密閉コンテナ

密閉コンテナとは

密閉コンテナとは、業務用で使用されるコンテナ容器のうち、密閉できる製品です。

コンテナと呼ばれる業務用の容器は様々な種類があります。食品加工業などの食品保存などに利用される小型の製品から、倉庫などで部品・製品収納に利用される中型製品、フォークリフトで運ぶ規模のボックスパレット状の大型製品などがあります。

蓋の部分に取り付けたゴムパッキン、シリコンパッキンなどと、バックルなどの留め具を併用することで密閉が可能な機構となっていることが多いです。特に海上コンテナをはじめとする物流用の鋼鉄製大型コンテナは、二重以上のパッキンが施され、特に気密性が高くなっています。段積みが可能な製品も多いです。

密閉コンテナの使用用途

1. 輸送・物流

密閉コンテナと呼ばれる製品のうち、大型の鋼鉄製コンテナは海上輸送をはじめとする各種輸送に利用されています。パッキンやシーリングで密閉され、防塵性・防水性に優れます。長距離輸送において風雨や湿気による損傷から貨物を保護することが可能です。

また、液体・ガス輸送用の大型タンクコンテナも密閉コンテナの一種に分類することができます。化学薬品、燃料、食品用の液体などの輸送に用いられるコンテナです。漏れを防止する構造によって気密性が高くなっており、外部からの衝撃や気温変化のダメージを受けること無く安全に輸送を行うことができます。

2. 危険物・廃棄物保管

密閉性の高い業務用コンテナのもう一つの用途に、危険物や廃棄物などの保管があります。危険物や廃棄物は保管の間に漏れ出しては困るため、密閉性の高いコンテナでの保管が必須となります。金属製の製品が多く、焼き付け塗装や重防食塗装が施されているため耐食性にも優れます。

一般的な産業廃棄物のほか、焼却灰、汚泥、PCB廃液、医療用廃棄物などの保管が可能です。危険物では放射線源や化学薬品などの長期保管に用いられます。

3. 汎用的保管・収納

小規模・中規模の密閉コンテナは、様々な製造業で一時保管や収納、運搬に利用されています。密閉機構があることで、防水・防塵性能に優れており、部品・製品・材料を安全に保管することができます。食品加工業などでは、内容物の臭い漏れを防ぐ上でも密閉容器が便利です。

機械製造などの倉庫での部品の一時保管や製品の収納、食品業種などにおける流通や運搬、その他、作業場の一般的な資材・工具類の整理など様々な用途で利用されています。

テープライト

テープライトとは

テープライトとは、細長いテープ状の基板にLEDチップが等間隔で実装された照明器具製品のことです。

フレキシブル基板を用いることで、曲面や狭い場所にも自在に設置できるのが特徴です。一般的には5m単位でロール状に巻かれています。製品によっては一定間隔、例えば5cmごとに必要な長さに切って使用することができるものもあります。基板の裏面には粘着テープが付いており、壁や棚、家具などに簡単に貼り付けることが可能です。

光の色温度や明るさの種類も豊富で、白色・電球色のほか、RGBやRGBWといったフルカラータイプもあり、シーンに応じた多彩な演出が可能です。また、防水仕様のものも販売されており、屋外や水回りなどでも活用されています。

テープライトの使用用途

テープライトはインテリアからイベント演出、仮設工事など幅広い領域で使用されています。

1. 建築やインテリアの装飾照明

テープライトは、店舗や住宅の間接照明として広く使用されています。天井の折り上げ部分や壁面、棚の縁などに設置することで、空間に柔らかな明かりを加えることが可能です。ホテルや飲食店では、壁面や床のラインを強調する照明として使われ、上質な雰囲気づくりに一役買っています。

2. サイン・ディスプレイ・イベント演出

商業施設のサイン照明や商品ディスプレイ、展示会や舞台演出も、テープライトが活用される分野の一つです。特にRGB対応のフルカラータイプは、コントローラーと組み合わせることで、時間や音楽に合わせたダイナミックな演出が可能になります。イルミネーションやイベント装飾では、曲がる特性を活かして文字や図形を自在に形作れるため、視覚的なインパクトが求められる場面に最適です。

3. 仮設作業用の照明

建設現場やイベント会場の設営など、仮設的な作業環境でもテープライトは有用です。軽量かつ柔軟な構造のため、仮設の足場や資材置き場、通路に沿って簡単に取り付けることができ、夜間や暗所での安全性を確保できます。防水性や耐衝撃性に優れたタイプを選べば、屋外や埃の多い環境でも安心して使用可能です。

隔膜電極

監修:有限会社サンコーテクニカ

隔膜電極とは

隔膜電極とは、電極表面がイオン交換膜などの半透膜で覆われた構造を持つ電極製品のことです。

この電極は、特定のイオンだけを透過させ、不要な物質を遮断する機能を備えており、イオンの選択的移動を制御する電気化学的な装置において欠かせない存在となっています。
特に、自動車や家電の塗装工程に広く用いられているカチオン電着塗装の分野では、この隔膜電極が重要な役割を果たしています。

カチオン電着塗装とは、塗料中のカチオン性樹脂 (正に帯電した塗料粒子) を金属表面に均一に吸着させる塗装技術です。このプロセスでは、塗装対象となる金属製品 (ワーク) が陰極となり、塗料槽内に設置された陽極が電極として機能します。ここで用いられるのが 、隔膜電極と呼ばれる特殊な電極です。

隔膜電極の使用用途

カチオン電着塗装は、自動車や電機部品などの金属表面に防錆性の高い塗膜を形成するために広く用いられています。その工程の中で、隔膜電極は、塗装品質の安定と工程の信頼性を支える重要な役割を担うものです。

1. pHの安定化と電着条件の維持

電着塗装では、陽極で電気分解が進行する中で、酸性物質が発生します。これらが塗料槽内に拡散すると、槽内のpHが下がりすぎてしまい、電着反応の進行に悪影響を及ぼしかねません。隔膜電極は、電極をイオン交換膜で覆う構造を持ち、酸性物質やアニオンを塗料槽から物理的に分離します。これにより、電着槽のpHを安定に保ち、塗装の均一性や密着性を維持することが可能です。

2. 副生成物の隔離と塗料の清浄性保持

陽極付近では、酸だけでなく金属イオンやその他の副生成物も発生します。これらが塗料に混入すると、塗膜に欠陥が生じたり、塗料そのものが劣化したりする原因になります。隔膜電極は、これらの副生成物を電極の外に漏らさず、塗料との接触を防ぐ役割を果たすものです。その結果、塗料の清浄性が保たれ、製品ごとの仕上がりのばらつきも抑えられます。

本記事は隔膜電極を製造・販売する有限会社サンコーテクニカ様に監修を頂きました。

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スプレーバルブとは

スプレーバルブとは

スプレーバルブとは、液体材料を霧状にして非接触で塗布するための部品です。

圧縮された空気の力を利用して、液体を細かい粒子に変えて吹き付けます。スプレー缶のようにボタンを押すと中身が霧状になって出てくる仕組みであり、精密に自動制御できるようにした製品がスプレーバルブです。ノズルから液体と圧縮空気を同時に放出し、液体種類や塗りたい範囲に合わせて粒の大きさを細かく調整できるのが特徴です。

これにより、塗りたい場所にだけ、均一な厚みでムラなく液体を塗布することが可能です。また、直接触れずに塗布できるため、複雑な形状の対象物や、デリケートで傷つけたくない精密部品への塗布にも適しています。精密な塗布能力から、様々な産業分野で活用されます。

スプレーバルブの使用用途

スプレーバルブは以下のような用途で使用されます。

1. 皮膜保護

スマートフォンやパソコンなどに使われる電子基板は、湿気やホコリ、振動から保護する必要があります。そこで、基板全体を薄い膜で覆うためにスプレーバルブを使用します。必要な箇所にだけ均一に保護剤をコーティングすることで、製品の信頼性と耐久性を高めることが可能です。非接触で塗布できるため、微細な部品を傷つける心配もありません。

2. 潤滑

機械がスムーズに動くためには、潤滑剤やオイルが欠かせません。ベアリングやギアなどの細かい部品に、適切な量の潤滑剤を正確に塗布する際にスプレーバルブが用いられます。手作業では難しいような狭い場所や、奥まった箇所にも的確に吹き付けることが可能です。機械の性能を維持し、寿命を延ばすことに貢献します。

3. 接着

部品同士を接着したり、UVライトを当てることで硬化する特殊な液体を塗布したりする工程でも、スプレーバルブを使用することがあります。液だれやはみ出しを防ぎながら一定量を高速で塗布できるため、生産効率の向上につながります。特にUV硬化剤のように、素早く硬化させて次の工程に進めたい材料の塗布に適しており、製造ラインの自動化に貢献します。

2液混合ディスペンサー

2液混合ディスペンサーとは

2液混合ディスペンサーとは、2種類の液体を正確な比率で混ぜ合わせて吐出する装置です。

私たちの身の回りにある多くの製品は、接着剤や樹脂などを使って作られています。その中には、主剤と硬化剤と呼ばれる2種類の液体を混ぜ合わせることで初めて固まる性質を持つ材料があります。このような材料を手作業で混ぜ合わせると、混ぜる比率が毎回ずれたり、空気が混入したりすることも多いです。2液混合ディスペンサーを使用すれば、2種類の液体を正しい比率で混ぜ合わせることができます。

これにより、混ぜ合わせた液体を必要な量だけ、狙った場所に塗布可能です。一連の作業を自動で行うため、誰が作業しても安定した品質を保てます。製品の信頼性を高めると同時に材料の無駄をなくし、生産効率を向上させる装置です。

2液混合ディスペンサーの使用用途

2液混合ディスペンサーは以下のような用途で使用されます。

1. 電子部品

スマートフォンやパソコンなどに使われる電子基板は、湿気やホコリ、振動に非常に弱いデリケートな部品です。そこで、2液を混ぜて固まる特殊な樹脂を基板上の電子部品に流し込み、全体を覆うことで保護します。2液混合ディスペンサーを用いることで、この樹脂を隙間なく均一に充填することが可能です。電子回路を外部の厳しい環境から保護し、製品の故障を防いで長寿命化に貢献します。

2. 機械部品

自動車の車体や航空機の部品組み立てなど、高い強度が求められる部分で2液性接着剤が使用されます。2つの液体が正しい比率で混ざり合うことで、最大の接着性能を発揮します。2液混合ディスペンサーはこの混合比を常に正確に保ちながら接着剤を塗布するため、接着不良を防ぎます。

3. 防水・防塵加工

自動車のヘッドライトや電子機器のケースなど、内部に水やホコリが入ることを防がなければならない製品があります。このような製品では、部品と部品の接合部分に液状ガスケットを塗り、隙間を埋めて防水・防塵処理を施します。2液混合ディスペンサーを使えば、このシール材を一定の幅で正確に塗布することが可能です。製品の気密性を高める役割を果たします。

工業用ミシン

工業用ミシンとは

工業用ミシンとは、大量の布を正確に縫い合わせるための機械です。

家庭用ミシンと比べて出力が高く、モーターや内部機構が連続運転に耐えるよう設計されています。金属製のフレームが振動を抑え、長時間でも縫い目のばらつきを最小限に抑えます。毎分数千針に達する速度で布を送り、縫製ラインの流れを止めません。

縫い目を作る針棒や送り歯は摩耗に強い合金で作られていることが多く、厚手の帆布や革でも針が折れにくくなっています。布の押え金は交換式で、生地の厚みや形状に合わせて最適な圧力で保持します。糸切りや返し縫いを自動化する装置を備える機種もあり、簡単な操作だけで高品質な縫い目を作ることが可能です。品質を一定に保ちつつ作業時間を短縮でき、服飾製品の大量生産に不可欠な基盤装置と言えます。

工業用ミシンの使用用途

工業用ミシンは以下のような用途で使用されます。

1. 量産

アパレル工場ではTシャツやジーンズなどを高速で縫製し、日々数千枚単位の製品を仕上げます。高回転モーターには冷却機構が付属しており、長時間稼働しても熱を抑えることが可能です。これにより、停止時間を減らし、一本の縫い目ごとの誤差をミリ単位で管理できます。フットペダルや自動糸切りを併用し、手戻りなしで次工程へ流せます。結果として生産効率が向上し、納期短縮に寄与します。

2. 特殊素材加工

カバンや車両用シートなどの厚手素材は針折れや送りムラが起こりやすいですが、強力な押え金と上下送り機構によってこれらの問題を防ぎます。レザー縫製では専用針と太番手の糸を使用し、糸締まりを保ちながら縫い目を美しくそろえることが可能です。高トルクモーターを備えた機種であれば、複数枚重ねた革でも速度を落とさず縫製でき、耐久性の高い製品づくりを支えます。

3. 高付加価値製品

スポーツウェアやインテリア用品では、装飾ステッチや三重縫いなどで模様をつける場合があります。電子制御式の工業用ミシンは縫い目の長さや幅を数値で設定でき、同じデザインを何度でも再現することが可能です。これにより、小ロットでも均一な模様を付与し、ブランド価値の維持に貢献します。

シアノアクリレート

シアノアクリレートとは

シアノアクリレートとは、空気中の水分で瞬時に硬化する接着剤です。

主成分が水分と反応して素早くポリマーへ変化して硬化する性質を有します。水分は空気中だけでなく接着面にも含まれているため、わずかな湿気が引き金となり硬化が始まります。硬化後はガラスのような透明な固まりとなり、硬さと薄さを兼ね備えた層を形成することが可能です。瞬間接着剤と呼ばれる製品の核心成分で、市販の接着剤は臭いを抑える改良や柔軟性を加える配合が施されています。

硬化した層は耐水性と耐薬品性に優れ、金属・プラスチック・ゴムなど幅広い素材に密着します。ただし、繰り返しの曲げなどで強度が弱くなるため、用途に応じて適切な使い分けが重要です。保管する際は内部の水分で硬化するのを防ぐため、湿度の低い冷暗所に置きます。

シアノアクリレートの使用用途

シアノアクリレートは以下のような用途で使用されます。

1. 日用品

壊れた小物の補修に最もよく使用されます。陶器の欠けやプラスチック製おもちゃの破損など、接着面がぴったり合う硬質素材で効果を発揮します。一滴で広がるほど流動性が高く、固まると接着跡が目立ちにくい点が利点です。水や油に触れる部位は、事前に脱脂するとより強力に接着します。

2. 医療

医療現場では、組織接着剤という形で外科手術の皮膚閉鎖や止血に応用されます。従来の縫合糸に比べて施術時間を短縮でき、患部への負担も少なく済みます。医療用は毒性を抑えた専用品で、一般向け製品を直接皮膚に塗布することは推奨されないため注意が必要です。

3. 産業・玩具

工場では、ライン作業の仮固定や高精度部品の組み立てに利用されます。ロボットやドローンの細部接着にも欠かせません。また、模型製作や3Dプリンタ出力品の後加工でも利用されます。狭い隙間に浸透して硬化するため、仕上げ精度を高められます。指紋認証センサーの保護膜などの新分野にも活用が広がっており、少量でも高い強度が得られることから資材削減にも役立ちます。

業務用バット

業務用バットとは

業務用バットとは、大量調理を支える角形で浅い容器です。

四辺が立ち上がった浅い箱状の形状であり、液体をこぼさず保持することができます。また、底面が広いため、熱や冷気が均一に伝わりやすく、加熱や急冷の効率を高めます。主流の素材は鉄にクロムとニッケルを混ぜたステンレス鋼で、さびにくさと耐久性が特徴です。軽量なポリプロピレンやポリカーボネートなどの樹脂製も普及しています。透明で内容物が一目で確認できる樹脂製バットも多いです。

食器洗浄機にそのまま入れられる形状が基本で、角や段差を避けたつくりが衛生管理を助けます。ステンレスは約800℃、樹脂でも100℃前後の耐熱性があり、茹で上げた食材を移しても変形しにくく、長期間の使用に耐えます。

業務用バットの使用用途

業務用バットは、一般的に調理で使用されます。以下はその用途の一例です。

1. 下処理

根菜の泥を落としたり肉を液に浸したりする際、バットを使用することで素材を重ならずに並べられます。底面が平らで安定しているため、包丁作業中でも傾きません。網を重ねれば水切りもでき、作業台の清掃時間短縮にもつながります。加熱調理前に調味料と合わせておく区画として使うことで、鍋に投入する順番も視覚的に整理でき、調理ミスを防げます。

2. 保存・運搬

一定量を小分けして冷蔵・冷凍庫に積み重ねることが可能です。大量調理現場で重宝されます。番手が揃ったバット同士は段差なく重ねられ、冷却効率が高まります。食品容器規格に準拠した製品を選べば、化学洗剤のにおい移りなども抑えられます。

3. 提供・陳列

調理済みのから揚げや焼き菓子を盛り付け、カウンターやビュッフェラインにそのまま乗せられます。これにより、高さがそろい、統一感を持たせた状態で提供できます。スチームテーブルやショーケースの規格サイズとも合致するため、保温・保冷機能も無駄なく活用できます。鉄製バットは加熱機器に直接セットしても変形しにくいため、出来立ての温度を保ったまま客席へ供給できます。

カムロック

カムロックとは

カムロックとは、主にホースや配管の接続に用いられる「クイックカップリング (迅速継手) 」製品の一種です。

工具を使わずに迅速かつ確実にホースやパイプを着脱できる仕組みを持っており、配管設備の効率化と作業時間の短縮に大きく貢献しています。

カムロックは、オス側 (アダプター) とメス側 (カプラー) で構成されており、メス側に装備された「レバー (カム) 」を倒すことで、オス側の溝 (グルーブ) を内部のカムが押さえつけて接続します。接続時は、両サイドのレバーを引き下げるだけで固定でき、取り外す際はレバーを持ち上げるだけで簡単に分離できるのが特徴です。

素材にはアルミ合金、ステンレス、真鍮、ポリプロピレンなどがあり、サイズや規格も多岐にわたりますが、米国軍事規格のA-A-59326に準拠した製品が多く流通しています。

カムロックの使用用途

カムロックは、その使いやすさと確実性から、さまざまな産業分野で幅広く使用されています。代表的な使用用途には以下のようなものがあります。

1. 化学工業・食品工場

化学工業や食品工場などでは、液体や粉体の移送ラインにカムロックが使用されます。衛生的な分離が求められるため、洗浄やライン変更が頻繁に行われる現場では、工具を必要としないことも、カムロックの利便性が評価されている点です。

2. 農業分野

農業分野でも、散水や液肥の供給用ホースの接続に使用されます。大規模な作業現場では、設置・撤収を素早く行う必要があるため、カムロックは作業効率向上や作業負担を低減につながるものです。

3. 石油関連

石油や石油から作られた燃料などを貯蔵したり輸送する施設は、カムロックが多く用いられている場所です。船舶やタンクローリーなどの移送設備でも、液体・気体の安全な接続に利用されており、万一の漏洩を防ぐ構造となっています。特殊な用途では、導電性のある素材で静電気対策を施したタイプや、高耐圧・耐薬品性に優れた製品もあります。

炭化装置

炭化装置とは

炭化装置とは、有機物を単体炭素の状態に変化させる装置です。

特に廃棄物の処理方法として注目されています。生ごみなどの有機廃棄物は、大部分が焼却により処分されていますが、焼却に伴って二酸化炭素が発生する点で環境に好ましくありません。そこで、燃焼によらず減容でき、生成物の再利用もできる方法として、炭化が関心を集めています。

実用化されている炭化装置の一つは、木炭を作る工程と同様に炭化炉で蒸し焼きにするタイプです。酸素がない条件で加熱すると、有機物は二酸化炭素とならずに熱分解していき、最終的には炭素だけが残ります。

加熱のみに頼らない方法として、触媒を用いる方法も運用されています。実用化されている触媒は、スルホン酸系の触媒です。加熱による熱分解よりも低温 (100から200 ℃) での処理を可能とするものです。

炭化装置の使用用途

一般廃棄物や産業廃棄物の一部 (紙、布、プラスチック、汚泥など) の減容化、有害物質の固定化、資源化などがあります。

1. 廃棄物の処理

炭化装置は、廃棄される有機物を処理し、炭の状態に減容することに用いられています。有機物は、木材、食品残渣、下水汚泥、生ごみや一般ごみ、産業廃棄物などです。

有機物中の炭素は、焼却法においてはすぐに二酸化炭素として大気中に放出されてしまいますが、炭化処理では、有機物中はいったん炭の状態となります。炭には燃料以外の利用法もあるため、二酸化炭素の発生を制御することができると考えられています。また、炭化処理を行った場合、生成する炭は化学的に安定であり、劣化することがないため、扱いやすく衛生的であることは廃棄物処理法として優れた点です

2. 環境・エネルギー業界

間伐材、農業残渣、食品残渣、下水汚泥といった様々なバイオマスを炭化し、高効率な固形燃料である「バイオ炭」を生産し、バイオマス発電などで活用されます。再生可能エネルギーの供給源として、また大気中の炭素を土壌に固定する手段として、脱炭素社会の実現に貢献します。

3. 農業・畜産業界

農業残渣 (稲わら、もみ殻、剪定枝など) や家畜糞尿の処理に利用されます。これらの有機性廃棄物を炭化することで、悪臭の抑制、減容化が図れるだけでなく、生成されたバイオ炭を土壌改良材や肥料として再利用し、持続可能な農業を推進します。