ブルドン管

ブルドン管とは

ブルドン管とは一般に、一端を塞いで断面が扁平となるように加工したパイプであり、フランスのE・ブルドンによって発明されたことからその名が付けられています。ブルドン管圧力計の部品として多く用いられていますが、同様の原理を利用することで気圧計、差圧系、温度計などの計測器に使用されている部品です。

用途によって異なりますが、圧力や温度などの変化によって形状を変化させる必要があり、その移動量が大きいほど精度が高まるため、通常用いられるC型に曲げられたブルドン管に加え、スパイラル型と呼ばれる渦巻き型、ヘリカル型と呼ばれる釣巻型のブルドン管も用いられています。

ブルドン管の材料は多岐にわたり、黄銅、アルミブラス、SUS、リン青銅などの高弾性な合金が一般的に用いられます。特に高精度圧力測定用にはベリリウム銅やニッケルスパンなどが用いられています。

ブルドン管の使用用途

ブルドン管の主な使用用途は圧力計の構成部品であり、ブルドン管を用いた圧力計をブルドン管圧力計と呼びます。構造が非常に簡単であり、使用が容易であることに加え、電気などの外部エネルギーを必要とせず、真空から200気圧程度まで幅広い圧力範囲の測定が可能なことから、現在でも工業用途において多用されている圧力計です。

またブルドン管圧力計と同様の原理を利用した、ブルドン管温度計も広く工業用に用いられています。ブルドン管内に封入された液やガスの膨張・収縮を利用して温度を測定するため、指示部と感温部との距離を離すことが可能であり、高温域まで測定が可能、構造が簡単で故障が少ない、外部からのエネルギー供給が不要などの利点があります。

ブルドン管の原理

ブルドン管を圧力計として用いる場合には、曲げられたブルドン管を測定箇所に繋げることで、圧力が上昇すれば管が伸び、圧力が下降すれば管が曲がるという、管の曲率変化を圧力として検出しています。温度計として用いる場合には、管内にアルコールなどの液体を封入しておき、温度が高くなるとブルドン管が膨張することで液面が移動するため、この移動を温度として検出しています。必要な精度や測定範囲に応じてブルドン管の材質や厚みなどの条件を変化させることで、幅広い範囲の測定条件に対応することが可能です。

しかしブルドン管圧力計について、通常の構造では受圧媒体がブルドン管に接するため腐食性媒体では使用が困難であり、また振動条件下や圧の振幅がある条件下では、測定時に振幅が大きくなり、精度に問題がありました。これらの問題を解決するため、ブルドン管と受圧媒体の間にダイアフラムを設けた隔膜式圧力計や、振動・脈動条件でのブルドン管への影響を抑制するため圧力計内部にグリセリンを充填したグリセリン入圧力計なども用いられています。

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