モーションセンサーとは
モーションセンサーとは、対象物の動作を物理量として感知して信号出力する検出装置です。
主に人や動物に取り付けて使用されます。加速度センサーや角速度センサーを組み合わせて構成されます。
モーションセンサーの使用用途
モーションセンサーは民生品から産業機器まで幅広く使用されています。
以下に使用例を列挙します。
- 自動ドアや自動改札機
- スマートフォンやゲーム機コントローラー
- 自動蛇口や自動点滅照明
- 自動検温機
- ドローン
モーションセンサーによって非接触で人の動きを検知できるため、使用用途の幅も広く多岐にわたります。
モーションセンサーの原理
3次元空間の物体の動きは、3軸の加速度と角速度によって表現することが可能です。モーションセンサーはこの仕組みを利用して対象物の動きを検知します。主に使用されるのは加速度センサーと角速度センサーで、3軸に対してそれぞれ1つ以上使用します。
採用しているセンサーの方式や種類はセンサーそれぞれによって設計が異なります。全体的な動きを捉えるものや、近距離での細かい動きを捉えるものなど、様々な特性を持たせることができます。
非接触で生物を検知するモーションセンサーでは、主に放射温度センサーと光電センサーなどを使用します。人感センサーと呼ばれることもあり、温度変化を検出するものが主流です。
モーションセンサーのその他情報
1. モーションセンサーの市場動向
新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、モーションセンサーの市場規模は拡大中です。マーケティング会社の調査によると2019年度に57億ドルだった市場規模が、2025年度には約93億ドルへ成長すると予測されます。
モーションセンサー市場の大半は光電センサーが占めます。その中でもCCDやCOMSのイメージセンサーは車載カメラによる事故防止だけでなく、ドローンやロボットなどへの搭載により需要が伸びる可能性が高いです。
またIoT化が進む工場でも、モーションセンサーの導入が進められています。人の動きを測定することで自動化に向かない手作業工程を改善したり、製造途中の製品や部品を自動的に検査するシステムで活用されます。
2. モーションセンサーのセキュリティ
2017年、アメリカとイギリスの大学からモーションセンサーのセキュリティ問題が指摘されました。アメリカのミシガン州立大学は加速度センサーに対し、特定の音波を与えると誤動作することを指摘しました。公開された情報によれば、与える音波によっては故意に交通事故を引き起こせるようです。
また、イギリスのニューカッスル大学はスマートフォンのモーションセンサーから個人情報を抜き取られる可能性を指摘しました。文字入力でタップしたタイミングとスマートフォンの傾きから、パスワードやロック解除のPINを特定できるようです。
Webブラウザにモーションセンサーへのアクセス許可を与えると、悪質なサイトを訪問するだけでモーションセンサーの情報が盗まれる可能性があります。そのため、スマートフォン使用時は注意が必要です。
参考文献
https://developer.android.com/guide/topics/sensors/sensors_motion?hl=ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/42/1/42_1_48/_pdf
https://industrial.panasonic.com/jp/products-ac/built-in-sensors/recommend
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1704/26/news024.html
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1054983.html
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1049693.html