ、食品乾燥機であれば天候に左右されずに、お好みのドライフードを短時間に安定した品質で作ることができます。また、天日干しの乾燥食品とは違った独特の風味も得られます。

ローフードと呼ばれる生に近い食品は、酵素が壊れないように48℃以下で乾燥することが重要です。

食品乾燥機の使用用途

食品乾燥機は前述したとおり、食品の水分を飛ばす際に使用されています。肉や魚のジャーキーを作る場合は、衛生上の問題から70℃以上に設定して、中まで十分加熱する必要があります。

ドライフルーツの場合は半生で35~40℃です。一方、ヨーグルトを作る場合は、通常のヨーグルトで40~45℃、ケフィアやカスピ海ヨーグルトで25~30℃に維持します。

乾燥する食品は、野菜類ではトマト、人参、ゴーヤ、シイタケ、及びキャベツ、小松菜、ホウレンソウなどです。また、カボチャ、ジャガイモ、玉ねぎ、レンコン、ナスなどにも使います。果物類ではバナナ、キウイ、リンゴ、及びレモン、イチゴなどでドライフルーツに、魚肉では牛肉、鶏肉、ソーセージなどでジャーキーに、アレンジできます。

食品乾燥機の特徴

長所

食品乾燥機を用いることで、天日干しに比べて短時間で安定した美味しさのドライフードを作ることができます。また、天気や虫の混入などの心配もありません。

電気を使って加熱乾燥を行うため、温度や湿度の調整が不要で、危険や失敗が少ないことも長所です。ジャーキーやドライフルーツなどは高価なことが多いですが、食品乾燥機を使うことで、無添加のドライフードをいつでも作れるようになります。

短所

食品乾燥機は電力を使用するため、使用した分だけ電気代がかかります。機種によって消費電力は異なりますが、消費電力の小さなものは乾燥時間が長くなりやすく、反対に消費電力の大きなものは乾燥時間は短い代わりに電気代が高くつきやすいため、注意が必要です。

食品乾燥機の種類

食品乾燥機は様々なサイズ、段数、消費電力のものがあります。食品を乾燥機内に広げて使用する特性から、かさばりやすいという特徴があります。家庭用のものでも、コンパクトなものから一度に大量に作れる大容量なものまで様々なサイズが展開されています。

設置に要する面積が小さくても、段数の多い食品乾燥機を使用することで、一度に作ることが出来る量が増えます。トレイは3段~6段以上のものまで種類が豊富です。

食品乾燥機の消費電力は、家電の中では比較的少ないとされています。消費電力の大きなものは短時間で乾燥を終わらせることができるというメリットと共に、電気代が高いというデメリットがあります。最近では、消費電力を少なく抑える省エネタイプのものも多いです。

食品乾燥機の選び方

家庭用、業務用問わず、まず確認すべき点はサイズです。稼働するスペース、収納するスペースが充分にあるかを確認し、それに合わせたサイズのものを選択する必要があります。また、トレイの段数も考慮し、必要な容量に適しているかを確認することも重要です。

消費電力や設定可能な温度帯はそれぞれ製品によって異なり、これによって電気代や乾燥に要する時間、乾燥することのできる食品が変わります。使用用途に合わせた機種を選択することも重要なポイントです。

その他に、乾燥時間を計測出来るタイマー機能の付いているものや、稼働音を抑えたものなど特徴をもった製品も存在します。食品乾燥機を選ぶ場合は、乾燥する食品を決めているか、温度設定範囲が目的に合っているか、タイマー機能があるか、ヒーターの容量は適切かなどの検討べき箇所が多くあります。

食品乾燥機の使い方

食品乾燥機は、好みの食材をスライスして重ならないようにトレイに広げ、熱風により乾燥させます。機種により異なりますが、温度設定や加熱時間を管理する機能がある場合はそれらを使用します。

カプラー

カプラーとは

カプラーとは、ホース先端のノズルもしくはホース同士を接続するための接続部のことです。

金属製であり、多少のことでは本体の破損や性能低下は起こりません。接続するホースの直径に合わせて、多種多様なサイズがラインナップされています。

カプラー本体のレバーの握り操作でグリースニップルへの接続、取り外しが簡単に行えます。グリースニップルに無駄なく確実にグリスを供給し、グリースアップの作業効率向上に役立ちます。

カプラーの使用用途

カプラーは、農業用地に散水する場合、もしくは液肥を散布する場合によく用いられます。ホース先端にノズルを固定するために必要になる部材です。さらに、ホース同士の接続も可能で、遠隔エリアに至るまで、自由に長さを調節することができます。

どんな農地でも利用されますが、比較的雨が少なく、散水により水分を供給する地域や季節で重宝されます。接続自体はワンタッチで接続でき、漏れがないため効果的な道具です。特殊な工具や力を必要としないので、女性や子供、年齢の高い方の腕力でも取り扱いができます。

カプラーの特徴

長所

カプラーは配管やホースなどを、誰でも簡単に素早く着脱することができるのが長所です。また、難しい操作が必要なくワンタッチで正確に取り付けることができるため、漏れる心配がありません。

ソケットとプラグをはめ込むことでロックされ、着脱によってバルブが自動的に開閉します。このため、接続した状態では液体等が流れますが、カプラーを取り外すと自動で液体等が止まり、漏れ出すことがありません。

農業で使用することは少ないですが、液体だけでなく気体や油などの運搬にも使用することができるため、様々な場面で活躍します。

短所

カプラーはホースや配管の直径に合った大きさのものを選ぶ必要があります。サイズの調節が出来ないため、直径の異なるホースや配管には使用できません。

カプラー購入前にあらかじめ直径を計測しておく他、ホースを買い替える際にも注意が必要です。

カプラーの種類

カプラーは、ホースや配管の直径に合わせた様々なサイズの製品が展開されています。2本のホースを接続するためのまっすぐな形状のものが多いですが、3本のホースを接続することの出来るタイプも販売されています。

材質はシリコン製、鋼鉄製、真鍮製、ステンレス製のものがあります。圃場で使用する際は、液体の温度変化が小さいためあまり気にする必要がありませんが、流す液体の温度に適しているか考える必要があります。

カプラーの選び方

カプラーを選ぶ際に最も重要なのは直径です。購入後は大きさの調節が出来ないため、ホースや配管の直径を計測しサイズの合ったものを選ぶ必要があります。

また、材質によって対応可能な液体の温度が異なるので、よく確認して選ぶことが大切です。流体の圧力についても検討する必要があります。圧力が強いと考えられる場合、耐圧性に優れた製品を選ぶと良いです。

2本のホースを接続する際には一般的なまっすぐな形状をしたカプラーを用いますが、3本のホースを繋ぐ必要がある場合には3本用のカプラーを選ぶ必要があります。

カプラーの使い方

カプラーはプラグと呼ばれるオス部分と、ソケットと呼ばれるメス部分が対になった構造をしています。それぞれをホースに装着し、カプラー同士を接続することで使用することができます。流れを止めたいときはカプラーの接続を解除することで自動的にバルブが閉じ、止めることが可能です。

接続したいホースについているカプラーがオス同士、メス同士であった場合接続することができませんが、これらを接続するために両端がオス、またはメスになっている製品も存在します。必要があれば活用すると非常に便利です。

現在は、ワンタッチで接続可能なカプラーが多く、簡単に取り付け使用することが可能です。装着が甘く、浅いと流体の圧力によりカプラーが外れ事故につながる恐れがあります。しっかりと装着できているか確認してから使用を開始することが大切です。

養液栽培

養液栽培とは

養液栽培

養液栽培とは、土を使わずに作物を育てる栽培方法です。

主な養液栽培として、培養液の中で根が育つ「水耕栽培」と、土の代わりにさまざまな培地を使った「固形培地耕栽培」、培養液を霧状にして根に散布する「噴霧耕栽培」があります。

養液栽培の使用用途

土耕栽培や養液土耕栽培などの土を使った方法とは異なり、養液栽培はほぼ全ての工程が人工的に管理されていることが特徴です。そのため、養液栽培は主にビニールハウスや野菜工場などで採用されています。

土耕栽培と比較すると、施設や設備への投資額が大きくなりますが、日々の作業負担を大幅に軽減することが可能です。

養液栽培の種類

1. 水耕栽培

水耕栽培とは、水と液体肥料を混ぜた養液に根を浸して作物を栽培する方法です。

主に室内で利用され、太陽光ではなくLEDライトなどを用いて光合成を促します。水耕栽培は、収穫までの期間が短く回転が速いため、ミツバ、葉ネギ、レタスなどの葉菜類が適しています。

2. 固形培地耕栽培

固形培地耕栽培とは、ロックウール等の無機物や、ヤシ殻等の有機物を固形培地として使用する栽培方法です。

この固形培地に培養液を保持させることで、作物の生育を促します。固形培地耕栽培では、ピーマン、トマト、イチゴなどの果菜類や、バラなどが栽培されています。

3. 噴霧耕栽培

噴霧耕栽培とは、霧状の培養液を根に向けて噴射することで作物の生育を促す栽培方法です。

培地を必要としないため水や肥料の使用量が少なく、コストの削減にも繋がります。噴霧耕栽培は、大葉、葉ネギ、レタスなどの葉菜類の他、トマトやイチゴなどの果菜類にも適しています。

養液栽培の選び方

養液栽培の種類を選ぶ際には、栽培する作物の特性に合わせて選ぶことが大切です。例えば、レタスなどの葉菜類は収穫までの期間が短いため、固定培地耕栽培で固定培地に植え付けるよりも、水耕栽培で栽培する方がはるかに効率的です。

このように、作物の特性に合わせて養液栽培の種類を使い分けることで、養液栽培の利点を活かすことができます。

養液栽培の特徴

長所

1. 病害のリスクを軽減できる
養液栽培では土壌を用いないため、病害や連作障害のリスクが非常に小さくなります。また土壌の消毒が不要で、作替え期間を短縮することも可能です。さらには耕起や除草などの重労働の必要がなくなり、作業の効率化が期待できます。

2. 収穫までの期間を短縮できる
養液栽培は作物の生育が早い特徴があり、収穫までの期間を大幅に短縮することが可能です。これは肥料と水の量を人為的に調節し、必要な量だけ作物の根から吸収させるためです。

また、養液栽培において肥料と水を過不足なく与えることは、作物へのストレスを軽減に繋がります。反対に、あえてストレスを与えるよう調節することで、作物の高糖度化などに応用することもできます。

3. 大規模栽培が可能
養液栽培では様々な作業を省略できるため、大規模栽培が可能です。1度システムを整備すれば、その後は継続的に安定した品質の作物栽培ができるため、ビジネスとしても安定化を図りやすい特徴があります。

また、自然環境に左右されず安定的な収量が見込めることも、大規模化に適している理由の一つです。

短所

1. コストがかかる
養液栽培では、給液装置などの設備が必須であるため、導入費用が大きい点がデメリットとして挙げられます。もちろん、栽培技術や販路が伴った場合には十分にコストの回収が可能ですが、場合によってはコストの回収が難しいケースも考えられます。

また、作物に必要な栄養分をまかなうため、肥料のコストが膨らむ場合も想定しておくことが必要です。

2. トラブル時の対応が特殊
養液栽培では特殊な設備が必要なため、通常時の管理はもちろんですが、特にトラブル時の対応が特殊です。具体的には、突風などによる停電が発生した場合、潅水が停止して短時間で作物が萎れることがあります。

また、機械の不具合などによって、潅水や肥料成分に影響が出ることもあります。

3. 病害などが圃場に広がりやすい
養液栽培では潅水のシステムに病原菌や有害物質が混入した場合、その被害が圃場全体に広がりやすい特徴があります。これは養液土耕栽培にも当てはまります。そのため、事前に対策を講じておくことが必要です。

電撃殺虫器

電撃殺虫器とは

電撃殺虫器

電撃殺虫器とは、虫に電気ショックを与えて殺虫する設備のことです。

単相100V・200Vの低圧回路を変圧し、2,000V〜7,000Vの高圧を発生させています。農業や飲食業など、虫がわきやすい場所に使う場合が多いです。

電撃殺虫器の使用用途

電撃殺虫器は、植物に有害な害虫を駆除するときや、日常生活の中で虫を防ぎたいときに使用されます。特に、レストランや食品製造工場では、虫が食品や料理に入ると、大きなクレームの発生につながってしまいます。虫の混入を防ぐための対策の1つが、電撃殺虫器の使用です。

また、日常生活の中でも蚊やコバエの除去するために、様々な電撃殺虫器が使用されています。

電撃殺虫器の特徴

長所

電撃殺虫器の長所は、薬剤を使用せずに、虫を駆除できることです。食品工場やレストランにおいて、虫の駆除のために薬剤を使用する場合、食品への薬剤の混入の恐れがあります。薬剤を使用せずに虫を駆除できるため、食品への安全性が担保されます。

短所

電撃殺虫器の短所として、殺虫した時に大きな音がすることが挙げられます。静かな場所で使用する場合は、音が大きくて使用できない可能性があります。例えば、レストランなどで客席におくと、逆に虫がいることが分かってしまい、悪い口コミが起きる可能性があります。使用する際は、調理場や工場など、音が気にならない場所で使用することが大切です。

電撃殺虫器の種類

電撃殺虫器には、駆除したい虫による種類や設置する方法による種類など、様々なものがあります。代表的な種類は以下のとおりです。</p?

1. 誘引方法による分類

光による誘引
光による誘引方法は、ガやユスリカなどの光に集まる習性のある虫に有効です。使用されている光は、虫を引き付ける効果が高い光であり、特に太陽光が少ない夜に有効な方法です。

 二酸化炭素による誘引
二酸化炭素による誘引方法は、蚊やコバエなどの二酸化炭素に集まる習性のある虫に有効です。特に夏は蚊が発生しやすく、夏場は寝室や玄関先に置くと有効です。

光による誘引は、まぶしくて寝室に設置することが難しいですが、二酸化炭素による誘引であれば、眠りを阻害せず使用できます。

2. 設置方法による分類

吊り下げ型
吊り下げ型の電撃殺虫器は、高い位置につるして使用します。高い位置に設置するため、邪魔になりづらい点がメリットです。

据え置き型
据え置き型の電撃殺虫器は、机や棚に置いて使用します。目に届くところで稼働するため、管理が簡単です。しかし、手が届くところにある分、倒してしまいがちなので注意が必要です。

ラケット型
ラケット型の電撃殺虫器は、自分でハエなどの虫を叩くことで殺虫します。手軽に狙った虫を駆除することができるのがメリットです。しかし、ラケット面が人に当たってしまうと危険なため注意が必要です。

電撃殺虫器の選び方

電撃殺虫器は、駆除したい虫によって、また使用場面によって選ぶことが大切です。例えば、光に集まりやすい虫であれば光で誘い込む電源殺虫器のタイプ、子どもがいる家庭で使用する場合は倒されない吊り下げ型の電源殺虫器が望ましいです。

また、電撃殺虫器によっては、殺虫の音が大きいものもあるため、静かな場所で使用する場合は、音の確認も必要になります。もし、電撃殺虫器の購入を迷った場合は、電撃殺虫器の購入を検討しているメーカーに相談することをおすすめします。

電撃殺虫器の使い方

電撃殺虫器は、一般的に電気で殺虫します。そのため、充電が完了した状態または電池をはめた状態であることを確認してから、使用します。

充電タイプの電源殺虫器は、USB充電やACアダプタ―充電があるため、説明書を確認してください。電源をつけたら、そのまま使用することができます。設置方法に応じて、使用しましょう。

また、電撃殺虫器は高電圧を発生させるものもあるため、人が電撃殺虫器に触れないように、周辺環境をよく確認してから使用することが重要です。