井戸ポンプ

井戸ポンプとは

井戸ポンプ

井戸ポンプとは、井戸から地下水を汲み上げるポンプのことです。

井戸ポンプの仕組みはストローの原理と似ており、井戸ポンプで人工的に真空に近い状態を作り、大気圧で液体が上昇する原理を利用して汲み上げます。

井戸ポンプで汲み上げた地下水は、水質によって災害時を含めた飲用水や雑用水、農業用水などに使用されます。

井戸ポンプの使用用途

井戸ポンプには手動ポンプと電動ポンプがあり、生活用水をはじめ、田畑・果樹園・茶園などの農業用水、営業用水、非常用水など用途はさまざまです。井戸ポンプで汲み上げた地下水を飲用水として利用する場合は、各都道府県および自治体の条例で決められた水質検査を定期的に実施する必要があります。

飲用水として使用しない場合でも、衛生面・安全面を確保するために、水質検査やメンテナンスを実施してください。

井戸ポンプの特徴

井戸ポンプを設置した際の長所と短所を紹介します。

長所

井戸ポンプから汲み上げられる地下水は、季節による水温の変化が少ないのが特徴です。体感的に、夏には冷たい水を使え、冬には温かい水を使えます。

また、水道水にありがちなカルキ臭がしない水を飲めるのは大きなメリットといえます。どのような用途であれ、井戸ポンプの使用により上水道代がかからない点もメリットです。

短所

井戸ポンプを設置するには、相応の費用が掛かる点がデメリットです。また、飲用水として使用する場合は、定期的に水質検査代がかかりますが、安全に利用するためには欠かせない出費です。

そのほか、井戸ポンプには定期的なメンテナスが必要になります。錆びたり異音が生じたりした場合は交換してください。

井戸ポンプの種類

井戸ポンプの汲み上げ方式には、次の3種類があります。

1. つるべ井戸

つるべ井戸とは、浅い井戸の上に「滑車・ロープ・桶」を設置し、人力で地下水を汲み上げる井戸のことです。

ロープの先端には、「つるべ」と呼ばれる桶が括られており、テコの原理で汲み上げます。日本では江戸時代中期に普及し、水道が普及した昭和30年代以降に廃れていきました。

つるべ井戸は構造が簡単で修理も容易なため、現代でも途上国の水支援に活用されています。

2. 手動井戸ポンプ

手動井戸ポンプは、つるべ井戸が進化した汲み上げ方式です。手押しハンドルを手動で上下させることにより真空に近い状態を作り、大気圧の働きを利用して汲み上げます。

手動井戸ポンプは、主に江戸時代末期から昭和30年代以前まで普及し、現在でも災害時協力井戸として各地に存在しています。

3. 電動井戸ポンプ

電動井戸ポンプは、電源モーターを使った汲み上げ方法で、昭和30年代以降に普及しました。原理は手動ポンプ同様です。

電動井戸ポンプには、高圧噴射式で押し上げるジェットポンプや水中ポンプなどがあります。

井戸ポンプの選び方

家庭に井戸ポンプを設置する際は、井戸の「深さ」と井戸ポンプの「種類」に着目して選びます。

1. 深さ

一般的に、井戸の深さが8メートル以内であれば「浅井戸ポンプ」が適しています。8メートルを超える深さの場合は浅井戸ポンプでは対応できないため、「深井戸ポンプ」を選んでください。

2. 使用目的

災害時の停電を想定して設置するなら、手動の井戸ポンプが安心です。日常的に汲み上げるのであれば、電動の井戸ポンプをおすすめします。

また、浅井戸であれば、手動井戸ポンプ、電動井戸ポンプのいずれも利用可能です。ただし、浅井戸から汲み上げた地下水は土壌汚染等の影響を受けやすく飲用水には不向きのため、雑用水として使ってください。

井戸ポンプのその他情報

1. 井戸ポンプの設置費用

DIYで数十万円の費用と労力をかければ、自力で井戸ポンプを設置することは可能です。しかし、場合によっては有毒ガスが生じるケースや、崩壊を防ぐための作業も生じるため、できるだけ業者に依頼することをおすすめします。

業者に依頼した場合の費用は帯水層の深さや井戸ポンプの耐用年数などによって異なりますが、最低でも20~30万円以上かかると考えてください。

2. 購入前の注意点

井戸ポンプを購入する前の段取りとして、自治体に掘削が可能かどうかを確認するほか、助成金・補助金の有無も調べることをおすすめします。井戸ポンプを設置したあとから申請しても、助成金や補助金の交付がなされない可能性が高いので注意が必要です。

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