荷重計とは
荷重計とは、荷重や力の大きさである物理量を電気シグナルに変換して、数値として取り出す計測器です。
荷重や力の検出素子には、主に歪ゲージが使用されています。歪ゲージは物体の変形を電気抵抗の変化として検出するセンサーです。また、信頼性の高い測定器にするために、荷重や力に対する歪ゲージの出力変化を、同じ条件の負荷がかかるように調整し、精度の高いセンサーと比較します。
このような作業を校正と言い、全ての計測器にとって必要不可欠な作業です。荷重計は同じ大きさの荷重が継続的に作用し続ける静的荷重でも、作用する力の大きさが連続的に変動する動的荷重いずれの測定でも使用できます。また、荷重の向きによって引張・圧縮両用型、引張型、圧縮型に分けられます。
荷重計の使用用途
荷重計は、力の大きさを計測する機器において広く用いられています。アムスラー型万能試験装置といった試験装置はもちろん、鍛造やプレスといった荷重が製造条件になるような産業用機械も使用用途の1つです。
そのほか、モーメントという物体を回転させようとする能力を測定するセンサーにも、荷重計を用いたものがあります。特にxyzの3つの方向の力と、それぞれの軸を中心に物体を回転させるモーメントを同時に計測できる6軸センサーは、高度な作業を可能とする力制御ロボットに使用されています。
産業用機械以外では、建築・土木業界でロックアンカ・アースアンカという土木工事が挙げられます。ロックアンカやアースアンカにおいては、実際に荷重を受けるPC鋼棒・PC鋼線に加わる力の測定に、荷重計が使用されています。
荷重計の原理
荷重計が力を検出する原理は、物体の変形を電気抵抗の変化として検出することにあります。力による物体の変形を検出するのが歪みゲージです。一般的に物体は引っ張られると伸び、その分太さは細くなります。
この変形は電線の場合、電気が流れにくくなる、つまり電気抵抗が大きくなります。歪みゲージは非常に細い電線を荷重が作用する部品の表面に貼り付け、部品の変形を電線の長さと太さの変化を電気抵抗の変化として検出します。
荷重計のその他情報
1. 荷重計とロ―ドセル
荷重計とは、本来の意味ではロ―ドセルのことを指します。しかしロードセルは、荷重のセンサーの名称であり、ロードセル単体では計測した荷重値を表示することができません。そのため、ロードセルが検出した荷重をロードセルと電気的に接続して、荷重値に変換して表示する表示計が必要となります。
具体的に表示計の役割を果たすものは、ストレインアンプです。また、ロードセルと荷重表示計を組み合わせた製品たちを荷重計と呼ぶ場合があります。いろいろなメーカーからロードセルと荷重表示計を組み合わせた製品が多く製造されています。
製品名がクレーンスケール、フォースゲージ (プッシュプルゲージ) となっているものが該当します。大義では引張試験機、応力試験機なども荷重計の1つです。
2. クレーン荷重計
クレーン荷重計は、トラックに取付けられたクレーンの吊り荷の重量を計る装置です。ロードセル等の荷重センサーは、使わずに巻上装置の油圧モーターの作動圧力を荷重に変換します。
巻上装置の巻上げている時だけ吊り荷の重量を表示して停止時や巻下げ時、また他の操作時には重量を表示しません。また、ロードセルと表示計を組み合わせた荷重計でクレーンスケールと呼ばれるものがあります。
これは天井走行クレーンなどで使用し、スケールをクレーンのフックに吊り下げたり、クレーンスケール下部に吊り荷を吊り下げたり、吊り下げたものの重量を計測します。
3. プレス機用荷重計
プレス機用荷重計は、ロ―ドセルを使った荷重計です。実際にプレス加工機での作業時に加工部品へ加える動作をした時の荷重を測定します。ロードセルの出力は、アナログ電圧出力をデジタル変換して荷重値の表示します。また、アナログ/デジタル変換をするときには、必ず数ミリ秒の時間が必要です。もし応答性、測定周波数が低い荷重表示計を使った場合には、ピーク値を測定しきれない、あるいは測定された荷重が安定しないなどといった問題が生じ得ます。
参考文献
https://tml.jp/knowledge/transducers/load_cell-note.html
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
https://tml.jp/knowledge/transducers/load_cell-example.html
https://www.fujicon.net/loadcell/whatsmanagement.html