オイルフィルターレンチとは
オイルフィルターレンチとは、エンジンについているオイルフィルターを脱着するための専用工具です。
オイルフィルターとは、油圧機器の作動油やエンジンオイルなどをろ過するフィルターで、作動油やエンジンオイル中に混入した異物を取り除く目的でついています。
特にエンジンは非常に高い熱を放出しながら高い回転数で動作する過酷な環境にある部品なため、エンジンの動作が円滑になるよう潤滑剤としてエンジンの内部にエンジンオイルが循環しています。そのエンジンオイルの異物をろ過するためにオイルフィルターが設定されており、エンジンの燃焼時に発生するスラッジや金属同士の摩耗によって生まれる金属片等を取り除きエンジンを故障から守ります。
オイルフィルターによって異物をろ過するという性質上、オイルフィルター自体も長時間使用していると目詰まりを起こしてしまい、ろ過性能が低下してしまうため一般的にはエンジンオイルを2回交換する毎といったサイクルで定期的に新品と交換する必要があります。オイルフィルターを交換する際は専用工具であるオイルフィルターレンチが使われます。
オイルフィルターレンチの使用用途
オイルフィルターレンチの使用用途は、形状のタイプによって大きく異なるため、タイプ別に説明します。
1. チェーンタイプ
チェーンタイプは、チェーンレンチと使い方は同じです。オイルフィルターに対してチェーンを巻き付けることで固定します。
2. プライヤータイプ
プライヤタイプは、オイルフィルターを口の部分で挟み込んで、柄を握りながら回します。オイルフィルターの外径に合わせて大きさを合わせなければ握りにくくなるので注意が必要です。
3. カップタイプ
カップタイプは、オイルフィルターに直接被せて回します。カップの大きさは、そのサイズのオイルフィルター専用に作られているためサイズが違うものには使えません。汎用性がありませんが、専用品ならではの使い勝手が魅力です。
オイルフィルターレンチの原理
オイルフィルターレンチは、オイルフィルターを挟み込んで回すための専用工具です。
一般的にオイルフィルターはエンジン等にネジで締め込んで固定されているため、脱着を行うためにオイルフィルターにトルクを掛けて回転させる必要があります。
オイルフィルターの先端には、回しやすいよう六角ナットのように溝が切ってある製品もありますが溝がない製品もあるため、オイルフィルターレンチは基本的にオイルフィルターを挟み込んで固定します。
オイルフィルターレンチの選び方
オイルフィルターレンチは形状のタイプによって、それぞれメリットやデメリットがあります。使用する状況や周辺の作業スペースに合わせて適切なタイプを選ぶ必要があります。
1. チェーンタイプ
チェーンタイプは、オイルフィルターの大きさに合わせてチェーンの長さを調節できるので大小様々な大きさのオイルフィルターに対して使用でき汎用性が高いのが最大のメリットです。また、チェーンは接触点が多いため、角部が丸くなったオイルフィルターにも使うことができます。
デメリットとしては、汎用性があるが故にしっかりと回せるようセットするのに時間が掛かることと、取り回しも考え脱着には作業スペースが必要になるという点が挙げられます。
2. プライヤータイプ
プライヤータイプは、チェーンタイプ同様に口開きの幅を変えられるため、様々な大きさのオイルフィルターに使えるため汎用性が高いのがメリットです。
幅の調節もチェーンタイプよりも短時間でできますが、調節範囲がチェーンタイプよりは狭いのがデメリットです。その分、チェーンタイプよりは回すためにセットするのが簡単ですが、うまくセットできない場合は回すのに握力が求められることもあります。
3. カップタイプ
カップタイプは、サイズを調節する必要がないため、同じオイルフィルターをいくつも交換する時は非常に便利です。オイルフィルターに対して被せるように使用するため取り回しも楽で回すための作業スペースもほぼ必要ありません。しかし、1サイズに対し、1つのオイルフィルターレンチが必要になるため都度オイルフィルターレンチを揃える必要がある点がデメリットです。