ステープラー

ステープラーとは

ステープラー

ステープラーとは、日本ではいわゆるホッチキスが有名詞として定着しているこの字型の金属製の針で紙を綴じる文具のこと。他にホチキスとも。JIS規格上の名称はステープラ。もっとも日常的に使用される、手で握りこんで使用する数枚の紙を綴じるサイズでは10号という規格の針を使用する。

建築現場などで使用される壁に止付ける専用のステープラーはタッカー、医療用途で傷口の縫合に使用されるものはスキンステープラーと呼ばれる。

ステープラーの使用用途

もっとも一般的な紙を綴じる用途の他、傷口の縫合(医術用途)、壁紙などの止付け、木材や陶器をつなぎ合わせる際にも使用される。

紙用ステープラーは大きく分けて小型、中型、大型の三種類に分類され、大型のものは手で握る形ではなくハンドルを押し下げて閉じる。針の大きさはさまざまあり、大型のホッチキスだとコピー用紙で50枚以上閉じることができるものもある。また仮綴じ用に針を外開きで閉じることのできるものもある。

ステープラーの原理

ハンドルを握る(あるいは上から押しこむ力を加える)ことで本体マガジン内部に格納されたコの字型の金属製の針がドライバ(針を押し出す金属の板)により紙側に打ち出される。その際、本体下側にある紙の受け部分(クリンチャ)で紙を通過した針の先端は内側に折り込まれ紙を固定する。マガジン内の針は内部のばねにより常に針の出口部分にセットされるため、連続的に髪を綴じることが可能となる。また、クリンチの形状を工夫することで綴じ終わりの針の曲がりをより深くし、針裏がフラットになるフラットクリンチ型というタイプの製品もある。

最近はシュレッダーでそのまま処理できる利点や針によるけが防止、資源回収を容易にするなどの観点から針をなくし紙に切れ込みを入れて切れ込みの端を同時に作った切れ目に差し込んだり、圧着するなどの方法で針を使用しないステープラーの発展形の製品も普及している。このタイプは綴じられる紙の枚数が針を用いるステープラーより少ない点がデメリット。

医療用ステープラー

医療用ステープラーとは、その名の通り医療行為に用いられるステープラーのことを指しています。別名スキンステープラーとも呼ばれ、傷口の縫合に使用されます。文房具用とは異なり、高耐食性で組織反応の少ない素材で針を作製します(例えばSUS316Lというステンレススチール)。一般的な糸での縫合に対して医療用ステープラを用いるメリットは、以下のような項目が挙げられます。

  • 吻合箇所へかかる圧力が小さい
  • 縫合部表面を圧迫しない
  • 手術時間を短縮できる

医療用ステープラを使用するにあたって気をつけなければならない項目は以下です。

  • 縫合する皮下5mm以内に骨や神経、血管、内臓がある場合には使用しない

医療用ステープラの使用方法は、まず皮膚用ピンセットで皮膚を適切な位置へ寄せます。次に、ステープラーの両端を平行に縫合部分の皮膚に押し付けます。そしてハンドルをしっかり握り、 それ以上動かないことを確認するまで 握り締めます。最後にハンドルを緩め、 縫合ピンからステープラーを離します。

一方、針を抜く作業は次の手順で行います。まずリムーバーの下顎を針の下に潜り込ませます。次に、ハンドルを握り締めて縫合ピンが変形し、ハンドル同士を接触させます。最後に針が完全に変形したことを確認してから縫合ピンを取り去ります。

大型ステープラー

大型ステープラーは、片手で持って握り込むような一般的なサイズのものとは異なり、机上などに設置した状態で上面から押さえつけるようにして綴じます。当然針も大きな1号サイズまで対応することができ、書類であれば数十枚〜百枚単位を一度に綴じることが可能です。閉じる作業にはある程度の力が必要なため、大型ステープラーの中には小さい力で綴じることができることをアピールポイントとしている製品も存在します。また、大量の書類を綴じる際は書類がズレてしまうことが往々にしてあるため、そのようなズレを防止する製品も販売されています。

参考文献
https://wis.max-ltd.co.jp/op/h_story/about03.html
https://www.fcg-r.co.jp/lab/goods/report/190429.html
http://kawasaki-seibutsu.com/products/skin/
http://kawasaki-seibutsu.com/products/skin/

エンドニッパー

エンドニッパーとは

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エンドニッパーとは、刃の先端が爪切りのように直角に曲がっている器具のことです。

釘の先端などの硬い物でも切断することが可能で、別名喰い切りなどとも呼ばれています。ニッパーとは、電気工事や建設現場などで電線や針金などを切断する丈夫な刃を持ったツールを指します。

エンドニッパーは、平面処理に使用されると共に様々な使い道があり、幅広く使用されています。

エンドニッパーの使用用途

エンドニッパーは、主に木材から飛び出てしまった釘の頭など、平面から飛び出た突起を切り取る際に使用されます。服飾では、金属ファスナーの長さ調節や、ハトメなどの金属を取り外す際に便利です。

そのほか、布などを木材に止付ける大型のホッチキスのようなタッカーステープルを取り除く場合などにも使用できます。このように、エンドニッパーは多くの役割をもち、様々な場面で使用されている器具です。

エンドニッパーの原理

エンドニッパーはその形状から、ワイヤーなどの物体を横から切断する目的には適しておらず、毛抜きのように飛び出た物体を摘まむようにして、切断することに特化した器具です。作業していても余り使用する機会はなく、工具箱の隅に置かれがちですが、ニッパーではどうしても切断しにくい場合や硬い金属を切断しなければならない場合など、いざというときに持っておくと役立ちます。

エンドニッパーは、必要な強度を得るために刃の素材には特殊合金などを使用して、無酸化焼入れや高周波焼入れを行って素材の強度を上げています。切断できる材質は、プラスチックや線など柔らかいものを始めとして、ステンレスといった非常に硬い材質にも対応しています。

ただし、切断できる大きさはエンドニッパーの大きさと材質によって異なる点に注意が必要です。小さなエンドニッパーでは小さなものしか切れず、大きなものを切ろうとすると大型のエンドニッパーが必要になります。

エンドニッパーの選び方

エンドニッパーは、サイズや刃の形状などによる特徴や違いを理解し、目的に合ったものを選ぶ必要があります。

1. サイズ

エンドニッパーは、作業内容により適したサイズが異なります。目安として、全長120~160mm程度が一般的なサイズです。125mm程度の小さなサイズは、模型組み立てや籐細工などの細かな作業、200mm以上の大きいサイズは、ワイヤーなどの硬線を、ねじったり切断するのに適しています。

ただし、サイズが大きくなると、重量があり使い勝手が悪くなることがあるため、作業目的に応じ、適切なサイズを選ぶことが重要です。

2. 刃の形状

エンドニッパーは、一般的に刃先・グリップ・スプリング (戻しバネ) の3つで構成され、刃は主に「フラット刃」「ラウンド刃」「強力刃」の3つに分類されます。

フラット刃
刃が平らになっており、切った断面が尖りにくくきれいで、薄刃で鋭いため小さな力で切断できます。

ラウンド刃
表面が丸みを帯びており、ピンポイントでの切断や硬い素材を切るのに適しています。

強力刃
通常のエンドニッパーよりも刃の耐久性が高いため、強度の要求される作業に適しています。

3. バネの有無

エンドニッパーには、バネ付きとバネなしの製品があります。バネがつけられているものは、刃が自然に開くようについているため、作業性を高め、長時間作業時の疲労を軽減できます。ただし、収納する際に、スペースをとるというデメリットがあります。

4. グリップの種類

グリップは使用時の快適さ、操作性、安全性に大きな影響を与えます。手に合わないグリップを使用すると、作業能率が下がり、ケガの原因になることがあります。グリップにも長さや形、素材などさまざまな種類があるため、店舗で実際に触って、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

参考文献
https://www.tsunoda-japan.com/itempage/EN-165S.html

手動チェーンブロック

手動チェーンブロックとは

手動チェーンブロック

手動チェーンブロックとは、重い荷物を持ち上げるために使用される機械器具です。

産業において、さまざまな場面で使用される器具の1つです。一般的に軽量かつコンパクトな設計であるため、狭い空間や制約のある場所での使用に適しています。場所を取らず、取り扱いが容易です。

電力や油圧を必要とせず、人力で操作できるため、電源が利用できない場所でも使用できます。特別な電気設備やエネルギー供給も必要ありません。また、頑丈で耐久性があり、信頼性が高い設計で作られています。

ただし、チェーンブロックには最大荷重が指定されています。この制限を超えて荷物を持ち上げたり引き寄せた場合、チェーンブロックが破損するため危険です。使用する際は、荷重の適切な評価と確認が重要です。

手動チェーンブロックの使用用途

手動チェーンブロックは、さまざまな用途で使用され、物を持ち上げたり移動させたりするのに役立ちます。以下は手動チェーンブロックの一般的な使用用途です。

1. 建設現場

建設現場では、手動チェーンブロックは建設材料や機材の運搬に幅広く使用されます。たとえば、鋼材やコンクリートブロックを高い場所に持ち上げ、建物の建設作業を効率的に行うのに有利です。また、建設機械の部品やアタッチメントの取り扱いにも使用されます。

2. 工場

手動チェーンブロックは製造業での生産プロセスや物流において重要な役割を果たす器具です。原材料や製品の保管や荷物の積み下ろし、機械のメンテナンスなど、さまざまなタスクに使用されます。特に狭いスペースや高所にアクセスできない場所で便利です。

3. 舞台設営

舞台設営において、手動チェーンブロックは舞台セットや照明、音響機器の昇降および配置に使用されます。舞台上の大道具や背景装置を効率的に移動させたり、高さを調整したりするのに便利です。舞台技術者やステージクルーによって操作され、舞台の成功に寄与します。

4. 船舶

船舶や造船所では、手動チェーンブロックは船舶の建造、修理、および保守に不可欠なツールです。重い部品や機器を取り扱い、船体の組み立てや装備の設置を行います。ドックでの船舶の引き揚げや降下にも使用され、船のドッキングおよび保守作業を支援します。

手動チェーンブロックの原理

手動チェーンブロックは、物体を持ち上げたり移動させたりするためのシンプルな機械です。チェーンや歯車、制動装置などで構成されます。手動チェーンブロックには、一連の鋼製リンクからなるチェーンが取り付けられています。

このチェーンは、荷物を持ち上げるための主要な力伝達手段です。チェーンを巻き上げることで対象物を持ち上げます。その他、歯車が内蔵されている場合が多いです。これらの歯車は、チェーンを巻き上げることで荷物を持ち上げる力を生成します。歯車によってチェーンの移動距離よりも荷物の移動距離が短くになり、これによって持ち上げる力は大きくなる仕組みです。

制動装置は操作を停止したときに、荷物が自動的に落下しないようにする役割があります。これにより、チェーンから手を離しても荷が空中で制止します。

手動チェーンブロックの選び方

手動チェーンブロックを選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 揚程

揚程は手動チェーンブロックで荷物を持ち上げる最大高さを示す指標です。どのくらいの高さまで荷物を持ち上げる必要があるかを確認し、それに合わせてチェーンブロックの揚程を選択します。

揚程が長いほど、高い場所での使用が可能です。ただし、過度に長い揚程を必要としない場合、短い揚程のモデルを選択することでコストを削減できます。

2. 定格荷重

定格荷重は手動チェーンブロックが持ち上げることができる最大重量を示す指標です。荷物の重さやサイズを考慮して、必要な定格荷重を選択します。安全性の観点から、定格荷重を超えないように注意が必要です。

3. 質量

手動チェーンブロック自体の質量も重要な要素であり、軽量であれば持ち運びや取り扱いが容易です。特に移動作業が頻繁に必要な場合、軽量のモデルが適しています。一般的に定格荷重が大きい場合、質量も重くなる傾向なります。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/c-22232/
https://www.bildy.jp/mag/chain_block/#ABOUTCHAINBLOCK

貫通ドライバー

貫通ドライバーとは

貫通ドライバー

画像出典元: Amazon

貫通ドライバーとは、ネジに接する金属の軸がグリップの中を突き抜けている構造をしたハンドドライバーです。

グリップから出た後ろの金属部分 (座金や尻金などと呼ばれます) をハンマーで叩いても使えるように作られています。貫通ドライバーとドライバーの違いは、ドライバーは、ネジを回す金属の軸がグリップの途中まで刺さっている様な非貫通構造ですが、貫通ドライバーは、その名の通り、グリップの中を貫通している構造です。

普通のドライバーを使用してハンマーで叩くと、ネジに加わる力が小さくなるだけでなくドライバーも痛めてしまいます。

貫通ドライバーの使用用途

貫通ドライバーの主な使用用途は、ネジを締めたり緩めたりすることです。

また、グリップの後ろをハンマーで叩き、衝撃を与えて、きつく締まったり、腐食して、はずしにくくなったネジを緩めるようにすることもあります。つぶれたネジ頭の再形成や一時的なハツリ作業などにも使用されます。

貫通ドライバーでネジに衝撃を与える時に使用するハンマーは、プラスチックや樹脂などのハンマーが最適です。金属製のハンマーなどを使用すると必要以上に衝撃が加わり、ネジ以外の部分に悪影響を与えてしまうことがあります。どうしてもネジが緩まないときには、同時に潤滑剤等を使用することも有効です。

貫通ドライバーの原理

貫通ドライバーのグリップから出た後ろの金属部分を叩くと、衝撃がドライバー先端からネジに伝わり、固着部分が動いたり、わずかにすき間ができたりするため、ネジを緩めることができます。

また、普通のドライバーと比べて、多くの貫通ドライバーはグリップが樹脂製で太くしっかりしています。その理由は、貫通ドライバーはハンマーで叩かれることを前提としており、しっかり握れるように配慮されているからです。貫通ドライバーを使用する時には、貫通ドライバーをしっかり握り、手に伝わる衝撃を少しでも和らげ怪我を防止するるために手袋も使用することが推奨されます。注意点は、貫通ドライバーは電気を直接通すため、電気に関連する作業には不適切です。

貫通ドライバーの種類

貫通ドライバーも普通のドライバー同様、さまざまな用途に合わせたタイプがラインナップされています。代表的なタイプとしては下記の通りです。

1. 丸軸タイプ

金属の軸の断面が丸く作られているタイプです。角のない丸い軸なので、手を添えて回してもスムーズに回せるようになっています。一般的に多く見られるドライバーと同じです。

2. 角軸タイプ

金属の軸の断面が四角形に作られているタイプです。レンチスパナなどをかけて、大きな力をかけて回せます。

3. ボルスター付タイプ

金属の軸とグリップの結合部分が六角形になっているタイプです。スパナやメガネなどを六角形の部分にかけて、大きな力で回すことができます。

4. マグネット付タイプ

金属の軸の先端にマグネットが内蔵されたり、磁気を帯びさせたりして、ネジなどの金属がくっつくタイプです。両手が入らない狭い場所などで作業する時にマグネット付きが便利です。丸軸タイプや角軸タイプの先端がマグネット付きになっているものなど、様々な種類があります。

貫通ドライバーのその他の情報

使用上の注意点

多くのメーカーは、貫通ドライバーとハンマーでネジに衝撃を加える使い方を推奨しているわけではありませんが、ユーザーの多くが貫通ドライバーでネジに衝撃を与える使い方をするため、衝撃に耐えられるようには作られています。しかし、マイナスの貫通ドライバーをタガネの代わりに使うとドライバー先端を痛めるため、注意が必要です。

固まったネジを緩めるためには、ショックドライバー (インパクトドライバー) が適しています。ショックドライバーは、ハンマーで叩き、衝撃が伝わると同時に先端がわずかに回転するように作られているため、ネジを緩める際に効果的です。

参考文献
https://electrictoolboy.com/media/18273/
https://blog.f-gear.co.jp/item/comparison/muzyundr/

コンクリート用ドリル

コンクリート用ドリルとは

コンクリート用ドリル

コンクリート用ドリルは硬い表面を穴あけするために特化された工具であり、主に建築現場などにおいて、コンクリート、レンガ、アスファルトなどに穴あけするために使用されます。手動で行う場合には力が必要で時間がかかりますが、電動式のコンクリート用ドリルはより簡単かつ迅速に穴をあけられます。

コンクリート用ドリルは一般的にはロータリーハンマードリルと呼ばれる種類が使用され、この種類のドリルは電動ドリルの回転運動とハンマリング運動を同時に行えるため、強力な衝撃力でコンクリートなどの硬質材料を簡単に切削できます。

コンクリート用ドリルの使用用途

1. 穴あけ

コンクリートやレンガ、アスファルトなどの硬い表面を穴あけするために使用されます。建築現場などでの配管や配線の設置、アンカーの設置、壁掛け家具の取り付けなどに利用されます。

2. 切断

コンクリートやレンガ、アスファルトなどの硬い表面を切断するために使用されます。建築現場での壁面や床の切断、解体作業、舗装路面の切断などに利用されます。

3. 除去

コンクリートやアスファルトなどの硬い表面から、古い塗装や接着剤、汚れなどを除去するために使用されます。建築現場などでの床面の清掃や壁面の改装などに利用されます。

4. 形状加工

コンクリートやレンガ、アスファルトなどの硬い表面に、穴以外の形状を加工するために使用されます。建築現場での窓枠やドア枠の取り付け、舗装路面の起伏をつける作業、レンガの積み上げなどに利用されます。

コンクリート用ドリルの原理

コンクリート用ドリルとして、一般的に使用されているロータリーハンマードリルは、回転運動と同時に打撃運動をする電動工具で、主にコンクリートや石などの硬質材料の穴あけに使用されます。その原理は以下の通りです。

1. モーター

ロータリーハンマードリルには、高出力のモーターが内蔵されています。このモーターが回転運動を発生させます。

2. ギア

モーターから回転運動を受けたシャフトが、複数のギアを介して回転するドリルビットに伝達されます。

3. カム機構

回転運動と同時に打撃運動をするために、ロータリーハンマードリルにはカム機構が搭載されています。カム機構は、回転運動を受けたシャフトが回転するたびに、カムを挟み込んで上下運動を発生させます。

4. ハンマー

カム機構が作り出す上下運動を受けて、ハンマーが叩くように上下に動きます。

5. ハンマードリルビット

ハンマーによって発生する打撃力を利用して、ハンマードリルビットが材料の表面に打撃を与えながら回転運動を行い、穴をあけます。

ロータリーハンマードリルは、回転運動と打撃運動を同時に行うため、ハンマードリルビットを回転させながら材料を効率的に削れることが利点です。打撃運動によって材料を削りながら、回転運動によって材料を排出することで、スムーズかつ高速な穴あけ作業が可能となります。

コンクリート用ドリルの特徴

長所

(非常に堅い表面を簡単に穴明けができる)
コンクリートやレンガ、アスファルトなどの硬い表面を穴あけするのに非常に適しています。ドリルビットが回転しながら進行するため、効率的に穴を開けられます。

(高い耐久性)
コンクリート用ドリルは、非常に堅い表面を穴あけするために設計されており、強力で耐久性が高いため長期間使用できます。

(多目的に使用できる)
コンクリート用ドリルは、コンクリート以外の表面でも使用できます。木材や金属など、多くの異なる表面の穴あけにも適しています。

(作業が容易)
コンクリート用ドリルは電動式のため作業が容易です。付属のハンドルがあり手で持ちやすいため、作業中にドリルが滑り落ちることを防ぎます。

(多機能)
一部のコンクリート用ドリルには、穴あけ以外の機能が備わっている場合があります。例えば、ハンマードリル機能を備えたものや、チゼル機能を備えたものなどがあり、より多くの作業を行えます。

ハンマードリル機能とは、ドリルの先端部分が回転しながら、同時に前後方向に振動しながら材料を削る機能のことです。これにより硬い材料であっても、効率的に穴を開けられます。

チゼル機能とは、ドリルの刃先をハンマーで叩いて、コンクリートなどの硬い材料を破壊するための機能です。通常コンクリートなどの硬い材料に穴を開ける場合、単に回転させるだけでは効果的ではありません。そのため、チゼル機能が搭載されたドリルでは、刃先を上下に振動させて、打撃力で材料を破壊できます。

短所

(騒音が大きい)
コンクリート用ドリルは、回転数が非常に高いため、作業中の騒音が非常に大きいため、作業場所が住宅地や混雑した地域にある場合、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。

(振動が強い)
コンクリート用ドリルは回転数が非常に高いため、作業中の振動が強く、作業者の手や腕に負担がかかり、長時間作業を続けられなくなる可能性があります。

(重い)
コンクリート用ドリルは、大型のモーターや強力なドリルビットを備えているため、重量が重いことがデメリットです。そのため長時間の作業をすると作業者の負担が大きくなります。

(電源が必要)
コンクリート用ドリルは電動式の工具であるため、電源が必要です。屋外や場所によっては電源の確保が難しい場合があるため、使い勝手に影響を及ぼすことがあります。

(硬い表面にしか使用できない)
コンクリート用ドリルは、主にコンクリートやレンガ、アスファルトなどの硬い表面を穴あけするために使用される工具であるため、柔らかい素材や木材などの表面には使用できません。

コンクリート用ドリルのその他情報

コンクリート用ドリルの中でも最も一般的に使われているのは、ロータリーハンマードリルですが、他にも以下のような種類があります。名称はメーカによって異なる場合があります。

1. コアドリル

コアドリルは、円筒形の刃先を持つドリルで、主にコンクリートやアスファルトなどの硬質材料から円形の穴を切り抜くために使用されます。刃先にはダイヤモンド製の粒子が付着しており、強力な切削能力を持っています。

2. カッタードリル

カッタードリルは、ロータリーハンマードリルと同様に回転運動と振動運動を組み合わせて、コンクリートやアスファルトなどの硬質材料を切削するドリルです。しかし、カッタードリルはドリルビットの切れ刃部分が鋸歯状になっており、コアドリルと異なり直径の小さい穴を切削できます。

3. ワイヤーブラシドリル

ワイヤーブラシドリルは、ドリルビットの先端に金属製のブラシが取り付けられたドリルで、主にコンクリートや石などの表面の清掃に使用されます。ブラシによって表面の汚れや古い塗装を削り取れます。

ターンバックル

ターンバックルとは

ターンバックル

ターンバックルはロープやワイヤーなどの張りを調節するための装置です。

ターンバックルは3つの部品で構成されており、中央の部品両端に右ねじと左ねじがついています。このため、両端の右ねじ及び左ねじが回転しないように固定して中央の部品を回転させると、回転方向によって両端のネジの間隔が近づいたり離れたりします。

この動作を利用し、右ねじと左ねじにロープやワイヤーを接続することで、ロープやワイヤ-の張りを自由に調節する事が出来ます。

ターンバックルの使用用途

ターンバックルの使用用途としては、建築物の耐震工事などで使用される耐震ブレースが代表的な使用例です。ブレースとは筋交い(正確には鉄筋造がブレースで木造は筋交い)です。2cm程度の鋼棒で構造に筋交いを入れますが、そのままでは鋼棒がたわんで構造物として機能しないため、ターンバックルでたわみを調整し、構造物として機能するようにします。

その他、大型のものでは橋梁や吊橋、道路橋などでもターンバックルが使用されています。

ターンバックルの原理

概要で述べたように、ターンバックルは3つの部品で構成されています。1つはターンバックル胴と呼ばれるターンバックル本体、残り2つの部品は2本のターンバックルネジから構成されています。

2つのターンバックルネジはターンバックル胴の両端にねじ込まれており、それぞれ右ねじ及び左ねじになっています。つまり、ターンバックルネジ自体は回転しないようにし、ターンバックル胴を回転させると、2つのターンバックルネジ間の間隔を狭めたり広げたり調整することが可能です。

この事は、ターンバックル全体の長さを変化させることが出来るという事と同じ意味であり、ターンバックル両端にロープやワイヤーを結合すれば、ターンバックル胴を回転させることで、ロープやワイヤーの張りを調整することができることになります。

ターンバックルの材質はSS鋼やSNR鋼などが使用されており、特に建材用の耐震ブレースはJIS規格で規定されています。

参考文献
https://www.kondotec.co.jp/products/turnbuckles/

電工ニッパー

電工ニッパーとは

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電工ニッパーとは、特に電気設備工事などにおける電線の切断に特化したニッパーです。

鉄線線などの切断が可能なほか、ワイヤーストリップ (電線の皮むき穴) などが付いているものもあります。このタイプの電工ニッパーは、簡易ワイヤーストリッパーとして電線の被覆除去が可能です。

プロユース向けは、VVFケーブル (600Vビニル絶縁ビニルシース平形ケーブル) なども少ない力で切断できます。ただし、刃こぼれなどに注意が必要です。

電工ニッパーの使用用途

電工ニッパーは、電気設備工事におけるVVFケーブルの切断をはじめ、鉄線や銅線、ビニール線などの切断に使用されることが多いです。また、家電や通信機器、精密機器の電線の切断などにも使用されます。

プロユースの高価な電工ニッパーは切れ味も鋭いかわりに、扱いにも注意しなければいけません。許容されている以上の太い電線やピアノ線などを切断する、と刃こぼれするおそれがあります。これは、切れ味を鋭くするために薄刃を使用しているためです。

電工ニッパーの原理

電工ニッパーは、電線を切断するために特化されたニッパーです。VVFケーブルなどは電線が厚い樹脂被覆で覆われているため、この柔らかい樹脂被覆と金属線を同時に切断しなければいけません。

柔らかい樹脂被覆を少ない力で切断するには、刃先を鋭くして摩擦抵抗を少なくすれば切れ味は高まります。しかし、刃先を鋭くすれば金属線を切る際に刃こぼれが発生しやすくなります。このバランスをどのように取るかが、各メーカーの腕の見せどころです。

メーカーによっては刃先を特殊な方法で研磨したり、コーティングなどを施したりすることで、樹脂被覆の切断能力と金属線の切断能力を向上させています。もし、樹脂被覆がない針金のような太い裸の電線を切断するのであれば、電工ニッパーよりもより刃先が強い強力ニッパーと呼ばれるものを使用する必要があります。ただし、強力ニッパーは歯が厚いために、切断面が水平ではなく山型になるのが注意点です。

また、強力ニッパーにはピアノ線が切断できるものと、できないものがあるため、ピアノ線の切断用途で使用する際は確認が必要です。

電工ニッパーの種類

使用用途やニーズに合わせて、電工ニッパーにはさまざまな製品があります。用途に応じて、最適な製品を選ぶことが大切です。

1. 刃の形状による分類

電工ニッパーは、刃の形状が「フラットタイプ (平型) 」「ラウンドタイプ (丸型) 」「強力タイプ (山型) 」の3種類があります。フラットタイプとラウンドタイプは切断面がキレイに仕上がります。しかし、刃が薄いため太い電線の切断はできません。

強力タイプは、刃が厚いため太い電線も切断できます。ただし、切断面が山型になるので、インシュロックなどを切断すると、バリが残る点に注意が必要です。

2. サイズ

電工ニッパーは、数種類のサイズが用意されています。目安として、標準サイズは全長150mm、大きいサイズは全長200mm、小さいサイズは全長125mmです。

大きいほど切断能力が高く、少ない力で切断できます。しかし、手の大きさや作業環境、作業対象によっては、大きいサイズは使い勝手が悪くなることがあるため、使用状況に応じたサイズ選定が重要です。

3. 付加機能

付加機能をつけた電工ニッパーも販売されています。ワイヤーストリッパー機能付きのものは、刃を合わせると小さな穴ができて被覆の皮むきが可能です。簡易的な圧着ができる圧着機能付きのものもあります。

倍力ニッパーと呼ばれるものは、倍力機構でピアノ線などの硬い線も少ない力で切断可能です。また、抗菌樹脂グリップで衛生的に使用できるものや、蓄光グリップで暗いところでも見つけやすいものもあります。

参考文献
http://www.fujiya-kk.com/ja/products/

マルノコ

マルノコとは

マルノコ

マルノコとは、木材をまっすぐに切断するための電動工具です。

円形のブレードを回転させることで切断します。丸太の切断にも使えますが、深く切り込むような用途には向きません。

木材を切る用途では、チェーンソーや電動のこぎりがありますが、これらは木材の板などをまっすぐに切断する用途には向いていません。

マルノコの使用用途

マルノコは木材加工の際によく使用されますが、金属の切断に使用するタイプもあります。石膏ボードの切断なども可能です。

手で持つタイプは、使用は簡単ですが正確な寸法でまっすぐ切断する用途には向いていません。正確な切断が必要な場合は、固定式のマルノコを用いてガイドに沿って切断します。

マルノコの原理

のこぎりは反復運動で切っていくのに対して、マルノコはモーターが回転し、円形のブレードを回転させ、回転力により木材を切断します。機構が単純であり、モーターの生み出すトルクを活かして強力な切断力を生み出します。

切り粉や粉塵が大量に飛び散るため、集塵タイプのマルノコや集塵機に接続できるタイプのも多いです。なお、マルノコは、充電式とコード式から選べます。コード式は電力が常時供給されるため、バッテリー切れの心配はありません。

しかし、コードの長さに制限があり、使用範囲が狭く、コンセントがない場所では使用できないのがデメリットです。充電式はコード式に比べると電圧が低く、パワー不足に感じるかもしれません。

マルノコの選び方

マルノコを選ぶときの基準は、切断する材料、最大切込み深さ、軽さの3つになります。

1. 切断する材料

一般的なマルノコは、木材用を指しますが石膏ボードや金属を切断するマルノコもあります。材料によって刃の加工や形状が違いますので、どの材料に使用するか確認してから購入することが大切です。

2. 最大切込み深さ

最大切込み深さは、刃の径で決まります。刃の径が大きいほど、切込みも深くなるため、基本刃の径が大きいものを選ぶとよいです。ただし、刃の径が大きいものは重くなります。

3. 軽さ

軽さに関しては作業効率につながります。軽いマルノコであれば、作業時の疲労は軽減されます。

マルノコのその他情報

1. マルノコの使い方

電動式であるマルノコは、きれいに速く木材などを切断できますが、とても危険な工具です。正しく使えば非常に便利な電動工具ですが、一歩間違えれば大きな事故につながります。

刃の角度調整
まずは刃の角度調整を行います。適切に刃の角度調整を行っていないと切った断面が直角にならないため注意が必要です。このとき、つまみねじが緩んでいないか確認します。

刃の深さ調整
刃の上下の深さ調整を行います。適当な長さで大丈夫ですが、材料の厚みにプラス1cm程度出ていることを目安にします。

安全カバーの確認
刃の安全カバーは、材料に刃が当たると自然開閉するようにできています。人が操作しませんが、作業前に安全カバーが正常に開閉するかを確認します。

材料の切断
引き金を引いて、材料を切断していきます。

2. マルノコを使用する際の注意点

マルノコを使用する前には、必ず装置の安全性を確認することが必要です。マルノコは非常に危険な工具の1つであり、誤った使い方をすると大怪我を負うことになります。以下に、マルノコを使う際に注意すべき点をいくつか紹介します。

保護メガネやマスクなどの安全用具を着用する
切断中に飛び散る粉塵や切りくずは、目や口に入ってしまうと大変危険です。

必ず切断対象物を固定するためのジグやクランプを使用する
木材などが動いてしまうと、危険な状況に陥る可能性があります。使用時は、切断ラインをマーキングしておくことが重要です。マーキングしたラインに沿って切断すれば、正確な切断が可能になります。

ブレードの近くに手を置かない
マルノコは回転力を利用して切断するため、切断時にはブレードが回転していることに注意してください。ブレードに触れたまま切断を行うと、手や指などが危険にさらされることになります。軍手の繊維がマルノコに巻き込まれて事故につながるため、作業時は素手で使用します。

使用後は刃物を引っ込める
マルノコを使用した後は、必ず刃物を引っ込めるか、取り外し保管してください。また、刃物が錆びたりダメージを受けた場合には、すぐに交換することが必要です。

 

そのほか、マルノコのブレードの交換や刃の角度調整、深さ調整を行う場合は必ず電源を切り、プラグを抜いてから行うことも大切です。ブレードを交換する際は、適切なサイズのものを選びます。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/round_saw/#i
https://www.uedakanamono.co.jp/blog/%E4%B8%B8%E3%83%8E%E3%82%B3#i
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/slidecircularsaw_howtouse/

マイクロニッパー

マイクロニッパーとは

画像出典元: Amazon

マイクロニッパーとは、細い金属や樹脂などの比較的硬度の小さい素材を切断するために使用される工具です。

ニッパーは、鋭い刃によって銅線や電線、樹脂などを切断する工具を指します。マイクロニッパーは、ニッパーのうち細かい作業に適したもので、小型のものが多く、小さいヘッドと軽い操作性が特徴です。

刃が鋭利なため破損する可能性があり、硬い金属などの切断には向きません。細かな切断作業に適しており、金属の細線やプラスチックのゲート (金型に溶融プラスチックを流しこむ際にできる通路部分) の切断などに使用されています。

マイクロニッパーの使用用途

マイクロニッパーの主な使用用途は、線や電線、樹脂などの切断です。汎用性が高く、一般家庭用の趣味・工芸から電気工事・産業分野まで、さまざまな場面で使用されています。

例えば、電子工作、プラモデル制作、ハンドメイドアクセサリー制作、電気配線、プラスチック部品の切り離しなどの用途が代表的です。プラスチック部品を射出成型すると、融かしたプラスチックの太い通路 (ライナー) 、部品の型に入る入り口の通路 (ゲート) 、部品本体が一体につながった状態で成型の型から外されてきます。

多くの場合で部品の保護のためにライナーごと運搬されており、使用直前にゲート部分で切り離す必要があります。マイクロニッパーは、プラスチックニッパーと重複した用途があり、このようなプラスチックのゲートの切断や微細加工にも使用可能です。しかし、マイクロニッパーは、プラスチックに限定されず、細い電線や銅線の切断もできます。

マイクロニッパーの原理

支点をヘッド部分に持つ「てこ」の原理により、刃に大きな力が加わります。労力を要せず、簡単に対象を切断できます。

マイクロニッパーは薄刃のものが多くなっていますが、これは大きな力をかけずに、比較的柔らかいものを丁寧に切り取るためです。また、ヘッドが小さいものが多く、狭い箇所でも目的の部位に差し入れて作業できます。

戻しばねを備えたものでは、ばねにより刃が開いた状態に戻るようになっており、切断する操作を簡単に反復しやすいです。このように作業性を高める工夫がされており、工作などの細かな作業を要する場面に適しています。

マイクロニッパーの選び方

サイズや先端刃の形状などによって多くの種類があり、目的に適したものを選ぶことが大切です。

1. 全体のサイズ

サイズは、120~200mmまで広い範囲があり、握りやすさや切断力の大きさなどから適切なマイクロニッパーを選ぶ必要があります。サイズが大きいほど、力も大きくなるため、太めの材料や硬めの材料には大きめのニッパーが適しています。

サイズが小さいほど、細かい操作がしやすいため、狭い場所での作業や、細かい作業には小さなニッパーが適しています。

2. 刃

刃の先端が薄いほど、切れ味が良いですが、その一方で刃を傷めやすくもなるため、目的や用途に応じて刃の厚みを選択します。

刃表面の形状は、丸みを帯びたラウンド刃と直線的なストレート刃があります。切断面を平らにしたい場合には、ストレート刃が適しています。

刃の丸みに沿って差し入れるようにして作業したいときや、刃の丸み (真ん中がやや出っ張っている) を利用してトリミングをしたいときはラウンド刃が適しています。

3. ヘッドの大きさ

狭いところに差し込む必要がある作業では、小さいヘッドのものを選択する必要があります。

4. 戻しばね

作業効率を上げるために、戻しばね付きのマイクロニッパーもよく使用されます。ばねにより刃が元の位置に戻るため、連続的に作業できます。作業内容に応じて、戻しばね付きのものにするかどうかを決めます。

参考文献
http://www.victor-kk.com/ja/products/82/
https://www.toptools.co.jp/products/2759/

運搬車

運搬車とは

運搬車

運搬車とは、資材や作物などの荷物を運搬するための車両です。

積載量は運搬車の仕様によって異なります。手動で動かして運搬する小型の運搬車から、エンジン駆動式で運転席に乗車して公道を走行できる乗用運搬車まで幅広いです。

運搬車を使うと一度に大量の作物、土砂、資材などを容易に運べます。

運搬車の使用用途

運搬車は作物や資材などを大量に運ぶために使用され、主に工事現場、農作業地、畜産の現場などで用いられます。作業場から荷降ろし場までの往復回数を減らせて、作業の効率を向上可能です。

使用用途に合わせて運搬車の仕様が異なり、荷台部分を斜めに傾けて簡単に降ろせるタイプは土砂などの運搬に適しています。手動やエンジン駆動式があり、手で押す以外にも自分で乗って移動できる運搬車には立ち乗りタイプや公道を走れる乗用運搬車もあるため、移動範囲などに合わせて選択可能です。

そのほか、荷台部分がリフトになっていて昇降できる運搬車やステンレス製の運搬車もあります。ステンレス製は過酷な使用条件に対応可能で、たい肥などの運搬に適しています。

運搬車の原理

運搬車は荷台部分と駆動部分に分かれています。駆動部分はクローラータイプとホイールタイプに分類可能です。

1. クローラータイプ

クローラータイプの運搬車は駆動部分が無限軌道になっています。そのため農地や工事現場などの平ではない道路、路面が整備されていない砂や土砂の上、傾斜地などでも運搬可能です。

2. ホイールタイプ

ホイールタイプの運搬車は駆動部分がタイヤで、手動とエンジン駆動があります。無限軌道よりも小回りが利くため、狭い道や機敏な動きが必要な場合に適しています。

運搬車の構造

荷台の形状で積載量が違うため、運搬車の形状は重要です。

1. 平ボディ

平ボディは荷台がフラットで屋根のない運搬車です。高さがある荷物を積みやすいです。しかし風雨で荷物が濡れたり、車が揺れて荷物が落ちる危険性があります。風を避けるためにシートを用いたり、ロープで荷物を固定する必要があります。

2. バンボディ

バンボディの運搬車は荷台がアルミ製のボックス型です。風から荷物を守れるため、現在ニーズが高まっています。商用車に用いる会社も多く、災害時に役立ちます。

3. 保冷車

保冷車は外気の影響を受けにくいです。荷台が断熱加工され、食材などを低温で保存しながら運べます。ただし保冷車では積み荷を冷やせません。

4. 冷凍車・冷蔵車

冷凍車や冷蔵車は冷凍食品を運搬可能です。生鮮食品や魚介類の鮮度を守りながら運べます。

5. ウィングボディ

ウィングボディはバンボディの荷台の両側が鳥の翼のように広がります。荷物の積み降ろしが容易で多くの荷物を運搬可能です。長い荷物を積めるほか、小型の荷物を隙間なく積み込めます。ウィングボディは中型トラックや大型トラックだけで、小型トラックはありません。

6. 牽引貨物自動車

牽引貨物自動車は連結式トレーラーで大量に輸送でき、輸送効率が高い運搬車です。

7. 特殊作業車両

特殊作業車両は荷台部分に特殊機能を搭載し、専門機能が高い運搬車です。

運搬車の種類

運搬車のサイズは3種類に分類されます。

1. 小型トラック

一般的に小型トラックとは道路運送車両法で全長が4,700mm以内、全高が2,000mm以内、全幅が1,700mm以内、最大積載量が3,000kg以内の運搬車のことです。すなわち2トントラックや3トントラックは小型トラックですが、トラックメーカーでは4トン未満が小型トラックと呼ばれています。

2. 中型トラック

中型トラックは全長が12,000mm以内、全高が3,800mm以内、全幅が2,500mm以内、積載量が約3〜4トンの運搬車です。荷台の形で積載量が違います。普通免許で運転できる中型トラックは最大積載量によって異なります。

3. 大型トラック

大型トラックは最大積載量が4トン以上の運搬車です。運転には大型免許が必要です。

参考文献
https://www.yanmar.com/media/news/2019/04/04002230/truck.pdf
https://www.yanmar.com/jp/agri/products/truck/
https://www.yanmar.com/jp/agri/products/truck/fg190/
https://www.yamabiko-corp.co.jp/kioritz/products/category/contents_type=113