マイクロヒータ

マイクロヒータとは

マイクロヒーターとは、金属などの表面に隙間なく巻き付けて、間接的に加熱することができるヒーターのことです。

温度の上昇する速度が早く熱効率が高いため、素早い反応で加熱することができ経済的です。シースという発熱部分が柔軟なため、曲げたり巻いたり、簡単に変形できます。そのため、用途に合わせた形状で使用できます。また、シースには、耐熱性が高く腐食に強いステンレスなどの素材が用いられています。

マイクロヒータの使用用途

マイクロヒーターは、軽量で非常に細いです。柔軟性に優れており、自由な長さで広範囲にわたって均一に加熱することができます。様々な場所で、主に間接的な加熱をする目的で使用されています。

実験や工業などの分野で幅広く用いられています。配管などが凍ってしまうのを防ぐための保温目的や、金属板との間の加熱・保温目的などに用いられています。

使用する際には、マイクロヒーターが重ならないように一定の間隔をあけ、対象物とマイクロヒーターとの間に隙間ができないようにきつくしっかりと巻き付けます。工具などを使用しなくても、手で曲げ加工することが可能で、非常に容易に使用できます。

マイクロヒータの構造

ヒーターが発熱する部分は、細い管状の金属の中に、発熱線を包むように絶縁体が封入されています。気体に発熱線が触れることがないため、酸化などによる劣化の影響が小さく、長期間にわたって使用できます。

発熱部分を必要な長さで切り、その両端に外部からアダプタとリード線を付加しています。リード線の周囲には、防湿加工が施されており、湿度による腐食を防ぎます。

温度上昇が早く熱効率が高い理由は、細管であり保持できる熱量が小さく、外部に熱が伝わりやすいためです。

参考文献
https://kashima-hot.co.jp/kashima_p/industrial/micro/micro_h.pdf
https://www.nippon-heater.co.jp/products/metal/mc/
https://www.okazaki-mfg.com/BasicProducts/micro_heater.html
http://www.yamato-gr.jp/product/0103.html

マイクロチューブ

マイクロチューブとは

マイクロチューブ

マイクロチューブとは、生化学および分子生物学などで用いられるマイクロリットルからミリリットル単位のポリプロピレン製小型試験管です。微量遠心機にセットして使用することが多いため、微量遠心管とも呼ばれます。

マイクロリットル単位で行う実験において、異物の混入は実験結果に大きく影響するため、基本的には使い捨てで使用する、ディスポーザブル型消耗品です。

0.2ml, 1.5ml, 2.0mlなど多様な容量のものがあります。ロック式の蓋が本体から繋がっており、密閉性が優れています。 

マイクロチューブの使用用途

マイクロチューブの概要

図1. マイクロチューブの概要

マイクロチューブは試料調整・反応・保存・抽出・濃縮・培養などに用いられます。用途に応じて多様な素材や形状のものがあります。

例えば、遺伝子を扱うPCR試験においては熱制御が重要であり、また、DNase、RNaseや核酸などの汚染がないものを用いることが必要となります。そのため、PCR試験では比較的壁が薄く均一で熱伝導効率に優れ、清潔が保証された専用のマイクロチューブが用いられます。

その他、タンパク質やペプチドを扱う解析では、内壁への吸着を低減するタイプのマイクロチューブ(低吸着チューブ)を使用します。 

マイクロチューブの構造

マイクロチューブは、一般的にはポリプロピレンでできています。ポリプロピレンは熱可塑性樹脂の中では耐熱性が高いため、オートクレーブにも使用することができます。

また、ポリプロピレン製マイクロチューブは、耐薬品性にも優れ、硫酸水酸化カルシウムなどの酸・アルカリにも強く、多くの有機溶剤にも耐性があります。ただし、クロロホルムや濃度の高い酸など一部利用できない薬剤もあるので、必ず製品情報を確認することが必要です。

ポリプロピレン製では用いることのできない溶剤を利用する場合は、ガラス製のマイクロチューブを使用します。ガラス製のマイクロチューブはポリプロピレン製のマイクロチューブよりも耐薬品性が強いです。透明度も高いので、内容物の観察が必要な場合にも適しています。

その他、低吸着タイプのマイクロチューブにはシリコンコーティング、MPCポリマーコーティングなど低吸着の処理方法も多様で、目的に合った製品を選ぶ必要があります。

マイクロチューブの選び方

特殊なマイクロチューブ

図2. 特殊なマイクロチューブ

まずは、扱う試料・溶媒量に合わせて、チューブの大きさを選択します。次に、使用する溶剤・薬品の中に、チューブ素材のポリプロピレンを溶かしたり、ポリプロピレンと反応したりするものがないか確認し、ポリプロピレン製チューブが使用できない場合はガラス製マイクロチューブを選択します。

マイクロチューブは基本的には無色透明であることが多いですが、完全遮光チューブや半透明の一部遮光チューブもあります。試料や薬品が光刺激に弱い場合は、遮光性のあるものを選んでください。

タンパク質・ペプチドなどを用いる場合は、実験の性質や試料の特性に応じて、低吸着チューブを選択します。低吸着化の処理方法にも種類があるため、実験系に適した製品を選択することが重要です。

ポリプロピレン製マイクロチューブの薬品耐性一覧

図3. ポリプロピレン製マイクロチューブの薬品耐性一覧

例えば、シリコンコーティングは撥水性加工のため、粘性の高い血液や核酸などに適しています。有機溶剤を使用するとコーティングが剥がれる恐れがあります。

一方で、MPCポリマーコーティングは親水性加工のため、タンパク質などの疎水性サンプルの利用に適しています。アセトニトリルやDMSOなどの有機溶剤には耐性がありますが、強酸および強アルカリには耐性がありません。 

ポリプロピレン表面処理によって低吸着化を図るのではなく、独自のタンパク質・ペプチド低吸着樹脂原料を配合することで表面吸着を抑えるタイプの低吸着チューブもあります

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/htsj1999/43/180/43_180_24/_article/-char/ja/
http://www.hi-tech-inc.jp/prd43.htm

ポリイミドフィルム

ポリイミドフィルムとは

ポリイミドとは、極めて強固な分子構造をしているために熱硬化樹脂の中最も耐熱性に優れたプラスチックです。

他にも高絶縁性、低誘電率、体誘電損失などの電気特性、耐薬品性、耐放射線性に優れています。電気・電子機器や各種産業機器、宇宙航空分野などでは不可欠の材料で、熱に対する膨張率が低いため寸法誤差を抑えることが可能です。

密着性、半田耐熱性、寸法安定性など、製品の小型化に大きく貢献しています。

ポリイミドフィルムの使用用途

ポリイミドフィルムは、低誘電率、かつ熱に対する膨張率が低いことから、精密フレキシブルプリント配線の基板やモーターコイルの絶縁体として用いられています。それらは、ノートパソコンやスマートフォンなどに組み込まれています。

通常、ポリイミドは黄色や橙色をしていますが、透明なタイプのポリイミドフィルムは用途が幅広いです。スマートグラス用基板や次世代ディスプレイ基板、太陽電池用基盤などの透明性を生かした基盤、タッチパネルやディスプレイなどの表示機器として使用されます。

ポリイミドフィルムの原理

ポリイミドは主鎖構造が主に芳香環 (ベンゼン環とイミド環) で構成されています。自由回転が可能な単結合が少ないため配座構造がほとんど変化せず、ガラス転移点や融点が高くなることを意味します。これがポリイミドの高い耐熱性の理由です。

多くのポリイミドフィルムは黄色や橙色に着色しており、イミド環の分極に基づいて、分子内、分子間での電荷移動錯体を形成していることに由来します。光学材料として使用するために無色透明なポリイミドが求められ、置換基で意図的に立体障害を起こさせ非平面構造にしたポリイミドや、脂環構造のポリイミドが例に挙げられます。

基盤として使用する際には信号の高速化のために、ポリイミド絶縁膜の誘電率をできるだけ低くすることが重要です。主鎖中にかさ高い連結基を導入して分極率の高いイミド環の割合を減らしたり、フッ素やトリフルオロメチル基を置換基として導入したりすることで可能になります。

ポリイミドフィルムの種類

1. 一般用途ポリイミドフィルム

一般用途ポリイミドフィルムは、最も一般的なタイプのポリイミドフィルムであり、広範な産業分野で使用されています。その主な特徴は、耐熱性の高さです。

一般用途ポリイミドフィルムは通常、耐熱温度が200℃以上であり、高温環境での使用に適しています。また、耐薬品性や耐摩耗性も優れており、様々な環境において長期間の使用に耐えることが可能です。

2. 超高耐熱ポリイミドフィルム

超高耐熱ポリイミドフィルムは、一般用途ポリイミドフィルムよりも更に高い耐熱性を持つタイプのフィルムです。耐熱温度が一般的に300℃以上に達し、高温環境での使用が必要な厳しい産業分野や航空宇宙産業で広く利用されています。

航空機や宇宙機器の部品として、エンジンや推進系の高温部位での絶縁材として使用されることがあります。また、エンジンや高温炉、電子機器など、高温環境下での断熱や保護が必要な場面で重要な役割を果たすフィルムです。

3. 透明ポリイミドフィルム

透明ポリイミドフィルムは、通常のポリイミドフィルムと同様の特性を持ちながら、透明性を持つフィルムです。通常のポリイミドフィルムは一般的には非透明ですが、透明ポリイミドフィルムは特別な加工により透明化されています。

高温環境下での透明な窓が必要な自動車のセンサーカバーや高温透明袋、光学センサーなどの透明部品の製造に使用されます。また、半導体製造や光学機器などの分野でも利用が可能です。

4. 粘着付きポリイミドフィルム

粘着付きポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムの片面に粘着剤を付けたタイプのフィルムです。これにより、簡単に貼り付けることが可能で、特に電子機器や電気部品の組立や保護に重宝されます。

粘着付きポリイミドフィルムは、配線の絶縁、部品の保護、シール材として使用され、電子機器の製造工程で活躍します。また、高温環境下での粘着性が保たれるため、高温部品の保護や絶縁にも適したフィルムです。

参考文献
www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1998/4/7/4_7_640/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/46/8/46_8_566/_pdf

ポリイミドチューブ

ポリイミドチューブとは

ポリイミドチューブとは、耐熱・耐寒性に優れ、ポリイミドフィルムを巻いて接着してあるチューブもありますが、シームレスで作られているものであれば接着剤の影響を受けず、耐熱性をフルに発揮するチューブです。

特殊な多重構造になっており、衝撃や屈曲に強く、破れる心配がありません。内径0.08mm、厚さは0.013mmの極細、極薄でもチューブが作れます。

内径が大きいものは、チューブベルトと呼びます。ほとんどの接着剤で接着可能で、作業性も良好な特徴を持っています。

ポリイミドチューブの使用用途

代表的な用途としては、電子部品用としては導体スリーブや絶縁体、医療用では医療用カテーテルや分析機器用輸液チューブ、その他では光ファイバーの被膜などです。温度センサーやヒーター素子、リード線に使用されることもあります。チューブベルトは平滑な表面と正確な寸法でOA機器や精密機器の駆動機構に用いられます。

用途別に極細のものから大口径まであり、ポリイミド以外の樹脂を内側ないし外側に層状にすることで摺動性を向上させたり、金属ワイヤを編み込んで肉厚強度を向上させたりすることが可能です。穴や溝を入れたり、テーパー加工を行ったりするなど、特殊加工を施すこともあります。

ポリイミドチューブの原理

極めて強固な分子構造をしているポリイミドは−269℃~400℃に耐え、高絶縁性、低誘電率、体誘電損失などの電気特性、耐薬品性、耐放射線性に優れている物質です。イミド環の分極に基づいて、分子内、分子間での電荷移動錯体を形成しているため、黄色から橙色をしています。

主鎖構造が主に芳香環 (ベンゼン環とイミド環) で構成されており、これは自由回転が可能な単結合が少なく配座構造の変化が少ないです。非常に剛直であり、ガラス転移点や融点が高くなることを意味します。ポリイミドのガラス転移温度の高低には分子間相互作用も寄与しており、分子の対称性が低下して直線状構造からずれると下がる傾向です。

用途によって特性を強化したり付与したりするために置換基で加工したり、チューブを物理的に加工したりすることがしばしば行われます。例えば、医療用カテーテルとして使用される場合、非常に細いチューブでも作業が可能になるように摩擦係数を下げ、表面抵抗を抑えたりします。ポリイミド以外の樹脂と組み合わせて層状にすると摺動性が向上します。

ポリイミドチューブの種類

1. 耐熱ポリイミドチューブ

耐熱ポリイミドチューブは、ポリイミド樹脂をベースにした高温に耐える特性を持つチューブです。一般的な耐熱温度は200℃以上であり、一部の製品では300℃以上の耐熱性を示すものもあります。

エンジン部品やヒーター、電気モーターの絶縁コイル、宇宙航空産業の部品など、高温環境での電気絶縁材や耐熱部品として幅広く使用されます。特に、航空機や宇宙機器、自動車など高温に晒される環境での利用が多いです。

2. 高強度ポリイミドチューブ

高強度ポリイミドチューブは、強力な機械的特性を持ち、優れた耐久性を有しています。ポリイミドの高分子構造は高強度であるため、構造用途や複雑な形状の部品として利用されることが一般的です。

建築業界では、高強度ポリイミドチューブが建物の断熱材として使用されたり、自動車産業ではエンジン部品やギア、ベアリング、歯車などに応用されたりします。その堅牢さと耐久性によって、厳しい条件下での使用に適しています。

3. 電気絶縁ポリイミドチューブ

電気絶縁ポリイミドチューブは、優れた電気絶縁性を持つため、電気部品や配線の絶縁材として利用されます。ポリイミドの高い絶縁性は、電気信号の流れを妨げず、安全かつ信頼性のある電気絶縁を実現可能です。

高電圧や高周波の電気機器、電気モーター、トランスフォーマー、太陽電池パネルなどで使用されます。特に高性能な電気絶縁が求められる産業分野で広く利用されます。

4. 吸水性ポリイミドチューブ

吸水性ポリイミドチューブは、特殊な加工により水を効率的に吸収する性質を持っています。この特性により、水を含んだり放出したりすることが可能です。

汚れや油脂を効率的に吸収するため、キッチンや自動車の洗浄用品として非常に便利です。また、吸水性ポリイミドチューブは浸水した場合にも速乾性があります。そのため、水を含んだ後も素早く乾燥し、再利用が可能です。

参考文献
www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1998/4/7/4_7_640/_pdf/-char/ja
https://www.hagitec.co.jp/hagi07/polyimidtube.htm

プラズマ処理装置

プラズマ処理装置とはプラズマ処理装置

プラズマ処理装置とは、金属、合成樹脂、セラミックス、プラスチックなど、産業分野で用いられるあらゆる素材に対して表面処理 をする際に、プラズマ処理と呼ばれる前処理を行うための装置です。

プラズマ処理では、電気の力によって主に酸素などの気体をプラズマ化し、ラジカルという不対電子を持つ原子や分子を樹脂などの表面に付与します。ラジカルを付与する目的は、表面処理する製品の表面を活性化させ、接着性やぬれ性という親水性を高めることです。

プラズマ処理が前処理として行われる表面処理には、主に洗浄や活性化などの改質、接着や接合、塗装やコーティングなどがあります。プラズマ処理装置の導入は従来の工程を簡略化や、作業効率の改善やコスト削減にもつながります。

プラズマ処理装置の使用用途

プラズマ処理装置は現在、電子技術だけでなく自動車・航空産業から包装や日用品まで、製造業のあらゆる分野において幅広く利用されています。電子デバイス関連での使用例は、回路の電子部品を傷防止塗装などです。傷防止塗装を施すことによって基盤の耐久性を向上させたり、クリーニング工程で効率的な作業を行ったりすることが可能になります。

自動車業界の使用例としては、車載用回路基盤とエポキシ樹脂との接着、エンジン用金属部品の表面オイルの洗浄などです。包装や日用品では、プラスチックの箔押しや、表面印刷、塗装などに使用されています。この他にも、加工時に殺菌効果を利用して、医療機器などの洗浄やコーティングなどにも用いられています。

プラズマ処理装置の原理

そもそもプラズマとは、気体中の原子や分子が電離して、プラスの電荷をもつ正イオンとマイナスの電荷をもつ電子に分かれている状態のことです。個体、液体、気体に続く第4の状態と呼ばれます。プラズマ処理装置の目的は、空気中で放電することによって空気中の酸素分子を電離させ、酸素原子が励起し酸素イオンや自由電子を含むプラズマを発生させることです。

発生したプラズマの電子・イオン・ラジカルは電子部品の基盤など、処理対象製品の接触し、基盤材料の分子とプラズマ中のイオン・電子が反応することにより、親水性官能基を生成します。親水性官能基が表面に形成されることによって、接着性やぬれ性を向上させます。

プラズマ処理機の種類

プラズマ処理機には大きく、大気圧で処理する大気圧プラズマ処理機と真空で処理する真空プラス魔処理機があります。大気圧プラズマ処理機は、1対の電極に窒素や希ガスなどのガスを流し、高周波・高電圧を印加することによって、大気圧のままプラズマを発生させる装置です。

一方で、真空プラズマ処理機では、密閉されたチャンバー内に基材を置いて材料の表面に均一にプラズマを照射していきます。主に半導体などの電子部品の製造、医療用途で使われます。

プラズマ処理装置のその他情報

1. プラズマ処理の特徴

プラズマ処理には主に2つの特徴があります。1つ目の特徴は、プラズマ化するガスが複数あることです。酸素や窒素に加えて、ヘリウムなどもプラズマ処理に用いることができます。また、ガスを組み合わせればプラズマの化学的な性質を変えられるため、基材の性質や与える機能を選ぶことができます。

2つ目の特徴は、基材へのダメージが少ないことです。プラズマはガス状態なので材料の内部への影響は少なく、極表面だけに作用させることができます。

2. プラズマ処理の効果

プラズマ処理の効果は大きく3つあります。

親水化
親水化はぬれ性を向上させることができます。水との馴染みが良くなり、水玉ができにくくなるといった状態を指します。つまり親水の反対は撥水です。

接着性の改善
プラズマ処理によって、樹脂同士や樹脂と金属との接着力を向上させることができます。プラズマ処理で表面に親水性の官能基が形成されるため、接着剤との親和性が高くなります。

洗浄
プラズマ処理によって、金属やガラス表面に付着している有機物が除去できます。これはプラズマによって発生した酸素ラジカルが、処理品の表面に付着している有機汚染物の炭素原子と反応し、二酸化炭素となって放出され、結果的に表面が洗浄されます。

参考文献
https://www.nippoe.co.jp/products/plasma/
https://www.plasmatreat.co.jp/
https://www.plasmatreat.co.jp/plasma-treatment_industrial-applications.html
http://nissin-inc.co.jp/solution/process/
http://nissin-inc.co.jp/solution/process/plasma/

フレコンバッグ

フレコンバッグとは

フレコンバッグ

フレコンバッグとは、粉体や粒体をひとまとめにかつ大量に運ぶことができる容器です。

正式名称はフレキシブルコンテナバッグ、略してフレコンなどとも呼ばれます。また単純にコンテナバッグ、トン袋、クロスコンテナバッグ、トランスバックとも呼ばれます。

袋状の梱包資材となっており、柔らかく丈夫で持ち手が付いているため非常に持ちやすいです。また、ボトムには排出口が付いており、持ち手を吊り上げて下から抜き出せる構造になっています。 

フレコンバッグの使用用途

フレコンバッグは非常に簡易な構造をしていることから幅広い業界で用いられています。主に粉体・粒体を入れています。

用途としては、粒状プラスチック、大豆、薬品、お米、小麦粉などを入れる容器として用います。また、中に土を入れることで土嚢としても用いられます。その際には対候性の大型のフレコンバッグを用います。

一般的には丸型を用いますが、積んだ時に安定させるのに角型を用いることもあります。また、こぼれを防止するためには内袋付きのものも利用します。 

フレコンバッグの原理

材質はポリプロピレンポリエチレンなどの合成繊維を用いて編み込んで作られます。対候性の化学繊維を用いていることから丈夫で軽量な特徴をもっています。また、使用しない時には折りたたむことができるため場所を取らない利点があります。耐荷重は1トン程度にもなります。材質がポリプロピレンやポリエチレンなので燃やしても有害物質が出ません。

デメリットは材質の関係から熱に弱いことです。また同様の理由で紫外線劣化しやすいことも挙げられます。フレコンバッグにはUV剤というものを少しだけ混ぜて劣化を防ぐようにしています。それでも劣化を防ぎたい場合はUVカットカバーを上から被せることが有効です。

使い方としては、フォークリフト吊りベルトを用いて持ち上げ、抜き出し口の紐をほどき、ボトムから排出します。フレコンバッグの上部から吸引して抜き出す機器も多くの会社が販売しています。そのような製品は主に真空吸引によるものが多いです。

フレコンバッグのその他情報

1. フレコンバッグの規格

フレコンバッグのサイズは、メーカにより様々ありますが、一般的によく使われているサイズは直径1,100×高さ1,100mmです。

しかし、状況よっては比重の大きいものに利用するため500×500mmの小さい方が作業しやすい場合や、高さ1,800mmのバッグにして縦長の塩ビ管を入れて運ぶ場合もあります。メーカによっては特注で制作も可能ですが、サイズを特注する場合は発注数量が多くないと費用が割高になるため注意が必要です。

日本で販売されているフレキシブルコンテナバッグの寸法は、丸形の場合、直径は1,100mmを制作しているメーカが一番多く、600~800mmのサイズを制作しているメーカが多いです。角型の場合は、縦横は800~1,000mmで正方形のサイズが、高さは1,000~1,200mmのサイズを制作しているメーカーが多いです。

2. フレコンバッグのスタンド

フレコンバッグへ粉体などの材料を投入する作業をする際、材料が中に何もない状態だとフレコンバッグの投入口が広がらず、手で広げないと入れにくい場合があります。

そのような場合はフレコンバッグスタンドを利用することで一人でもフレコンバッグへの投入作業が可能となります。フレコンバッグの耳をバーに引っかけることでフレコンバッグを立たせたまま広げることができます。フレコンバッグのサイズに合わせて調整でき、角型や丸型など様々な形状に対応しているものもあります。

ただし、フレコンスタンドは作業場所が移動する場合、必要な数だけ持ち歩く必要があるという課題があります。その場合はスタンドなしでも自立するフレコンバックを使用します。フレコンバッグの角にワイヤーが入っており、支えがなくても角が広がります。投入口が広がったままになっており、フレコンバッグの中に材料を投入しやすいことが特徴です。

参考文献
https://www.koizumiseima.co.jp/column/2012/10/blog-post_11-19/
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/flexiblecontainers/
https://www.softbag.jp/info/useful/fibc-material-features.html 
https://blog.kensetsu-shizai.com/flexible-containers/18

フレキシブルプリント基板

フレキシブルプリント基板とはフレキシブルプリント基板

フレキシブルプリント基板とは、ベースフィルムの上に屈曲可能なよって配線パターンを形成した基板です。

ベースフィルムは、絶縁性があり屈曲可能な樹脂で構成されています。フレキシブルプリント基板は、厚さを薄くすることが可能で、電気的な特性を維持したまま自在に屈曲できる特徴を持ちます。

フレキシブルプリント基板の使用用途

フレキシブルプリント基板は、部品などを搭載して回路基板として使用されるほか、配線パターンのみを形成してケーブルのように接続部材としても使用可能です。

薄く柔らかいという特徴から、曲げる、折りたたむなどの動作が必要な可動部分や、接続部分に多く使用され、フレキシブルリジット基板と共に立体的回路などにも用いられています。フレキシブルプリント基板は、当初の使用目的である宇宙開発分野や軍事的分野のほか、薄型および軽量化が要求されるスマートフォンや携帯電話、タイピングキーボードや電卓などの身近な分野でも使用されることが多いです。

フレキシブルプリント基板の原理

フレキシブルプリント基板は、ポリイミドなどの屈曲可能な樹脂製のベースフィルムの上に屈曲可能な銅によって配線パターンを形成したものです。

プリント基板としては、硬質で屈曲しない絶縁性のあるベース板の上に配線パターンをもつリジット基板もあります。フレキシブルプリント配線板は、リジット基板と異なり、ベースが薄いフィルム状とされていること、ベースが屈曲可能であることから、リジット基板よりも厚さを薄く加工できる上、屈曲可能な点が特徴です。なお、リジット基板と同様に、配線パターン上に部品を実装できます。

フレキシブルプリント基板の種類

フレキシブルプリント基板には、配線パターンがベースフィルムの片面に1層のみ形成された片面構造と、ベースフィルムの両面に1層ずつ形成された両面構造があります。また、ベースフィルムの両面それぞれに2層以上の配線パターンが積層された多層化フレキシブルプリント基板もあります。

1. 片面構造

フレキシブルプリント基板の片面構造は、1層の配線パターンがベースフィルムの片面のみに形成されているものです。片面構造は軽く柔軟性に優れており、可動への耐久性が強いため、可動部分でよく用いられます。

2. 両面構造

フレキシブルプリント基板の両面構造は、1層の配線パターンがベースフィルムの両面にそれぞれ形成されているものです。両面構造は小型で高密度に配線パターンを形成できる点に優れ、より多くの機能を搭載できます。しかし、片面構造と比較すると、柔軟性や耐久性に劣るため、可動部分での使用には不向きです。

3. 多層化フレキシブルプリント基板

多層化フレキシブルプリント基板とは、フレキシブルプリント基板を多層化させたものです。フレキシブルプリント基板においても、リジット基板と同様にベースフィルムの面上の配線パターンを2層以上に積層することができます。

この場合、効率よく多層化するために、ベースフィルムの両面に2層以上の配線パターンを絶縁層を挟んで積層します。この多層化フレキシブルプリント基板に保護層を設けたものをフレックスリジット基板などと呼びます。

この多層化フレキシブルプリント基板 (フレックスリジット基板) は、軽量ながら、リジッド基盤と同様の高い機械強度と回路形成をすることができるため、立体的回路などへの使用が可能です。電子機器をコンパクトにサイズダウンするには必要不可欠な部品となっています。

フレキシブルプリント基板のその他情報

1. フレキシブルプリント基板の製造方法

フレキシブルプリント基板の製造方法として、片面構造のフレキシブルプリント基板を例に解説します。

  1. フォトレジストの塗布
    ポリイミドフィルムなどの絶縁ベースフィルムに銅箔が貼り合わされたCCLにフォトレジストを塗布します。
  2. フォトマスクの形成
    これに所定の配線パターン形状を作製したフォトマスクをかぶせます。このとき、フォトマスクは、印刷や写真の技術と同様に、配線パターン部分を除去した形のものです。
  3. フォトマスクの紫外線硬化
    フォトマスクの上から紫外線を照射し、配線パターンに対応した部分のみ紫外線硬化させます。
  4. フォトレジスト除去
    フォトマスクを除去し、薬液を用いて未硬化のフォトレジストを除去します。
  5. 銅箔の除去
    次の工程は、エッチングと呼ばれる工程です。エッチング工程では、薬液により銅箔の除去をおこない、フォトレジストに保護されている部分、すなわち配線パターン部分の銅箔のみが残り、配線パターンが形成されます。
  6. 硬化フォトレジストの除去
    配線パターンを覆う硬化したフォトレジストを薬液により除去します。
  7. カバーレイの形成
    配線パターンを保護するカバーレイと呼ばれる絶縁層を形成します。

このようなフレキシブルプリント配線基板の製造には、多くの化学的知識が必要です。配線パターンのみを残すエッチング工程や、配線パターンを保護するカバーレイの形成工程には無機化学の知識が必要となります。

各工程間では、水洗がおこなわれますが、この水洗工程における廃液には多種多様の有害物質が含まれるため、化学的知識に基づいた高度の排水処理技術が必要です。

2. フレキシブルプリント基板の世界動向

西暦2000年以前には、多くの分野でメイドインジャパンは品質が良いとされており、日本の製造業は世界的にも高い競争力を誇っていました。しかし、現在では必ずしもそうではありません。フレキシブルプリント基板の製造分野においても、日本はかつてトップでしたが、現在は大きく様変わりしています。

フレキシブルプリント基板は、世界中で製造され、約2,500社が製造しています。2018年では台湾のメーカーがトップで、次いで日本や韓国、中国など東アジアの一部の有力メーカーです。フレキシブルプリント基板は、官民の軍需及び産業機械、宇宙産業や自動車、通信分野など様々な分野で、今後も需要が高まると予想されています。

技術力向上への投資やレアメタル資源が潤沢であることから、中国が最も勢いがあると予測する見方もあります。トップグループの台湾・日本・韓国はより高単価のニッチ分野に向かい、中国は現在でこそ低価格帯のプリント基板中心の売上を伸ばしていますが、技術力の差は縮まっており、将来的に中国がトップグループに入るのは時間の問題です。

参考文献
https://www.p-ban.com/about_pcb/flexible.html
https://www.mektron.co.jp/product/fpc/
https://www.elephantech.co.jp/pickups/what-is-flex-pcb/
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/fpc/flexible/fpc_setumei.html
https://www.p-ban.com/about_pcb/flexible.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1998/7/5/7_5_367/_pdf

フタル酸樹脂塗料

フタル酸樹脂塗料とは

フタル酸樹脂塗料とは、耐久性に優れた塗料です。

フタル酸樹脂の別名はアルキド樹脂で、この塗料はフタル酸とポリアルコール類という2つの主要な成分から成り立っています。多価アルコールと多塩基酸、変性剤の選択によって広く性質の異なる樹脂が得られるため、使用分野に応じて多様な塗料を作ることが可能です。

フタル酸樹脂塗料の使用用途

この塗料の特徴的な性質は、耐候性が高いこと、長期間にわたって変色や劣化しないことです。また、耐薬品性にも優れており、化学物質や酸性物質による損傷を最小限に抑えます。

そのような点を活かして、主に建築、車両、船舶、機械などに使用されています。

1. 建築物の外壁・屋根

フタル酸樹脂塗料は、建築物の外部に使用されることも一般的です。耐久性があり、耐候性に優れているため、長期間にわたって変色や劣化することがありません。また、塗料の多様な色と仕上げのバリエーションにより、建物の外観を美しく保ちます。

2. 車両

自動車や鉄道車両などの車両の塗装にもフタル酸樹脂塗料が使用されます。塗料の硬化反応により、耐久性と耐摩耗性が向上し、車両の外観を保護することが可能です。さらに、塗料の色の選択肢と光沢の調整で、個性的なデザインや仕上がりを実現することができます。

3. 船舶

フタル酸樹脂塗料は、海洋環境に耐える必要がある船舶の塗装にも適しています。海水や紫外線からの保護を提供し、船体の耐久性を向上させます。また、潮風や化学物質に対する耐性も持っているため、船舶の外観を長期間にわたって維持することが可能です。

4. 金属表面の保護

タル酸樹脂塗料は、金属表面の保護にも効果的です。金属は酸化や腐食に対して脆弱ですが、フタル酸樹脂塗料を使用することで、金属表面を保護し、耐久性を高めることができます。

5. プラスチック製品

フタル酸樹脂塗料は、プラスチック製品の塗装にも最適です。プラスチックは耐久性や耐摩耗性が低いため、塗料による保護が必要になります。フタル酸樹脂塗料はプラスチック表面に密着し、優れた保護機能を提供します。

また、塗料の仕上げの多様性により、プラスチック製品に美しい外観を与えることが可能です。

フタル酸樹脂塗料の原理

多価アルコールの水酸基と酸のカルボキシル基が反応し、水分子が分離される縮合反応によってフタル酸樹脂が生成されます。フタル酸樹脂は溶剤に対する溶解範囲が限定され、フタル酸樹脂が酸素と反応し、硬化することから、塗装面に密着しやすい点も特徴です。

縮合反応は急速に進むために活性基が残りやすく、変性樹脂として用いるのが一般的です。最も多く使用されているのは乾性油変性樹脂で、自然乾燥型のフタル酸樹脂塗料は長油性フタル酸樹脂を主成分とし、乾燥剤によって酸化重合して塗膜を形成します。

脂肪酸の不飽和二重結合が極めて活性であり、乾燥剤の触媒作用によって空気中の酸素で酸化され、過酸化物を生成します。この過酸化物は最終的には網状に分解重合することで、不溶な塗膜を形成するという原理です。

また、同様に乾性油変性樹脂を主成分として油長が比較的短い樹脂を用いた場合、硬化を促進するためにメラミンや尿素樹脂等を少量添加し、速乾性で高硬度の塗料を生成します。

フタル酸樹脂塗料の特徴

この塗料の特徴的な性質は、耐候性が高く、長期間にわたって変色や劣化することがありません。また、耐薬品性にも優れており、化学物質や酸性物質による損傷を最小限に抑えます。

さらに、フタル酸樹脂塗料は優れた耐摩耗性を持っており、物理的な摩擦や機械的なストレスに対しても強く、長期間の使用に耐えることが可能です。その他、フタル酸樹脂塗料は耐久性と保護機能だけでなく、美観面でも優れた結果をもたらします。様々な色や仕上げのバリエーションがあり、独特の光沢や質感を提供します。

フィールドバランサ

フィールドバランサとは

フィールドバランサとは、回転する機械や研削・研磨など工作機器のベアリングや機構に対して使用する測定器のことです。

フィールドバランサを用いて機械のバランスを測定することで、機械の性能を維持し、製品の製造やメンテナンスを高い精度で行い続けることができます。マイコンが導入されているフィールドバランサでは、アンバランス度合いを自動で計算できます。

フィールドバランサの使用用途

フィールドバランサは、回転する機械や工作機械の測定に使用します。

回転する機械は、回転軸まわりやベアリング部分にかかる重さのバランスが悪いと振動や騒音が発生し、加工精度が落ちてしまいます。そのため、バランスを計測し調整することが、製品精度を維持する上で重要になります。フィールドバランサでは回転中のバランスを測定し、修正が必要な場合には、その量をデータとして表示できます。

研磨機では機械の不要な振動をなくすことで摩耗を抑え、機械を長持ちさせる効果も期待できます。

フィールドバランサの原理

フィールドバランサには、振動センサがあります。この振動センサを、回転軸のベアリング付近の高い剛性がある箇所に設置することで、正しくバランスを計測することが出来ます。

参考文献
http://www.sigma-elec.co.jp/Product/FieldBalancer.php
http://www.sigma-elec.co.jp/Technology/tech1.pdf

トルクドライバ

トルクドライバとは

トルクドライバ

トルクドライバは、トルク管理が必要となるネジ締め作業で使用される工具です。通常のドライバと異なり、指定したトルクでの締め付けが可能なため、自動車の整備や工場での精密機器の組み立てなどで主に使用されています。トルクの設定を手動で行うものとデジタルで行うものが存在します。また、手締めドライバだけではなく、電動のトルクドライバも存在し、工場での組み立て作業などでは、こちらが多く使用されています。

トルクドライバの使用用途

主に、工場での精密電子部品の組み立てや自転車の整備などで使用されています。これらの作業は、トルク設定の出来ない通常のドライバで行った場合、「締め付けトルクが高すぎて破損してしまう」、逆に「締め付けトルクが低すぎてネジを締めきれていない」といったバラつきを生み出してしまい、製品不良に繋がるとともに、やり直しによる作業効率の低下を招いてしまいます。これに対し、トルクドライバで各作業のトルクを管理することで解決を図ることが可能です。また、一般的にトルクドライバのビットは付け替えることができるようになっているため、通常のドライバ同様に様々なネジ頭のものに対して使用することができるようになっています。

トルクドライバの原理

トルクドライバには、主に以下の2種類の機構のものが存在します。

  • 空転式トルクドライバ
    使用前に、調整用のリングを回して目標とするトルクを設定します。ネジ締め作業時に、設定したトルク値に達すると自動的にクラッチが切れ、空回りすることで締め過ぎを防止することが可能です。
    主に組み立て作業に使用される一般的なトルクドライバです。
  • 傘型トルクドライバ
    ドライバにトルク値を読み取るための目盛板が付いたドライバです。左右に目盛りが付いており、締め付けたトルク値を目盛板で読み取ることができます。主に組み立て作業ではなく、検査用に使用します。

上記のような機構の違いの他に、設定や読取りをアナログで行うか、デジタルで行うかという違いも存在します。デジタルのトルクドライバでは、トルク設定と読取りをデジタルで行うことができるため、より細かい設定値でのトルク管理が可能です。

トルクドライバーの校正

トルクドライバは計測器です。正しいトルク値で機能するように、定期的に校正を行うことが大切です。しかしながら、校正周期に関して規定された規格、法律などは有りません。トルクドライバを使用される会社、もしくは管理される会社の規定により、校正周期を決めて実施してください。

トルクドライバの計測単位はcNm (センチニュートンメータ)です。容量によってmNm(ミリニュートンメータ)が使われます。

トルクドライバの校正(検定)方法は、トルクドライバを水平に固定して、トルク検出部に1cmの長さの校正器具を、これも水平に取付け、トルクドライバーから1cmの位置に分銅を吊り下げます。その分銅の値とトルクドライバのトルク表示が規定の精度範囲内に有るかどうか、という検定を行います。精度範囲から外れていれば調整を行い、再度、検定を行います。 分銅は、トルクドライバーのフルスケールを等分割した分銅を使い、分割した回数の検定を行い、それぞれの値を記録します。時計回り方向(CW)と、反時計回り方向(CCW)の両方向を校正します。また、専用の検定器を用いた校正方法も有ります。

空転式トルクドライバー

トルクドライバーは、ネジ締めトルクを測定しますが、空転式トルクドライバーは、空転が起きたら、ネジは設定したトルク値で締められたことになります。

それは、トルクドライバーに設定したトルク値を越えるトルクがかかった時に、軸が空転しそれ以上のトルク負荷を掛ける事が出来ないためです。また、ネジに過負荷がかかることがありません。

空転式トルクドライバーには、設定トルク値を変更できるタイプと、トルク値が固定されてて変更が出来無い単能型(プリセット型)が有ります。 空転式トルクドライバーは、トルク値を見ながら作業する必要が無いので、組立現場などでの、同じトルク設定のネジを、連続した動作でネジ締めする作業に向いたドライバーです。 非空転式のトルクドライバーでも、規定トルクを越えた際に何らかのシグナルを発する製品が有ります。

トルクドライバービット

ほとんどのトルクドライバーは対辺6.35mmの市販のドライバービットを利用できます。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/torque-drivers/
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/160/
https://www.tohnichi.co.jp/