シャフトレスコンベア

監修:株式会社セパレーションテクノロジー

シャフトレスコンベアとは

シャフトレスコンベアとはスクリューコンベアの一種で、中央の回転軸 (シャフト) を持たない構造を特徴とする搬送装置です。

一般的なスクリューコンベアは、中心にシャフトがあり、その周囲にらせん状の羽根が取り付けられています。これに対してシャフトレスコンベアの構造は、中心のシャフトを取り除いて厚みと強度を持たせたスクリュー自体が軸となって回転するものです。そのため絡まりやすい搬送物でも引っかかりにくく、流動性に乏しい汚泥や食品残渣なども効率的に搬送できます。

またシャフトが存在しないため中間軸受けが不要となり、摩耗部品の点数が減少し、メンテナンスの手間やコストを抑えられる点も大きな利点です。10mを越える搬送も可能で、傾斜、垂直にも対応可能です。

シャフトレスコンベアの使用用途

シャフトレスコンベアは、通常のスクリューコンベアでは対応しづらい物質の搬送に使用されています。

1. 下水処理施設

シャフトレスコンベアが多く採用されている分野のひとつが下水処理場です。スクリーンで取り除かれるし渣や、脱水工程で発生する汚泥は、水分や繊維質を多く含み、従来のスクリューコンベアではシャフト周りに付着して詰まりやすいという問題がありました。シャフトレスコンベアであれば、絡まりやすい搬送物でもスムーズに流れます。さらに耐摩耗性の高いライナーを備えることで、長期的に安定した運転が可能です。

2. 食品加工工場

食品工場では、野菜の皮や切れ端、調理後に発生する残渣など、水分を含んだ柔らかい廃棄物が大量に発生します。これらは粘着性や繊維質が強いため、通常のスクリューコンベアでは付着や閉塞の原因となります。シャフトレスコンベアであれば、残渣が羽根部分に絡みにくく、安定して搬送可能です。加えて密閉型の構造を採用することで、衛生面や臭気対策にも対応できます。

3. リサイクル施設

リサイクル施設では、金属片・プラスチックくず・木材片など形状が一定ではない多様な搬送物を取り扱います。このような廃材は不定形で絡まりやすいため、シャフト付きのコンベアではトラブルが頻発することがあります。シャフトレスコンベアは、異形物や粗大ごみにも対応でき、摩耗や破損を最小限に抑えながら効率的に搬送できます。

本記事はシャフトレスコンベアを製造・販売する株式会社セパレーションテクノロジー様に監修を頂きました。

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フレキシブルソーラーパネル

フレキシブルソーラーパネルとは

フレキシブルソーラーパネルとは、薄膜技術を利用した、柔軟性と軽量性を兼ね備えた太陽電池パネルです。

裏側や表側に、柔軟な基板 (プラスチックフィルムやポリマーフィルム) 、薄膜シリコンやCIGS (銅・インジウム・ガリウム・セレン) といった薄膜太陽電池素材、保護層や封止材などを重ねた構造です。

設置負荷が小さく、屋根の耐荷重が低い建築物にも設置が可能です。また薄くて柔らかいため、曲面屋根・折板屋根・湾曲した外壁などにも貼り付けられるというメリットがあります。その一方で、結晶シリコンパネルと比較し、発電効率がやや低い、湿気や紫外線などへの耐性が劣るといったデメリットがあります。

フレキシブルソーラーパネルの使用用途

フレキシブルソーラーパネルは下記の用途で使用されています。

1. 建築

フレキシブルソーラーパネルは、工場・倉庫・商業施設・公共施設などの屋根や外壁に設置されます。形状が複雑な屋根や勾配・曲面が多い屋根 (折板屋根・曲面屋根・ドーム屋根等) 、耐荷重が低い屋根に適しています。デザイン性を重視する建物で、外観を損なわずに発電を行いたい場合にも用いられます。

2. モビリティ・輸送

自動車・バス・キャンピングカーなどのモビリティ (移動体) にも使用されています。フレキシブルソーラーパネルは曲面に追従できるため、車体の天井やボンネット、側面などに取り付けることが可能です。これにより、走行中や停車中に補助電源を供給できます。キャンピングカーや商用車では、冷蔵庫や空調などの補助電力をまかなえるでしょう。

3. レジャー・防災

軽量かつ携帯性に優れるフレキシブルソーラーパネルは、登山やキャンプ、災害時の電力確保にも使われています。バックパックやテントに取り付けてスマートフォンやGPS機器を充電したり、照明や通信機器の電源として避難所で利用されたりしています。

ステンレス手すり

ステンレス手すりとは

ステンレス手すりとは、建物や施設の安全性を高めるために設置される金属製の手すりです。

耐腐食性に優れたステンレス鋼を使用しており、屋内外を問わず長期間使用できる点が特徴です。建物の階段や廊下、バルコニー、公共施設のスロープなどに設置されることで、転倒の防止や移動の補助に役立ちます。

また表面の美観を保ちやすく、光沢やデザイン性を損なわずに安全性を確保できるため、住宅や商業施設、公共施設などさまざまな場所で活用されています。

耐荷重性が高いため、子供や高齢者、障害者など幅広い利用者が安心して使用できるでしょう。設置方法や形状が多様で、直線型や曲線型、手すりの高さや取り付け角度に応じて選択可能です。

ステンレス手すりの使用用途

ステンレス手すりの主な用途は以下の通りです。

1. 住宅

住宅内では、階段や廊下、玄関などで転倒防止や移動補助の目的でステンレス手すりが使用されます。高齢者や子供のいる家庭では特に、安全性の確保が重要であるため、一定の耐荷重がある手すりが求められます。屋内用は滑らかな表面仕上げで、手触りがよく握りやすいデザインが多く採用されています。

2. 公共施設

病院や学校、図書館、駅などの公共施設では、バリアフリー対応としてステンレス手すりが設置されます。スロープや階段の横に設置することで、高齢者や障害者の移動をサポートし、事故や転倒を防止します。耐久性が高く、屋外でも腐食しにくいため、長期にわたって安全性を維持できます。

3. 商業施設・オフィス

商業施設やオフィスビルでは、安全性だけでなくデザイン性も重視されます。ステンレス手すりは、光沢がありモダンな印象を与えるため、インテリアとしても活用できます。通路や階段、バルコニーに設置することで、利用者が安心して移動できる環境を提供すると同時に、空間全体の美観を損なわずに安全性を確保できます。

4. 屋外施設

公園や駅前、橋梁、駐車場などの屋外施設では、ステンレス手すりの耐腐食性と耐候性が重要です。雨や風、紫外線などにさらされる環境でも腐食しにくく、長期にわたって安全性を保つことが可能です。また清掃やメンテナンスが容易で、公共施設の管理コストを抑えることにも貢献します。

5. 医療・福祉施設での安心利用

病院や介護施設、リハビリテーション施設では、ステンレス手すりが患者や利用者の移動補助として使用されます。耐荷重性と握りやすさに優れており、転倒や事故のリスクを低減します。さらに清掃がしやすいため、衛生管理が求められる環境にも適しており、安心して日常的に使用できます。

ピクチャレール

ピクチャレールとは

ピクチャレールとは、絵画や写真、ポスターなどを壁に飾る際に使用される建材製品です。

壁に直接穴を開けることなく、レールにフックやワイヤーを取り付けることで、展示物の位置を簡単に調整できます。金属製やアルミ製のものが一般的で、壁面に沿って水平に取り付けられます。室内のデザインや展示物のサイズに応じた使い分けが可能です。特に、美術館・ギャラリー・店舗・オフィスなど、多数の展示物を頻繁に入れ替える環境で活躍します。

さらに耐荷重に応じて、大型の額縁や重い装飾品に対応できる製品があります。ピクチャレールを使用することで、壁面を傷めずに展示物を美しく配置できるうえ、室内のレイアウト変更が容易になります。

ピクチャレールの使用用途

ピクチャレールの主な用途は以下の通りです。

1. 美術館・ギャラリー

ピクチャレールは、美術館やギャラリーで絵画や写真を展示する際に使用されます。展示物の高さや位置を簡単に調整できるため、訪問者の目線に合わせた最適な展示が可能です。また作品の入れ替えが頻繁に行われる環境でも、壁面を傷めずに効率的に作業できます。

2. 住宅

家庭では、リビングや廊下、寝室の壁に絵画や写真を飾るためにピクチャレールが使用されます。釘やネジを壁に直接打たずに展示物を設置できるため、賃貸住宅でも模様替えやレイアウト変更が簡単に行えます。軽量の額縁や中程度の重さの装飾品など幅広く対応可能です。

3. 店舗やオフィス

店舗やオフィスでは、販促ポスターや案内表示を掲示する際にピクチャレールが役立ちます。ワイヤーやフックで吊るす形式のため、視認性の高い場所に自由に配置でき、季節ごとの装飾やイベント対応がスムーズに行えます。耐荷重の高い製品を選ぶことで、大型の展示物や複数のアイテムを安全に展示可能です。

4. 公共施設

図書館や市民ホール、学校の廊下など公共施設でもピクチャレールは活用されます。掲示物の高さや位置を柔軟に調整できるため、利用者が見やすい位置に配置でき、掲示物の入れ替えが容易です。頻繁に情報を更新する施設では特に、作業の効率化に貢献します。

5. 展示会・イベント

展示会やイベント会場では、短期間で展示物を設置・撤去する必要があります。ピクチャレールを用いることで、壁やパネルに傷をつけずに設置できます。軽量で持ち運びが容易なタイプの製品は、イベント会場での柔軟なディスプレイに適しているでしょう。

門扉

門扉とは

門扉とは、住宅や施設の出入口に設置される建材製品です。

敷地の境界を明確にし、防犯性やプライバシーの確保、景観向上などの役割を果たします。材質は、鉄・アルミニウム・木材など多岐にわたり、設置場所や用途に応じて選択されます。片開き・両開き・引き戸などの開閉方式があり、使用者の利便性や敷地の形状に合わせて設計できます。最近ではスマートキーやスマートフォンと連携し、遠隔で開閉できるタイプも登場しています。

また防犯性を高めるために、鍵やオートロック、センサー連動機能を備えた製品があります。住宅だけでなく、学校や工場、商業施設などさまざまな建物でも採用されています。門扉を設置することで、敷地内の安全性を高め、訪問者や車両の出入りの管理が可能になります。

門扉の使用用途

門扉は、敷地の出入り口を単に区切るだけでなく、防犯性やプライバシーの保護、住宅の顔としてのデザイン性の向上にも貢献します。その主な用途は以下の通りです。

1. 住宅

住宅の門扉は、敷地への不正侵入を防止し、家族や居住者の安全を守るために使用されます。片開きや両開きの門扉を採用することで、自宅敷地への車両や歩行者の出入りを効率的に管理できます。デザイン性を重視した門扉は、外観の印象を高め、住宅の価値の向上に寄与します。

2. 商業施設・公共施設

商業施設や公共施設では、門扉を設置することで、施設へのアクセス制御や来訪者の誘導が容易になります。大型施設では、耐久性の高い金属製の門扉が採用されることが多く、多人数の出入りにも耐えられる設計が求められます。また施設の外観に調和したデザインの門扉を使用することで安全性と美観を両立できます。

3. 工場・倉庫

工場や倉庫などの産業施設では、門扉は敷地内への無断立ち入り防止や車両の管理に使用されます。自動開閉式やセンサー連動型の門扉を設置することで、効率的な出入り管理が可能となり、安全性を確保しつつ作業効率を向上させられるでしょう。

4. 公園・学校

公園や学校の敷地でも門扉は重要な役割を果たします。子どもや利用者の安全確保、施設の開閉時間の管理、防犯対策などの目的で設置されます。特に学校では、耐久性と安全性が重視されており、外部からの侵入を防ぐための頑丈な門扉が必要です。

無機塗料

無機塗料とは

無機塗料とは、シリコンやセラミックなどの無機成分を主成分とした塗料です。

有機塗料に比べて耐候性や耐久性に優れており、建築物の外壁や屋根を長期間にわたり保護する目的で使用されます。紫外線や酸性雨による劣化が少なく、美観を長期間維持できる点が大きな特徴です。さらに防カビ性や防藻性を備えており、衛生面を重視する建築物に適しています。

無機塗料は光沢保持率が高く、美観を長く維持できることから、住宅や商業施設のリフォームにも多く採用されています。耐熱性や難燃性にも優れており、過酷な環境下でも安定した性能を発揮します。そのため外装の長寿命化を目的とした建築現場において、高い信頼性を持つ塗料とされています。

無機塗料の使用用途

無機塗料の主な使用用途は以下の通りです。

1. 建築・住宅業界

建築物の外壁や屋根、内装壁面に無機塗料を使用することで耐候性や耐紫外線性が向上します。 高層ビルや住宅では、長期間にわたって塗装面の美観を保つことが重要であり、無機塗料の特性が生かされます。 また防火性や防カビ性が求められる場合にも有効であり、住宅や公共施設の安全性の向上に貢献します。

2. インフラ・公共施設

橋梁・トンネル・鉄塔・発電所の設備などの外装塗装にも無機塗料は採用されます。 特に、風雨や紫外線、排気ガスなどの過酷な環境にさらされる構造物では耐候性と防食性が重要です。 無機塗料を使用することで、塗膜の劣化を抑え、長期的なメンテナンスコストの低減にもつながります。

3. 工業・機械製造

機械部品や設備の表面保護としても無機塗料は活用されます。 耐熱性が高く、高温環境下での使用に適しているため、工業炉や配管、ボイラなどの機器にも塗布可能です。 さらに耐薬品性や耐摩耗性が求められる場合も無機塗料が選ばれることが多く、機械の長寿命化に寄与します。

4. 文化財・美術品の保護

歴史的建造物や美術品の保存目的でも無機塗料は使用されます。 塗膜が劣化しにくく、化学的安定性が高いため、重要文化財の外装や屋内装飾の保護に適しています。 適切に塗装することで、美観を損なわずに長期間の保存ができるでしょう。

グリスフィルタ

グリスフィルタとは

グリスフィルタとは、厨房などで使用される換気装置に取り付けられる油脂除去用のフィルタです。

調理中に発生する油煙や油分を捕集し、ダクトや排気装置への付着を防ぐ役割があります。金属製のフィルタ構造を持つことが多く、高温や湿気の多い環境でも性能を維持できます。ダクト内部に油分が堆積すると火災のリスクが高まるため、グリスフィルタを導入することで安全性を確保し、清掃やメンテナンスの負担を軽減できます。

また厨房環境の衛生保持にもつながり、飲食店や食品工場などで広く利用されています。空気の流れを妨げずに油脂を効率的に除去できるため、換気設備の長期的な安定運用に欠かせない装置です。

グリスフィルタの使用用途

グリスフィルタは主に下記の用途で使用されます。

1. 飲食店・社員食堂

グリスフィルタは、レストランや社員食堂などの厨房において最も多く採用されています。調理時に発生する油煙を効率的に捕集し、排気ダクト内の油汚れを防げます。ダクトの清掃頻度を減らせるため、厨房全体のメンテナンスコストの削減に貢献します。

2. 食品加工

食品加工工場では、揚げ物や炒め物など油を多く使用する生産ラインがあり、大量の油分を含む排気が発生します。グリスフィルタを設置することで、空気中の油分を除去し、工場内の環境を清潔に保つことが可能です。これにより、設備の劣化を防ぎ、衛生基準を満たすことにもつながります。

3. ホテル・大型施設

ホテルや商業施設の厨房では、長時間稼働する大規模な換気システムが導入されています。グリスフィルタを設置することで、効率的に油脂を捕集し、排気や空調システム全体の性能を維持できます。また定期的なフィルタ清掃や交換を行うことで、快適で安全な厨房環境を保てるでしょう。

4. 防火・安全対策

油分を含む排気は引火性が高いため、ダクト内に蓄積すると火災の原因になる可能性があります。グリスフィルタは油分を初期段階で捕集するため、火災リスクを大幅に低減できます。そのため防火対策の一環として、建築基準や消防法に基づき設置が求められる場合があります。

混合吐出機

混合吐出機とは

混合吐出機とは、2種類以上の液体やペースト状の材料を所定の比率で混合しながら同時に吐出する装置です。

主に、樹脂や接着剤、シーリング材などの材料を正確に混合・塗布する目的で使用されます。内部には、ギアポンプやピストンポンプなどの定量供給機構と、混合方式に応じた混合機構が組み込まれています。

混合方式には、撹拌翼によって能動的に混合するダイナミックミキサー型と、内部の固定羽根構造によって受動的に混合するスタティックミキサー型があり、材料の粘度や反応速度に応じて最適な方式が選択されます。

手作業による混合と比較して、吐出精度の向上・作業効率の改善・不良率の低減・品質の安定化といった効果が得られます。そのため自動車や電子機器、建築、さらには航空・宇宙分野など幅広い製造現場で不可欠な設備として普及しています。

混合吐出機の使用用途

混合吐出機は、複数の材料を正確に混合・塗布する必要がある場面で広く使用されています。以下のような業界で導入が進められています。

1. 自動車

自動車製造では、車体の接着やシーリング、バッテリーパックの組立において混合吐出機が活用されます。例えば、2液性接着剤を安定して混合・塗布することで、ボディの剛性の確保や水密性の向上を実現します。またEV用バッテリーでは、セル間の熱伝導材や封止材の塗布に使用され、安全性と耐久性を高める役割を担います。

2. 電子機器

電子機器の製造では、基板のポッティングや封止、コネクタ部の接着に混合吐出機が利用されます。微細な部品にも比較的均一に材料を塗布でき、気泡混入の抑制や絶縁性能の確保につながります。特に高性能半導体や通信機器の分野では、熱対策や耐環境性を確保するための高度な塗布技術が求められています。

3. 建築・土木

建築現場では、コンクリート補修用のエポキシ樹脂やシーリング材の施工に混合吐出機が用いられます。現場での人手による混合では硬化不良や品質のばらつきが生じやすいため、適切な比率で自動的に混合できる装置は施工品質の安定化に寄与します。また大規模建築物やインフラ補修工事において、効率的かつ高耐久な仕上がりを実現します。

4. 航空・宇宙

航空機や宇宙機器の組立では、軽量かつ高強度の接着・封止材が用いられます。混合吐出機は、これらの材料を精密に混合し、過酷な環境でも安定した性能を発揮できる接合を可能にします。特に複合材の接着や耐熱シーリングなど、信頼性が最重要となる領域で活躍しています。

パーツカウンタ

パーツカウンタとは

パーツカウンタとは、電子部品や小型部品を正確に数えるための装置です。

主にリールやトレイに収められたチップ抵抗やコンデンサ、ICなどを対象に、部品の数量を迅速かつ自動的にカウントします。従来の目視や手作業による数量確認では、時間がかかるうえ誤差が生じやすいという問題がありました。パーツカウンタを導入することで、在庫管理の精度の向上や生産ラインへの部品供給の効率化を実現できます。

光学式・重量式・X線式の3種類があります。光学式は最も一般的で、リールから送り出される部品をセンサーで1つずつ検知してカウントします。重量式は、主にトレイやバルク部品向けで、微小な質量変化から数量を算出します。最新のX線式は、リールを開封せず内部を非破壊で撮像し数量を把握できるため、棚卸作業やトレーサビリティ強化の手段として注目されています。

パーツカウンタの使用用途

パーツカウンタは、部品点数の正確な管理が必要とされる場面で広く利用されています。以下の業界を中心に活用が進んでいます。

1. 電子部品の製造

電子部品メーカーでは、リールに巻かれたチップ部品の数量確認にパーツカウンタを用います。製造工程での仕掛品や出荷前検査の段階で数量を正確に把握することで欠品や余剰在庫を防止できます。特に、小型化が進む部品は目視での確認が困難なため、自動カウント機能の導入が品質管理の基本となっています。

2. 電子機器の組立

基板の実装工場では、SMTラインに供給する部品の数量を管理するためにパーツカウンタが使用されます。部品不足によるライン停止を防ぐとともに、適正な在庫の補充を可能にします。さらに余ったリールを再利用する際は、正確な残数の把握が必要となるため、パーツカウンタの活用が効率的な生産管理に直結します。

3. 物流・倉庫

電子部品を扱う物流センターでは、入出庫の管理や棚卸作業にパーツカウンタを導入しています。大量のリールを短時間で処理できるため、人手による数量の確認作業を削減できます。これにより作業効率と精度を両立し、納期の遵守や誤出荷の防止に貢献します。

4. 研究・開発

研究機関や試作開発の現場では、少量多品種の部品を扱うケースが多く、パーツカウンタが数量の管理に役立ちます。例えば、新製品の試作で必要な部品を正確に数え出すことで、調達ミスや組立工程の遅延を防止できます。高価格な部品を使用する場合は特に、コスト削減の観点からも数量管理は重要です。

スポット溶接機

スポット溶接機とは

スポット溶接機とは、金属板を重ね合わせ、その接触点に電極を当てて大電流を流しジュール熱を生じさせ、金属を局所的に溶融・接合する装置です。

鋼板やアルミ板、ステンレス、高張力鋼板など様々な金属材へ対応しており、手作業用の小型機から自動車製造ラインなどで使用されるロボット搭載型インバータ式まで多様なタイプが存在します。加圧力・溶接電流・通電時間といった溶接条件の精密な制御によって、均一な品質と高い生産性が得られます。近年はEV車体など軽量化・高強度を求める分野にも用途が広がっています

アーク溶接と比較して、スポット溶接は加工速度が速く、溶接強度・外観ともに安定した品質を実現できるため、量産に適しています。また熟練度に依存しにくく自動化しやすいことから、自動車、家電、鉄道車両など多様な製造業で不可欠な技術です。

スポット溶接機の使用用途

スポット溶接機は、金属板を効率的かつ強固に接合する必要がある場面で広く用いられています。以下のような業界における用途が代表的です。

1. 自動車業界

自動車製造では、車体の鋼板やアルミ板を接合するためにスポット溶接機が欠かせません。車体構造の各部に数千点以上の溶接が施され、剛性と安全性を確保しています。ロボットアームに搭載したスポット溶接機を自動ラインで稼働させることで、均一な品質と高い生産性を両立しています。近年はEV車向けのアルミ材対応技術が導入されています。

2. 家電業界

洗濯機や冷蔵庫など家電製品の外装や内部フレームに多用される薄鋼板やステンレスパネルの組立にスポット溶接機が活躍します。スポット溶接機を使うことで、コストを抑えながら耐久性の高い組立が可能です。さらに、外観に影響を与えにくい接合方法であるため、製品デザインを損なわずに組立工程を効率化できます。

3. 鉄道・航空業界

鉄道車両や航空機の一部部材には、軽量化と強度確保が求められます。スポット溶接機は薄板構造の接合に適しており、特に補強パネルやフレーム部の組立で活用されます。高電流制御技術の進歩により、従来難しかった高張力鋼板やアルミ合金への対応も進んでいます。

4. 金属加工業界

金属製家具や事務機器の製造でもスポット溶接機が活用されます。例えば、スチールデスクやロッカーの組立においては、効率的な量産と美観を両立する接合方法として重宝されています。さらに、専用治具と組み合わせることで、複雑な形状部材でも高い精度での接合が可能です。