ドライバービットセットとは
ドライバービットセット (英: Screwdriver Bit Set) とは、電動ドライバーやインパクトドライバーの先端に使用され、ネジ締め等を行うためのビットが、複数の種類やサイズが組み合わされて収納されている工具セットです。
ビットの種類としては主にプラスネジ、マイナスネジ用や四角穴、六角穴付きボルト用、トルクスネジ用などの種類があります。これらのビットが複数のサイズでセット化されており、場合によっては 「六角穴付き用ボルト+トルクスネジ用」など異なる種類のビット同士でセットになっている製品もあり、組み合わせはさまざまです。
また、製品によってはビットの両端が共に工具として使用できるようになっており、反転して差し替えることで異なったサイズや種類に対応しているものや、ビットが短くあるいは長くなっており作業スペースの狭い場所や奥深い位置にあるネジに対応するためのロングビットなどもあります。
ドライバービットセットの使用用途
ドライバービットセットは、工場における設備保全時や自動車修理工場、家庭におけるDIYまで幅広く利用されています。あらかじめ数種類のビットがセットになっていて、ビットがホルダーに差し込まれ収納されたものや、樹脂や金属製のケースに収納されたものまで、数多くの組み合わせのバリエーションがあり、使用頻度や用途に合わせて選ぶことが大切です。
ドライバービットセットは主に、ドライバーグリップにビットを差し込み、手作業用レンチ、電動ドライバー、電動ドリルドライバー、電動インパクトドライバーなどに取り付けて使用します。特に高いトルクをかけることが可能な電動インパクトドライバー用のビットは、高強度の材質が使われた専用のビットになっているため、購入時には注意が必要です。複数のビットがセットになっているので、多くの工具を揃える必要がないことがメリットとして挙げられます。
ドライバービットセットの原理
各種ビットがセット販売されているサイズについて解説します。複数のビットがセットになっているため、一般的に広く使われる頻度が高いサイズのビットがセットになっていることが多いです。
一般的に使用される頻度が高いサイズは、以下の通りです。
- プラスネジ用: 1番、2番 、3番
- マイナスネジ用: 5〜10mm
- 六角穴付きボルト用: H1.5、H2、H3、H4、H5、H6、H8
- トルクスネジ用: T25、T30、T40、T45、T50
特にトルクスネジ用の場合は、製品によってもっと小さいサイズのセットも用意されているため、使用用途に合わせてサイズの適合を確認してから購入する必要があります。ドライバービットセットではビット本体に加えて、まとめてビットを保管しておけるようにビット専用のホルダーもセットに含まれている場合が多いです。
付属のホルダーを使用することでサイズ順に並べて整頓して収納するため、作業時のサイズ間違いやビットの紛失を防止することができます。
ドライバービットセットの選び方
ドライバービットセットの選定には、下記のようなポイントがあります。
1. 先端形状の種類
使用するネジ穴に合った先端形状とサイズ、長さのビットが組み合わされているかなどをあらかじめ確認することが重要です。基本的な先端形状は、プラスマイナス、四角、六角、トルクスです。
2. 軸部の形状
ドライバー本体に差し込むビット軸部の形状は、丸軸と六角軸があります。丸軸は、ドリルドライバーに使用し、六角軸は、ドリルドライバーとインパクトドライバーの両方に使用できます。
3. 差込み寸法
ビットの差し込み寸法の規格は、AとBの2種類があります。
- Aタイプ
ビットの先端から軸の溝までが13mmで、主に国内メーカーのドライバー用に使用します。 - Bタイプ
ビットの先端から軸の溝までが9mmもしくは9.5mmで、海外メーカーの電動ドライバーやエアーツールなどで使用します。
4. 便利機能
下記のような便利機能付きのビットもあり、セットに含まれているかなどを考慮して選定します。
- マグネットビット
ビット先端が磁気を帯びていてネジがくっつくビットです。作業時にネジを落とさず締め付けと取り外しを行えます。 - カムアウト防止ビット
作業時のカムアウト (ねじ穴からビットが浮き上がる現象) を低減させたビットです。 - トーションビット
ビットの中央部分を細くしインパクトドライバーで高トルクがかかったときに力を逃すことで、ネジとビットの刃先が痛みにくくなっているビットです。