芯出しバー

芯出しバーとは

芯出しバーとは工作機械の平面上原点位置を高精度検出する治具です。

工作機械に芯出しバーを把持させ、スピンドルを回転させた状態で先端をワークの縁へゆっくり近づけていき、芯出しバーが偏心した場合は接触しているため、振れが完全になくなるまで移動させます。振れが完全になくなった位置が原点と定義できます。原点の精度は加工の精度に直結するため、重要な項目です。

タッチセンサーによる原点位置決めも可能です。タッチセンサーは便利な反面、異常が生じた場合の補正に手間がかかります。

芯出しバーの使用用途

旋盤フライス盤など加工機械による精度を求められる加工時に使用されます。

旋盤ではチャッキングした芯出しバーを回転させた材料に近づけ、その振れによって原点位置を決めます。加工後に再度芯出しが必要になった場合はダイヤルゲージの使用が推奨されます。

フライス盤ではテーブルを油砥石で平らにした後に芯出しバーをコレットにセットします。材料に近づけ、目視で調整が可能です。偏心が見られる場合は板や矢を用いて水平度を調整します。

芯出しバーの原理

NC・MC工作機械などで使用する場合、芯出しバーのシャンク部をミーリングチャックドリルチャックに取り付け、ワークにゆっくり近づけ、測定子が偏心するよう回転させます。回転した状態でワークをゆっくり測定子に近づけると偏心が小さくなり、測定子の振れがなくなり、完全に静止した状態になるよう調整します。静止の状態からワークを微小移動させ、ワークに接触させると測定子が測定面に沿って移動します。この位置が測定子径を考慮した基準位置です。

芯出しバーは金属でできているため、長期間使用すると磁気を帯びて機能しなくなります。一定期間での取り換えが必要になります。消耗品に分類されるため、非金属で耐久性に優れた材質が理想となります。

原点の精度は加工の精度に直結するため、重要な項目です。

用途に応じて材質をステンレス鋼・非磁性特殊鋼・セラミック・クロムモリブデン鋼などから選定します。

座標検出の他に円の径測定、2点間の距離測定に使用されます。Z軸方向では使用されません。

参考文献
http://kikaikakou.gjgd.net/
http://www.e-supertech.co.jp/HME.html
https://www.toyoas.jp/products/category/milling/option/detail.html?p=787
https://www.fujitool.co.jp/products/egde_finders/000115.html

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