絶縁カバーとは
絶縁カバー(Insulation cover)は、器具の充電部や結線部、高圧架空配電線の引留クランプ部の露出充電部などを絶縁保護するために使う安全保護用カバーです。
コンセントなどに押し込むワンタッチプッシュタイプ、電線を通らせてはめ込むタイプ、器具の充電部に覆いかぶせて、ドライヤーなどで収縮させる熱収縮タイプ、
端子台の長さに合わせて切って使用するタイプなど様々です。
安全・保護用品なので、材質、端子台の規格、適用電線の外径、使用電圧や 絶縁耐力などを考慮して、適用箇所に適したカバーを選ぶことが大切です。
絶縁カバーの使用用途
電気工事、機械修理、建機や機械の整備、通信機器、家電製品、自動車、オートバイなど、広く使用されています。
使用例は以下の通りです。
- ソーラーパネルの設置
- 裸圧着端子での配線
- 走行充電器の配線
- ケーブルのメンテナンス
- 盤内配線作業
- 小形基本スイッチの接続部分保護
- 家電、電子回路、機械などの結線
- 腕金、HCF等に取付けて接地感電事故を防止
- 低圧用開閉器保護
- 延線グリップ保護
絶縁カバーの原理
ABS樹脂やポリオレフィンなどの絶縁カバーはコンセント用ワンタッチプッシュタイプや簡単な構造の充電部、ジョイント部、ボルト部、支持がいし接続部など電圧300V以下のミディアムボルテージの電源接続部、導体接続部などに使用します。
器具の充電部や結線部が露出しない様に覆いかぶせてから、ガストーチ、工業用ドライヤー等で熱を加え収縮させる熱収縮チューブ仕様のものもあります。
熱収縮チューブ仕様の適用可能電流は100A、電圧は600Vで、埋込コンセント、フランジコンセント、防水形パネルコンセント、フランジインレットなどに使います。
ターミナル付き電源ケーブル等の先端部を短絡から保護する絶縁カバーは0.4mm厚ポリウレタンを二重化構造で強固な容着処理をした素材を使用します。
硬すぎず、軟らかすぎず、絶妙な硬度ですので使用感もよく、透明でケーブルの極性や相などの確認ができます。
バッテリー端子絶縁ゴムカバーなど端子絶縁カバーは柔軟なPVC素材で作られています。赤と黒で区別できるようになっているので、偶発的な短絡を防ぎ、配線の外観も改善できます。通信機器、家電製品、自動車、オートバイなどに広く使用されています。
その他、送電線を鉄塔、高圧架空配電線の引留クランプ部、スリーブ及びコネクタの接続箇所、低圧架空配電線の分岐、柱上変圧器2次側端子の電線接続部など高電圧配電線の絶縁カバーには絶縁性、柔軟性が高く、耐久性、耐候性があるポリエチレンを主に使用します。
各使用部位に合った形状や構造で設計されたカバーを使用し、作業効率を高めることができます。
参考文献
https://www.americandenki.co.jp/products/a0acsr/65iscv/
https://www.nichian.co.jp/products/p_01_zetsuen.html
https://kowaelec.jp/product/cat/powerdistribution04/
http://www.eishin.intl.co.jp/products/index.php/search?cell003=%E7%B5%B6%E7%B8%81%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC&label=1