監修:ヨコハマシステムズ
ファイバーレーザー切断機とは
ファイバーレーザー切断機とは、ファイバーレーザー技術を利用して金属を切断する機械です。
光ファイバーを通じてレーザー光を伝送し、高出力のレーザービームを生成します。これにより、融点の高い金属なども切断することが可能です。金属加工業などで幅広く使用されます。
ファイバーレーザーはエネルギー効率が非常に高く、従来のレーザー切断機に比べて少ない電力で運転することが可能です。したがって、コスト削減につながります。また、非常に細いビームを生成するため、精密な切断が可能です。
ファイバーレーザー切断機の使用用途
ファイバーレーザー切断機を使用する際は、以下を考慮することが重要です。
1. 金属加工業
金属加工業では多様な金属の切断するために使用されます。ステンレス鋼やアルミニウムまたは銅などを一台の機械で扱えることは大きな利点です。特注部品や小ロット生産にも効率的に対応でき、設計変更にも迅速に応じられるため、顧客のニーズに応えやすくなります。
また、ファイバーレーザーによって切断面を滑らかに仕上げることができます。後処理も最小限に抑えられるため、加工後の工程を減少させ、トータルコストの削減にも寄与します。
2. 建設業
鉄骨や鋼製柱梁の製造においては高い切断精度が必要です。ファイバーレーザー切断機で高精度に梁柱を切断することで、建物の強度や安全性が向上させることができます。事前加工によって現場での施工時間を短縮することで、工期短縮や施工ミスの減少、作業効率の向上も期待できます。
3. 航空宇宙産業
航空機などの部品は、軽量かつ高強度でなければなりません。したがって、ファイバーレーザー切断機はチタンやアルミニウム合金といった軽量・高強度の特殊材料を効率的に切断するために使用します。ファイバーレーザーは高い再現性を有するため、厳しい品質管理にも適しています。
ファイバーレーザー切断機の原理
ファイバーレーザー切断機は、光ファイバーを利用してレーザー光を生成し、金属などを切断する高精度な機械です。
まず、ファイバーレーザーの基本的な構成要素は、レーザー媒質である光ファイバーです。特定の添加物を含むガラスで構成されており、励起源から供給された光をファイバー内部で反射しながら進行させます。光源には二酸化炭素レーザーやダイオードレーザーなどが使用されます。
レーザーはレンズなどの光学部品で非常に細いビームとして焦点を集中させます。これにより、レーザー光のエネルギー密度が高まり、高い熱エネルギーのビームを生成します。この高エネルギービームを金属表面に照射し、材料を局所的に溶融または蒸発させる仕組みです。
このようにして、ファイバーレーザー切断機は高効率で精密な切断を実現します。ファイバーレーザーの特性により、他のレーザー技術に比べてエネルギー効率の高い運用が可能です。メンテナンスも少なくて済むため、幅広い用途で使用されています。
ファイバーレーザー切断機の選び方
ファイバーレーザー切断機を選ぶ際は、以下を考慮して選定することが重要です。
1. レーザー出力
レーザー出力は切断機が生成できるレーザー光の出力レベルを指す指標です。出力はWで表され、出力が高いほど厚い材料を高速で切断できます。一般的には500Wから6kWまでの出力が販売されており、最近では更に高出力30kWまでの切断機も登場しております。高出力の機械は厚い金属板を切断するのに適しています。
2. 対応材質・板厚
ファイバーレーザー切断機は様々な材質に対応していますが、切断予定の材料を明確にする必要があります。一般的にはステンレス鋼や炭素鋼などの金属が主な対象です。材料ごとに対応できる最大板厚が異なります。
3. 電源
ファイバーレーザー切断機の電源は一般的に単相電源と三相電源の2種類があります。三相電源は安定した電力供給を可能にし、大出力の機械に適しています。使用する場所の電源環境や切断機の出力要求に応じて、適切な電源の選択が必要です。
本記事はファイバーレーザー切断機を製造・販売するヨコハマシステムズ様に監修を頂きました。
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