ガス吸着測定

監修:株式会社アントンパール・ジャパン

ガス吸着測定とは

ガス吸着測定とは、多孔質な試料に窒素やアルゴンなどの試料と反応を起こしにくい気体を吸着させて、その吸脱着等温線を測定し、比表面積、細孔径分布(ミクロ、メソ孔)、細孔容積などを得る手法です。

吸着測定は、物理吸着と化学吸着の2種類に分類することができます。物理吸着とは、固体表面に分子が吸着する現象のなかで、低温での分子間力(ファンデルワールス 力)による吸着で、物理吸着は一般的に可逆的な現象となります。

化学吸着とは、高温での化学的作用のよる吸着で、化学吸着は一般的には不可逆的な反応になります。

ガス吸着測定の使用用途

電池材料・触媒・セラミックス・炭素材料等の粉体や多孔質材料の最適化に使用されています。

それらの評価において、比表面積(BET法など)、細孔径分布(ミクロ孔・メソ孔)の測定は重要な指標となります。

ガス吸着の適用範囲

本記事はガス吸着測定器を製造・販売する株式会社アントンパール・ジャパン様に監修を頂きました。

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製造業マーケティングガイド

【事例紹介】BMF Japan株式会社様

BMF Japan株式会社について

 

当社では、解像度(Resolution)、正確度(Accuracy)、精度(Precision)という3つの重要な分野で、最先端の精密製造技術を提供しています。

具体的には、①高精細3Dプリンターの製造・販売②3Dプリンターによる造形モデルの製作(試作)・販売③造形材料の研究開発を行っています。

2019年には日本支社を設立し、現在日本での認知拡大を進めています。

BMF Japan株式会社が製造・販売を手掛ける3Dプリンター

メトリ―導入前の課題

弊社では2019年に日本支社を開設し、日本市場への拡販に取り組み始めました。しかし、コロナ禍ということもあり下記のような課題がありました。

  1. 展示会などのオフラインでの販促活動をしていたが、展示会数の減少、来場客数の減少が原因でうまくいかないこと。
  2. オンライン活動を通して、潜在顧客にアプローチし、自社の製品や技術を知って貰い製品の認知度や新規リード数をアップしたいが、なかなか取り組めていないこと。

このような背景もあり、技術や製品をより多くの人に広めるために、オンラインマーケティングに力を入れることに決めました。

【3Dプリンター造形事例】東京タワー+増上寺

メトリーを導入した理由

メトリ―を導入した理由は3点あります。

  • 弊社で取り扱っている「3Dプリンター」カテゴリのページがGoogleやYahoo!等の検索で上位に表示されていること。
  • 有償プランを利用することで、メトリ―のページ内で、企業情報と製品情報を上位に表示でき、自社サイトに直接誘導できるので、ホームページの集客に有効であること。
  • コストが非常に安く、実施しやすいこと。

実際にご提案を頂き、自社サイトとの相性も良かったため、思い切って導入を決めました。

 

【3Dプリンター造形事例】精密部品

メトリ導入結果

広告掲載を利用し始めてから、1か月でメトリー経由での自社サイトへのアクセス数が導入前より約20%増加しました。また、導入後20件以上のリード顧客も獲得することができました。

アクセス数も着実に増えており、さらに日本での認知拡大に力を入れていきたいと思います。そのため、今後掲載製品数の増加や他の広告プランなども検討していきたいと思っています。

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BMF Japan株式会社様の3Dプリンター紹介ページはこちら

 

 

TCXO

TCXOとは

TCXOとは発振器温度センサーと温度補償回路を付加して,周囲温度の変化による周波数の変化が小さくなるようにした発振器です。

TCXOの使用用途

TCXOは、水晶振動子では実現できない周波数精度を必要とする用途や広い温度範囲で安定した周波数安精度を必要とする用途で使用します。

TCXOの原理

発振回路に温度センサーと温度補償に必要な回路を付加して,周囲温度の変化による周波数の変化が小さくなるように補正します。水晶ベースのTCXOではバリキャップなどの電圧可変コンデンサに温度補償に必要な電圧を印加して周波数を補正します。MEMSベースのTCXOでは温度センサーの情報を元に小数点PLLで温度補償された周波数を出力します。

TCXOには周波数安定度以外にもdf/dT, 耐振動・ショック性能、エージングなど重要なスペックがあり、部品選択にはこれらにも注意して選択する必要があります。

水中カメラ

監修: 炎重工株式会社

水中カメラとは

水中カメラとは、その名の通り、水中を撮影することができるカメラです。通常の陸上で使用されるカメラと行えることは同じで、写真や動画の撮影、監視などをすることができます。

水中で使用するため、防水加工が必須となります。近年では、防水に関する規格を満たしているカメラ、スマートフォンなどが多く販売されていて、それらは、防水カメラと同等のことをすることができます。しかし、水深が深くなると水圧がかかるようになりますし、長時間使おうとすると、それもカメラ本体や防水加工に対してストレスをかけることになります。そのため、規格に定められている以上に過酷な環境下におくと、防水加工が耐えられず、浸水してしまいます。水中カメラは、防水という点に特化しているので、防水カメラやスマートフォンに比べて、過酷な環境でも使用できるような防水加工がされています。

水中カメラの使用用途

水中カメラは、写真や動画の撮影、監視などをすることができ、ホビーや趣味の領域で多く用いられています。例えば釣りでは、岸壁や釣り船の上から水中にカメラを沈めて撮影することで、そのポイントに魚がいるかどうか確認するのに使われます。また、スキューバダイビングでは、水中カメラを持っていって、水中の風景などを撮影するのに使われます。水族館などで、水槽の中に作業員の方が入っていき、魚を近くで撮影した映像を見たことがある方もいるでしょう。その時使われているカメラも水中カメラの一種です。

研究用途においても用いられており、大学や漁協・漁業協同組合が主体となって、海底の調査・研究や漁礁周辺の水産資源の調査などが全国で行われています。東日本大震災の際にも水中・海底調査の分野で水中カメラが大活躍しました。


産業用途においても利用が盛んになってきています。例えば水産業では、養殖いけすや定置網の点検、船底点検などの船舶管理に用いられています。建設業では、水中工事をする際の水中確認、ダムや岸壁などの点検といった水利施設・港湾管理、浚渫工事や港湾工事の事前調査などに使われています。

水中カメラの防水について

防水に関する規格「IPX」が国際的に採用されています。「IPX」は、IPX0からIPX8まで9段階で規定されています。保護の程度はIPX0が「特に保護されていない」、IPX8が「水中での使用が可能」と規定されていて、数字が大きいほど防水性能が高くなります。IPXにそった、水中カメラや防水カメラ、防水スマートフォンは多く販売されています。しかしながら、IPX8の「水中での使用が可能」という規定は不明瞭で、具体的なテスト方法が存在していません。IPX8として認められているものであるため、IPX7で規定される、水面下15cm~1m、30分のテストはクリアしていると考えられますが、それ以上どのような環境で使用できるのかがわからないという問題があります。 それを解消するため、水中カメラを取り扱う各メーカーでは、独自に使用する環境を想定して、水深や使用できる時間の長さなどに関するテストを行い、使用できる環境を示しているメーカーがほとんどです。中には、水中カメラ本体の防水性能では足りず、追加して部品を取り付けることで防水性能を高める製品もあります。水中カメラを選定する際には、使用する環境にその水中カメラの防水性能が耐えられるかどうか確認が必要です。

水中カメラの市場規模

世界の水中カメラの市場規模は、2020年に56億5,000万米ドルとなり、2021年から2030年にかけて13.90%のCAGRで拡大し、2030年には188億1,000万米ドルに達すると予測されています。 (引用 水中カメラの世界市場:タイプ別(デジタル一眼レフ[DSLR]、ミラーレス、コンパクト)、流通チャネル別(オンライン、オフライン)、アプリケーション別(パーソナル、コマーシャル)の市場機会分析および業界予測(2021年~2030年).株式会社グローバルインフォメーション.https://www.gii.co.jp/report/amr1030113-underwater-camera-market-by-type-digital-single.html(最終閲覧2021/11/29))

選定時に注意すべきポイント

水中カメラ選定で課題となるのは、水圧です。水圧は、水深が10m深くなるごとに1気圧ずつ大きくなっていきます。サルベージを行う際の調査や海底の調査・研究など水深が深いところで使用する際には特に問題となり、それ相応の防水性能が必要とされます。

また、水深が深くなるほど暗くなり、ライトが必要となります。ライトやカメラの稼働に必要な電源も問題となってきます。水中カメラは、カメラ機構の外側に防水加工を施しています。そのため、水中で中を開けることができず、バッテリーを交換することができません。バッテリーでは使用できる時間が限られ、長時間使用しようとすると外部から電源を供給し続ける必要があります。

そのほかにも、電波がほぼ使用できなくなるという問題もあります。私たちが地上で使っている電波は、水中に入ると空気とは比べ物にならないほど大きく減衰します。Wi-Fiや携帯電話などで用いられる高周波域の電波は、水中に入ると数センチで減衰し、届かなくなります。通常の陸上で使用されるカメラでは、Wi-Fiなどを経由してリアルタイムで撮影している映像を確認するということが容易にできます。ところが電波が使用できない水中では、リアルタイムに映像を伝送するためには有線での接続が必要になります。

水中カメラの産業利用について

単純に“水中”と表現しても、海と湖ではその環境は異なり、それに応じた対応が必要となります。特に産業利用の水中カメラは使用時の環境が複雑な場合も多く、安易に市販品を選ぶと失敗してしまうことも少なくないでしょう。しかし、適切な水中カメラを選定することによって、潜水士が危険を伴いながら作業していた事を代替することができたり、潜水士が行くことができなかったより水深の深い場所の確認や長時間の点検ができるようになったりします。また、近年では、特殊な加工技術や素材の開発により、水中カメラの活躍の場は水中だけではなく、ケミカルタンク溶解炉の中やなどにも広がりつつあります。 水中カメラの産業利用を検討されている際は、専門のメーカーに問い合わせてみてください。

 

 

本記事は水中カメラを製造・販売する炎重工株式会社様に監修を頂きました。

水上ドローン

監修: 炎重工株式会社

水上ドローンとは

「ドローン」と聞くと、多くの人は空を飛ぶドローンを思い浮かべるでしょう。しかし、「ドローン」は空飛ぶドローンだけではなく、遠隔操作や自動操縦できる機体全般をさしており、その形状には様々なものがあります。その中の一つが水上ドローンです。水上ドローンは、水上を移動する小型の船のような機体です。遠隔操作や自動操縦により操作して水上を縦横無尽に駆け回ります。

水上ドローンの使用用途

これまでは、主にホビー用途に多く用いられてきました。水上ドローンの水上を移動するという特徴から、その活用範囲は水上そして水中となります。カメラを搭載することによって水上・水中の撮影や遠隔監視ができます。マリンスポーツにおいては、競技者に追従しながら撮影をおこなえるものもあり、ダイナミックな写真が撮れると人気があります。また、釣りの分野では、水上ドローンに魚群探知機を搭載することによって、魚群探知をしたり、水中カメラを用いて、海の底の様子を確認したりします。

しかし近年、水上ドローンの産業利用も進んできています。特に活用が盛んなのが漁業分野です。現在一般的に有人船を用いて行っている、給餌、測量、監視などの作業を自動操縦の無人船で置き換えることができます。そのほかにも漁港と協力した実証実験が各地で行われています。具体的には、無人魚群探査船を作るための実験、密漁対策をするための実験などといった例があります。

水上ドローンの仕組み

水上ドローンは、小型の船のような形状をしています。大きさは、用途や使用される場所によってさまざまで、両手のひらを合わせたくらいの大きさから、ひと2,3人が乗れるサイズまであります。操縦は、専用のコントローラーを用いたり、スマホやタブレットを用いたりします。自動操縦機能がついているものはGPSが搭載されており、事前に指示した経路を自動操縦で運行します。

空を飛ぶドローンはホバリングという機能がついているものが多数あります。風が吹くとそれによってドローンが流されますが、ホバリング機能によって、流される方向と逆に進もうとすることによってその場所にとどまろうとするものです。水上ドローンの中にも、バーチャルアンカーというホバリングと同じような機能を持ったものがあります。水上ドローンは、水の流れによって流されます。GPSによる位置情報を利用して、流される方向を検出、その場所にとどまろうとするものです。また、経路を自動航行する際にも、流される方向を常にモニタリングしており、経路の進行方向だけではなく、水上ドローンが流される方向も加味して制御方向をコントロールしています。

水上ドローンの課題

1つ目の課題に、モーターの出力制限の問題があります。水上ドローンは小型であるため、搭載できるモーターやバッテリーに大きさや重さの制限があります。そのため、運行できる速度や時間に制限が生まれます。また、ある程度大きさがあるものについては、法律上の制限もあり、現在のところ、すべての作業を水上ドローンに置き換えるということは難しいという現状があります。

2つ目の課題に、運行する環境があります。風が穏やかで波もほとんどない環境においては、簡単に操縦することができます。しかし、強風が吹いていたり、波が高かったりする状況では、それらによって前進すらままならないということになりかねません。また、横からあおられ、横転する可能性もあり、過酷な環境下においては危険が伴います。そのほかにも、水の流れが見えないということも問題となります。同じ操縦を入力しても水の流れが変わると移動する方向が変化します。そのため、手動で思い通りの操縦をするということが難しい状況もあります。

日本では速度や大きさに法律上制約があるものの、空飛ぶドローンと同様に随時法改正が行われています。また、運行・遠隔操作の技術も日々進化している領域です。

 

本記事は水上ドローンを製造・販売する炎重工株式会社様に監修を頂きました。

膜分離

膜分離とは

膜分離

膜分離とは、膜を利用して物質をふるい分けることで、分離・抽出・濃縮する技術です。

膜分離に使用する膜には小さな孔が空いており、物質のサイズや電荷、浸透圧の違いなどによって物質を選択的に透過できます。

膜分離は、積極的に物質を透過させるための推進力として、エネルギー勾配を利用しており、原理的には、化学ポテンシャル・圧力差・電位差の3種類に大別されています。

膜分離の使用用途

膜分離は、主に純化や濃縮、分離といったプロセスにおいて活用されています。そのほかにも蒸留や晶析、抽出などによる方式も存在しています。

1. 純化

純化は、水中の懸濁物や細菌、イオンといった不純物を除去する方法です。海水の淡水化や工業排水の処理および再生、下水の処理などに用いられます。

2. 濃縮

濃縮は、イオン交換膜電気透析法という方式により、海水から食塩を製造する方法です。この方法では、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に並べることで、電気透析そうを構築し、電位差によりイオンの移動と選択的透過を行います。

3. 分離

分離は、低分子と高分子に分ける方法です。主にバイオや医薬品関連で使用されています。この方法では、主に低分子と高分子を分けますが、それらに限らずにウイルスや酵母、コロイド、微粒子などを分離することが可能です。

膜分離の原理

膜分離は、主に膜を用いたろ過方式として、全量ろ過方式とクロスフローろ過方式の2種類で行われています。

全量ろ過方式は、供給される原水の全量をろ過する方式です。この方式では、廃棄水が発生しません。

また、膜に原水を供給することで、膜にろ過残渣(ざんさ)を形成します。一般的な砂ろ過と同じ方式により、ろ過を行い、定期的な洗浄を必要とします。

一方、クロスフローろ過方式は、膜面に対して原水を平行に供給し、不純物を膜面に堆積させながら、ろ過を行う方法です。この方法では、原水が横方向に流れるため、ろ材に目詰まりが生じにくく、全量ろ過方式と比べて、透過流束が高いことが特徴として挙げられます。

膜分離の種類

膜分離は、主に分離する対象物の大きさによって、4つの種類に分けられます。下記の膜分離の種類から対象物が大きく粗い順に記載しています。そのほかにもいくつかの膜分離方式があり、このトピックでは、イオン交換膜とガス分離膜を解説します。

1. 精密ろ過膜 (MF)

精密ろ過膜は、Micro Filtrationと呼ばれ、約0.01umから数umまでの微粒子や微生物を分離する膜方式です。この方式では、主にウイルスやバクテリア、藻類・泥を分離しています。応用例としては、排水の再生や除菌、上水の処理などが挙げられます。

2. 限外ろ過膜 (UF)

限外ろ過膜は、Ultra Filtrationと呼ばれ、約0.1umから2nmまでの溶質や粒子を分離する膜方式です。この方式では、主にタンパク質やウイルス、バクテリアを分離しています。応用例としては、果汁や乳製品の濃縮、電着塗料の分離もしくは回収などが挙げられます。

3.ナノろ過膜 (NF)

ナノろ過膜は、Nano Filtration Membraneと呼ばれ、約数nmから数十nmまで粒子や高分子を分離する膜方式です。この方式では、主にイオンやタンパク質、ウイルスを分離しています。応用例としては、果汁の濃縮や上水の処理などが挙げられます。

4.逆浸透膜 (RO)

逆浸透膜は、Reverse Osmosisと呼ばれ、約0.1nmから数nmまでの溶媒と溶質を分離する膜方式です。この方式では、主にイオンやタンパク質を分離しています。応用例としては、海水の淡水化や果汁および乳製品の濃縮、排水の浄化などが挙げられます。

5.イオン交換膜 (IE)

イオン交換膜は、Ion Exchange Membraneと呼ばれており、約0.01umから1nmまでの陽イオンや陰イオンを選択的に通過させる膜方式です。この方式では、主にタンパク質や多糖類、酵素、抗生物質などを分離しています。応用例としては、食塩の製造やカセイソーダなどが挙げられます。

6.ガス分離膜

ガス分離膜は、約1nmから0.1nmまでのガス成分を分離する膜方式です。この方式では、主にイオンや分子を分離しています。応用例としては、酵素富化やメタン二酸化炭素、水素の分離などが挙げられます。

 

水素脱離分析装置

水素脱離分析装置とは

水素脱離分析装置(英語: hydrogen-sensitive thermal desorption spectroscopy system)は、試料を加熱した際に試料表面から脱離する水素を検出し、試料に含まれる水素量および水素吸着・脱離のメカニズムなどの情報が得られる装置です。

装置は主に真空チャンバ、試料加熱機構、排気システム、四重極質量分析計などから構成されています。

応用分野のひとつとして、半導体デバイスがあります。この分野では、水素は最も制御が難しい不純物とされ、検出の困難さからデバイス性能への影響はこれまで無視されてきました。

しかし、近年、薄膜トランジスタの動作不安定性、意図しないキャリアドーピングなどの原因として報告例があり、不純物水素の重要性が認識されはじめています。

デバイスのさらなる高品質化、次世代デバイス開発には高感度での水素検出が必要とされ、水素脱離分析装置はこの要望に応えることができます。また、他手法に比べて低コスト、簡便な装置構成という点で優位性があります。他の応用分野として、グラフェン等の先端薄膜材料が挙げられます。

参考文献
https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.4982255

時間分解分光

時間分解分光とは

時間分解分光

「時間分解分光:time-resolved spectroscopy」は、試料にパルスレーザーなどを照射したり、2つの溶液試料を瞬時に混合したりすることで化学反応を誘起し、反応に伴う変化を分光した発光や透過光(吸光度)により検出します。その後、高速に時間分解測定する手法です。

測定時間域は、対象とする反応によって大きく異なり、フェムト秒(10の-15乗秒)から秒までのさまざまな時間域が存在します。

そして、測定時間によって反応開始法や測定原理、装置構成も大きく変わります。

また、発光や透過光を観測する波長領域(エネルギー領域)によって、光源や検出器の種類、使い方もさまざまです。

したがって、時間分解分光製品は、いずれかの時間域・波長域に特化して設計されています。

時間分解分光の使用用途

時間分解分光法は、励起光、観測光ともに光なので、非侵襲での測定が可能です。レーザー光を光源としたものでは、光を遠くに飛ばせるため、レーザー光源を本体から離して設置したり、測定装置によっては、ラボ既存のレーザー光源等が使えたりする場合があります。

また、市販品の多くは、紫外光または可視光を励起光とし、観測光には、紫外・可視・近赤外光が用いられますが、カスタム対応によって励起光を電子線にしたり、観測光に赤外光や放射光を利用したりするシステムを構築できる場合があります。

時間分解分光の特徴

時間分解分光では、化学反応により生成物が生じる際に、過渡的な中間体を経由することが多く、中間体を同定することが、反応の正しい理解ひいては反応の材料となる分子の改良指針となります。中間体は、過渡的な発光スペクトルや吸収スペクトルから推定・同定することが可能です。

また、反応速度は、反応性を比較したい物質群の指標になるだけでなく、その時間オーダーから反応の種類が分かります。

例えば分子内反応や分子間反応などがありますが、分子間反応であれば、速度の温度依存性や濃度依存性から活性エネルギーまたは二次速度定数といった各種の反応パラメータが求められます。

そのほかにも多成分のスペクトル変化を詳しく解析することで、反応メカニズムにも迫ることができます。

時間分解分光製品の種類

時間分解分光製品には、検出方法の違いや対象とする時間領域によって、いくつかの種類があります。

1.発光検出を行う製品

試料が発光する場合は、その発光の寿命が試料の物性を示すため、発光寿命の測定が行われます。

発光には、大きく分けて、ナノ秒オーダーの蛍光とマイクロ秒・ミリ秒オーダーの燐光があり、測定技術も異なるため、いずれも測れるようにした装置と一方に専用化された装置があります。

2.透過率検出を行う製品

パルス光照射などにより透過率(吸光度)が高速に変化するような試料では、その変化をモニターするための光源を用いることによって、試料の過渡的な変化が観察されます。

この透過光を時間分解分光する手法は、過渡吸収法とも呼ばれます。

また、フェムト秒からピコ秒の測定手法は、ポンプ・プローブ法と呼ばれ、ナノ秒より遅い測定手法は、フラッシュ・フォトリシス法と呼ばれます。

ポンプ・プローブ法では、遅延ステージにより励起光と観測光の時間差を作り出し、観測光を低速検出器によって計測します。

一方で、フラッシュ・フォトリシス法では、連続光源と高速検出器を用いた方法が使われます。

また、昨今では、これらの時間域をつなぐRIPT法も普及しつつありますが、独自の検出法を採用しています。

このように時間域によって測定技術が大きく異なるため、対象となる反応の時間域に合わせて装置を選定する必要があります。

なお、多くは、パルスレーザーにより光反応を誘起しますが、2つの溶液を混合して反応を開始させて、ミリ秒の変化を観測するストップトフロー法も高速時間分解法のひとつです。この場合は、瞬時に混合を完了させる特別な混合装置が必要となります。

時間分解分光の測定方法

一般的な時間分解測定は、マクロな測定となるため、均一な試料が必要です。

発光寿命装置では、透明溶液だけでなく、懸濁溶液や粉体、薄膜などもそのまま測定できます。

一方、透過光を測定する過渡吸収装置では、一般的に透明溶液や透過性の高い薄膜などが測定対象となります。一部の製品は、光沢のある試料の正反射による測定や粉体の拡散反射による測定にも対応しています。

反応速度の測定では、試料温度も重要であるため、通常は温調できるユニットが装着できるようになっています。

なお、酸素の存在が反応速度に影響することが多く、アルゴンガス置換などの方法により脱気する必要がある場合もあります。

参考文献
https://division.csj.jp/div-report/02/0210101.pdf
https://ekuippmagazine.com/measuring/spectrophotometer/
https://ekuippmagazine.com/measuring/fluorescence-lifetime-measurement-device/
https://www.scas.co.jp/scas-news/sn-back-issues/pdf/46/SCASNEWS2017-2_web_p5-8.pdf
https://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/fluorescence-spectroscopy/principle/11/
https://www.osapublishing.org/ol/fulltext.cfm?uri=ol-41-7-1498&id=338398

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

Metoreeを運営するZAZA株式会社が人工知能学会に加入しました

メトリーを運営するZAZA株式会社が人工知能学会に加入しました。

引き続き様々な形で技術の進歩に貢献をしていきます。

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転職

製造業への転職希望者必見!転職エージェントの利用メリット・デメリット、おすすめの転職エージェント・サイトをご紹介

製造業は異業種からの転職希望者に対しても比較的オープンです。大企業への転職の難易度は高いものの、中小企業であればミドル層以上でも採用されやすいと言われています。

本記事では製造業に転職する際に確認しておきたい転職エージェントのメリット・デメリット紹介した上で、おすすめの転職エージェントを紹介します。「転職エージェントなんてどこも一緒」と思われている方もいますが、転職サイト・エージェントによって転職に成功するか否かが決まることもあるので気を付けましょう。

下記業務などを行っている場合には、転職エージェントの利用がおすすめです。

  • 設計 (機構、構造、回路、電気設備、半導体等)
  • 研究
  • 開発

また、製造業でも工場勤務への転職の場合にはこちらの記事が参考になるかと思いますので御覧ください。

工場・生産ライン・製造オペレーターの転職者向けの情報

製造業への転職に「転職エージェント」を利用するメリット

製造業での転職エージェント利用のメリット

公開求人だけでなく、非公開求人もみることができる

転職エージェントに登録することで、公開求人のみならず、非公開求人も見られるため、多くの選択肢の中から会社を探せます。例えば、リクナビNEXT(転職サイト)とリクルートエージェント(転職サイト)の求人数の差は4倍以上とも言われています。

面談、選考のサポートを受けることができる

転職エージェントを利用すれば、面談、選考のサポート、相談など、担当スタッフから手厚いサポートを無料で受けることができます。

企業とのやりとりを肩代わりしてくれる

転職エージェントでは、企業との日程調整等の連絡のすべてをしてくれます。

転職時には一度に複数社にコンタクトすることが一般的ですが、このやり取りをすべてエージェントが担ってくれるのは大きなメリットの1つです。

利用は無料

転職エージェントは、転職先の会社から利益を得るビジネスモデルですので、求職者は無料で利用することができます。

製造業への転職を考えている方の中には「転職エージェント・サイトを利用したいけど、いろいろあってよく分からない」という悩みを抱える方も少なくありません。

費用はかかりませんので、まずは利用してみても良いでしょう。

製造業への転職に転職エージェントを利用するデメリット

製造業転職エージェントのデメリット

転職エージェントは無料で利用できますので、デメリットはほとんどありませんが、強いてデメリットを上げると下記があります。

転職をすぐに迫られるケースがある

転職エージェントの利益は、転職者を斡旋することで得ることができます。そのため、ノルマのために転職を急かすエージェントも存在はします。

このため、信頼できるエージェントにお願いすることが重要です。

転職エージェントの紹介経由のほうが選考が厳しい場合もなくはない

会社は転職がきまると、相場として求職者の年収の30%程度を転職エージェントに支払います。このため、求職者が同条件の場合には、転職エージェント経由よりも、自社サイト経由のほうが採用が決まりやすくなるケースもあります。

ただし、大手企業等では採用費用を考慮しない場合もあるので、一概にはいえません。

転職エージェントと直接応募はどっちが有利?人事に聞いた本音を暴露(外部サイト)

製造業への転職におすすめの転職エージェント

  • マイナビメーカー AGENT
  • dodaエージェント
  • メイテックネクスト
  • リクルートエージェント

マイナビメーカー AGENT

マイナビメーカーエージェント

公式URL

マイナビメーカーAGENTは大手マイナビ系列の製造業に特化した転職エージェントです。

大手企業の求人、好条件の求人も多いため、スキルアップを目指したい方におすすめできます。

dodaエージェント

dodaエージェント

公式URL

dodaエージェントは日本最大級の転職エージェントです。

製造業に特化したエージェントではないものの求人が豊富に掲載されているため、製造業に転職希望の方も登録しておく価値があります。

dodaエージェントは相談スタッフの提案力の高さも多くの利用者から評価されています。

メイテックネクスト

エンジニア転職メイテックネクスト

公式URL

メイテックネクストは、製造業の技術者に特化した転職エージェントサービスです。

製造業領域では業界No.1の求人数となっています。

エンジニアの転職は専門の転職支援で、メイテックネクストは実績No.1

https://www.m-next.jp/

リクルートエージェント

リクルートエージェント

公式URL

リクルートエージェントはリクルートの運営する転職サイトです。製造業に特化している訳ではありませんが、2019年度の転職支援実績が実績No.1ということで転職検討をする際には登録をとりあえずしてみるとよいかと思います。

転職支援実績No.1

厚生労働省「人材サービス総合サイト」における無期雇用及び4ヶ月以上の有期雇用の合計人数(2019年度実績)

https://www.r-agent.com/entry/ts/?param=078&vos=afragcaprc10004SEOmain&caadsess=13221_cddja4r43iksyat&caadterm=5184000

 

転職エージェントの利用ステップ

転職エージェントの利用ステップ

ここでは一般的な転職エージェント利用のステップについてご紹介します。

1. サイトより申し込み

サイト登録時には入力情報は少なく数分で完了するケースがほとんどです。履歴書等は必要ありませんので、準備などはせずに簡単に登録することができます。

転職サイト入力情報例

入力情報は下記のような項目のものが多いです。主に、転職関連と個人情報関連の情報を入力します。

転職情報

  • 転職希望時期
  • 希望勤務地
  • 現在の職種
  • 現在の年収

個人情報

  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 郵便番号
  • 電話番号
  • 最終学歴

2. 個別面談

個別面談

転職エージェントより経歴や希望等をヒアリングされます。転職エージェントは求職者を希望の転職先に転職してもらうことが仕事なので、遠慮なく希望や不安などを伝えましょう。

転職エージェントを利用するメリットの1つがこの面談の部分です。転職は応募側としては、初めての転職する方がほとんどだと思いますが、エージェントは何百人も見ているため情報をたくさんもっています。なので、疑問点等あればどんどん聞いていきましょう。

3. 求人紹介

転職エージェントから面談結果をもとに求人を提示されます。転職エージェントでは非公開求人も多数もっているので、サイト等で公開されていない製造業の転職案件もチェックしてみましょう。

4. 履歴書等の添削・面接対策

履歴書

転職エージェントでは、履歴書等の添削や面接のサポートも行ってくれることが多いです。逆に転職エージェントを利用するメリットの大きな1つがサポートを行ってくれる点ですので、有効活用しましょう。

6. 求人応募・日程調整

求人応募や日程調整は数社を自分1人でするのはかなり骨の折れる作業となりますが、転職エージェントでは、こちらの作業もすべて任せることができます。

7. 給与等の条件交渉

転職をするにあたり給与や労働条件などは大事なポイントにもちろんなってきますが、こちらは中々言い出しづらい部分もあるかと思いますが、転職エージェントであれば、遠慮なく伝えることができます。

製造業の工場勤務案件が多い転職サイト

  • 工場ワークス
  • はたらくヨロコビ.com
  • ジョブハウス工場

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工場ワークスの転職案件数

  • 28,229件 (2021年12月6日時点)

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製造業の工場勤務の掲載の多い転職サイトについての情報についてはこちらにまとめておりますので、是非御覧ください。

工場・生産ライン・製造オペレーターの転職者向けの情報

 

まとめ

製造業は異業種からの転職も叶いやすい業界です。若い方はもちろん、ミドル層以上の方の製造業への転職も成功している傾向にあります。

製造業への転職を検討されている方には、自分の希望する勤務形態や労働環境を明確にした上で、転職エージェントを有効に活用されることをおすすめします。