ブリスター

ブリスターとは

ブリスター

ブリスターは、小さな製品を包装するための一種の包装資材です。

製品の形状に合わせた容器と、その開口部を覆う板材で構成される包装資材です。つまり、製品を形状に合わせた容器と板材で挟み込んで包装します。

容器は、一般的に硬く透明なプラスチックフィルムよりなり、開口部を塞ぐ板材は厚手の紙やプラスチックで作られ、内容物の情報や説明書などが印刷されています。ブリスターは、汚れやダメージから製品を守れるのがメリットです。また透明なプラスチックを使っており、製品の種類、色や形状などの確認も容易です。

ブリスターの使用用途

ブリスターは容器がプラスチックフィルムにより形成されており、様々な形状に加工できる包装資材です。そのため、多種多様な製品の包装に使用されています。例えば、以下のような製品の包装に使用されています。

1. 医薬品

ブリスターは、薬剤の包装によく使用されています。具体的には、錠剤やカプセル、点眼液、貼付剤などです。医薬品では、板材としてアルミニウムフィルムを使用するアルミブリスターがよく使用されます。ブリスターを使用すれば、薬剤を密閉し、外気や湿気から薬剤を保護可能です。

2. 日用品

日用品の包装にもブリスターは使用されています。電池や化粧品、スポンジ、糊や接着剤、ハサミなどが挙げられます。これらの日用品では、ブリスターを使用すれば消費者が包装を開封しなくても中身を確認できる点も大きなメリットです。

3. 食品

ブリスターは食品の包装にも向いています。チョコレートやガムおよびキャンディ、調味料、サプリメントなどが挙げられます。

5. 電子機器

ブリスターは電子機器の包装にも好適です。USBメモリやマイクロSDカード、モバイルバッテリー、イヤホンおよびコードなどが挙げられます。ブリスターを使用すれば電子機器を静電気から保護でき品質の劣化も防げます。

6. 玩具

ブリスターは玩具の包装にも使用されます。具体的には、ミニカーやプラモデル、フィギュア、トランプなどが挙げられます。

7. スポーツ用品

ブリスターはスポーツ用品の包装にも好適です。具体的には、ゴルフボール、卓球のラケットなどが挙げられます。

8. 自動車関連

自動車関連製品の包装にもブリスターは使用されています。具体的には、バルブやヒューズ、ワイパーゴム、スパークプラグなどが挙げられます。スパークプラグとは、自動車のエンジンを始動するために必要な部品です。点火プラグとも呼ばれます。

9. 精密機器

ブリスターは精密機器の包装にも好適です。具体的には、半導体や液晶ディスプレイ、センサーなどが挙げられます。

ブリスターの原理

この章では、ブリスターの原理を「ブリスターの構造と製造方法」「ブリスターの密閉方法」に分けて解説します。

1. ブリスターの構造と製造方法

ブリスターは製品の形状に合わせた容器と容器の開口部を閉じる板材よりなります。製品を容器内に入れて板材で開口部を閉じて製品を包装する構造です。

ブリスターを構成する容器は、プラスチックの熱可変性の特徴を生かし、熱したプラスチックシートを金型によって成型する真空成型で製作されます。真空成型では、製品の形状に合わせた金型を用意し、薄い板状にしたプラスチックを加熱します。なお、容器に使うプラスチックは、主にポリエチレンテレフタレート (PET) やポリスチレン (PS) です。プラスチックが十分に変形する温度に達したら、金型に付着させます。

次に、付着した内部を更に減圧して真空状態にして、プラスチックを金型に密着させ成型します。冷却してプラスチックを十分に固めた後、金型から取り外し余分なプラスチック部分を除けば容器の完成です。

2. ブリスターの密閉方法

ブリスターを密閉するには、製品の形に合わせた容器内に所定の製品を入れて開口部を板材で閉じます。板材は、厚手の紙やプラスチック板、プラスチックフィルムなどです。

この板材で容器の開口部を閉じる方法は様々です。台紙に直接圧着させる、嵌めあわせる、スライド方式で嵌めるなどの方法があります。開口部を閉じる方法に合わせて熱圧着や折り曲げなどの加工を加えて、包装が完成します。ブリスターでは、このようにして製品を包装するため、視認性が高いまま製品を保護する包装が可能です。

ブリスターの特徴

ブリスターは、製品を包装する際に安全性や衛生面にも配慮され、製品を保護する効果があるのが特徴です。外部からの汚れやダメージから製品を守り、製品の損傷や汚れを防止可能です。透明なプラスチックを使用すれば製品の色や形状などが見えるため、製品自体のアピール効果が高まります。開封されていないことを示すシールやマークをつけられるため、購入時に製品が未開封であることを確認しやすくなります。

ブリスターは、フックのついた形状やスタンドに立てられる形状などさまざまな形状で製造されており、店頭陳列や保管に便利です。また同じ製品をまとめて陳列する場合、ブリスターで包装されていると一目でどの製品かを確認できます。製品の内容物情報や注意書きなどを印刷でき、製品の特性や用途、取り扱い方法などを確認できます。

ブリスターの種類

ブリスターにはいくつもの種類があります。例えば、以下のような種類があります。

1. 熱圧着型ブリスター

熱圧着型ブリスターは、一体成型されたプラスチック製の容器とその開口部に台紙を熱圧着して封じた製品です。形状によって様々な用途に対応したブリスターがあります。例えば乾電池などの包装用に使われています。

この熱圧着型ブリスターには、板材としてアルミニウムフィルムを使用するアルミブリスターもあり、薬品、化粧品、食品、医療機器などの包装に好適です。アルミニウムフィルムが使用されるため、製品を空気や湿気から保護して外部の環境から影響を受けにくいのがメリットです。またアルミニウムフィルムは、耐久性が高く、開封後の保存にも適しているため、製品の品質維持にも役立ちます。

2. スライドブリスター

スライドブリスターは、プラスチック製の容器の上部に板材がスライド可能なレールを作成しプラスチック製の板材をスライドさせて、ブリスターの容器内部に入っている製品を出し入れできる形式のブリスターです。再度製品を保存する際に、再度蓋を閉じるだけで簡単に密閉できます。ヘッドフォンなどの包装で使用されます。

3. シェルパックタイプ

シェルパックタイプは、立体的に製品を包装するタイプのブリスターです。板材は使用しません。前面と背面ともにブリスターの容器で構成し、前後のブリスターの容器を嵌めこむ形にします。製品の前面と背面を容器で包み込むため、立体的に包装可能です。

前面と背面の両面が透明であり、全体が製品形状に沿った包装であるため、中身見せたい場合や立体物の保護をしたい場合に適しています。

4. エコブリスター

エコブリスターは環境に配慮したブリスターです。通常のブリスターと比較して、プラスチックの使用量を削減するなど、エコロジーな素材や設計が採用されています。

具体的な材料は、再生プラスチックやバイオプラスチック、紙製品などを利用したエコブリスターです。また製造過程での二酸化炭素排出量を減らすことや廃棄物の削減を促すことなど、環境に配慮した取り組みが行われています。

5. シート状ブリスター

シート状ブリスターは、製品が入るように凹ませた部分があるブリスターの一種で薬の包装などにも使われます。

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