チューブ継手

チューブ継手とは

チューブ継手

チューブ継手 (英: Tube Fitting) とは、チューブ同士やチューブと機器・部品・装置などの接続に使用するパーツです。

ジョイント・コネクターと呼ばれる場合もあります。「パイプ」は「チューブ」の類義語として使われ、どちらも円筒形 (一部矩形も含む) で中空の管を示しています。パイプは一般的に、金属製の円筒形の管を示しますが、それに対してチューブは、金属・樹脂・ゴム・ガラス製などの円筒または矩形の管を示す場合が多いです。

なお、継手は配管同士を接続する際に使うパーツを示します。チューブ継手には、用途や形状 (エルボ、T字型、Y字型) 、素材 (樹脂、金属など) 、サイズが異なるさまざまな商品が展開されています。

チューブ継手の使用用途

チューブ継手は、一般産業、研究開発、公共施設、一般家庭などあらゆる場所で使用されています。空気・ガス・水・蒸気・薬品・油などの流体を移送するのが目的です。

チューブ継手は、チューブを接続する以外に、チューブの分岐 (合流) 、サイズ (外径) が異なるチューブ同士もしくはチューブと機器などの接続に使用します。耐高・低温性、耐腐食性に優れたもの、耐真空や耐高圧用のチューブ継手もあります。

チューブ継手は、チューブ内の流体の種類や圧力を考慮し、用途に適合した仕様を選定することが大切です。仕様が適合していないと、流体の漏洩やチューブが外れることがあるためです。

チューブ継手の原理

チューブと継手の接続方法は何通りかあり、「チューブの保持力」と「シール性」が重要になります。チューブを保持し固定する代表的な方法として、下記の2通りが挙げられます。

1. 機械式固定

チューブ継手_図1

図1. くい込み継手 (1)

機械式固定の方法として、くい込み継手 (締め込み継手) があります。フェルールやスリーブと呼ばれるリング状のパーツをチューブ外側にはめ込む方法です。継手のナットを締め込み、スリーブを変形させ、もしくはフェルルールを押し込み、チューブに食い込ませます。その結果、チューブとスリーブもしくはフェルルールが密着しシール性を確保します。

チューブ継手_図2

図2. くい込み継手 (2)

くい込み継手は、主に銅管鋼管などの金属管に用いられることが多いです。しかし、樹脂チューブに使用する場合はチューブが潰れるのを防ぐために、インサートリングを挿入して使用する必要があります。

2. ワンタッチ式固定

チューブ継手_図3

図3. ワンタッチ継手 (1)

ワンタッチ式固定は、樹脂製チューブを接続する継手の代表例で、ワンタッチ継手と呼ばれています。ワンタッチ継手とは、チューブを継手に差し込むだけで容易に接続・取り外しができる継手です。継手内側にはOリングと抜け止め用の金具が内蔵されており、チューブと継手の間はパッキンやOリングでシールされます。

チューブ継手_図4

図4. ワンタッチ継手 (2)

チューブは抜け止め用の金具によって固定され、外すときは差し込み口にある開放用ブッシュを押し込んでロックを解除します。手軽に使用できる継手ですが、高圧の流体やチューブに負荷がかかる使用方法では漏洩や破損する可能性があります。

チューブ継手の種類

チューブ継手_図5

図5. チューブ継手の種類 (1)

1. メールコネクター (ニップル)

片側はねじ、他方はチューブを接続する金具がついている継手です。ワンタッチで簡単にチューブが着脱できます。開放用ブッシュ  (リリースブッシュ) と呼ばれる部分を押し込むとチューブが外れます。

2. エルボ

チューブの配管を直角に曲げて接続する継手です。スイベル機構と呼ばれる、チューブの向きを自在に変更できるタイプのものもあります。

3. ユニオン

チューブ同士を接続するための継手です。チューブを延長させるときや、サイズが異なるチューブ同士を接続するときに使います。

チューブ継手_図6

図6. チューブ継手の種類 (2)

4. ブランチ

チューブ接続口の1方から2方向へ分岐するための継手です。

5. レデューサ

継手とチューブの間に差し込むことで、サイズが小さいチューブでも接続できるようにする部品です。

6. スピードコントローラー

チューブ継手_図7

図7. スピードコントローラーの流れ

流量調節を行える継手です。吐出側の流量をコントロールできるタイプ  (メーターアウトタイプ) と吸込側の流量をコントロールできるタイプ  (メーターインタイプ)  があります。

7. プラグ

チューブ継手の使用していない接続口を塞ぐために、継手に差し込み使用します。

チューブ継手のその他情報

1.チューブ継手の使い方

ワンタッチ継手は、空気用配管で樹脂チューブに用いるのが便利です。エアーシリンダーやアクチュエータなどの空圧機器を多数使用する場合、電磁弁ボックスを設けてマニホールド型のチューブ継手付き電磁弁で各機器への空気の開閉を行います。

継手にリークが発生すると空圧機器が正常に作動しなかったり、コンプレッサのエネルギーを損失したりする恐れがあるため、リークチェックを行うことが必要です。リークチェックは薄い石けん液を継目に塗布して検査し、泡の発生でリークを確認します。

チューブとの境目にリークがある場合は、ゴムパッキンやロック機構の劣化が考えられます。また、ねじ込み部分にリークがある場合はテフロンシールの巻き付け不良等が考えられるため、再度シールを巻きねじ込みが必要です。

2. チューブ継手の規格

チューブ継手の一部は、下記のJIS規格で仕様が規定されているものがあります。

JIS B8381 空気圧用継手-第1部:熱可塑性樹脂チューブ用プッシュイン継手

JIS適合品であればメーカーが異なる場合でも同じように使用することができます。一般に使用されているチューブ継手は、JIS規格などに規定されていない仕様のものが多いです。

しかし、適用されるチューブや取り付け用のねじなどは、各種規格が適用されているため、互換性があります。適用されるチューブ外径は、インチサイズとミリサイズの2種類です。

また、ねじ込み式チューブ継手のねじ部は、下記のような規格が適用されているため、チューブ外径と同様に互換性があります。

  • JIS B0202  管用平行ねじ (G)
  • JIS B0203  管用テーパねじ (R)
  • ANSI/ASME B1.20.1  Pipe Threads, General Purpose, Inch (NPS, NPT)

参考文献
https://www.haikanbuhin.com/blog/post-1560/
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/166/
https://www.haikanbuhin.com/blog/post-1560/#PP
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0101.html
https://www.pisco.co.jp/faq/cat/26/
https://kikakurui.com/b8/B8381-1-2008-01.html

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