変位センサー

変位センサーとは

接触式変位センサー

変位センサーとは、被測定物自体の厚みや高さなどを計測するセンシング機器です。

プローブを接触させて測定する接触式センサーや、レーザーを用いた非接触式のセンサーなどが販売されています。

変位センサーの使用用途

変位センサーは、産業に幅広く使用されています。特に加工装置や搬送装置などでは加工物の位置や形状を検出する必要があるため、変位センサーを用いて距離を測量します。

また、製品の外観検査など、被測定物の厚み情報が必要な場面でも有用です。厚みはノギスでも測定可能ですが、複雑な形状の製品や触れると不具合がある製品は、非接触式変位センサーを用います。

変位センサーの原理

ある被計測物との距離を測る場合は、拡散反射方式か正反射方式のレーザー変位計が用いられます。どちらも、レーザー光源からの光を被計測物表面で反射させ、その反射光を受光部で検知することで距離を判定します。

受光部はある一定の領域幅をもっており、反射光の角度によって受光部が異なります。受光部が変化するとそれに応じた電流が検知され、その情報をもとに距離の値に換算します。

その構造上、被計測物表面が鋭角な場合は、反射光が受光部へ返ってこないため検出できません。この許容傾きは変位計の設計により、一般に拡散反射方式の変位センサーの方が検出角度が広いです。

変位センサーの種類

変位センサーは、用途に応じて幅広い製品が販売されています。以下は変位センサーの種類一例です。

1. 差動トランス式変位センサー

電磁気による直線変位の検出の中で最も代表的なセンサーです。1次コイルと2つの2次コイル、それらのコイルの間にある鉄心から構成されます。1次コイルは励磁用、2次コイルは検出用として働き、鉄心は可動します。

1次コイルに高周波交流を流すと電磁誘導の作用により2次コイルに電圧が誘起され、鉄心が移動します。鉄心が移動することで差動出力がゼロの状態から電圧差が生まれ、変位を計測できる仕組みです。

構造上、測定値が飛ぶことが少ない点が特徴です。一方、コイルの磁界を利用しているため、コイル内の鉄心の位置によっては磁界の特性が安定しない場合があります。

2. リニアスケール

リニアスケールとは、リニアエンコーダとも呼ばれ、直線上の位置や距離を高精度で測定するためのセンサーです。インダクトシンとマグネスケールという2種類が存在します。

インダクトシンは、固定されたくし歯状コイルのスケールと、可動式のくし歯状コイルのスライダからなります。コイルに交流電流を流すとスライダのコイルに電圧が誘起され、その位相の変化から変位を計測します。

マグネスケールは、磁気テープなどを磁気記録媒体としたスケールと検出センサーからなります。検出センサーが移動することにより位置を検出し、変位を計測します。

3. シンクロ

シンクロは、発信機と受信機のふたつの回転軸から構成される回転角変位検出用センサーです。発信機側の軸に巻かれた1次コイルに交流電流を流すと電磁誘導の作用により、受信機側の2次コイルに電圧が誘起されます。

このとき、発信機側の軸と同一の角度だけ受信機側の軸が回転することを利用し、回転角の変位を測定します。

4. レゾルバ

レゾルバは電磁誘導作用によって回転角を検出するセンサーです。励磁用のコイルと検出用のふたつのコイル、鉄心からなります。これらのコイルはすべて直行しています。

励磁用コイルに交流電圧をかけると、検出用のコイルに電圧が誘起されます。回転角度に応じて出力される電圧が変化するため、この出力信号から回転角変位を測定します。

変位センサーの選び方

変異センサーを選ぶ際は、まず用途が距離検出か形状情報検出かを確認します。距離検出であれば、計測レンジにあった製品の中から被計測物の表面角度以上の計測が可能な製品を選定します。厚み測定の場合は、検出レンジを確認します。

その後、必要な計測精度を確認し、分解能や検出精度およびリニアリティのスペックを選定します。どれも計測精度に影響を及ぼす因子であり、一般に精度が高いほど高価です。

また、計測精度と同時に設置スペースも確認します。設置スペースが小さい場合、小型センサーの方がおすすめです。

参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/memory/memory_what2
https://books.google.co.jp/books?vid=ISBN4501115408
http://www.jsg.co.jp/technical1.html
https://www.tamagawa-seiki.co.jp/products/resolver-synchro/synchro-about.html

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