両口ハンマー

両口ハンマーとは

両口ハンマー

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ハンマーは、物をたたく工具の総称で、金属製の打撃部分(頭)と手で握る部分(柄)で構成されています。

両口ハンマーは、ハンマーの一種で、打撃面が2つあるハンマーです。日本の大工道具として古くから存在しているものは、両口ゲンノウとも呼ばれます。

両口ハンマーの打撃面は、片側が平面、片側が少し膨らんだ曲面になっています。両口ハンマーには、頭の形状によって、丸ゲンノウ、四角ゲンノウ、八角ゲンノウなどの種類があります。

両口ハンマーは、主に木材への釘打ちに使われますが、鉄工作業、土木作業、解体作業などでも使われています。 

両口ハンマーの使い方

両口ハンマーは、柄の先端から3cmほどの位置を握ります。先端に近すぎると、作業の際に手から抜ける恐れがあり、また、打撃部分に近い方を持つと、打撃面に力が加わりにくくなり、バランスも悪くなります。

両口ハンマーは、腕の力だけで振り下ろすとコントロールが安定せず、目的の場所に打ちつけることが難しくなります。肘を支点にして、回転するようにして叩きます。

両口ハンマーを使って釘打ちをする場合、最初から曲面側の打撃面を使うと、釘を打つ際に滑りやすく安定しないため、まず、平面側を使って4分の3程度釘を打ちつけます。その後、曲面側を使って仕上げることによって、木材の表面に打撃面の跡が残りにくくなり、きれいに仕上げることができます。

両口ハンマーの選び方

両口ハンマーは、頭の大きさ、重量、形状などによってさまざまなものがあります。木材への釘打ちのように繊細な打撃が求められる作業、鉄工作業や土木作業など力強い打撃が必要な作業など、使用する場面に応じた両口ハンマーを選ぶことが重要です。

一般的な両口ハンマーは、標準的な重さは375g(100匁)ですが、135gから560gまでさまざまなサイズがあります。重さに応じて、釘打ちする釘の長さの適合サイズがある程度決まります。適合サイズではないハンマーを使った場合でも釘打ちは可能ですが、打ちやすさが違ってくるので、釘の長さによってサイズを選びます。

両口ハンマーの頭の形状としては、丸ゲンノウが一般的ですが、八角ゲンノウは側面で横打ちができるため狭い場所での釘打ち作業に適しています。作業場所・環境なども考慮して、形状を選ぶといいでしょう。

両口ハンマーの柄は、木製が一般的ですが、ポリプロピレングラスファイバを使ったものもあります。また、滑り止めのゴムグリップがついているものもあります。使用場面に応じて作業しやすいものを選ぶといいでしょう。

片手ハンマー

片手ハンマーとは

片手ハンマー

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ハンマーは、物をたたく工具の総称で、金属製の打撃部分(頭)と手で握る部分(柄)で構成されています。

片手ハンマーは、ハンマーの一種で、主に金属加工作業に使われるハンマーです。ポンドハンマー、ボールピンハンマーと呼ばれることもあります。

片手ハンマーの打撃部分は、片側が平面に近い緩やかな曲面(平頭)をしており、反対側が球状(丸頭)をしています。平頭側は釘やピンの打ち込みなどに使われ、丸頭側は金属の曲げ加工などに使われます。丸頭は、特に加熱した材料や加工物を打撃するのに適しています。 

片手ハンマーの使い方

片手ハンマーでピン打ち作業を行うときは、平頭側を使い、打撃面の中心がピンにまっすぐに当たるように打ち込みます。

平頭は緩やかな曲面をしているため、平頭の中心でまっすぐ打ち込めば材料に打撃痕が残りません。しかし、中心ではなく周辺部がピンに当たると、軸がずれて打ち損じ、材料に傷をつける恐れがあり、また、作業者が怪我をする危険性もあります。

丸頭側は、金属の曲げ加工、リベットの先端かしめ、刻印の打ち込み、刻印打ち損じの目潰しなどの作業に使います。丸頭を使用するときも、平頭同様、中心でまっすぐ打撃します。

片手ハンマーの選び方

片手ハンマーのサイズは、頭部の重量によってさまざまな種類があります。基本的な呼び番号1の片手ハンマーの重さが1ポンド(約450g)で、このサイズを基準として、「1/4(100g)」「1/2(250g)」「3/4(350g)」「1.5(650g)」「2(900g)」などのサイズがあります。作業内容と加工物の材質などに応じて、サイズを選択します。

片手ハンマーで作業する場合、小さいサイズのハンマーを使用して強打すると、打撃する場所を外す可能性や、手からすっぽ抜ける恐れなどがあります。安全を考慮すると、強打しなくても打撃が行える、少し大きめのサイズの片手ハンマーを選ぶといいでしょう。

片手ハンマーの柄には、木製、グラスファイバ製、スチール製など、さまざまな種類があります。木製は折れやすいという欠点がありますが、ユーザーが柄の交換を行えるという長所、また、軽量で振りやすいという長所もあります。グラスファイバ製は、重く振りにくいものの、ガラス繊維入りなので折れにくく、万一折れても頭部が飛びにくい特徴があります。スチール製は最も折れにくい材質です。

重さと壊れにくさはトレードオフの関係にあるため、作業内容、作業環境、作業者などの条件を考慮して、優先度の高い条件に合わせて選択するといいでしょう。

ヤットコ

ヤットコとは

ヤットコの名前は、鍛冶職人が焼けた鉄を挟むものを「焼床鋏(やきどこはさみ)」と呼んでいたことからきたという説があります。ヤットコは、つかむ、ねじる、固定するなどで使われる工具のひとつです。

ペンチとの違いとして、ペンチは保持力増すため内側がギザギザしているものが多いのに対し、ヤットコはフラットです。また、ペンチには根元で切断する事ができますが、ヤットコは切断することはできません。

一般的な平型や、かしめ付きなど特定作業向けもあり、用途により使い分けることでより繊細で複雑な作業が行えます。アクセサリー製作では、必ず必要な工具です。

ヤットコの使用用途

ヤットコには、主に2つの種類「丸ヤットコ」「平ヤットコ」があり、用途によって使い分けます。

丸ヤットコ

刃の先端が丸くなっていて、ピンやワイヤーをきれいに丸められます。パーツを挟むことも可能ですが、先端が丸くなっているため滑りやすいです。平ヤットコと同様、先にいくほど細くなっています。また、丸ヤットコは、主にピンの先を丸めてカンを作るのに使用します。先端で丸めれば小さなカン、内側にいくほど大きなカンを作ることができます。カーブを作るのにも、跡がつきにくくて優れています。

平ヤットコ

刃の先端が平らで材料をしっかり掴み、曲げたりねじったりするときに使用(パーツを挟んだり、ピンを曲げる時に使用)します。先にいくほど細くなっていて、つかむ力を高くします。また、かしめ玉を潰すような作業にも使用します。

ヤットコの選び方

口先の長さで選ぶ

口先が短いものは、金具の開閉など、力加減が必要な細かい作業がしやすいです。 2本のヤットコを使用するときも口先が干渉しにくく円滑に作業ができます。 逆に、先端部に向かって緩やかに直径が細くなっていく口先が長いタイプは、金カンを丸めるときなどに調整しやすい形状です。 どの位置で曲げるかで直径を細かく調整できます。

握りやすさで選ぶ

集中する作業が続く作業では、工具の握りやすさが重要です。 グリップ部分が柔らかいエラストマー素材でできたタイプは長時間作業でも疲れにくく、手への負担を軽減します。 また、プラスチック製のグリップは、加水分解せずべたつきにくいため快適に作業が行えるという点がメリットです。

刃の材質で選ぶ

同じ種類のやっとこでも刃の材質は異なります。柔らかな材質は、パーツを傷つけにくい反面、滑りやすいことも有ります。また、堅い(ザラザラした)材質は、高いグリップ力がありますのが、力を入れ過ぎるとパーツ破損になる場合も有ります。

刃の長さで選ぶ

ヤットコには、刃の長さが長いタイプと短いタイプに分かれています。「丸ヤットコ」は、長いタイプのものが多く、丸ヤットコは刃の先端に向かって細くなっているため、長さのある丸ヤットコを使用すると加工する輪の直径を自由に変えられます。また、短いヤットコは使い勝手がいいため、ハンドメイド初心者におすすめです。

フックスパナ

フックスパナとは

フックスパナとは、主にアダプターナットを締めたり緩めたりするための工具です。名前の通り、形状がフックの形をしており、アダプターナットの溝部分にフックスパナの爪部分を引っかけて使用します。

引っかけて回すだけなので、簡単で、しかも安全に締め、緩めができるのが特徴です。

ただし、アダプターナットの大きさに合わせて、フックスパナの大きさも選ばないと、作業中に爪が外れるなどの不具合が起きてケガをする可能性があります。したがって、サイズ選びは慎重に行う必要があります。

フックスパナの使い方

フックスパナは、主にアダプターナットと呼ばれる溝付きのナットを締めたり、緩めたりするのに使います。

まず、使い方は、アダプターナットに適したサイズのフックスパナを選び、フックスパナの先端にある爪をアダプターナットの溝に引っ掛けます。そして「あご」と呼ばれる円弧状の根元をアダプターナットに当てます。

そのまま柄の部分を時計回りに回すとナットが締り、反時計回りに回すとナットが緩みます。この時、爪を作用点、あごを力点、柄の部分を力点として、てこの原理によって大きな力が発生します。

フックスパナの選び方

フックスパナを選ぶときは、まずアダプターナットにピッタリと合うサイズのものを選ぶ必要があります。

アダプターナットに対して、フックスパナが小さすぎると、溝の奥まで爪が入らず、爪の掛かりが浅くなります。また、十分な力を発揮できないため、締め付け、あるいは、緩めトルクが足りなくなる恐れがあります。

アダプターナットに対して、フックスパナが大きい場合、溝の深さに対して爪が長すぎるため、爪の掛かりが浅くなります。また、支点があごの部分ではなく、円弧状のどこかに当たってしまい、手の力がうまく伝わりません。また、締め付けトルクが大きくなりすぎると、ねじの破損に繋がります。

上記の通り、フックスパナのサイズ選びは、安全性を考慮するうえで、重要になります。基本的にはアダプターナットの外径に、フックスパナの円弧が沿っていれば大丈夫です。安全に作業する為にも、爪がしっかり引っかかって、あごが当たる状態を確認したうえで、力をかけるようにしてください。

オイルフィルターレンチ

オイルフィルターレンチとは

オイルフィルターレンチとは、エンジンについているオイルフィルターを脱着するための専用工具です。

オイルフィルターとは、油圧機器の作動油やエンジンオイルなどをろ過するフィルターで、作動油やエンジンオイル中に混入した異物を取り除く目的でついています。

特にエンジンは非常に高い熱を放出しながら高い回転数で動作する過酷な環境にある部品なため、エンジンの動作が円滑になるよう潤滑剤としてエンジンの内部にエンジンオイルが循環しています。そのエンジンオイルの異物をろ過するためにオイルフィルターが設定されており、エンジンの燃焼時に発生するスラッジや金属同士の摩耗によって生まれる金属片等を取り除きエンジンを故障から守ります。

オイルフィルターによって異物をろ過するという性質上、オイルフィルター自体も長時間使用していると目詰まりを起こしてしまい、ろ過性能が低下してしまうため一般的にはエンジンオイルを2回交換する毎といったサイクルで定期的に新品と交換する必要があります。オイルフィルターを交換する際は専用工具であるオイルフィルターレンチが使われます。

オイルフィルターレンチの使用用途

オイルフィルターレンチの使用用途は、形状のタイプによって大きく異なるため、タイプ別に説明します。

1. チェーンタイプ

チェーンタイプは、チェーンレンチと使い方は同じです。オイルフィルターに対してチェーンを巻き付けることで固定します。

2. プライヤータイプ

プライヤタイプは、オイルフィルターを口の部分で挟み込んで、柄を握りながら回します。オイルフィルターの外径に合わせて大きさを合わせなければ握りにくくなるので注意が必要です。

3. カップタイプ

カップタイプは、オイルフィルターに直接被せて回します。カップの大きさは、そのサイズのオイルフィルター専用に作られているためサイズが違うものには使えません。汎用性がありませんが、専用品ならではの使い勝手が魅力です。

オイルフィルターレンチの原理

オイルフィルターレンチは、オイルフィルターを挟み込んで回すための専用工具です。

一般的にオイルフィルターはエンジン等にネジで締め込んで固定されているため、脱着を行うためにオイルフィルターにトルクを掛けて回転させる必要があります。

オイルフィルターの先端には、回しやすいよう六角ナットのように溝が切ってある製品もありますが溝がない製品もあるため、オイルフィルターレンチは基本的にオイルフィルターを挟み込んで固定します。

オイルフィルターレンチの選び方

オイルフィルターレンチは形状のタイプによって、それぞれメリットやデメリットがあります。使用する状況や周辺の作業スペースに合わせて適切なタイプを選ぶ必要があります。

1. チェーンタイプ

チェーンタイプは、オイルフィルターの大きさに合わせてチェーンの長さを調節できるので大小様々な大きさのオイルフィルターに対して使用でき汎用性が高いのが最大のメリットです。また、チェーンは接触点が多いため、角部が丸くなったオイルフィルターにも使うことができます。

デメリットとしては、汎用性があるが故にしっかりと回せるようセットするのに時間が掛かることと、取り回しも考え脱着には作業スペースが必要になるという点が挙げられます。

2. プライヤータイプ

プライヤータイプは、チェーンタイプ同様に口開きの幅を変えられるため、様々な大きさのオイルフィルターに使えるため汎用性が高いのがメリットです。

幅の調節もチェーンタイプよりも短時間でできますが、調節範囲がチェーンタイプよりは狭いのがデメリットです。その分、チェーンタイプよりは回すためにセットするのが簡単ですが、うまくセットできない場合は回すのに握力が求められることもあります。

3. カップタイプ

カップタイプは、サイズを調節する必要がないため、同じオイルフィルターをいくつも交換する時は非常に便利です。オイルフィルターに対して被せるように使用するため取り回しも楽で回すための作業スペースもほぼ必要ありません。しかし、1サイズに対し、1つのオイルフィルターレンチが必要になるため都度オイルフィルターレンチを揃える必要がある点がデメリットです。

チェーンレンチ

チェーンレンチとは

チェーンレンチ(英語:Chain Wrench、 Chain Tongs)は、対象物の形状(断面)が丸いためしっかり固定し掴むことができないパイプなどを回すための工具です。

チェーンで対象物を巻き付け、必要な回転方向に回すと締め付けが強まり、対象物を回転させることができます。その後、少しだけ逆に回転させると締め付けが緩み、取り外すことができます。締め付ける方向と回転方向を間違えずに巻き付ける必要があります。

チェーンの取り付け位置を変えることで、さまざまなパイプサイズに対応することができます。

チェーンレンチの使用用途

チェーンレンチは、自動車整備工場でのオイルフィルタの取り付け取り外しや、配管施工現場でのパイプや継手のねじ込みなどの作業に使用されています。パイプ以外でも形状(断面)が円形の部品や、三角、四角、複雑な形状の場合でも、しっかりと掴むことができ確実に締め付けることができます。

特に、パイプレンチでは作業できないような狭い場所や壁面に近いパイプ、大きな外径のパイプの締め付けなどは、チェーンレンチでの作業が適しています。

チェーンレンチの選び方

チェーンレンチの選定には、下記のようなポイントがあります。

  1. パイプ外径
    くわえることができるパイプの外径によってレンチの型番が異なっているため、適合するパイプ外径を選定することが重要です。適合するパイプ外径でチェーンの長さは決まります。また、市販のチェーンを継ぎ足すことで、さらに大きなパイプに対応できるものもあります。
  2. 保証トルク
    型式や材質によって保証トルクが異なりますので、作業に適合した保証トルクの型式を選定する必要があります。
  3. その他
    その他には、下記のような種類のものがあり、使用用途の十分考慮したうえで選定することが必要です。

    a. 2つの刃が反対になっているジョー(対象物をつかむ部分の金具)が付けられているため、レンチの付け替えをすることなく両回転方向に対応していて、ラチェットのように使えるモデルになります。

    b. ジョーが摩耗や損傷した場合に交換可能なモデルになります。

    c. チェーンの脱落防止機構を備えていて、チェーンレンチの自重で脱落することのないモデルになります。

ピンスパナ

ピンスパナとは

ピンスパナとは、穴の開いた部品のピンを差し込む、あるいは、部品の溝にピンを引っかけて回転させるための工具です。

ピンスパナの種類には、対象物の側面にピンを引っ掛けるフックタイプと、対象物の上面にピンを引っかける口開きタイプがあります。フックタイプはナットのような、めねじの部品を回すのに適しており、口開きタイプはおねじ状の部品を回すのに適しています。

どちらもねじを回すために使われますが、使い方が変わってくるので注意が必要です。

ピンスパナの使い方

ピンスパナの使い方は、使うタイプによって大きく変わってきます。ここではフックタイプと口開きタイプ別に使い方を説明したいと思います。

  • フックタイプ
    フックタイプは、主にナット状のネジを回すのに使います。ナットの側面にピンを引っかける穴、あるいは溝が切られており、そこにピンスパナの先端についているピンを引っかけます。その後、円弧状の反対側をナットに当てて、締め方向、または緩め方向に回します。
  • 口開きタイプ
    口開きタイプの使い方は、2本のアームの先端にあるピンを対象に空いている2つの穴に差し込むことで回します。アームの幅は、ネジで調節するタイプとフリーで動くタイプがあります。

ピンスパナの選び方

ピンスパナの選び方は、ピンの太さやアームを開く幅の調節の仕方によって分けらます。ここでは口開きタイプの選び方を説明したいと思います。

  • ピンの太さで選ぶ場合
    ピンの太さで選ぶ場合は、穴にピッタリと入るサイズを選ぶ必要があります。ピンが大きすぎると穴に入らず、ピンが小さすぎると力をかけた時にピンが折れる可能性があります。ピンを穴に入れた時、隙間が無いかを確認することが必要です。
  • アーム幅の調節方法で選ぶ場合
    アーム幅の調節方法は、主に二通りあります。

一つ目は、2本のアームが支点ピンのみで繋がれた、フリータイプの調節方法です。アームを開ける幅に制限がなく、素早く開閉できるメリットがあります。しかし、幅がズレやすいため、穴に入れるたびに調節する必要があります。

二つ目は、ねじによってアームの幅を調節するタイプです。アーム幅の微調整がしやすく、穴からピンを抜いてもズレることがないというメリットがあります。何度も同じ作業をやる場合に、幅の調節が必要ないので、効率が上がります。しかし、はじめに穴に幅を合わせるのには時間が掛かります。

三角ネジドライバー

三角ネジドライバーとは

三角ネジドライバー

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三角ネジドライバー(英語:Triangular Screwdriver)は、三角ネジ対応の専用ドライバーです。三角ネジとは、ドライバーの差し込み口(溝)の形状が三角形に加工されたねじ頭のネジ(この場合の「ネジ」は、スクリュー状の形状だけを示すのではなく、小さいサイズのねじ製品を示します)です。

ここでの「三角ネジ」とは、JIS B 0101 ねじ用語で規定されている「三角ねじ」(ねじ山の形が正三角形に近いねじの総称)ではなく、前述のように、ドライバーの差し込み口(溝)の形状が三角形のねじ部品を示しています。

なお、三角ネジドライバーの記号は「TA」で、ドライバー先端などに刻印されている場合があります。

三角ネジドライバーの使用用途

三角ネジドライバーは三角ネジ専用のため、限定された場面で使用されます。

三角ネジは、コンピュータ、スマートフォン、おもちゃなどの多くの精密機械に使用されている比較的小さなネジで、このネジ専用の工具として三角ネジドライバーがあります。

三角ネジドライバーの使用者も少なく販売されているものも少ないため、いたずら防止や分解防止などの目的で使用されていました。しかし、現在では、ホームセンターなどで簡単に入手できるため、充分にその目的を果たしていないかもしれません。

三角ネジドライバーの選び方

三角ネジドライバーの選定には、下記のようなポイントがあります。

  1. サイズ専用、ビット差し替え式
    三角ネジのサイズは、1.6、 2.0、 2.3、 3.0などがあり、サイズごとの専用ドライバーと、サイズごとにビットを取り替えられるものがあり、用途に合わせて選定します。
  2. グリップ形状と材質
    グリップの形状や大きさ、長さはさまざまで、材質もエラストマー樹脂やゴム製のものがあり、使用用途に合わせて滑りにくく力の加えやすいものを選定することが重要です。
  3. 材質
    先端部分の材質は、締め付け力や工具の寿命において重要な要素で、クロムモリブデンバナジウム合金鋼や、ASTM A681 S2 工具合金鋼を使用し、高硬度高強度で耐腐食性の高い材質を使用しているものがあります。
  4. その他
    先端が磁気を帯びていて、ネジがくっつき落下させずに締め付けと取り外しが行えるものや、ビット取り換え式で三角ネジ以外のビット使用できるもの、ラチェット式になっているものなどがあります。

ドライバービットセット

ドライバービットセットとは

ドライバービットセット (英: Screwdriver Bit Set) とは、電動ドライバーやインパクトドライバーの先端に使用され、ネジ締め等を行うためのビットが、複数の種類やサイズが組み合わされて収納されている工具セットです。

ビットの種類としては主にプラスネジ、マイナスネジ用や四角穴、六角穴付きボルト用、トルクスネジ用などの種類があります。これらのビットが複数のサイズでセット化されており、場合によっては 「六角穴付き用ボルト+トルクスネジ用」など異なる種類のビット同士でセットになっている製品もあり、組み合わせはさまざまです。

また、製品によってはビットの両端が共に工具として使用できるようになっており、反転して差し替えることで異なったサイズや種類に対応しているものや、ビットが短くあるいは長くなっており作業スペースの狭い場所や奥深い位置にあるネジに対応するためのロングビットなどもあります。

ドライバービットセットの使用用途

ドライバービットセットは、工場における設備保全時や自動車修理工場、家庭におけるDIYまで幅広く利用されています。あらかじめ数種類のビットがセットになっていて、ビットがホルダーに差し込まれ収納されたものや、樹脂や金属製のケースに収納されたものまで、数多くの組み合わせのバリエーションがあり、使用頻度や用途に合わせて選ぶことが大切です。

ドライバービットセットは主に、ドライバーグリップにビットを差し込み、手作業用レンチ、電動ドライバー、電動ドリルドライバー、電動インパクトドライバーなどに取り付けて使用します。特に高いトルクをかけることが可能な電動インパクトドライバー用のビットは、高強度の材質が使われた専用のビットになっているため、購入時には注意が必要です。複数のビットがセットになっているので、多くの工具を揃える必要がないことがメリットとして挙げられます。

ドライバービットセットの原理

各種ビットがセット販売されているサイズについて解説します。複数のビットがセットになっているため、一般的に広く使われる頻度が高いサイズのビットがセットになっていることが多いです。

一般的に使用される頻度が高いサイズは、以下の通りです。

  • プラスネジ用: 1番、2番 、3番
  • マイナスネジ用: 5〜10mm
  • 六角穴付きボルト用: H1.5、H2、H3、H4、H5、H6、H8
  • トルクスネジ用: T25、T30、T40、T45、T50

特にトルクスネジ用の場合は、製品によってもっと小さいサイズのセットも用意されているため、使用用途に合わせてサイズの適合を確認してから購入する必要があります。ドライバービットセットではビット本体に加えて、まとめてビットを保管しておけるようにビット専用のホルダーもセットに含まれている場合が多いです。

付属のホルダーを使用することでサイズ順に並べて整頓して収納するため、作業時のサイズ間違いやビットの紛失を防止することができます。

ドライバービットセットの選び方

ドライバービットセットの選定には、下記のようなポイントがあります。

1. 先端形状の種類

使用するネジ穴に合った先端形状とサイズ、長さのビットが組み合わされているかなどをあらかじめ確認することが重要です。基本的な先端形状は、プラスマイナス、四角、六角、トルクスです。

2. 軸部の形状

ドライバー本体に差し込むビット軸部の形状は、丸軸と六角軸があります。丸軸は、ドリルドライバーに使用し、六角軸は、ドリルドライバーとインパクトドライバーの両方に使用できます。

3. 差込み寸法

ビットの差し込み寸法の規格は、AとBの2種類があります。

  • Aタイプ
    ビットの先端から軸の溝までが13mmで、主に国内メーカーのドライバー用に使用します。
  • Bタイプ
    ビットの先端から軸の溝までが9mmもしくは9.5mmで、海外メーカーの電動ドライバーやエアーツールなどで使用します。

4. 便利機能

下記のような便利機能付きのビットもあり、セットに含まれているかなどを考慮して選定します。

  • マグネットビット
    ビット先端が磁気を帯びていてネジがくっつくビットです。作業時にネジを落とさず締め付けと取り外しを行えます。
  • カムアウト防止ビット
    作業時のカムアウト (ねじ穴からビットが浮き上がる現象) を低減させたビットです。
  • トーションビット
    ビットの中央部分を細くしインパクトドライバーで高トルクがかかったときに力を逃すことで、ネジとビットの刃先が痛みにくくなっているビットです。

スタッドボルトリムーバー

スタッドボルトリムーバーとは

スタッドボルトリムーバー(英語:Stud Bolt Remover)は、既にねじ込まれたスタッドボルト(全ネジボルトまたは寸切りボルト)を緩めて取り外す専用の工具です。一般的に「スタッドボルトセッター」「スタッドプーラー」も同義語として使用されています。

スタッドボルトは、六角ボルトのように工具を差し込む部分がないため、汎用工具で回して緩めることはできません。なお、ダブルナット(スタッドボルトにナット2つをねじ込むこと)で締め付けて固定し、ダブルナットのレンチを使って回す方法もあります。

ただし、ダブルナットをセットし、取り外すなど作業に手間がかかるため、効率よく簡単にスタッドボルトを取り外すための専用工具として、スタッドボルトリムーバーでの作業は有効になります。

スタッドボルトリムーバーの使用用途

スタッドボルトリムーバーの用途は、基本的にスタッドボルトのねじ込みと取り外しの専用工具のため、それ以外の用途はほとんどありません。

スタッドボルトリムーバーは、六角ボルトやナット用ボックスソケットと同じように、レンチに取り付けて使用します。

スタットボルトのサイズに適合するスタットボルトリムーバーをレンチに取り付け、スタッドボルトに差し込みます。スタッドボルトリムーバーを反時計方向に少し回転させるとスタッドボルトに固定されます。その後、レンチで反時計回り(緩め方向)に回すことでスタッドボルトを緩め取り外します。

スタッドボルトリムーバーを使用することで、ねじ山を潰さずに取り外すことが可能です。

スタッドボルトリムーバーの選び方

スタッドボルトリムーバーの選定には、下記のようなポイントがあります。

差込角のサイズ

差込角は、レンチハンドルにソケット差し込む部分の角穴サイズで、サイズは3種類あります。ソケットレンチ用と同じで「1/2インチ(12.7mm)」「3/8インチ(9.5mm)」「1/4インチ(6.35mm)」になります。レンチハンドルの差込角サイズに合ったリムーバーを選定します。

ねじサイズ

適合するスタッドボルトのねじ外径の例としては、5.0~19.0 mm があり、サイズに合ったリムーバーを選定します。

種類

スタッドボルトリムーバーには大きく分けて2種類があります。

  • ソケット式で、ソケット内部に偏心して付けられた内蔵ローラーが、スタッドボルトを掴むタイプです。このタイプは対応しているボルトのサイズが決まっています。
  • 外周にギザギザ加工された偏芯ローラーを、スタッドボルトに食い込ませてスタッドボルトを掴むタイプがです。タイプは複数サイズに対応していて汎用性が高いですが、ローラとスタッドボルトの接触は1点なので、ソケット式に比べるとやや滑りくなっています。このタイプのソケット式と同じで、レンチに取り付けて使用します。
  • 貫通型は、スタッドボルトが長い場合に有効で、スタッドボルトの根本を掴んで作業できるため、ソケット式のようにスタッドボルト先端部で回すより、作業はしやすくなります。